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有限会社アイネット(京都企業紹介)

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あなたの会社の「広報・企画宣伝部」

(掲載日:平成29年1月11日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

感性をキーワードに目標・目的を実現するための戦略と戦術。アイネットはトータルにプロデュースいたします
有限会社アイネット(京都市)の塚本代表取締役様にお話をおうかがいしました。

トータル・ワンストップの「広報・企画宣伝部」

—お仕事は、ずばり、コンサルタント業ということですか?

塚本) 一般に言われる「コンサルタント」とは違いまして、当社は、ひとことで言いますと、中小企業様のための「広報・企画宣伝部」です。

どういうことですか?

塚本) 企業の経営や事業展開に関する方向性としての「戦略」と、広報や販売に関する具体的な実行としての「戦術」、この2つの間をつなぐものです。例えば、ある一定の「戦略」に基づいて広報を行う際の「戦術」としての手段は、カタログ・パンフレット、ホームページ、ビデオ制作、パブリシティ、テレビ・ラジオなどのメディアCMなど様々ありますね。普通は、企業様において、パンフレットを製作・印刷してくれる業者さんに発注されたり、ホームページ業者さんに発注されたりしてらっしゃると思いますが、たいていの場合、依頼者側の企業様が相当程度企画をし、仕様を決めきった後の「作業」の外注、あるいは請負と言いましょうか、そういうレベルに留まっていると思います。しかし当社では、「戦略」に基づいて、そもそもどういった「戦術」をどのタイミングで採用し、どのように展開していくのかをトータルにプロデュースするとともに、「戦略」を練るところから実際の「戦術」の実行そのものまでワンストップで伴走サポートしています。

なるほど。

塚本) 結果として、ホームページのデザインやコンテンツの作成、出展すべき展示会の選択や展示会における名刺の渡し方の指導や管理の仕方のサポート、店舗のレイアウトや取引すべきターゲットの選択やコンタクトなど、様々なことをしています。企業様が出される年賀状なども文章づくりから全て代行しているケースもありますよ(笑)。ただ、いずれも「戦略」からしっかり練ることが欠かせません。ラジオにCMを流すに当たっても、どの時間帯にどういう人がどのくらいラジオを聴いているかなどを踏まえた上で、ターゲットとなる性別や年齢などにあわせて最適なCM枠を確保したり、海外向けのパンフレットでも、各国の風習・文化を踏まえた風合い、色合いを考慮して作っていったりするわけです。

 

どうして「広報・企画宣伝部」事業を始められたのですか?

塚本) 上場企業等には、こういった「広報・企画宣伝部」のようなセクションがあり、以前勤めていた会社で、医療、教育その他様々な業界の大手企業の広報・企画宣伝部様のお仕事をサポートしていたのです。こうしてノウハウを蓄積する中で、この活動を、町の中小企業さんにも落とし込んでいきたいと強く思うようになり、1984年に創業しました。

デザインへのこだわり

特に重点を置いてらっしゃることは何ですか?

塚本) 「デザイン」については、当社は特に重視していますね。企業様の思い、戦略を酌んで練り上げるというシーンが、今の世の中では、本当に少なくなったと思っています。

どういうことですか?

塚本) 例えば印刷物に関して言えば、私も一緒にお仕事をさせていただいていますが、デザインに関わる方々が「作業」に追われる状況なのです。昔は、ディレクター、デザイナー、コピーライターから、写植屋さん、版下貼込み屋さんなど多くの職種の方々が携わって印刷物が出来上がっていましたように、デザインに関わる方々が多くいらっしゃいました。しかし、20年ほど前でしょうか、Macintoshの登場で一変しましたね。DTP(卓上出版)が一般化し、デザインに関わってきた方の仕事が無くなり多くの方々が去っていきました。しかしデザインに関わる人たちが減ったものの、そのデザイン以外の作業部分もデザイナーがしなければならなくなり、その「作業」に追われることにより、企画を練り込んだ良いデザインが生まれにくい産業環境にあると思います。

なるほど。

塚本) 私自身は、先ほどの会社の前は金融機関に勤めていたのですが、もともとは芸術系の学校を卒業しています。ですので、出てきたデザインについてディレクターとしての評価ができ、お客様の目線に立った上でのデザイン指示ができるところが、私の強みだと思っています。挿絵等も自分で描くときがありますよ(笑)。

医療戦略支援の極意

様々な分野の企業を対象にサポートされてらっしゃいますが、特に気になるのが、御社の「医療戦略支援」です。これは珍しいですね。

塚本) 医療制度をベースとした病院経営のコンサルティング、医療コンサルティングといったことではありません。企業様の場合に、いかにお客様を捕まえ売上を伸ばすかということを最終目的に支援しているのと同様、医療機関様にも、いかに患者様に多く来ていただくかという支援です。この分野に特化した支援をされているところは、たしかに珍しいと思います。

 

どうしてでしょう?何が難しいのでしょう?

塚本) いろいろありますが、まず1つはやはり、医療法、薬機法などにより広告が制限されていたり、広報する際の言い回しに規制があったりと難しい問題があることです。CMで料金を提示して広告をするなどということもできないわけです。あるいは福祉施設においても、例えば訪問看護ステーションと訪問看護事業所、看護と介護の違いなど、業界以外の方はあまり知らないと思います。そうした制度的な部分をよく理解して、広告ではないけれどいかに周知を図るか、いかにターゲット層に的確に届くように広報するかというところが、当社の強みですね。

なるほど。

塚本) またもう1つは、例えば医療機関の場合、お医者さん、看護婦さん、経営陣、事務局など、立場、世界観が異なる方々が入り乱れてらっしゃるわけです。ですので、リーフレットを作ろうと思っても、それぞれのお立場で、全くと言っていいほど「見せたいこと」が異なるのです。写真撮影のために「治療の器具を持ってください」と言っても、事務の方々はご存じないということが、本当によくあるのです。そういった辺りも、当社がそれぞれのお立場の方々の思いも酌みながらも、「いかに患者様に来ていただくか」という目標に対して戦略的に組み立てて、最適な方法、戦術を実行するようにするわけです。

よく分かりました!今後の展望はいかがでしょう。

塚本) このように一風変わったサポート事業をしていますので、お客様も大変ユニークな企業様が多く、こちらも一緒に仕事をしていて楽しいです。日本では、こうした広報やプロデューサーに対してお金をかけるという風潮がまだまだ少ないのは事実です。私どもが活躍することで、企業様のビジネスがこんなによくなる、おもしろくなるということを、知らしめていければいいなと、そんな風に思いますね。

 

ますますのご活躍が大変楽しみです。

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