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株式会社Darma Tech Labs (京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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世界的にも珍しい「量産化試作」をサポートするファンド― 「MBC Shisaku ファンド」設立記者会見

(掲載日:平成29年3月7日 ものづくり振興課)

本日2017年3月7日(火曜)、Darma Tech Labs株式会社一般社団法人京都試作ネット、株式会社京都銀行による合同記者会見が行われ、日本の試作力をベースにしたベンチャー投資ファンド「MBC(Makers Boot Camp) Shisaku ファンド」の設立記者会見が行われました。

世界的企業にM&Aされ、自らの製品が広く世界に行き渡り、世の中を大きく変えていく―
そういったベンチャーの成功が世界中で起こっています。ただし、ベンチャー企業にとって、1個の試作品は作れても、ビジネスを立ち上げていくための「大きな壁」となるのが「量産化試作」。ものづくりのプロの世界で行われている、量産化を見越した設計開発を提供してきた京都試作ネットが、その量産化試作の壁を乗り越えるサポート。京都銀行もファンドへの出資をはじめ、メンタリングなど幅広くサポートされるとのこと。

こうした「量産化試作」段階に着目したファンドは世界的にも珍しく、今後10年間で40~50社の世界各地のベンチャーを育成すべく、更なる有限責任組合員も募集されます。

この取組を通じて、開発から量産化試作までの一連のSHISAKUを日本で行う、「Made in KYOTO JAPAN」を世界に発信です!

世界のスタートアップ×提案型試作=日本を世界の量産化試作拠点に

(掲載日:平成28年10月31日 ものづくり振興課)

 株式会社Darma Tech Labs(京都市)の牧野代表取締役様にお話をおうかがいしました。

国内外のハードウェア・スターチアップに試作ソリューションを提供

―まず、事業の概要を教えてください。

牧野) 世界中のハードウェア/IoTスタートアップは、生産・販売・マーケティング・資金調達・海外との連携などの様々な課題を抱えていますが、その中でも特に「試作」のソリューション提供を中心に活動しています。

―「試作」ですか。

牧野) ものづくりには、アイデア・企画、試作、量産化試作、量産化といった工程がありますが、その中でも私たちが支援するのは「試作」と「量産化試作」です。近年、3Dプリンタ等の普及やインターネットを利用した資金調達環境が整備されたこともあり、世界中でハードウェアスタートアップが数多く誕生していますが、資金調達に成功した企業の7割以上が量産化に苦労しているというデータもあり、「量産化試作」は1つの大きな壁になっています。仮に3Dプリンタ等を駆使して、1品試作はできたとしても、実際の量産品は、強度・性能含めて全然異なるわけで、実際のものづくりを分かっていないスタートアップだけでは乗り越えられない壁がいくつもあるわけです。そこで、量産化に向けて、様々な助言・提案をしながらサポートしてくれる最適なものづくり企業を選定し工程をマネジメントすることで、ソリューションとして提供するわけです。

Makers Boot Camp

―なるほど。

牧野) 京都には、試作の祖である「京都試作ネット」があります。京都が世界の「Shiaku」の都になることを目指し、2015年に彼らと共にハードウェアスタートアップの量産化試作を支援する「Makers Boot Camp」を立ち上げました。国内外のスタートアップ支援機関とコネクションを構築していき、その紹介で、国内外のスタートアップに京都に来てもらい、その間に、Meetupなど始めとする様々な機会を設けながら、試作ネットの企業様から助言・提案をいただきながら、量産化試作を行っていくという取り組みを進めています。

―これまで、どんな支援事例がありますか?

牧野) 資金調達に成功し、量産化・製品化までいった事例で言いますと、例えば、Coban株式会社の残額表示機能付きパスケース「nocoly(ノコリー)(外部リンク(外部リンク))」というものがあります。Suica、PASMO、 ICOCAなどのICカードの残額って、自動改札機等に通した際にしか分かりませんよね。そこで、挿入すれば残額を表示してくれるパスケースです。

 

ノコリーイメージ図

 

―他には?

牧野) 株式会社ハカルス(外部リンク)のHACARUAというサービスがあります。キッチンスケールに食材を置き、スマートフォンにその食材の名前を話せば、重さを量ると同時に栄養素とカロリーを表示してくれるのです。

―どういうことですか?

牧野) 食材ごとに決まった栄養成分表が定まっていますので、重さからスマートフォンが自動で計算してくれるわけです。それをクラウドに記録し、管理栄養士から食事指導が届いたりもします。また、食材ごとの栄養素だけでなく、食事メニューごとの栄養素も記録することが可能です。

―なるほど!

牧野) こちらも、京都試作ネットのメンバー企業様から、デザイン、基盤製作、組立をそれぞれのプロの企業様にサポートしてもらいました。それぞれが自分の専門領域に関して適切な助言をしてくださり、量産化できました。

 

日本を立て直したい― 信頼性と提案力で世界の「量産化試作」拠点に

―牧野さんのことは以前からよく存じてますが、この会社の設立は昨年8月でらっしゃいますね。起業された理由はなんでしょうか?

牧野) 以前から海外で仕事をする機会も多かったのですが、年々、日本の存在価値が下がっていくのがひしひしと感じられました。しかし、一方で、なんだかんだいっても、日本の「製造業」へのリスペクトも強く感じられました。私自身はものづくりをしているわけではありませんでしたが、海外にいると「日本のものづくり、どう?」というように問われる機会も多かったのです。そうしているうちに、「試作なら、日本は海外と戦えるんじゃないか」と思ったのです。大胆に言えば「日本を立て直したい」と思ったのです。

―素晴らしい。

牧野) それができるのは、中小企業しかないと思ったのです。日本の技術を支えているのは中小企業ですし、そんな中小企業の皆さんが、お金に苦労しながらお仕事をされてらっしゃる現状に納得がいかないと思ったのです。

―熱いですね!

牧野) 仮に「量産」は中国や東南アジアであったとしても、世界中のスタートアップ、企業から、その量産に行く前の「量産化試作拠点」は日本だ、というようなところまで持って行きたいのです。日本の製造業に新しいビジネスチャンスを構築することを目指しています。

―海外スタートアップは日本や京都の試作ネットに何を求めているのでしょうか?

牧野) まず「日本=信頼できるものづくり」ということです。模倣されるとかいった心配は、日本にはないという信頼性ですね。次に、「提案力」です。そもそもものづくりを知らないので、助言、提案をしてくれる、できるというのが日本の特長です。

―御社の今後の展開はいかがですか?

牧野) 例えば、こうした取り組みを加速させるため、ハードウェア/IoTスタートアップに投資する「Shisakuファンド」を作りたいと思っています。あるいは海外の主要都市等と連携して互いにスタートアップの交流を行おうといった動きもあります。そうしていずれ日本全体の試作企業様をつないで、日本全体の試作ネットワークを作りたいのです。

 

同社の素晴らしい活動、その今後の展開が楽しみですね!

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