ここから本文です。
知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(2023年7月7日更新、ものづくり振興課 足利)
京都の伝統工芸「西陣織」を未来へ残すプロジェクト(外部リンク)
(2023年5月25日、ものづくり振興課)
(2023年1月15日、ものづくり振興課)
大正時代、西陣で最初にジャガード機を導入した老舗・有限会社フクオカ機業(外部リンク)が、カーボンファイバー、再生ペット繊維、ガラス繊維などの特殊繊維素材織物に挑戦!
(2022年12月27日、ものづくり振興課 足利)
THE HOTEL HIGASHIYAMA(外部リンク)のロビーでひときわ存在感を発揮する、15mもの長さのガラス繊維織物。日本中を探して有限会社フクオカ機業(外部リンク)にしかできなかったもの。
ガラス故の独特の光沢と透明感が特徴。しかも触れても大丈夫ですし、色落ちなどの劣化もありません。このホテルが学校跡地に建てられた由縁で当時の学校の高尚もデザインに入っています。
THE HOTEL HIGASHIYAMA(外部リンク)のロビーには、粟田焼、京焼をはじめ多くの京都の伝統工芸品を楽しむことができます。
(2022年11月、ものづくり振興課)
西陣カーボン織シューズ |
(2022年11月10日、ものづくり振興課 足利・濱田)
有限会社フクオカ機業(外部リンク)(京都市)に、若手社員が入社されたと聞き、福岡社長と新入社員の髙橋佑京さんにお話をおうかがいしました。
--いつ入社されたのですか?
福岡)11月1日からです。私は「大阪の自宅から通ったらどう?」と言ったのですが、「いえ、中途半端になるのは嫌なので引っ越します」と言って、近くに引っ越してきたんです。
--募集されたのはなぜですか?
福岡)当社では炭素繊維や再生PET繊維など新規事業も進めていますし、仕事に対して織り手が足りていないんです。人材はもっともっと必要なんです。
--そうなんですね。では、髙橋さんにおうかがいします。
福岡)私、同席しない方がいいですよね・・・?
--あっ、そうですね!本音トークしたいので、社長はどっかに行っちゃってください(笑)
<福岡社長、退席>
--では、改めまして髙橋さんにおうかがいします。今、おいくつですか?
髙橋)23歳です。
--ぶっちゃけ職場の雰囲気、どうですか?
髙橋)正直、職人の世界のイメージとしては、いびりとかパワハラみたいなことがあるんじゃないかなというイメージもありましたが、皆さんにとても親切にしていただいています!
--本当ですか?!(笑)お仕事はどうですか?
髙橋)今はまだこちらでの仕事の全体像が見えてませんので、とにかく教えてもらうことを学んでいる状況ですが、本当に親切に教えていただいています。
--どうやら、気を遣ってのリップサービスではなく、本当みたいですね!(笑)
髙橋)ははは(笑)。それに、「織る」だけが仕事ではない点も魅力的です。織るための機械も自分たちでいじる必要があります。昨日も「杼」という横糸を通す機構の修理が必要になりましたが、この業界では、修理する職人も減っており、修理のための道具もありませんから、既存のいろんなものを再利用するなどして乗り越えていかねばなりません。
--大企業では会社の歯車のように感じてやりがいを見失う一方、中小企業では一人何役もこなさなければならないけれどやりがいがあるとおっしゃる方も多いです。とはいえ、大変じゃないですか?
髙橋)いえ、それが楽しくて仕方ありません。僕は、あまり起こりえないことが起こった方がおもしろいです。
--男前な性格ですね!どうしてフクオカ機業さんに入社されたのですか?
髙橋)まずは、もともと小さい頃から紙粘土や折り紙をはじめ、工作が好きでした。
--ふむ。
髙橋)そして、伝統産業に興味を持った最初は、アニメやマンガで出てくる「刀」です。小学校高学年の頃ですね。
--そうそう、刀に興味を持つのは、昔は「時代劇」の影響だったのに、今の若い人は「アニメ」「マンガ」の影響なんですよねえ。
髙橋)切れ味とか性能、機能だけでなく、美術的な側面もあります。実用性と意匠性を持ち合わせているのが魅力です。
--ふむ。
髙橋)高校は国際科に行きました。バスケットボールをやっていて、米国のNBAに興味があって、海外にも関心があったからです。
--ほう。
髙橋)高校卒業後、カナダに留学しました。バンクーバーやビクトリア島に住んで、興味がある観光の勉強をしていました。むちゃくちゃ楽しかったです。ただ、カナダで日本人が観光の仕事をしてもグリーンカード(永住権)が得られないので、帰国することにしたのです。
--そうなのですね。
髙橋)そして、アルバイトしながら、自分の将来をじっくり考えていたのです。今、ジャガード生地にはまっているのですが、洋服、特にそういった生地に興味があり、西陣織という和装、洋装の両方で優れた生地を作っておられ、しかも、デザインから携わることもでき、将来は同社の海外展開のために自分の海外経験も活かすことができると思い、フクオカ機業に応募したのです。
--むちゃむちゃ素晴らしい出会いじゃないですか!今後の夢についてはいかがでしょう?
髙橋)そうですね。自分が好きなもの、素晴らしいと思うものを作って、好きなやり方で世界に売っていくことができればいいなと思います。
--同世代の方や職人を目指す方に、何かメッセージをいただければ。
髙橋)自分は運良く好きなことをさせていただいています。やっぱり、好きなことに挑戦した方がいいと思います!
(2022年5月20日、ものづくり振興課 足利・足立・濵田)
有限会社フクオカ機業(外部リンク)(京都市)が、「引っ張り」に強い反面「折れ」に弱く加工が難しいカーボンファイバーでも複雑な文様を実現した「Nishijin Carbon」に続き、リサイクルペット繊維を織った新素材「Reperic(外部リンク)」を開発されました。
そして、新素材「Reperic」を用いて製品の展示会が、5月20日、世界遺産・二条城内の香雲亭にて開催されました。
例えば、トヨタ自動車様、エムケイ様のコラボ。
「Reperic」によるシート素材、クッションが出来上がりました。
「洗えるのもいいですね」とは、西脇知事。
着物はもちろん・・・
洋服も。
バッグももちろん・・・
シューズだってできています!
糸の色も様々染められます。
再生ペットボトル繊維。艶がありまるでシルクのよう。様々な用途開発を進めてくださる京都企業を募集しています!
(2022年1月11日、ものづくり振興課 足利・鴨井)
有限会社フクオカ機業(外部リンク)(京都市)の福岡裕典代表取締役にお話をおうかがいしました。
--早速ですが、御社の「Nishijin Carbon」、素敵ですね!
福岡)ホテルのインテリア材や鞄をはじめ、ゴルフシャフトや釣竿、自転車などのスポーツ業界にも採用され、更に大手自動車メーカーとの開発にも取り組んでいます。
--おお!現物を見ると、独特の光沢があって、とっても素敵です!!
福岡)意匠性はもちろんですが、カーボンファイバーは鉄の4分の1の比重で10倍の強度があると言われるように、軽くて強い上に、燃えないなど多くの優れた特性を持っています。
--そうした優れたカーボンファイバーだったら、他社も注目して織物にしているのでしょうね?
福岡)単純な平織り、綾織りくらいまでは、大手でもなさっているところがあるのですが、当社のような複雑な文様のものはないと思います。カーボンファイバーは、「引っ張り」に強い反面、「折れ」に弱く、加工が難しいのです。当社では、織る際のテンションの調整など研究を重ねてきたのです。
--素晴らしい。
福岡)また、カーボンファイバーは「すれ」にも弱いので、織られたままの状態では、織物の表面がすぐに毛羽だってしまうので、そのままでは製品としては使えません。そこで、カーボンファイバーとアラミド繊維を組み合わせているのです。
--アラミド繊維?
福岡)アクリル、ポリエステル、ナイロンのような合成繊維に位置づけられますが、重量は鋼材の約5分の1で、引張強度は約7倍というスーパー繊維です。タイヤの補強材、光ケーブルの補強材、プリント基板、防弾チョッキ、建設分野など幅広く用いられています。そして当社でも様々な製品化に成功しているのです。
--これまた、すごく素敵ですね!!
福岡)その他にも、色鮮やかな絹糸、ラメ糸、ガラス繊維などを組み合わせた、他では決して織れないデザインの開発を、お客様のご希望に沿って一緒に取り組ませていただいているのです。
--西陣織を作ってらっしゃるわけですよね。
福岡)そうです。ご存じのとおり、ここ「西陣」において製織された高級絹織物の総称を「西陣織」と呼び、和装の帯地や着物のほか、ネクタイやショール、インテリア用の織物も生産されています。フランスのリヨン、イタリアのミラノと並ぶ世界的な高級絹織物産地として名声を誇っています。当社はデザイン、糸染めから製織まで一貫制作しており、織物の完全オーダーメイドにも対応しています。
--そうなんですね。
福岡)一貫対応できるので、西陣織以外にも、こういった洋服や鞄、靴など何でも作っていますよ。
--おお!工場も、格好いいですね!
福岡)意匠図の作成から糸染、製織までの様子を当工房でご覧いただけます。
--これは、紋紙ですね。
福岡)作成した意匠図に基づき、経糸の上げ下げを指示するための穴を空けたものですね。紋紙が出来上がれば、ジャカード機にセットします。
--なるほど。
福岡)デジタルでデザインしたものは、フロッピーやSDカードをセットします。ちなみに、大正時代、ジャカード機を西陣で初めて導入したのは、弊社の初代当主・福岡金次郎です。
--そうなんですね!!緯糸を通す杼が勢いよく動いていて気持ちが良いですが、細かい作業ですね。
福岡)ジャカード織機にセットされた紋紙の指示により、経糸が上がり、上ったところに緯糸を1本ずつ、杼を使って手で通します。この作業を繰り返し、帯が出来上がります。この工程を「製織」と言います。
--いろんなノウハウが必要なのでしょうね。
福岡)「製織」の準備段階からそうですね。西陣織は先染めですから、デザインに応じて柄の色を決め、糸を染めます。そして、製織で扱いやすくするよう、経糸と緯糸を糸枠に巻き取ります。
--糸のテンションなど、様々配慮なさっているのですね。
福岡)はい。そして、経糸の準備をする工程を「整経」と言いまして、制作する織物によって4,000本から10,000本の糸を、大きなドラムに巻き取ります。巻き取りが終わればドラムの後方に設置した千切(ちきり)という木製の筒に、厚紙を挟みながら巻き取ります。その後、巻き取られた経糸を1本ずつ手作業で繋ぎ、機織機にセットします。
--ほう。
福岡)そして、緯糸として通す糸を竹の管に巻き、杼にセットし、先ほど「製織」の準備が整います。
--ペットボトルからリサイクルした糸の活用など、環境配慮の取組もなさっているとお聞きしました。いろいろ挑戦をなさっているのですね。
福岡)近年は西陣織を支える職人が減っていますが、当社では、様々なことに挑戦を続けており、みんな意欲的で、若い職人がベテランに積極的に教わり職人の育成がうまく進んでいます。初代当主が時代に先駆けて西陣にジャカード機を取り入れたように、これからも挑戦し続けます。
四代目当主・伝統工芸士の福岡裕典さんと、四代目女将・福岡斗紀子さん
現在も新プロジェクトが進行中です!
お問い合わせ