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株式会社伊と幸(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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人の心を惹きつける絹織物

(掲載日:令和5年2月24日 中小企業総合支援課 篠原・石井)

伊と幸

 

令和4年度中小企業優良企業表彰を授賞された株式会社伊と幸(外部リンク)(本社:京都市)にお話をおうかがいしました

繭から生糸・白生地までを統一ブランドとして生産 

-事業の概要を教えてください。

 昭和6年の創業以来、日本の絹による和装用白生地を製造卸販売しています。

 

-白生地の生糸の生産から管理をされているということですが、どういうことですか。

 国産の繭・生糸から作られる絹製品が、日本国内の流通量のわずか0.5%未満ともいわれる中にあって、私どもは、日本国内の優良JA養蚕農家と契約することで、純国産の高品質を保っています。

       桑園・養蚕農家で大切に育まれた繭

 -統一ブランドについて教えてください。

代表ブランド「松岡姫」は、日本初の繭から生糸・白生地までの統一商標として平成8年からスタートしました。また、「松岡姫」と並び江戸時代からの日本固有の優良蚕種「又昔」を復元し、現代に蘇らせた蚕種「上州絹星」も「松岡姫」同様、当社を代表するブランドです。

松岡姫(繭)・松岡姫(生糸)・松岡姫(白生地)

 

-オリジナル商品の注文もお願いできるそうですが、技術力がすごいですね。

私どもの社名「伊と幸」は、日本画家でもあった創業者「伊藤幸治郎」に因んでいます。今も、伊と幸の白生地に織り込まれた地紋様は、日本画を習熟した社内の図案家が描いています。その技術力を活かし、お客様のご要望に沿ったご注文も承っております。

       日本画を習熟した図案家が描く・白生地に織り込まれた地紋様

伝統と新たな素材の融合「絹ガラス」 

-絹の美しさを活かしたアイテムを展開しておられますが、どのようなものですか。

従来の和装用の白生地だけではなく、これまで培った感性や絹の伝統美を、空間にも転用した「絹ガラス」を平成24年から手がけています。

光が透過する絹の経緯が織りなす模様が、ガラスと組み合わさることで、やわらかく、そして優雅な空間を演出します。間仕切りやテーブルトップなど高級ホテルやマンションのほか福祉施設でも採用されています。

暈し染めと金彩による絹ガラス・福祉施設ダイニングの間仕切りとして・ホテルロビーのシャンデリア(絹障子)

 

-和装とは異なる分野にも絹の美しさが活きてますね。

絹の機能性や審美性を活かした、暮らしに身近な製品としてもご提案しています。透扇子やクチュール絹マスク、日傘、シルクニット腹巻き、輪奈ビロードの絹手袋など、天然繊維の絹を身近に感じていただけるものも開発しています。

薄物の絹織物を扇面に使った「透扇子」・飾り扇「OIKAZE」・絞り染めを施した正絹素材の絹日傘

SDGsと共に 

-絹は環境に優しいとのことですが、どういったことでしょうか。

絹は、生分解性があり、使用後はやがて土に還ります。地球環境に負荷をかけないことから、シルク産業が持続可能な社会を実現するSDGsの達成に貢献すると考えています。天然原料のみで洗濯耐性を備えたシルク糸「姫+」も新たに開発し、新分野の展開にも挑戦しています。

また、古くなった着物のアップサイクル手法の一つとして、着物の一部をガラスの中に挟み、合わせガラスとすることで、想いの詰まった着物をテーブル天板へと形を変えて、生活空間の中で家具として生かす取組みもご提案しております。

       洗えるシルク糸「姫+」(ヒメプラス)・着物をテーブルにアップサイクル

絹を通じた未来への歩み

-絹を通した今後の展開を教えてください。

着物やインテリアのみならず、生活シーンのあらゆる場面において絹の機能性、審美性を活かした活動を行い、地場産業の振興、伝統を守り伝える職人技術の継承、絹産業の未来創造につなげていきます。

絹の白生地資料館(本社ビル併設)・絹ガラスショールーム(本社ビル併設)・絹のワークショップを開催

お問い合わせ

商工労働観光部中小企業総合支援課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

chusyokigyo@pref.kyoto.lg.jp