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株式会社界グラフィックス(京都企業紹介)

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京都発、世界を見据えたゲームグラフィック制作

(令和3年1月4日、ものづくり振興課 足利、丸山)

玄関ホール玄関

株式会社界グラフィックス(外部リンク)(京都市下京区)の白波瀬代表取締役にお話をおうかがいしました。

ゲームグラフィック制作を縁の下で支えるニッチ企業

--まずは御社の概要を教えてください。

白波瀬)1998年設立、現在22名体制で、ゲームグラフィック制作を主に行っています。

--ゲームのグラフィック制作に特化されている企業というのは珍しいですね。

白波瀬)そうですね。特化している会社は少ないと思います。ゲームには、企画、グラフィック、プログラム、音楽など様々な要素があります。その中でグラフィックは、ユーザーに見られた時に、一瞬で「楽しそう!」と思ってもらわないといけない重要な要素の一つなのです。

社内

--なるほど。

白波瀬)そこで、当社ではグラフィックの中でも3Dグラフィックを中心に手掛けており、大人向けゲームであれば、リアリティの追求が重要なケースが多いですし、子ども向けゲームであれば、リアリティよりもコミカルさが重要であったりと、さまざまな状況に応じて対応しています。

--アニメなどの映像との違いは、「楽しそう!」ということ以外に、どういったことになりますか?

白波瀬)そうですねえ。アニメ等では、やはり「映像のクオリティ」等が重要なのだろうと思いますが、ゲームでは、ユーザーが用いるハードや通信環境も様々ですから、「クオリティ」だけでなく「データの軽さ」も必要ですし、ゲームとしてのバランスが重要ですね。

--御社ホームページによれば、皆さんがご存じの錚々たる大手ゲーム会社がクライアントなのですね。

白波瀬)もちろんクライアントご自身でもグラフィック制作はされていますが、20年以上の実績を積み重ねてきた当社を信頼いただいており、数多くのタイトルのグラフィック制作を任せてただいてまいりました。アーケードゲーム、コンシューマーゲームも多く手掛けてきていますが、特に近年のスマホのゲームアプリは、大量にリリースされ、生き残りも厳しい業界ですから、大手ゲーム会社も内製化だけでは制作が追いつかないため、依頼が一層多くなっていますね。

--こうした縁の下で支えるニッチな企業って、まさしく京都らしい、安定するビジネスモデルですね。トーセさんとも似ている。

白波瀬)同じ京都ということもありトーセ様には大変お世話になっております。もともと、私も学校卒業後、長年、フライヤー等の印刷を軸としたグラフィックデザインの仕事をしていました。そんな中で、これからは3Dグラフィックの時代だろうということに気づき、これに特化した会社を立ち上げたのです。トーセ様には立ち上げ当初から大変お世話になっており、弊社にとってもとても大きな目標でもあります。

--20年前であれば、まだ3Dグラフィックは珍しかったのではないですか?

白波瀬)そうですね。珍しかったですね。そうした黎明期からの積み重ねが当社の強みですね。

少数精鋭部隊

--ゲームグラフィック制作には、やはり社員さんの能力がキモになってくるのでしょうか?

白波瀬)はい。スタッフが宝です。

スタッフの面々

--必要な資質はなんですか?

白波瀬)そうですね、一言で言うならばセンスということになりますが、それには様々なタイプがあります。その前に、一言でグラフィックと言っても、キャラクターデザイン、モーション、UI、背景など様々ですし、その工程も0(ゼロ)からデザインする、量産するなど様々です。それに先ほど申したように、リアルさを追求するケースもあれば、コミカルさを追求するケースもあります。

--なるほど。

白波瀬)ですので、センスと言っても、クライアントの要求するイメージを元に、効率よく作る能力が必要なケースもあれば、先ほど申した、一瞬で「楽しそう!」と思ってもらえる絵を、こだわって、時間をかけてでも生み出す能力が必要なケースなど、様々です。

--なるほど!

白波瀬)そうした個性を大切にしています。少人数でコミュニケーションを良く取りながら一緒に成長していこうと考えています。

コミュニケーション

--まさしく京都らしい考えですし、少数精鋭部隊ですね。

白波瀬)自らなかなか言いにくいですが(笑)、まあ、そういう制作スタイルが理想ですね。優秀な人材なら、新卒採用やキャリア採用などにも拘わらず積極的に採用はしていきたいです。

--大手ではどうしても分担作業化が進んでおり、同じ作業を行うことが多くなってしまいますが、その点、いいですよね。

白波瀬)そうですね。様々なクライアントの、様々なタイプの仕事をいただけておりますので、当社では幅広い作業を経験することができると思います。

新しい働き方

--社員食堂がとても人気だそうですね。

白波瀬)ありがとうございます。おかげ様でスタッフにも評判ですし、福利厚生の一環で半額は会社負担なので、とても安く食べることができます。しかし、今はコロナで9割方がリモートワークなので・・・。

社員食堂

--そうなのですか?!

白波瀬)2020年4月に入社した新入社員は、3日しか会社に来ていません。

--なんと!

白波瀬)リモートだと、コミュニケーションがとりにくいなどのデメリットはあるのですが、一方で、メリットも見えてきました。例えば、これまでですと、スタッフに教えるために、先輩スタッフのデスク周りに後輩スタッフ数名がゴチャゴチャすることもありましたが、リモートだと、先輩のPC画面を皆が自宅でも共有でき、それぞれが画面に描き込んで受け答えすることもできます。

--なるほど。指導が逆に効率化するケースがあるわけですね。

白波瀬)もちろん、ゲームの開発機など、特殊な機材は会社にしかありませんので、それが必要な場合は会社に来ますが、会社とリモートの二拠点ワークなど、新しい働き方を生み出していくことになると思っています。

--そうなのですね!

白波瀬)年末の仕事納めの日には、社内にいるスタッフは会社で大掃除をしつつ、リモートワークの社員には、PC掃除キットを発送しました。

--ほう!

白波瀬)ほかにも、新人歓迎会をオンラインで行ったりハロウィンの時期にはお菓子をスタッフに送ったり、季節に合わせてスタッフどうしでコミュニケーションのきっかけや会社とのつながりを感じてもらえるよう、出来る事から少しずつ新しいことを始めていたりもします。

--いいですね。ところで御社名の「界」とは?

白波瀬)「世界」の「界」です。世界に通じるグラフィックの仕事をしていこうという理念ですね。

--いいですね!では、最後に今後の展望はいかがでしょうか。

白波瀬)これまで縁の下の力持ちとして、グラフィック制作に特化してきたところですが、社員がこうして揃ってきた中で、彼らの中には「自社オリジナルのゲームを創りたい」という思いもあります。そうしたことから、これからの目標としては、自社オリジナルゲームなども目標にしていきたいですね!

 

 

--ますます楽しみです!

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