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株式会社毛戸製作所 (京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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精密板金業界の構造を変えるシェアリング

(令和2年2月25日、ものづくり振興課 足利)

株式会社毛戸製作所(京都市南区)の毛戸健嗣代表取締役社長に、「『企業連携』講演と交流のつどい2020」(令和2年2月21日開催、(公財)京都産業21主催)にて、「中小企業共同型ものづくり事業(シェアリング事業) 」における取り組みについて、ご披露いただきました。

毛戸社長 毛戸社長の信条

「何か新しいことを・・・」「どうしたら面白くなるんだろう・・・」と常に考えているという毛戸さん。

板金業は工程が多く、みんな、企業の規模にかかわらず1社でCAD、CAM、ネスティングから、ブランク、タップ/リーマ、曲げ、溶接と一貫対応して大変な思いをされている。こうした実情を前に、毛戸さんは「工程が多くて大変ならへらして特化すればいいんぢゃね?」と。

そこで新しい取り組みとして考えられたのが、CAD割付とネスティングをオールインワンで行う自動機、ブランクとタップ/リーマをオールインワンで行う自動機を自ら導入し、同業者から「これら低付加価値の仕事を受ける」という逆転の発想に基づくものでした。

シェアリングの仕組み

さらにユニークなのは、同業者である板金業者さんからの「仕事の受け方」、つまり、板金業者さんの「仕事の発注の仕方」です。

現状は、各板金業者さんは材料業者さんに電話、FAX、メールで材料発注をして、材料を保管して、加工するということなので、材料業者さんも連絡対応に追われてらっしゃるそう。こうした実態を前に、「なんでネット通販のように簡単に発注できないのかなあ」と。

そこで、材料業者さんと板金業者さんの間に入って、毛戸製作所が「切る」「曲げる」などの中間工程の加工を引き受ける、しかも、インターネットで簡単発注可能。その名も「切る」から発想した名称「Katana」。そんな仕組みを現在構築中だとのこと。

 

これが実現すれば、たいそうな設備がなくとも、CADや溶接職人などの新規創業者の創出にもつながり得るなど、夢は膨らみます!!

 

オリジナル工程管理術「まとめ最適」による航空機部品板金加工

(掲載日:平成28年7月7日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

航空品質マネジメントシステム「JIS Q 9100:2016」認証取得企業、2012年11月よりベトナム板金事業部活動中

 株式会社毛戸製作所(京都市南区)の毛戸取締役・統括部長樣にお話をおうかがいしました。

B737のラバトリー部品のシェア7割― 西日本の板金業者初のJIS Q 9100認証

まず、事業の概要を教えてください。

毛戸) 繊維機械、航空機、食品機械、医療用機器、半導体の洗浄槽や検査装置などに使用される板金部品や筐体を製造しています。板金には建築板金、工場板金(フレームや大物加工をする製缶、カバーや小物加工をする精密板金、電装BOXや制御箱を得意とする制御盤屋)、自動車板金がありますが、当社は工場板金の精密板金に該当します。航空機に関しては、胴体部品、主翼部品のほか、ラバトリー(トイレ)部品を製造しており、ボーイング737のラバトリー部品の7~8割が当社製です。

冷却タンク・フタの写真 出来上がったフレームの写真
左)冷却タンク・フタ 右)フレーム

―すごいですね!きっかけは何だったのですか?

毛戸) 同じ京都の旭金属工業様から、大手が困っており、安心して取引できる先を探しているのでやってみないか、細かい作業ができるのは毛戸だ、とお声掛けいただいたのです。私の父である社長は、義理人情肌であり、細かな配慮で背景などをイメージできる人間ですので、誰かが困っているのであれば一丁引き受けてやろう、ということになったのです。

航空機ラバトリー板金製品の写真 航空機座席用バッゲージバー、フレームパイプの写真
左)航空機ラバトリー板金製品 右)航空機座席用バッゲージバー、フレームパイプ

繊維機械や試作対応などで鍛えてきた実績に白羽の矢

―しかし、白羽の矢が立つためには、それなりの理由があるわけですよね。御社には工場板金特級技能士保有者など技術の高い方々がいらっしゃいますね。

毛戸) 以前から「試作開発」案件に積極的に取り組んできました。また、複雑な繊維機械の図面からなんとかカタチにしてきた経験・実績がありましたし、他の板金屋さんが嫌がられて断られたようなスペックの依頼が、最後に当社に辿り着くといった会社でしたので、そういうところを見ていただいていたのだと思います。

―航空機の難しさは、いろいろあると存じますが、一つ挙げるとすれば、どういったことがありますか?

毛戸) 「技術」というより、とにかく「品質」です。ばらつきがダメ、不具合が入っていることが徹底的に嫌われます。良い品質、均一な品質のものをずっと作り続けられることが重要です。だから、「美への追求」じゃありませんが、品質を追求する強い思いを持った「職人気質」の人でないと難しいです。「ちょっとくらいいいか」というような妥協を一切しない人、選択の場面では絶対に間違いがない方を選ぶ人、穴が空くほど何度も何度も検査できる人でないとできません。発案型の人よりも、こつこつと、細かい配慮ができる人の方がふさわしく、発案型の社長は「自分は無理」と、私に任せました(笑)。

人間行動学的な見地も交え― オリジナルの工程改善術「まとめ最適」

―同じことを続けるというのが、すごく難しいというのが伝わってきます。

毛戸) 「人」は感情や体調により、常に同じではありません。「機械」も季節によって、温度によって常に同じではありません。例えば冬であれば、ストーブを置く位置などにも細かな配慮をしていますし、微妙に置く場所を変えたりもします。こういうことまでしているところはなかなかないと思います。

―すごいですね。しかし、「機械」については対処できても、「人」の感情や体調はどうしようもないでしょ?!

毛戸) 策はあるのですよ。逆に「感情を表せ」と言っているのです。作業をしていて、おかしいなと気が付いたことがあれば、絶対に黙って見過ごさず、前工程に対して厳しく指摘せよと言っているのです。そして、後工程には、やさしく気配りをせよと言っています。

―なるほど。

毛戸) これを進めていくと、やがて問題点がどんどん前工程に集約されてきます。そうして集約された問題を、例えば設備を変えるとかして、まとめて一発で改善するのです。いわゆる「全体最適」でも「部分最適」でもなく、「まとめ最適」と名付けています!

溶接の様子写真

参入は簡単、継続は困難

―素晴らしい!もし、航空機産業への参入をお考えの企業様にアドバイスをするとすれば?

毛戸) 「参入は簡単、継続が困難」ということでしょうか。

―今後の展望はいかがでしょうか。

毛戸) 航空機産業は、軽量化、それに伴う低燃費化、その他技術革新などが進められ、将来は自動車産業以上に発展していくものだと思います。全世界的には。しかし、日本はというと安泰ではありません。円、ドル、ユーロとありまして、航空機メーカーは、アメリカ、ヨーロッパがメインであり、ドルやユーロですね。つまり、円相場を考えれば、発注者側と受注者側が対立構造になりやすい構図なのです。ドルを扱っている東南アジア等の方が有利なわけです。

―なるほど。

毛戸) これに打ち勝っていくためには、まず1つは、自社の関係でいえば、私自身はむちゃくちゃいろいろ考えているつもりですが、もっと必要です。工場長を育てて、「考える」ウェイトをもっと高めたいです。2つ目としては、「京都航空宇宙産業ネットワーク(愛称:KAIN)」、これを大事にしたいですね。

 

今後予想を超える展開を生み出していかれるのでしょうね。楽しみです!

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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