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スフェラーパワー株式会社(京都企業紹介)

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球状太陽電池の性能測定方法がJIS化されました!

(掲載日:令和5年6月22日 ものづくり振興課 藤田)

 スフェラーパワー株式会社(外部リンク)が開発する球状太陽電池は全方位から受光できるため、直射光に加えて反射光や散乱光なども取り込むことができるという特徴があります。

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 しかしながら、従来のJIS規格(平面状の太陽電池の性能測定)では、一方向からの光による発電量しか評価できず、球状太陽電池の性能を十分に評価できないといった課題がありました。

 そこで、今回制定されたJISC8947「球状太陽電池セルのⅠ-Ⅴ特性測定方法 」では、積分球を使って、全方位から光を当てることで、球状太陽電池が持つ真の発電性能の測定が可能になりました。

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  球状太陽電池の新市場の形成に向けて、今後の展開が楽しみです!

世界初、三次元受光を可能にした球状太陽電池「スフェラー」

(掲載日:平成28年5月24日、更新:平成29年1月16日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

  

 スフェラーパワー株式会社(外部リンク)の井本代表取締役社長にお話をおうかがいしました。

世界初の三次元受光「球状」太陽電池― 積算発電量と設計・設置の自由度アップ

太陽電池「スフェラー」とはどんなものですか?

井本) 通常の平らな太陽電池と異なり、光を受ける面が球のカタチをした太陽電池です。一粒が1-2mm程度の大きさをしています。当社が分社化される前の京セミ株式会社が世界に先駆けて発明し、独自開発いたしました。

 

―どういうことでしょうか?

井本) 自然界では光の当たり方は一定ではありません。太陽は常に移動していますし、ガラスや水面で反射する光や雲の中で散乱する光もあります。「あらゆる光を効率よく採り込むにはどうしたらよいか?」ということを追求して到達したのが「球」だったわけです。

―なるほど。製品の優位性はどういうことでしょうか?

井本) 球状にしたことに伴う優位性としては、まず、平板型に比べて光を受け取ることのできる角度が広いため、安定して多くの光を採り込むことができ、一日を通した発電量(積算発電量)が増えるのです。曇りの日や高緯度地域でも高いパフォーマンスを発揮します。そしてまた、屋根でなくても壁面など様々なところに適用できるなど、設計・設置にも自由度が生まれます。

 

一粒ごとに「独立」― 部分日陰にも強い、世界オンリーワンのシースルー太陽電池

―他にはどんな優位性があるのですか?

井本) 球は一粒一粒独立して発電しています。この球を直列・並列に接続させてモジュールを作っており、そのことに伴う優位性としては、まず、部分日陰があっても高いパフォーマンスが維持できます。従来型の場合は、樹木や電信柱、積雪や汚れで少しでも日陰になると出力が落ちる傾向があります。次に、球が独立させて隙間を設けられますので、モジュール全体として、シースルーにできたり、カーブ上に曲げたりすることができます。

―すごいですね。

井本) 球構造、独立構造により、ビルのガラス壁面や高速道路の防音壁面など、透明な部材の中に、しっかり発電できる太陽電池を一体化し、発電所に変えてしまうことができるのです。

 

スフェラーランタン、スフェラースティック

―おしゃれなアイテムも開発されてますね。

井本) ランタンやペンライトなどがございます。ランタンは、太陽電池は光を記録=記憶する」という発想をもとに開発しました。砂時計のかたちをモチーフ。昼間、光を浴びて蓄電した分のエネルギーを、夜、上下ひっくり返して使います。

  

京セミ― トップシェアを誇る光ファイバーパワーモニター、自動販売機用紙幣識別デバイス

―さて、御社は京セミ株式会社の事業部門として分社化されましたね。(注※平成29年1月現在では、完全独立)

井本) 京セミ株式会社は、光通信用デバイス、光センシング用デバイスの中で、高性能をはじめとするお客様の様々な要求を満たす製品を開発しています。

―めずらしいですね。具体的にはどんなものを開発されていますか。

井本) まず、光通信用デバイスについては、トップクラスのシェアを有する光ファイバーのパワーモニターや高速度フォトダイオード分野に注力しています。主に幹線・メトロポリタンネットワークにおいて使用されおり、データセンターや高速通信等、韓国、台湾、中国やアメリカを中心に需要の増加が見込まれる分野です。次に、光センシング用デバイスは、自動販売機等で使われる紙幣識別機や、ロータリーエンコーダ用デバイスに強みを持っており、さらにITS(高度道路情報システム)用途へと市場を拡大するとともに、画像処理、監視カメラ、植物育成用光源、殺菌・滅菌やガス分析などの新たな用途開拓にも注力しています。

 

 

今後の展開がますます楽しみですね。

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商工労働観光部産業振興課

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