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LILY LACE INTERNATIONAL CO.,LTD(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業等を紹介するページです。

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和装の地「西陣」でレース製造を営む異端児

(掲載日:令和3年1月22日、聞き手・文:ものづくり振興課 岩橋)

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令和2年度「知恵の経営」認証企業、LILY LACE INTERNATIONAL CO.,LTD(外部リンク)(京都市上京区)の西村代表取締役様にお話をお伺いしました。
(認証企業紹介チラシはこちら

「レースと言えばLILY LACE」

―まずは、御社の概要を教えてください。

西村)弊社は1966年に創業し、和装の地「西陣」でレースの企画・製造・販売を行う事業者です。元々は副資材の卸業務から始まりましたが、中国企業等の市場参入により激しい価格競争に晒されることとなったことから、その中でも高い利益率を誇っていた下着用のストレッチレースの企画・製造・販売にシフトしました。現在は、女性向けに特化し、糸の選定から柄の企画を行い、レース生地の企画・製造・販売とレースを活用した服飾製品の販売を行っています。

そうなのですね。そもそもレースとはどういうものなのでしょうか

西村)レースとは、糸を撚り合わせたり、編んだり、生地に刺繍したりして透かし模様を表したものを言います。一般的に広く目にされるものとして、ウエディングドレスや女性用下着、婦人服などに使用されているケースが多いかと思います。また、レースの中にもさまざまな種類があり、弊社は鎖編み目を綴り、同時に飾り糸を表面に絡ませて模様を現したラッシェルレース、デザイン自体が生地に織り込まれたジャガードレース、柄糸を地組織に編み込まず、両端のみで止めることによって柄糸を浮かせた落下板レース、伸縮性のある糸で編まれたストレッチレースなどを主に取り扱っており、それらを組み合わせた製品開発なども行っています。このような製品開発を通じて、「レースと言えばLILY LACE」と言っていただけるように取り組んでいます。

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製品開発例(左:レースの着物、右:レースマスク)

外注先約200社との協業により、オリジナルのものづくりを展開

―いいですね。製品の企画・製造はどのように行われているのですか。

西村)外注先約200社と連携して、企画・製造を行っています。具体的には、常日頃から弊社の各営業がアパレル企業等から要望をお聞きし、それらを踏まえて、毎週月曜日に企画会議を行っています。その会議を踏まえて、弊社で糸の選定、デザイン・柄の企画を行い、糸の仕入先からニッター(編み立て業者)、染色工場、箔・プリーツ加工など特殊な後加工を行う加工工場等の外注先の選定・発注を行い、外注先との協業により、ものづくりを行っています。これら外注先とは、密なやりとり、情報交換・共有を行っているほか、弊社のものづくりへの協力の感謝と考え方の共有を行うための文書作成・配付を毎年行っています。このような外注先との密な連携により、「糸×柄×色の組み合わせ×後加工」の掛け合わせで、世の中にはない、つい触ってしまいたくなるようなオリジナルのものづくりを意識して、事業に取り組んでおります。

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―なるほど。生地のサンプル数も非常に多いですよね。

西村)約3,000種類ほどのサンプルを常備しており、お客様からいただいた要望に沿うもの、また、近しいものは、レースであればどのようなものであってもある程度すぐに提供できるようになっています。現在は、コロナ禍で対面営業等が難しくなっている中、サンプルを見てもらいながらの説明が難しいため、当社の柄の検索システムの無料開放を始めました。これにより、当社がファイリングしているアーカイブで、お客様が好きな時間にいつでも見ていただけることができるようになったほか、それを見て御要望いただければ、サンプル送付も行っており、オンラインとリアルを組み合わせて対応しています。

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サンプル(左:サンプル一部、右:和紙を織り込んだレースサンプル)

WITH・POSTコロナ時代を見据えて、西陣地域で連携・協働

―いいですね。WITH・POSTコロナ時代を見据えて、他にも新たな取り組みを始められましたね。

西村)西陣地域の各企業と連携して「ぶらり西陣物語」というサイトを立ち上げました。西陣地域の企業がアライアンスを組んで共同で情報発信し、国のGoToトラベルとも連携して京都・西陣にお越しの際に各企業が体験型のイベントを提供し、ファンになっていただくことを目指した取り組みです。
※現在、本事業は停止中。

―そうなのですね。

西村)本サイトの運営にあたっては、京都のコンテンツ企業の協力のもと、VRで同地域を見られるコンテンツ作りにも着手しており、VRコンテンツによるオンライン観光と、実際にそれを見てリアルに来られた人向けに同地域の観光案内を行うことで、ファン増加に向けてより効果的に取り組むことができればと考えております。

―企業間連携による素晴らしいお取り組みですね。「知恵の経営」にも取り組んでいただきましたが、きっかけは何だったのでしょうか。

西村)金融機関様や産業支援機関様、それから協力企業様等に自社の事業内容を話す機会がありますが、これが意外と難しいのです。特に私のような創業者ではない場合(西村社長は2代目)、余計に難しいかと思います。そのような中で、自社全体を整理したものがあればいいのではないかということで取り組ませていただきました。私自身、会社の歴史を振り返ることで勉強になりましたし、事業展開を考える上での頭の体操にもなりました。年初めに金融機関にあいさつ回りを行いましたが、非常にスムーズに自社の内容を説明することができ、取り組んでよかったと思っています。

―ありがとうございます。最後に今後の展望を教えてください。

西村)コロナを契機に消費者心理も徐々に変化してきていますが、その一つが「必要な服しか買わない」ということだと思います。「シーズンごとに新作を大量に作って売る」という従来のアパレル業界の慣習は消費者心理から徐々に乖離してきており、アパレル業界で当たり前であった大量生産・大量廃棄というビジネスモデルが変わってくるのではないかと考えております。弊社もこれを機により環境に配慮したものづくりを行っていきたいと考えており、例えば生地の切れ端が出ないようなデザインを行うなど、問題提起をしていきたいと考えています。コロナは私たちの生活を一変させましたが、従来の当たり前であった慣習を再構築できるいい機会でもあるとポジティブに捉え、会社の社訓である「変化+ing」の精神で新しいことにチャレンジしていきたいと考えております。

今後の展開が楽しみですね!

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

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