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株式会社monotone technology(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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ワイヤレスケミカルセンサシステム pHAI(ファイ)

(掲載日:令和元年8月2日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

pHAI

 株式会社monotone technology(外部リンク)(木津川市)の小島代表取締役社長にお話をおうかがいしました。

ワイヤレス!

―ケミカルセンサの分野では大変珍しいワイヤレスセンサシステム、遂に完成されたのですね!

小島) はい!デシケータ内、ドラフター内など密閉系でのpH測定であっても、ケーブルの配線を気にする必要はありません。

利用シーン

―町工場等でも「配線をどうするか」というのがIoT普及のネックの一つだと言われてますし、画期的ですね。

小島) そうですね。そして、センサと無線ユニットを一体化することで、前回も申しましたように、強力なスターラーや大型装置から発生する電磁波等の影響を受けずに安定した測定が可能です。

超高速応答!

―そうでしたね。

小島) しかも、低電導度水、アルコール混合水溶液、環境水など、従来安定に長時間要していた試料の測定に最適で、超高速応答します。

超高速応答

―この水道水測定の場合では、1秒?!というか瞬間的に、といった感じですね。

小島) 様々なサンプルでの測定においても、長くても5秒あれば安定しますね。

5秒で安定

維持管理も簡単!

―すごいですね。

小島) 測定のサンプリング周期も1秒(設定変更可能)ですが、無線方式にBLEを採用しており、コインリチウムイオン電池1個で、連続測定をした場合でも2、3か月もちますよ。電池交換も簡単ですし、センサ部だけの交換も可能です。

センサ部 電池交換

AI温度予測機能!

―良いじゃないですか!

小島) 今回、AI機能も搭載しています。センサの応答の大小に応じてスムージング処理を自動で切り替えたり、電池寿命を長くするためにセンサーの応答状況を判断して自動的に測定間隔を変えたりします。

スムージング処理 測定間隔変更

―なるほど。

小島) また、測定液の温度が変わればpHの値も変わるため、センサーには温度センサーを内蔵し、温度補償を行っているのですが、測定の状況によって、温度センサーの応答に時間がかかることがありますので、AI温度予測機能により、本来なら温度が安定するのに数分かかるような場合であっても、約1分で最終的な温度を予測し、その温度におけるpH値を迅速に表示するのです。

AI温度予測

―たしかに、普通に温度計でお湯の温度測ったりする場合、結構時間かかりますものね。しかし、なぜ、こういうAI機能が実現できたのですか?

小島) まず1つは、先ほど申しましたように、1秒ごとという、非常に細かく測定データを集めているということがあります。しかし、1分で予測するということは60秒、すなわち60個のデータしかAIのためには使えません。AIの計算のためのデータとしては少ないほうです。この少ないデータから最終的な温度を予測するためには膨大なデータを採取し、そのデータから60個のデータで予測できるように少し工夫をしています。もう1つは、当社独自のコピー技術があるからです。

―AIでコピー技術??

小島) 1つひとつの装置ごとに機差がありますから、さきほども申しましたように本来は、1台ごとに何百というデータを学習させねばなりません。その装置で学習させたデータはその装置でしか使えない場合がほとんどです。なので、大量生産には向かなくて、高価な装置にしか搭載することができません。この学習データを他の装置で使えるようにできると量産化が可能となります。これがコピー技術です。

―なるほど。AIは、現象の意味を理解してプログラムしているというより、極論すれば、単純に数字データ、数学的な整合で答を導く手法ですものね。そして、これもエッジAIと言ってもいいのかもしれませんが、1台ずつ独立したAIが搭載されているわけですものね。

小島) AIの計算は、BLEの無線を受けるタブレット、スマートフォン側で行います。グラフ表示はもちろん、位置データとも連動させて、測定場所も記録できます。

タブレット操作

安い!

―しかし、こんなに良いものだと、お値段は高い?

小島) いえ、既製品等に比べてもむしろ安いと思います。エントリー版では数万円、上級者向けでも10数万円です。

―ええ!!!ってちょっと、テレビ通販番組っぽいリアクションしてみました(笑) でもそれは素晴らしいですね。

小島) 長らく開発してきまして、なんとか、この価格まで辿り着くことができました。ぜひ、現場でお困りの多くの皆様に使っていただきたいですね。

 

 

素晴らしい製品が完成しました。ぜひご利用ください!

トピックス

 ワイヤレスケミカルセンサシステム「pHAI(ファイ)」が、商標登録されました!

(掲載日:令和元年7月2日 ものづくり振興課 土江)

同社が経営革新計画「ワイヤレスケミカルシステムの開発」の事業で開発された製品「pHAI(ファイ)」が商標登録されました。

登録商標(monotone technology) phAI

参考リンク

ワイアレスケミカルセンサシステム pHAI((株)monotone technologyホームページ)(外部リンク)

ワイヤレスケミカルセンサシステムの開発

(掲載日:平成30年2月1日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

平成29年経営革新企業・株式会社monotone technology(外部リンク)(木津川市)の小島代表取締役社長にお話をおうかがいしました。

業界初、ワイヤレスケミカルセンサシステムの開発

―今回、経営革新計画の承認を受けられましたね。どういったテーマなのですか?

小島) ワイヤレスケミカルセンサシステムの開発です。超小型の無線基板をケミカルセンサ本体に組み込み、PCに接続した小型受信機と、無線でのデータのやりとりを行うもので、PCでデータの表示・解析等の処理を行います。

―ケミカルセンサって何でございますか?

小島) ガス、液体中のイオンなど特定の化学物質を選択的に測定するもので、化学実験では必須とも言えますし、下水や工業排水においても頻繁に測定されていますね。液体中のイオンの測定であれば、pHのほか、Na(ナトリウム)、K(カリウム)・NO3-(硝酸)など多くの種類があります。Naは塩分(NaCl)の測定などに、汗などからNaとKを同時に測定することにより、高血圧の管理を行うこともできるんです。また、土壌中のNO3-を測定することで、肥料中の窒素の量に置き換えることもできます。ただ、ケミカルセンサは、物理センサと違って、センシングする部分が化学反応を利用するものですから、様々な化学反応にも耐えて長持ちさせるのが難しいので、製造しているのは世界でも僅かな企業に限られているのです。

―そうなのですね。そのワイヤレスバージョンということですが、どういうことでしょうか?

小島) 実はケミカルセンサは、センサと計器本体とがワイヤーで結ばれる形のものが多いのです。一部にはワイヤレスと言われるものもありますが、それも、ワイヤレスユニットとセンサとの間はワイヤーで結んでいます。これは従来と同じと言えば同じです。ケミカルセンサには高インピーダンス(直流であると高抵抗と同じ意味)のものが多くあります。高抵抗であると、外乱影響つまりノイズの影響を受けやすいのです。この、ノイズの影響に耐えるため、ワイヤー、プラグ、プリント基板にノイズ対策を施さなければならないのでコストも高いのです。

―そんな中、御社は・・・。

小島) はい。センサにより近いところでノイズ処理をしてしまおうと考え、センサと無線ユニットが一体化した、完全ワイヤレスのものを開発しようとしています。ケミカルセンサでは初めての試みです。

―どうしてこれまでなかったのでしょうか?

小島) そうですねえ、1つは、発想の問題かもしれません。私自身が元々実験屋で、ケミカルセンサのユーザーでもあったわけで、他の製品を開発するときに、しょっちゅう、使用していました。そのときにワイヤーがあることの不便さをよく感じていました。ユーザー目線での製品開発であるかというところでしょうか。もう1つは、技術面ですね。送信機のチップ自体は小さくできても、電源がどうしても大きくなってしまいます。これまでのBluetoothにしても、スマートフォンでもお分かりのとおり、電力の消費が激しいですよね。ところが、近年登場してきた省電力・省コストのBluetooth Low Energy(BLE)を活用することで、解決できると考えたのです。

これまでの測定の常識を変える

―なるほど。これにより、どんな良いことがあるのでしょうか?

小島) まず、従来の測定に比べて楽になります。化学測定の現場では、薬品等の臭いもあったりしますので、ドラフトチャンバーを使う、しかしpH計をドラフトチャンバーに持ち込むことはなかなかできないです。ドラフトチャンバー内でサンプリングして、測定はpH計を設置してある別の実験台で測定すると言ったケースも多々あります。測定するサンプルが少なければいいですが、私の場合だと、ドラフトチャンバーとpH計の設置してある実験台との間3mを1日100往復くらいしていたことがあります。その間には、他の実験台とかサイドキャビネットとか、他の実験設備とか床に這わせた配線を隠すモールなどの障害物があります。これらをすり抜けての移動ですが、やはり、何かに当たったり、けつまずいたこともあります。障害物競争のようですね。労働安全上もあまりよろしくないと思います。そのような状況では、当社が開発するワイヤレスシステムを用いれば、そうした危険性も手間なく、測定できますし、移動時間もなくなるので、作業性も向上します。

―良いですね。

小島) また、センサの応用範囲も広がります。例えば、分かりやすい例で言えば、観賞用熱帯魚などの水槽の水質管理では、通常、手動でケミカルセンサを水中に差し込んでチェックするのですが、センサを改良して連続測定可能とするとモニタリングすることができます。ワイヤレス化すると居間のソファーでくつろぎながら、スマホでモニターということも可能です。あるいは、植物工場では照度、温度、CO2を測定されていますが、工場内の一部で行われているのが通常です。これが、ワイヤレスで自動計測可能となれば、もっと工場内の各所で計測が可能となります。これに、肥料溶液の濃度測定も加えることができます。酪農牧場でも、牛1頭ずつにセンサタグをつけて管理したいという要望があります。更には、応用範囲も広くなります。電圧が生じるものであれば、何でもいいわけです。介護用ベッド、靴のインソールなど、様々可能性が広がります。

―素晴らしい。

小島) そして、これが私にとって本命ですが、分析が高度になります。例えば、肥料の3要素、窒素・リン酸・カリウムのうち、窒素センサこれは硝酸センサですが、カリウムセンサは開発されていますが、リン酸センサは開発されていません。しかし、本システムで様々な成分を測定し、そのデータから多変量計算法で解析することにより、リン酸の推定値を導くことが可能となります。

4回の発明表彰受賞者による「25年来のリベンジ」

―とても楽しみですね。小島さんは、どうしてアイデアが豊富なのでしょうか?

小島) この会社は平成28年に立ち上げたわけですが、それまでは、京都の著名な化学計測機器メーカーに勤めておりました。化学屋でありますから、分析手法を考えて、どんな機械がいいかを考えるわけですが、その設計はできませんから、自分でエレクトロニクス、ソフトウェア、メカを学んで仕様をかんがえていかねばならなかったのです。そうこうしているうちに、本業のソフトウェアさんができなかった技術を開発したこともありましたよ(笑)

―すごいですね。そういえば、近畿地方発明表彰京都支部長賞を含め、これまで京都府発明表彰を4回も受賞されていましたね!4回というのは未踏の領域です。

小島) 今回の構想は、実は、約25年前に試作をしたものの、うまくいかなかったものなのです。私にとっては25年来のリベンジですね。

―そうなのですか!それは是非とも果たしたいですね!ところで、会社名monotoneの由来は?

小島) monotoneとは白黒ですね。白か黒か、0か1か、すなわち、デジタルテクノロジー。ということですが、もう1つ理由がありまして、私の好きなバンドの楽曲から発想したのです。Technologyというのは付けたかったのですが、この単語が付いた社名はいっぱいあります。そんな中で、他にはない社名はないかということで、自分の好きな楽曲名から引用したのです。

―そうだったのですね!今後の展望はいかがでしょう。

小島) 共同で開発してくれる方々も揃ってきました。今年の夏頃の上市を目指して、開発を進めてまいります。

 

完成が楽しみですね!

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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