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有限会社日双工業 (京都企業紹介

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未来をつくる“4次元加工”

(掲載日:平成28年10月3日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

 

 平成25年度元気印企業・有限会社日双工業(宇治市)の西田裕子代表取締役様にお話をおうかがいしました。

他社が敬遠することでも「できる方法」を提案

―まず、事業の概要を教えてください。

西田) 社員13名で切削加工、ワイヤ放電加工による試作開発、部品加工、治具設計製造を行っています。材料の金属に基本的に制限はなく、図面もなくてもOKです。

―ズバリ、御社の特長、差別化要素はどういった点でしょうか?

西田) 他社ではちょっと敬遠されるような条件であっても、できる方法を提案していく「姿勢」であり、「総合力」です。例えば「材料」は、今申しましたように様々なものに対応します。「図面」に関して言えば、最近多い依頼がリバースエンジニアリングでして、「昔の機械で図面がない」ものとか元々図面がないものだとか、例えばバラの花のようなものも3Dスキャナを使って読み取り、対応します。

 

まるで“お客様コールセンター”

―なるほど。

西田) 「納期」ももちろん短いです。そのため、いつも、2週間先以降の仕事が入っていません。普通で考えれば恐ろしい話かもしれませんが、それくらい短納期の仕事がどんどん入ってまいります。また、見積もりにおいても、依頼のあった当日に提出するようにしています。「品質」についても、お客様に満足いただいていると思います。当社の売上割合のうち、試作開発依頼が約1割で、残りは小ロットの部品加工のご依頼です。おかげさまで、売上もお客様数も伸びています。

―素晴らしいですね。

西田) 当社の「営業」は、外回りをするということがほとんどなく、ほぼ社内にいて、お問い合わせに対応しています。ありがたいことにその対応だけで仕事が回っているということでもありますし、お客様からも「困ったときに電話したらすぐに対応してくれるので助かる」と評価いただいています。

―まるで「お客様コールセンター」のようですね。

西田) そうですね。更にこれからは、お客様のお悩みが解決に繋がるご提案のできるコンシェルジュを目指していきたいと思っています。

 

世に先駆けて取り組んだ3次元のノウハウと現在の社員育成

―こうした「姿勢」「総合力」を身に付けられている背景を教えてください。

西田) まず1つは、3次元形状ものに長年取り組んできた経験、ノウハウがあるということです。もともと京都市東山区で創業し、当初は100%島津製作所様の装置部品のお仕事をさせていただいておりました。そして主人が会社に入り、今から約30年前、他に先駆けてマシニングセンタ、3次元CAD/CAMを導入し、自動車や家電関連のお仕事で金型のキャビコア成形などを手掛けました。当時としては珍しかったので、データ作成サービスだけの依頼もかなりありました。

  

―まさに、文字通り「長年の」ノウハウですね。森精機「切削加工ドリームコンテスト」でも何度も金賞を受賞されてましたよね。

西田) ありがとうございます。第1回、第2回の金賞をはじめ、最近も様々な賞を頂戴しており、常に技術力の向上を図っています。このことも関連するわけですが、2点目としては、常に社員が研鑽を図れる社内体制を意識しています。金型を手掛けていた頃は、売上がメインの数社に偏っていましたが、「京都試作ネット(外部リンク)」に参画していたこともあり、リーマンショックを契機に金型から機械部品加工全般にシフトし、100社以上に分散化させました。逆に言えば、様々なニーズに応えていかなければなりません。

  

―そうですよね。

西田) 当社では、社員が作りたいものは作ってよいことにしています。例えば、新居を構える友人向けの「表札」、個人の趣味では、釣りのリールのハンドル部分やギターのピックなどを作った子もいました。仕事は大変ですが、少しでもこういうことで自分の技量アップを、ものづくりを愉しんでくれればと思っています。

―それは、人に自慢できますし、技術の「見える化」「見せる化」であり、意欲・技術の向上にも効果的ですよね。

西田) はい。2年前に入社した社員は、休みの日に来てデータ作成や機械を操作して、オリジナルの製品を作ってくれました。今年、新入社員を2名採用しましたが、1人は社員の友人です。日頃から当社の話を聞いていて、3次元のものづくりにトライしたいと言ってきてくれました。2人とも、先輩たちに教わりながら頑張ってくれていますし、今後に期待しています。

 

―チームワークも良いのですね。何より社員の方が会社のことを良く思ってくださっているのは、素晴らしいことですね。社内コンテストのようなことはしないのですか?

西田) 実は今年から「社内加工コンテスト」を始めます。まさにこの9月から1年間が応募期間です。実は、以前に、同じ図面を元にみんなで加工をしてみました。そうすると、やはり完成までの時間も、仕上がりも差が出ます。少量多品種対応ですので、それぞれの技術ノウハウの共有化は一つの課題ですし、こうしたコンテストで更に互いに高めあっていく環境を作っていこうということです。

「創造企画部」

―さて、2年前に立ち上げられたという「創造企画部」とは何ですか?

西田) 「造る」の前に存在する「創る」について、お客様と共に考えたり、私たちなりの提案をするとか、顕在化していない、潜在的な課題の探求も含め、「未来に繋がるモノ創り」を目指すものです。特定の技術課題を解決する「技術部」でもなく、テーマに沿って技術的要件を揃えていく「開発部」でもなく、融合や連携により、既知と既知を結び付け創造していくのが「創造企画部」です。

―それは、御社得意の「3次元」に、納期、価格、経験などを「プラスワン」する、「未来をつくる4次元加工」という御社のコンセプトを更に強固なものにする取り組みですね。この間の実績はいかがですか?

西田) 例えば、「開創器」を補助する治具を作りました。椎間板ヘルニアなど脊椎の手術の際、術野(手術に必要な範囲、視野等)を確保するために、助手の方が開創器を手で持って扱われるわけですが、顕微鏡を覗いている執刀医のほしい角度を得にくかったり、長時間手にもっていると疲れて固定されにくかったりということで、何とかならないかと相談がありました。そこで、当社で基本構想を考え、医療現場の方々とのやりとりを重ねて、助手の方の手をフリーにする治具を創りました。

―素晴らしい。他には?

西田) 下肢リンパ浮腫という病気で脚が膨れあがる患者さんは、締め付けの強い医療用のストッキングを履かれるのですが、圧力の強いストッキングのため、履き難さがあるとのことで、ある学校法人が作られた試作機の改良も進めていますし、細胞シートを均一な大きさに切断するためのカッターの試作開発なども手掛けました。ちなみに、宇治市商工会議所のご当地キャラ「おうじちゃま」を3Dデータで何かできないかと、提案を考えていたりもしますよ。

―最後に、今後の展望はいかがでしょう。

西田) まず、「拡大」ではなく「伸びていく」会社、「信頼してもらえる」会社を目指したいですね。そして、中小企業の共通する課題だと思いますが、社員の確保、そして今いる社員のためにも、当社の名前を知ってもらいたいですね。そのために、自社製品を作りたいですね。子供たちに「ものづくり」の面白さを体験してもらう教材として企画制作した、ロボット力士「コロマロ君」の名前も知ってもらいたいですね!(笑)

 

コロマロ君の知名度とともに、同社のますますの発展が楽しみです!

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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