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株式会社レボインターナショナル(京都企業紹介)

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バイオディーゼル燃料「C-FUEL」

(掲載日:平成28年9月8日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

株式会社レボインターナショナル(外部リンク)(本社:京都市)総務部特命業務課の上森様と、業務部次長の立田様にお話をおうかがいしました。

国内シェアトップのバイオディーゼル燃料

まず、事業の概要を教えてください。

上森) バイオディーゼル燃料「C-FUEL」等を製造・販売しており、国内シェアトップです。バイオディーゼル燃料とは、飲食店や家庭などから回収した使用済み天ぷら油(植物油)にメタノールを加えて、化学反応(エステル交換反応)によってグリセリンを取り除いて精製した軽油の代替燃料で、粘性や引火点を低くし、ディーゼル車等で利用されています。

 

―「C-FUEL」の品質面の特長を教えてください。たしか何年か前に、この燃料で「ダカールラリー」を完走されましたよね。

上森) 2007年ですね。そもそも、原料である食用油は使用済みのものであるため性状が不安定ですので、高い品質を維持して安定して精製するには多くのノウハウが必要です。品質や価格に大変厳しい自動車燃料に利用していただけるよう、1995年の設立当初から技術開発を重ね、生み出しました。この燃料化技術をベースに、日本初の品質規格「京都スタンダード」が制定され、その後制定されたJIS規格の基礎となりました。もちろん規格を満たしています。

―「エコ」の点ではどうでしょう。

上森) 「C-FUEL」(B100)を軽油の代わりに使用すると、1リットルあたり約2.58kgの二酸化炭素排出削減(カーボンニュートラル)、ぜんそく等の健康被害の原因とされる排ガス中の黒煙が3分の1~6分の1軽減といった効果があるほか、酸性雨などの原因となるSOx(硫黄酸化物)はほとんど排出されません。また、使用済み食用油からほぼ同量のC-FUELを製造できるため、資源の少ない日本では貴重なエネルギー資源と言えます。

売上の8割は欧州

―バイオディーゼル燃料の国内トップシェアということですが、競合はやはりむしろ軽油ですか?

立田) そういうことです。バイオディーゼル燃料は使用済みの食用油を回収する分のコストがかかりますし、業務用に軽油を大量購入されてらっしゃるケースなどは、提携契約で安く購入されてらっしゃいましょうし、「エコ」とは言っても、常に軽油との競争があります。原油価格が低めで推移する時期は、なかなか厳しいわけです。

―軽油に慣れている方にバイオディーゼル燃料にシフトしてもらうことだけでも「壁」がありますよね。

立田) そうなのです。ですので、100%バイオディーゼル燃料の「C-FUEL」のほか、軽油にC-FUELを5%混合したプレミアム軽油「CF-5」等のラインナップを揃えています。

―業界としての難しさもあるのでしょうね。

上森) 例えばディーゼル車の排ガス浄化装置など、エコの観点で次々と新しい規制が生まれてきます。エコを追求している我々としては、当然それに対応すべく技術開発をしていくわけです。

―欧州など海外事情はどうですか?

立田) 欧州は世界のバイオディーゼル燃料需要の半分を占めており、当社も売上の8割は欧州です。ディーゼル車が普及している上に、「バイオ燃料指令」があり、自動車の燃料に使う軽油にはバイオディーゼル燃料を5~7%混合することが義務づけられています。実は、日本にも5%混合の法律は有りますが「義務化」されていませんので普及の後押しとはなっていません。さらに混合したバイオディーゼル燃料にも軽油税が課せられるため価格も高くなってしまいます。このため、国内の自動車用燃料としてバイオディーゼル燃料の普及がなかなか進まないので需要のある欧州へ輸出しているわけです。しかし、せっかく国内の貴重な資源をリサイクルした「国産バイオ燃料」ですので国内で有効に利用されることを望んでおります。

 

食用油1リットルから、ほぼ1リットルの「C-FUEL」が誕生

―いろいろ業界事情があるのですね。さて、製造から販売までされてらっしゃる訳ですが、どういう工程でしょうか。簡単に教えてください。

上森) まずは、原料である使用済み食用油の回収からです。一般家庭からの回収は、自治体事業での取組のほか、提携しているスーパー等に設置した回収ボックスに、ペットボトルごと入れていただく形です。そして大半を占めるのが、飲食店等からの回収です。

―「引き取る側」の御社がお金を払って回収されているのですよね。よく廃棄物等の場合は「出す側」がお金を払いますが。

上森) 当社は、使用済み食用油回収の「後発組」ですからということもありますし、バイオディーゼル燃料として生まれ変わらせるということもあり、「廃棄物(ゴミ)」としてではなく、「有価物(資源)」として引き取っています。よって「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」は不要です。

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―なるほど。

上森) それを全国4カ所にある集積拠点に集め、国内最大の日量生産30,000リットルの自社燃料化施設でC-FUELへとリサイクルします。お引き取りした使用済み食用油1リットルから、ほぼ1リットルの「C-FUEL」が製造できまして、無駄の少ない非常に効率の良いリサイクルなのです。

 

―素晴らしいですね。

上森) そして、当社社員が専用のタンクローリー等で事業者様に供給しています。また、京都本社をはじめ供給スタンドの設置を始めています。

  

農機、建機から、福祉車両、発電まで、様々なシーンで!

―さて、最後に今後の展望はいかがでしょう。

上森) 1つは、技術開発ですね。新たな精製方法の開発やコストダウンを図っていきたいです。もう1つは、使用シーンの拡大ですね。例えば、トラクター、コンバインなどの農機、ブルドーザー、ショベルカーなどの建機、福祉自動車やコミュニティバス等、ステージ照明や音響等のバイオディーゼル発電機等です。行政さんの公用車等でもどんどんお使いいただければと期待しています!(笑)

   

 

「エコ」な世の中を創る同社。今後の発展がますます楽しみですね。

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