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有限会社スマイルケア (京都企業紹介)

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京都品質QOL向上支援新商品サービス提供企業群

加工技術を強みに福祉機器のレンタルから施工を一貫サポート

(掲載日:平成29年9月13日、聞き手・文:ものづくり振興課 倉橋)

有限会社スマイルケア(外部リンク)(長岡京市)の荒井代表取締役様にお話をお伺いしました。

金属加工業から医療・福祉業に転身

まずは御社の概要を教えてください。

荒井) 当社は、荒井鉄工所として1966年に祖父が創業し、1992年に知人からの要望で入浴介助用のリフトの開発・販売を行ったことを契機に、福祉・介護業界に参入しました。さらに、2000年の介護保険制度の施行にあわせて福祉・介護用品のレンタル・販売を始め、現在では取り扱うアイテムも200種以上となり、当社の中核事業として展開しています。

鉄工所から福祉・介護業界に事業転換ですか!何か具体的なきっかけがあったのですか?

荒井) あるとき、祖父のところに脳梗塞の後遺症により、入浴に困っていた友人の家族様から、入浴を支援し易いようなリフトを作れないか、との相談がありました。そこで、父が金属加工の技術に基づいてリフトを試作提供したところ、大変ご満足頂けたことから、同じように困っておられる方々にもお使い頂きたいと想い、販売を開始しました。
 すると、想定を超える反響があり、鉄工所の技術が福祉・介護業界でも活かせるという感触を得たことから、事業として本格的に参入することにしました。その後は、リフトの製造・販売と並行して、壊れた車椅子の修理対応するサービスを展開することで、短期間での修理を望むお客様のニーズを掴み、口コミなどで受注が順調に増加し、スムーズに金属加工業から福祉・介護業界への事業転換に成功しました。

現在では福祉・介護用品のレンタル・販売が御社の主要な事業に成長されたということですが、どのような点がポイントでしょうか?

荒井) 現在、福祉・介護用品のレンタル・販売サービスが、当社の売上の9割以上を占めるほどに成長しましたが、その要因として、介護保険制度のスタートに合わせて、いち早くサービスの提供を始めたことが挙げられます。先行者としてのポジションを得たことや、本拠地である長岡京市を拠点として、地域に密着した営業活動を行ってきたことが事業拡大のポイントになっているものと思います。ちなみに、レンタル事業は初期投資も大きいことや減価償却を終えるまで利益を生まないことから、新規参入にあたり一定の資金的な余力が必要になるなど、新規参入が難しいと言われています。当社については、先ほど説明した車椅子の修理サービスが大変な人気を博したことから、サービスを開始する段階で資金的に比較的余裕を持って取り組むことができたことが幸いしました。

レンタル商品だからこそ「新品」のクオリティを

御社ではメーカーの作った商品をお客様にレンタルされるわけですが、同業他社との差別化は難しくないですか?

荒井) そうですね。レンタル事業は既製品をお客様にお貸しするものですので、何もしなければ単純な価格勝負となる危険性があります。そういった中で、他社との差別化を考える必要があるのですが、当社が鉄工所を祖業とすることが強みになっています。

どういうことですか?

荒井)一般的に、他社では商品がレンタル先から返却された場合、手元での滞留期間をなるべく少なくするために、クリーナーでの拭き上げや洗浄を行う程度に留めて、再度レンタルに回すことが多いのです。これでは、どうしても取り切れない汚れや変形などが残ってしまうこととなります。一方、当社では、レンタルから帰ってきた商品については、分解清掃等を含めて新品同様にまでメンテナンスすることを心掛けております。さらに、溶接や塗装ができる人材を確保している為、お客様の要望に応じた形状変更といったカスタマイズも自社で対応しています。ちょっとした汚れやキズなども気になるお客様もおられますので、当社のように新品同様の状態でお貸しできることが、他社との最大の差別化ポイントになっています。ちなみに、当社は自前の塗装ブースも保有しており、一般的な鈑金工場と同レベルの塗装環境を備えています。

御社のメンテナンスに掛ける本気度が伝わってきますね。前身となる鉄工所から医療・福祉分野に事業展開をされてから、ほぼ20年程度が経過しますが、現在でも溶接や塗装が出来る人材が在籍していらっしゃるのでしょうか?

荒井)溶接や塗装などの技術人材については、おおよそ5名程度を維持することを目安に、人材育成に継続的に取り組んできました。全くの初心者であっても機材の使い方などを含めて最初から教育することで、数年程度で一通りの技能を習得してもらっています。

階段昇降機を更なる成長エンジンに

階段昇降機のレンタルサービスの展開を進めておられますね。

荒井) そうなんです。階段昇降機のレンタルサービスについては、当社の今後を担う成長事業として力を入れております。階段昇降機は、昇降機本体に加えてレールなどの附帯設備の施工にかなりのノウハウが必要となるほか、ライバルとなる事業者も少ないことから、当社が強みとする加工技術が大きなアドバンテージになると考え、レンタルサービスを開始しました。当社のレンタルサービスの一番の特長は、商品の選択から施工、アフターメンテナンスまで一貫対応していることにあり、このように網羅的なサービスを提供しているのは当社だけです。

階段昇降機と言えば大きな施設などを想像しますが、お客様はどのような方なのでしょうか?

荒井) 現在、当社では約60機種を取り扱っており、年間80台程度を設置していますが、お客様の9割以上が在宅介護をされているお宅などです。今のところ、会社の役員様など比較的経済的に余裕があるお客様が多いというのが実情ではありますが、施設などの受け入れが逼迫する中、自宅であっても安全・快適に介護を受けたいというニーズは徐々に拡がっており、今後の取り組みの中で一般のご家庭にも普及させていきたいと考えています。

階段昇降機の施工にはノウハウが必要とのことですが、どのような点が難しいのでしょうか?

荒井) やはり、昇降機の肝となるレールを、固定位置を踏まえつつ、それぞれのお客様の階段に合わせた形で採寸するノウハウが最も重要となります。特に、一般家庭は限られた面積の土地の中で階層を得るために、階段の形状が屈曲しているところがほとんどですので、直線的な階段が多い施設に比べて難易度は高くなります。そのような中、当社では建築士の資格を持った従業員が、家屋の構造をきちんと理解した上で、ミリ単位で計測してメーカーにレールをオーダーし、お客様に階段昇降機を快適かつ安全にお使いいただけるサービスを提供しています。

なるほど。

荒井) また、様々な介護事情を持ったお客様に応じた適切な機種を提供するために、60機種の階段昇降機をラインナップしていますが、それぞれに特性や施工方法が異なるため、仕様の相違や適性などを総合的に調整できる人材を、時間を掛けて育成する必要があるという点も、他社様が当社を真似することが難しい点なのかもしれません。

福祉用具のホームセンターを目指して

今後の展開についてはいかがでしょうか?

荒井) 介護保険制度では費用の9割が保険で保証されており、事業としての安定性を見込むことが出来るのですが、社会保障に関する支出が増大する中で、将来的な事業リスクとして保険による補填割合の縮小の可能性も考えられます。そうなった場合、当然現在の福祉業界全体で淘汰が進むことが考えられます。そのような将来的な事業リスクに備えるためにも、介護保険制度に頼り過ぎない事業モデルの確立に向けて今から取り組みを進めていく必要性を強く感じています。これまでのレンタル事業において培ったノウハウを活かした新たな事業展開を行うため、従来の成功体験に縛られずに新しいことに挑戦していきたいと考えています。また、現在は長岡京市を中心に事業を行っていますが、順次拠点の拡大を進め、多種多様な商品を取り扱うことで日常の生活を支えているホームセンターのように、地域にかかわらず高品質な福祉サービスが提供出来る体制を構築していきたいと考えています。 

独自の展望を持って事業展開を図る同社のこれからの発展がますます楽しみです。 

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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