ここから本文です。
知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(掲載日:平成28年5月18日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)
須河車体株式会社(外部リンク)の経営企画室 須河貴之チームリーダーにお話をおうかがいしました。
―ボトルカーのシェアNo1でらっしゃいますね。どういった経過ですか?
須河) 1930年代、「日本三大西洋鍛冶」の一人に選ばれるほどの腕利き職人であった当社創業者が、京都初の国産トラック専門工場として、トラックボディーの架装を始めました。やがて、スピーカーやステージを備えた広告宣伝車ブームで広告宣伝車の受注が増え、そして、日本に進出をしてきた世界的飲料の爆発的普及などにより、清涼飲料水運搬車(通称:ボトルカー)が主力製品となりました。
―「トラック(自動車)」というと、大量生産のイメージがありますが。
須河) ひとことでボトルカーと言いましても、取り扱われる商品(飲料)ごとに、全て細かく仕様が異なります。お客様の要望に応じて、きめ細かく設計・提案をしていく必要があるのです。
―なるほど。製品面での工夫はどういったものですか?
須河) 例えば、扉の開閉ハンドル。飲料の配送作業はスピードが重要で、扉の開閉や荷物の積み降ろしの作業ロスを極力まで減らすべく、確実に指にかかり、大きな力をかけなくても扉を開閉することができるよう工夫しています。あるいは、棚板。配送中の振動や積載されている飲料が遠心力によって、商品が外側に飛び出してしまう恐れがありますから、荷物が中心に集まるよう、棚板に微妙な傾斜を設けることで、常に整理されている状態を保ちながら配送することができます。また、寒冷地で使用されるボトルカーは道路の凍結防止材でボデーが錆び易くなってしまうので、それを防止するための塗装を施す、などというようなこともあります。
―メタル加工では、世界的建機メーカーなどのニーズに応えてらっしゃいますね。
須河) 400t級の大型のプレス機5台、1500トン油圧プレス、そしてCO²溶接、TIG溶接、抵抗溶接、STUD溶接、アルミ溶接などの様々な溶接にも対応している珍しい会社でして、少量多品種や様々な大型成型に対応しています。そして、「建機」についても、そのイメージとは裏腹に、外観ひとつとっても大変厳しい品質要求があり、それに応えています。
―今後の展開はどういったものでしょうか?
須河) 私どもの経営資源を活かした新たな展開について、今後検討を進めてまいりますが、おもしろい例としては、トレーラーハウスによる「移動式工房」なども作ったりしています。人材育成のためにも、これまでの枠に囚われないチャレンジをしてまいりたいと思います。
今後の展開、とても楽しみですね。
お問い合わせ