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有限会社田辺鈑金(京都企業紹介)

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手軽で撥水性と艶が長持ちする自動車用コーティング剤「ハイブリッドコートZEROプラス」

(掲載日:平成28年12月14日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

 平成28年度経営革新企業、有限会社田辺鈑金(京都市南区)の田辺取締役様にお話をおうかがいしました。

手軽で、撥水性を長期間持続できる「ハイブリッドコートZERO」

まず、事業概要から教えてください

田辺) 自動車鈑金塗装業のほか、ボディーコーティング剤、ガラス洗浄剤などの自動車用ケミカル製品の販売・施工事業を行っています。ボディーコーティング剤については、「ハイブリッドコートZERO」「ハイブリッドコートZEROプラス」などの自社開発した商品もあります。

―どういった商品なのですか?

田辺) 「ハイブリッドコートZERO」とは、イオン系コーティング剤です。かつての自動車のボディーコーティング剤はポリマー系が主流でしたが、最近はガラス系の完全硬化型コーティングが主流となってきています。これはこれで、「艶」が出て汚れも落としやすく良いのですが、「撥水性」の持続力はさほど長くなく、1年に1度のメンテナンスを受けるのが普通ですし、我々のようなプロの専門業者でないと施工できません。一方で、DIYブームと言いましょうか、一般ユーザー向けの簡易コーティング剤も増えてきていますが、当然これらは品質、持続性の面でプロ用とは差があります。

―そこで、御社自ら開発されたと?

田辺) はい。まず、塗って拭くだけというように施工が驚くほど簡単で、プロの業者でなく一般ユーザー様でも失敗なく仕上げることができます。次に、プロ向けのガラス系完全硬化型コーティングの弱点である「撥水性」の持続力を高めまして、1度の施工で5年経過しても約70度の接触角を持続していることを実証しています。洗車を怠ると効果は薄れますが、まめに洗車を行うことによりプラズマ皮膜内の電子が作用し、イオン反発効果が現れます。洗車機を使用していただくと、回転ブラシによる高い摩擦力により、さらに良い効果が発揮されます。

 

撥水性も艶も長期間持続できる「ハイブリッドコートZEROプラス」

―なるほど。

田辺) はい。ただし、「艶」に関しては、プロ向けのガラス系完全硬化型コーティングに劣ります。そこで、その弱点をも補い、「撥水性」「艶」の両方とも長持ちさせたのが、「ハイブリッドコートZEROプラス」です。何年も更なるテストを繰り返し開発しました。「ハイブリッドコートZERO」とガラス系完全硬化型コーティングの2層コーティングにより、「撥水性」をメンテナンス剤無しで5年以上持続させるとともに、大きな膜厚により圧倒的な「艶」を長期間持続できます。しかも、2層目を塗るタイミングで、撥水の仕方を疎水、滑水などユーザーの好みに変えることができます。

―素晴らしい。

田辺) 加えて、施工が簡単で素人でもできますし、特別な設備が不要ですから、これまでコーティングを外注していた整備業や車販業の方でも取り扱っていただけます。

 

鈑金屋魂で「直してしまう」丁寧な仕事ぶり

―開発の経過についてお聞きしたいのですが、まず、鈑金塗装のお仕事の点では、どういった特長をお持ちですか?

田辺) そうですね。1976年に社長である私の父が始めた会社で、父の職人気質な性格でもありましょうが、簡単に部品交換するのではなく、何でも直してしまうのです。直すにはやはり手間と時間がかかるわけですが、収益は度外視で手間暇かけてきれいに直してしまいます。「うちは鈑金屋だ」というのが父の口癖で、鈑金屋魂が染みついています。

―良いお話ですね。

田辺) 一方で時代も変遷しています。お客様は、ディーラー、一般の個人ユーザーや近隣企業、他の整備業社などですが、内製化するディーラーがあったり、保険料率の改正、高齢化に伴う、あるいは若者の車離れなどがあります。また、逆に、自動車の高性能化に伴い、保有年数が長期化し、外装の劣化を守るケミカル製品の需要は年々高まっていますし、DIYで自ら簡易なコーティングをする人も増加傾向なのです。

―なるほど。

田辺) そこで、6年前に「撥水道場」と銘打って、ケミカル製品の販売・施工、自社商品開発を始めたのです。現在は展示会出展を通じて販促をしております。何せ小さい会社ですので、鈑金塗装業の方は協力企業も募りながら、また、スピードよりも当社の丁寧な仕事ぶりに理解をいただくなどしながら、両事業を続けています。おかげで、例えば、京都三菱自動車販売株式会社様グループなどでも取り扱っていただいております。

「撥水道場」と「磨き道場」

―背景は分かりました。しかし、そういう背景であっても、新商品開発など誰でもできるものではありませんよね。どうして田辺さんにはできたのですか?

田辺) そうですね。これもまた性格の話になってしまいますが、私が人と触れあうのが好きで、良いものがあれば、他の人にも知ってほしいという性格が影響しているかもしれません。初代の「ハイブリッドコートZERO」は、鈑金のお客様が経営されている化学関係の企業様と共同開発したのですが、そのお客様の会話を聞いていて、ふと相談をしたのがきっかけです。こういう良いものでコーティングすることで、少しでも世の中の洗車が楽になれば、という一心でしたね。

―今後の展開はどうなりますか?

田辺) 今後は新たに「磨き道場」を作っていきたいのです。一般ユーザーの方が当社に気軽に来られて、洗車をキーワードに様々な相談をお受けする、そういうサロンのような空間を作っていきたいと考えています。

 

同社の今後がますます楽しみですね。

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