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トスレック株式会社(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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京都品質

超高濃度ウルトラファインバブル発生装置及び洗浄殺菌装置(トスレック株式会社

(掲載日:平成28年1月12日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

トスレック株式会社(外部リンク)研究開発部の中尾部長様、福島様にお話をおうかがいしました。(チャレンジ・バイ企業)

―今回超高濃度ウルトラファインバブル(UFB)発生装置と洗浄殺菌装置を開発中でらっしゃいますが、御社の本業は?

福島) 国内外約500名の従業員により、自動車関連をはじめ幅広い業種向けに電子基板のEMS(受託生産サービス)を行っています。企画段階から試作、少量多品種、超大量生産まで対応しています。今回、事業の多角化の一環として超高濃度UFB発生装置等の開発を手掛けています。

気体・液体を問わず、バブル粒径・濃度の制御が可能なUFB発生技術

―ではまず、UFBについて教えてください。

中尾) ファインバブル(バブル粒径100μm未満)のうち、粒径1μm未満のものを言います。小さいため狭い隙間に入り込めることによる洗浄機能、マイナスに帯電して汚れなどプラスのものに付着しやすいことによる分離・混合機能、バブル圧壊時に発生する衝撃波により周囲に圧力変化をもたらす機能(細胞破壊を必要とする医療や醸造での活用など)など、様々な機能を有しています。

―御社のUFB発生技術の特長は?

中尾) まず1つ目として、ファインバブルの生成方法は、液中に圧縮した気体を一気に解放させる加圧溶解によるもの、気体と液体の高速旋回によるもの、衝撃波によるものなど様々ですが、従来技術ではファインバブルとUFBが混在します。一方、当社の新技術(特許出願中)では、いわば強制的にファインバブルを圧壊することで、UFBのみを均一・超高濃度に生産するなど、バブルの粒径・濃度の制御が特徴です。次に2つ目として、従来技術では、バブル化する際に粒径の大きなバブルが気液界面で崩壊する際に、内部の気体が外部に放出され大気濃度が上がるために、可燃ガス・有毒ガスの対策が不可欠でした。当社では特殊構造タンクを用いた技術を確立し、バブル化する気体・液体を外部に漏らさないので、安全且つ液/ガスを選ばないことが特徴です。

医療機器・食品の洗浄等への活用

―用途面ではどういうメリットがありますか?

中尾) それが3つ目の特長ですが、従来技術では、バブル発生機構が高吐出圧であることから、金属部品の使用が不可欠で、金属イオンや金属コロイドが発生するため用途が限られてきました。当社では高吐出圧を要求しないため、全樹脂化が可能で金属イオンや金属コロイドの発生がないため、食品産業、医療機器、化学合成、金属加工等幅広い分野への適用が可能です。

 


食品用洗浄殺菌装置 型HMB-OZ02

魚介類畜養UFB発生装置 型HMB-MAR01

牛乳等飲料用非加熱殺菌装置型HMB-NHS01

超高濃度水素水製造装置 型HMB-H201

魚介類洗浄殺菌装置 型HMB-MAR015

 

―洗浄殺菌装置はいかがでしょう?

中尾) UFBを対象物に適合させ、少量の水流で細部の異物やウイルス・細菌類を洗浄・殺菌することを目的としたものです。医療分野、食品産業分野、農林・水産分野への応用展開を目指して研究開発を進めています。特に非加熱洗浄殺菌技術に特化して芽胞菌殺菌や生体内からの菌やウイルス等の除菌の重点的に対応中です。

―様々な応用・活用が期待できるわけですね。

中尾) はい。例えば、農畜水産物の成長促進や鮮度維持、農畜水産物加工分野では果汁バブル化による殺菌効果(防腐剤なし)によって長期保存など、多くの可能性が考えられます。

 

多くの可能性を秘める同社の技術。今後の展開が楽しみです!

 

お問い合わせ

商工労働観光部産業振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp