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ユーハン工業株式会社 (京都企業紹介)

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京都試作ネット

油圧ギヤポンプ・油圧パッケージのロボット生産

(掲載日:平成29年1月24日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

ユーハン工業株式会社(福知山市)の友繁代表取締役様にお話をおうかがいしました。

油圧ギヤポンプ・油圧パッケージの数少ない一貫生産企業

―まず、事業の概要から教えてください。

友繁) 昭和23年に創業し、現在従業員約80名で、油圧ギヤポンプ・油圧パッケージの製造と天体観測用の赤道儀・経緯台の製造を行っています。40年以上に亘って京都の大手機械装置メーカーの油圧ギヤポンプ・油圧パッケージのラインナップの一部シリーズを任されており、主要なものでは十数シリーズ、すべて含むと数千アイテムほどを製造しています。

―「油圧」って、昔学校で習った「パスカルの原理」で小さい力でも大きいものを持ち上げたりできるという話などですね。油圧ギアポンプは油圧を発生させ、油圧モーターなどを動かすために重要な装置ですね。

友繁) はい。油圧ギヤポンプは、ギヤ(歯車)の回転により油を取り込んで、ボディ(ケーシング)との隙間が変化し、油に圧力をかけて送り出します。農業機械メーカー、産業機械メーカーは油圧ギヤポンプをお求めになり、自ら油圧装置に組み込まれることが多いですが、自動車へ搭載されるお客様では、タンク、油圧ギヤポンプ、油圧バルブ、油圧モーターなどをワンパッケージにした、油圧パッケージをお求めになることが多く、当社ではいずれにも対応しています。

―油圧ギヤポンプなど、どういったところが難しいですか?

友繁) 歯車の隙間から油が逆流してはスペックどおりの性能は出ませんので、100分の1mmの誤差も許されないという高い「精度」が必要なことに加え、圧力をかけて送り出すための「歯車の形状」も重要です。あるいは、どういった環境で利用されるかによって、歯車やボディの「材料」も慎重に選定しなければなりません。先に述べた大手機械装置メーカーの協力会社は50を超えますが、その中で、最終製品まで製造し、エンドユーザーに出荷するまでの工程を全て委託されているのは当社のみで、製造全般を丸ごと任されています。

府北部地域の中でひときわ進んだロボット化

―すごいですね。どうして御社にはそういったことが実現できているのですか?

友繁) ポンプの分野によっては大企業が一貫生産しているところもありましょうが、当社では主要アイテムあわせて月産1万5千個程度と、ものすごい大量生産というほどの数量でもなく、こうした中で、当社クラスで一貫生産しているというのは大変珍しいです。当社には、機械加工から熱処理、組立、性能試験、梱包出荷まで全ての工程を自社で完結できる体制があり、製品のリードタイムが短いこと、製造工程全体の品質保証、トレーサビリティ管理ができることが強みでしょうか。油圧パッケージについても長年のノウハウがありますから、新製品の市場投入の際には、当社にご協力のご相談をいただけております。

―素晴らしい。

友繁) 加えて、1990年頃から、機械加工の夜間無人運転化に取り組んでおり、現在、機械加工現場の70%程度は夜間無人運転が可能な体制になっていますので、品質・コスト面においても競合他社より優位にあると言えます。

―すごいですね。製造工程について教えてください。

友繁) おおまかには電気系部品と鋼材、アルミダイカストや鋳物以外は内製化していまして、まず、歯車の切削ですね。鋳物では0.5mm程度の誤差が出ることがありますので、ボディも切削を行います。続いて、熱処理、研削です。例えば研磨においても、加工機内で歯車一本一本の寸法を測って対応します。そして部品検査、組立、製品性能試験、出荷検査、梱包・出荷と続きます。

―ロボット化の強みがよく分かりますね。一方で、ロボット化に伴うヒトの配置転換って、そう簡単にできるものなのでしょうか?

友繁) マシニングセンタのオペレーターとしての業務は、工具の付け替えなどに多くの時間を取られていましたから、組立や他の工程の段取り替えなどへスムースに配置転換できています。ヨーロッパや東南アジア等での需要増に伴い、ロボット化を進め自動化できるところは自動化しながらも、人員も増やしており、人材確保が難しい時代ですので、長田野工業団地等の立地企業の退職者の再雇用など、高齢職人の力も活用しています。

天体観測用赤道儀・経緯台

―さて、天体観測用の赤道儀・経緯台とは何ですか?油圧ギヤポンプ等と何か関連はあるのですか?

友繁) 全く関係がありません(笑)。半世紀ほど昔、創業者が京都大学様の天体望遠鏡を手掛けたことがあり、それから間をあけて15年ほど前から自社製品を展開しています。いずれも、天体望遠鏡により天体写真を撮影するために使用する架台でして、鏡筒と三脚をつなぐ位置にあって、鏡筒を乗せ、地球の自転に合わせて撮影対象となる天体が一定位置に収まり続けるよう、追尾する機材です。経緯台は、常に上下、水平の2方向への動きで鏡筒の向きを調節するものです。

―なるほど。

友繁) 一方、赤道儀は、常に天体の日周運動と同じ弧を描くような動きで鏡筒の向きを調整するもので、目標とする天体に合わせて、鏡筒の向きを変えるための重要な役割を担っています。当社では、1台1台念入りにオーダーメイドで製作しており、主に赤経・赤緯とも、ギヤと軸回りをユニットに組んで仕上げていますので、いつまでも高精度を保ちます。その他、公共天文台や大型・特殊望遠鏡の製作もしております。

「まずは、やってみる」を大切に

―さて、「京都試作ネット」にも加入されましたね。

友繁) やはり量産だけをやっていますと、どうしても目線が狭くなってしまいますので、他の業界を知り、どんな開発品が主流となっていくのかなどを確かめ、様々な機会を得たいと考え参画しました。既にいくつか商談や引き合いもあります。

―「ユーハン」という会社名の由来は何ですか?

友繁) 「友繁」の音読みです。創業者である祖父が考えました。

―あっ、なるほど!会社のモットーはいかがですか?

友繁) 「お客様にとって、なくてはならない会社になろう」ということです。自分たちが何ができるかだけ考えると、限られたアイデアしか出てきません。そうではなくて、お客様が実現したいことを考えるようにならないといけなくて、ちょっとハードル高いけれど「まずは、やってみよう」という姿勢が大切です。

―最後に、今後の展望についてはいかがでしょうか。

友繁) まず、工程のロボット化は更に進めていきたいと思っています。また、新しい取り組みとしては、複合繊維など新素材の研究開発などにもチャレンジしていきたいですね。

 

同社の今後の展開がますます楽しみです!

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