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株式会社ウミヒラ (京都企業紹介)

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想いを確かなカタチにする会社・ウミヒラの医療器具(株式会社ウミヒラ(外部リンク)

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(掲載日:平成28年3月14日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

 医療器具製造で有名な株式会社ウミヒラの海平富男社長、海平和男専務にお話をおうかがいしました。

“工夫”と“配慮”が詰まった医療器具の数々

―百聞は一見に如かず。最初に、どんなものを作ってらっしゃるか見せてくださいませんか

専務) これは乳腺吊り上げ鈎です。実際にオペ室に入らせていただき、手術がどのようになされているのかを観察し、編み出した器具です。いろいろな工夫があり、熊手のような部分が乳房内部で広がることで、空洞を確保できますので、これまでそれを看護師さんが手作業でされていたのに取って代わることができます。また、吸引するパイプも付いており、吸引パイプを差し込んでいた看護師さんの作業も、これで取って代わることができます。このパイプは極細なのでこの部分のみ、完全に消毒が出来ていない可能性もある事が考えられるので、取り替えが可能なディスポ(使い捨て)にすることまで考えて製作しております。

乳腺吊り上げ鈎

―すごいですね。他にはどんなものがありますか?

専務) これは、医療用トルクドライバで、最近は注文が増えております。ある力までかかると空転するようになっております。また通常のトルクドライバと違う点は、医療器具ですので、使用後、毎回洗浄、消毒をしなければなりません。内部構造にはその対応が施されております。これを使って締めるインプラントのプレートやビスは、生体吸収性材料のものが多いです。それは柔らかい材質であり、トルクが強過ぎると先端のビット部が潰れてしまうからです。トルクドライバのトルクは、小さいものから、かなり大きいものまで様々な形状のものがあります、グリップなど形状も様々です。

医療用トルクドライバー

―なるほど。先生方は、色んな手術に適合した器具をお求めなのですね。新しい材質にもチャレンジされてらっしゃるのですか?

専務) 例えばこの圧拝器具は、カーボン製です。金属ではないため、X線装置で患部を見る際に透けてくれます。ただし、器具がどこに位置しているかを示すため、金属ワイヤーを内蔵する工夫もしています。

カーボン製整復器

―本当に様々な工夫や配慮があるのですね。

専務) ちょっとした器具であっても、その中には色々な工夫が施されています。例えばこの箇所は角を丸くして、術中にドクターの手袋が破れないようにするとか、形状などもその手技によって考えております。

医師・メーカー向けにカスタム・量産いずれにも対応― 求められる「ウミヒラブランド

―多岐に亘る医療器具を作ってらっしゃいますが、重点分野はありますか?

社長) まず1つは、例示に挙げました手術器具、その中でも特に整形外科が得意です。次に、細胞搬送ユニットを始めとする再生医療関係の器具です。3つ目として膵島移植実験器具で、日本では当社しか製造しておりません。何十年にもかけて研究なども先生方と一緒に開発してきました。そして最後に、特殊分野、中でもMRI関連です。MRIでは磁場が発生します。例えば金属でもアルミなら大丈夫と言われていますが、リング状のものは引っ張られてしまいます。しかし切れ目を入れると大丈夫とか、その特性も考えて研究開発をして対応しています。

細胞搬送ユニット

―工夫と配慮のネタが尽きませんね。受注先、受注形態はいかがですか?

社長) お医者様向け、メーカー向けに、それぞれカスタム品と量産品を製造しています。量産と言っても50とか100数十程度であり、24時間工場が稼働しているイメージのものとは違います。カスタム品は、正直には利益は少ないですが、今や当社の「代名詞」的なものとなっており、お医者様向けにはこれまで数百種類作ってきました。メーカー向けにも時には毎日1つ以上の依頼があります。OEMではありません。最近ではメーカーから「ウミヒラ」製と分かるように「ウミヒラ」と刻印してくれとおっしゃるところもあり、嬉しい限りです。

企画・設計から試験・検査までの一貫生産、ハンドメイドによる高品質仕上げ

―それほどまでにお医者様や、国内外の有名メーカーに選ばれてらっしゃる理由は何でしょうか?

社長) 生産体制面については、一言で言えば、約20名の会社ですが、打ち合わせ、設計から製造、検査・出荷まで一貫して対応しているということです。中でも、ハンドメイドによる高品質仕上げが特長です。加工機の性能が向上してきている昨今、そこでは差が付きにくくなっているかもしれませんが、手先器用を競うイベントで日本一になった職人が専属パートナーでいるなど、最後の仕上げは特に抜きん出ていると思います。

―すごい方がいらっしゃるのですね。

社長) また、一般に熱処理工程は外注に出されることが多く、当社も例にもれず同様ですが、もともとレーシングカーパーツの製造をしていましたから、焼き入れ温度にも詳しく、この点でも高品質仕上げに貢献しています。そして、強度試験まで検査まで含めてすべて対応させていただいているのも特長です。

形状の難しい医療器具

「察して、カタチにする力」― 実際の手術を知り、何でも対応してきた者の強み

―冒頭に教えていただいた工夫や配慮を生み出す根源は何でしょう?

社長) 当社の最大の特長なのですが、お医者様がイメージとしてお持ちの、世の中にない器具をカタチにするのです。それは、お医者様も一から十まで説明できないものです。そうなのに、細かい仕様をお聞きしても無意味なのです。「ウミヒラなら、いちいち説明しなくても分かってくれる」という信頼感があります。

―「察して、カタチにする力」に優れてらっしゃるということですね。どうしてそれができるのですか?

社長) まず、何度もオペ室に入らせていただいたことがあり、実際の手術がどう行われているのかを知っていることがあります。大手のように巨大な研究開発部門を持っているわけではありませんが、当社にはこうした経験により、手術の実態に関する知見があります。ですので、ライバルどおしの大手メーカー双方から、同時期に同様の依頼が来ることもあります。また、幅広い分野に対応してきたので応用が利くという面もあります。「何でもやってる会社ですよね」と言われることがありますが、とても的を射た、嬉しい見られ方です。

職人技に頼らず、簡単に安全な手術ができる世の中を目指して!

―医療器具製造に参入されたきっかけは?

専務) 一般産業機材からスタートし、社長も私もカーレースをしていた関係もあり、レーシングカーパーツにシフトしましたが、趣向性のある分野で景気に左右される面がありました。そんな折、たまたま友人のお医者さんに「金属加工屋さんだから、できるだろう」と、手術器具の相談をされたのがきっかけです。それが口コミで広がっていいました。25年程前だったかと思いますが、当時は、町工場で薬事のライセンスをとっているところがほとんどなかった時代だったので、「今がチャンス」と考え、ライセンスも勉強しました。府の薬務課の方が随分応援してくれました。やがて、修理業許可から取得し、製造業許可も取りました。

―さて、今後の事業展開はいかがでしょうか?

社長) まずは、メインの手術器具の充実です。ただし、いくら良いものを作っても、他社に安く真似をされては困ってしまいますので、特許取得は必須ですが、そのコストは課題です。次に、将来を見越して再生医療分野もしっかりと進めたいです。そして、新たな分野としては福祉器具です。大手が参入している分野であり不利ではあるのですが、低価格帯製品をメインにチャレンジしていくつもりです。

―最後に、御社のモットーは?

社長) メインの手術器具に関連しても、どんどん手術のロボット化が進んでいくと思いますし、お医者様が「職人技」に頼らずとも簡単に、事故なく安全に手術ができるような器具を開発していきたいです。そうした器具を作るには「職人技」が必要なんですけどね(笑)

同社の今後の展開がますます楽しみです!

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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