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バンテック株式会社(京都企業紹介)

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IoT時代の製造業等トータルエンジニアリングをサポート!

(掲載日:平成28年10月4日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

平成23年度経営革新企業・バンテック株式会社(外部リンク)(京都市)の馬場代表取締役様にお話をおうかがいしました。

製造業等のトータルエンジニアリングをサポートする「まちのお医者さん」

まず、事業の概要を教えてください。

馬場) 一言で言えば、製造業・流通業・サービス業や研究所向けの情報化・自動化の「トータルエンジニアリング」です。受注、生産計画策定などの経営管理・生産管理から、生産ラインやセル生産といった現場レベルの工程管理までトータルでシステム開発を行うとともに、工程管理に伴う機器の設計・施工管理についても、連携企業とともに、汎用機器・特有品を問わず対応しています。

―なるほど。

馬場) そのうちシステム開発については、まず1つの大きな柱は、情報系基幹システム「統合型販売・生産管理システム」で、販売管理、所要量管理、購買管理、製番管理、原価計算あるいは、人事給与管理、財務管理、経営管理、営業支援等を行うものです。2つ目は、「製造実行システム(MES)」部品供給・入出庫、セル生産、組立、品質、検査、ピッキングなど各工程管理システムです。その他、水道やごみ処理、排ガス処理などの「環境計測制御システム」も対応しています。

 

―御社の特徴はどういった点でしょうか?

馬場) 一つひとつの分野については、それぞれ得意とされておられる同業他社様がいらっしゃいます。逆に当社の場合は、「トータルエンジニアリング」を実施、製造業等に関する情報化、自動化を全て対象にしていることが特徴ですし、府内でもここまでトータル技術にて対応するところは少ないですね!大企業においても、カテゴリーやセクションが異なると実際にはなかなかトータルでの対応ができません。

―素晴らしいですね。

馬場) いわば「まちのお医者さん」のようにお客様からヒアリングを行い、課題を明確化し、必要な解決策に応じて自社で、あるいは最適な企業と組んで対応しています。

京都制御ソフト工場「KCSF」

―企業グループ「京都制御ソフト工場」の代表もされてらっしゃいますね。

馬場) 2006年に結成したグループで、制御系を生業にしている10社が、試験研究レベルから工場丸ごと管理まで、あらゆる制御にお応えすべく、システム、制御、計測、メカトロニクス、Web業務アプリなど幅広いソリューションをワンストップでご提供しています。

―なるほど。

馬場) CAD/CAEコンサルティング、自動機設計製造、樹脂成型品筐体や各種メカトロ機器製造などの「機構/筐体、メカ構造設計分野」、各種デジタル回路、高密度・高速基盤の設計、伝送線路シミュレーションなどの「電子回路、プリント基板、エレキ設計分野」、家電・車載製品や半導体製造関連等の組込ソフトウェア、無線LAN・USB関連ソフトウェアなどの「FPGA/ASIC、組込制御分野」、工場・研究所などの自動化ソリューション、各種プラント計測制御システムなどの「PLC、PC、自動化制御分野」、各種画像検査機制御システムなどの「画像処理、信号処理、計測制御分野」、販売管理、生産管理、製造実行各システムなどの「WEB、DB、NW、業務系アプリ分野」など、幅広くトータルに対応可能です。

製造業のグローバル化対応

―御社は、京都を代表するような世界的メーカーのお仕事もされてらっしゃいますね。

馬場) 最初は小さな受注からスタートしましたが、それで信頼を重ねて、大きな仕事を受けるようになってきました。世界的メーカーにあっては、例えば会計基準についても世界のルールに合わせて変えていかねばなりませんし、生産性向上による競争力強化のために世界中の工場の情報を集約するといった対応も必要です。基幹系システム再構築、販売管理、生産管理・製造実行システムともに様々な依頼があります。

―すごいですね。

馬場) 自動車メーカー等の依頼を受けて、国内工場用にあるソフトを開発したとしますと、彼らは世界中に工場を持っていますので、当社が開発したソフトを辞書で変換して海外工場でも使われたりします。当社のシステムが、国内工場で先行して試されて、それを世界に展開されるという位置づけとなっている、信頼性のあるものと認めていただいているということかと思っています。

植物工場監視制御システム

―御社は食品開発もされるなど、ユニークなお取組みも多いわけですが、最近の話題ではどんなものがございますか?

馬場) はい「植物工場監視制御システム」です。現在、京扇産業株式会社様(京丹波町)が、工場の一角を利用して進めておられる黒ウコンの研究・栽培用に導入しておりまして、現在は、当社からでも遠隔監視・操作が行える設定にしていますので、ご覧いただけますよ。

―おお、すごい!おもしろいですね。具体的にはどういうものですか?

馬場) まず、室内の温度、湿度、炭酸ガス、栽培棚の養液は水温、流速、PH値、導電率(EC値)などを調整、さらに殺菌効果のあるマイクロナノバブルにて溶存酸素を供給、「遠隔監視・制御」できます。「遠隔制御」で各ポンプや弁の操作、LED照明時間等を自動・手動で操作することが可能です。また、規定値を超えるなど異常が起こった場合には担当者に携帯、PCにて「警報」通知を届けることもできます。更に、成長状態について3秒間隔で「栽培データを収集」データ分析、最適な栽培環境ノウハウを提供しています。

AI、IoT、ビッグデータ時代を支える

―さて、経営上の課題を強いて挙げるとすれば何でしょうか?

馬場) やはりプロジェクトリーダー、マネージャーの「人財」不足ですね。今、非常に忙しい状況で「人財」確保が難しいです。

―今後の展望はいかがでしょう。

馬場) AI、IoT、ビッグデータといった、まさにこれからの時代を切り拓くキーワードの取り組みをサポートしていきたいですね。

 

同社の今後の展開が楽しみです!

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