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知恵の経営、元気印、経営革新、チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。
(掲載日:平成30年7月31日、聞き手・文:ものづくり振興課 岩橋)
平成29年度「知恵の経営」認証企業、株式会社VOGA(外部リンク)(中京区)の加藤代表取締役にお話をお伺いしました。
(「知恵の経営」認証企業紹介チラシはこちら)
まずは、御社の概要を教えてください。
加藤)弊社は、2009年に紳士服の出張専門テーラーとして創業しました。現在は京都市中京区に店舗を構え、主に中小企業の経営者様等を対象に紳士服・婦人服を中心に取り扱う、出張・来店双方の対応が可能なオーダーメイド専門店として事業展開しています。会社名の『VOGA(ヴォーガ)』はイタリア語で「ファッション・魅力」を意味し、京都の街並みにも海外の街並みにも馴染み、スーツ発祥の地であるヨーロッパでも受け入れられるような高品質な商品をお客様にお届けすることをコンセプトにしています。
なるほど。オーダーメイド専門店は京都府内にもいくつかありますが、御社の強みを教えてください。
加藤)創業当初に無店舗で出張専門テーラーとして事業を開始しましたが、出張専門ですので他店のように何パターンものゲージ服が用意できませんでした。その弱みを乗り越え、独自の技術を獲得できた点に強みがあると感じています。といいますのも、通常のオーダーメイド専門店はゲージ服(採寸する際のサンプル服)を使って採寸をされますが、弊社はゲージ服を使わずに採寸を行います。まず、お客様が普段着用されている服の状態を拝見させていただき、その服のしわやたるみ、クセの状態を見抜きます。その上で約25~30箇所の詳細な採寸を行い、ヒアリングを行いながら、独自の「ゆとり」量を決めることで、お客様にご満足いただけるシルエットの美しさと着心地の良さを実現しています。このように創業当初の弱みを乗り越え、独自の技術を獲得できたことは、大きな強みであるといえます。
素晴らしい独自技術ですね。
加藤)また、もう一つの強みとしては、幅広い服地・縫製をタイムリーに提案できる点であると思います。例えば、弊社はこの業界では直接取引が困難と言われているスキャバルジャパン株式会社(ベルギーで創業されたヨーロッパの一流服地メーカー)や国際クロージングデザイナー協会よりスーツ縫製の三ツ星認定を受けた縫製メーカーなどと直接取引をしております。このように一流の服地メーカーや縫製業者と直接取引できる関係性から、服地については約2,000色、縫製についてはグレードに応じて3つのラインナップをタイムリーに選択いただけるようになっております。卸業者を経由して取引されている他社とは異なり、全ての生地のラインナップを揃えられ、在庫欠品が多い時期でもタイムリーにお客様に提供することが可能です。
(左:スキャバル生地、右:株式会社VOGAの店内)
その独自の技術で実現されているシルエットの美しさと着心地の良さ、また幅広い服地・縫製のバリエーションは購入されたお客様からの評判も非常に良いようですね。KBS京都の竹内弘一キャスターも御社のスーツを愛用されているとか。
加藤)購入いただいたお客様には非常に御満足頂いており、それがリピート率約7割という結果にもつながっていると思います。また、御満足頂いたお客様から新たなお客様を御紹介いただけるケースも多く、KBS京都の竹内キャスターもお客様からの御紹介であり、既に10着以上衣装協力させていただいております。
(左:VOGAのスーツを着用されている竹内キャスター、右:竹内キャスターコメント)
素晴らしいですね。ところで『知恵の経営』に取り組まれたきっかけは何だったのでしょうか。
加藤)他の経営者ともお会いする機会が増えていく中で、自社の経営を見直すきっかけとなるので、『知恵の経営』に取り組むといいよと勧めていただくことが何度かありました。また、御支援をいただいていた京都商工会議所からも勧められましたので、自社の経営について改めて見直してみようと思い、取り組みました。
そうなんですね。実際に取り組まれてみてどうでしたか。
加藤)取り組んでみて本当に良かったと思っています。大変でしたが、自社の強みなどを「見える化」するというのは本当に大事だと思いました。私は経営者として、自社の強みはこうですよとすぐ言えますし、会社の理念や思いについても、朝礼や事あるごとに口頭で伝えていたつもりだったのですが、従業員には意外ときちんと伝わっていないんだなということが、取り組んでいる過程で分かりました。
なるほど。
加藤)我々のような小規模な企業は従業員に対して、自社の強みや会社の理念・思いを浸透させるまでに、研修を実施して手取り足取り教える余裕がなかなかありません。そのような中で、とりあえず「まず一回これに目を通して」と言える自社のマニュアルのようなものが『知恵の経営』報告書の作成によりできましたので、従業員の育成という面においても、取り組んでみて本当によかったと思っています。また、今後、更なる出店を計画していますが、取引先等も含め、自社の全てを網羅した報告書となっていますので、店長を任せる従業員への引継書としても、非常に有効であると考えています。
(加藤代表取締役と『知恵の経営』認証書)
最後に今後の事業展開について教えてください。
加藤)現在は、中小企業の経営者様など、富裕層の方々がお客様の中心となっていますが、今後は若い人をターゲットにした高品質・ロープライスオーダーの店舗を新たに出店し、お客様の裾野を広げていきたいと考えております。そこで購入されたお客様が年齢を重ねていく中で、ミドル~ハイプライスのものも手に取っていただけるような仕組みを作り、お客様と一緒に成長できるようなオーダーメイド専門店を目指していきたいと思っています。
今後の展開がますます楽しみですね。
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