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鴨川真発見記 平成27年6月

 第190号 2015鴨川 春から初夏へ 新緑の中で過ごすひととき1

鴨川を満喫するエトセトラ その1

 鴨川真発見記では、季節毎に移り変わる鴨川の風景や様々な営みをご紹介してきました。今回も春から初夏にかけて出会った光景をつなぎあわせてご紹介したいと思います。

 前回の第189号では、鴨川上流域のコンクリートガラなどの撤去の様子をご紹介しましたが、市街地の鴨川で個人やグループでゴミ拾いをする方に出会いました。

<高野川の右岸の寄州にて>

<ゴミを拾い上げる>

 高野川沿いを下流に向かって歩いていくと、若者がゴミ袋を手に川の中や園路のゴミを拾ってくれていました。お話しを聞くと同志社大学のボランティアサークル「ASUVID今出川」の皆さんでした。

<前方からもゴミ拾いグループがやってきました>

 彼等のサークルは京都周辺で地域に根ざしたボランティア活動を展開されています。その一つが鴨川での清掃活動で「鴨川清掃」、通称“かもそう”だそうです。

<「ASUVID」の皆さんこれからもよろしくお願いいたします>

 京都市から支援を受けた指定ゴミ袋に、川の中のゴミを拾い集めて頂きました。学生の街京都を感じるとともに、若者の心意気に感謝です。ゴミがないと気持ちいいですね。

「ASUVID」の詳細はPDFで御覧ください。

※同志社大学登録団体「ASUVID」PDF(PDF:384KB)

 次にご紹介するのは、個人的に川の中を掃除して頂いている方のようです。キラキラと光る川の流れの中に少年とお母さんが足を浸けて涼んでおられました。その傍で長靴を履いて川の中のブロックの隙間に挟まったゴミを拾い上げる男性の姿がありました。

 一見、ごみ拾いをする服装では無い?(ワイシャツにスラックス)でしたが、見かねて川に入られたのでしょうか。キラキラ光る川面にゴミは余計ですね。

<落差を越えて気持ちいい>

<キラキラ光る流れに囲まれて>

<ここにもゴミがあるよ>

<隙間のゴミを丁寧に>

 また違う場所では、マラソン大会のランナーが走る中、川からゴミ袋を運びあげてこられた方がおられました。水を含んだゴミは相当重そうで、重労働です。「ありがとうございます」と声をかけさせて頂きました。

<ズッシリ重そうなゴミ袋>

<一歩一歩運んで頂きました>

 鴨川を少しでも綺麗にしたいという人々の活動に感謝しながら、楽しそうに過ごす皆さんの様子もご紹介させて頂きます。

 前出の同志社大学のサークル「ASUVID」が活動されていた下流、出町の飛び石では、多くの親子連れが飛び石を楽しんでおられます。小さいお子さんは自分で飛び石を飛ぶには少し間隔が広く、保護者に抱かれて楽しんでおられました。

<譲り合ってすれ違い>

<元気に飛び回る子ども達>

<お母さんにしがみついて>

<お父さんに手を引かれて>

 いいお天気のこの日、心も弾むようです。他府県からお越しの女性二人組の方は弾む心を体で表現したかったようです。お声を掛けてジャンプ姿を撮影させて頂きました。

<青空にジャンプ>

<息もピッタリ>

<何度もジャンプを撮影されていました>

 晴れた日に、川沿いの木陰を歩くのも気持ちのいいものです。お母さんに手を引かれた少女が、階段を登り降りする姿がありました。遊具なんか無くてもあるものでそれぞれの楽しみ方が出来ますね。

<おいで>

<階段の登り降り>

 適度に陽の当たる散歩道。両親と歩いた川沿いの道は、少女の記憶に残る事でしょう。

<両親に見守られながら>

 私も新緑を感じながら、靴を脱いで木陰で休憩してみました。楽しそうに憩う皆さんをしばし眺めてみました。大文字山をバックに出町の合流点、絵になりますね。

<抜ける様な青空と共に>

 一緒に新緑を楽しんでいた妻が、緑の絨毯となっているシロツメクサの中から、いわゆる「四つ葉のクローバー」を見つけました。新緑の気持ちよさに、「ラッキー」というおまけを添えてくれました。

<四つ葉のクローバー>

<あなたも探してみませんか>

 中州では、カモに混ざって日光浴するアオサギの姿があります。普段はスッと佇むアオサギですが、この日は膝を折り曲げて休んでいました。この光景を見て、これまで違和感なく眺めていたサギの歩行を再認識しました。

 脚を前に出す時に、間接が人間の脚とは逆方向に曲がっています。膝を折り曲げると人間とは逆になる姿、初めて見ました。人間の正座の様な姿です。

<カモと並んで“アオサギ”の姿が>

<真横から>

<斜め前から>

 中州除去で計画的に残した部分では、少年が石で遊んでいました。ごろごろ石の礫河原では、野鳥も人も憩いの場です。

<河合橋上流の中州>

<人の膝はアオサギとは逆方向に>

 この日アオサギとは対象的に体を真っ直ぐに伸ばして遠くを眺めるような姿勢をしていたのは“ダイサギ”です。いつもは首を曲げて佇んでいますが、ピンと直立不動です。

<普段はこんな感じ 脚をクロスしてポージング>

<石の上で>

<気を付け>

 初夏を迎えた鴨川では、夏の風物詩鴨川納涼床の準備も整い、営業が始まっています。その床の前に広がる鴨川の高水敷では、青々とした芝生の上で人々が集っています。

 少し盛り上げた芝生を背もたれにしたり、その上に寝転んだりと夕涼みの光景が、納涼床の灯りとともに京都らしさを演出しています。京都らしさの議論は時代によって変化してきましたが、現在の鴨川の京都らしさはこの風景が物語っているのかもしれません。

<四条大橋から上流を望む>

<納涼床の灯りがともり始めます>

<三条大橋下から下流を望む>

<緑の芝生を楽しんで>

 今回は、春から初夏の鴨川、高野川の街中の様子を「その1」として紹介させて頂きました。次回は「その2」として鴨川源流の様子を盛り込んでご紹介したいと思います。

 

平成27年6月4日 (京都土木事務所Y)

 

 第191号 2015鴨川 春から初夏へ 新緑の中で過ごすひととき2

鴨川を満喫するエトセトラ その2

 今回は、前回「その1」としてご紹介しました同タイトルの「その2」をご紹介したいと思います。

 5月の初旬、鴨川源流雲ヶ畑を日本野鳥の会京都支部の皆さんと一緒に歩きました。雲ヶ畑に到着してすぐに出迎えてくれたのは“オオルリ”でした。木のてっぺんに留まって綺麗な声で鳴いています。

 日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)に数えられる美しい鳴き声の野鳥が「ピリーリー」と澄んだ青空に響いていました。

 あまりに遠く、デジカメではハッキリと撮影は出来ませんでしたが、スコープで覗いた“オオルリ”はまさしく「ルリ色」に輝いていました。

<木のてっぺんに“オオルリ”>

<少し拡大すると>

<スコープや双眼鏡で観察>

 この“オオルリ”全く人の手の届かない木のてっぺんで鳴いていますが、その“巣”はというと、なんと人の手の届く場所に作るそうです。そんな話を聞きながら進んでいくと、道路沿いの窪み(人の腰辺りの高さ)に杉の葉や苔で作られた巣がありました。

 今季の繁殖用の巣ではなく、過去のものだそうです。ひながヘビなどに襲われないか心配になるような場所でした。

<“オオルリ”の過去の巣>

 野鳥の鳴き声は響いていますが、姿はなかなか見ることができませんでしたが、雲ヶ畑の植物を堪能する事が出来ました。以前紹介しました「クリンソウ」が、あちらこちらにかわいい花を咲かせています。

 今回初めて知ったのが、「ハナイカダ」です。その花は葉の上にイカダに乗った様に咲く植物です。その名の由来が一目でわかる植物でした。

<クリンソウ>

<陽に照らされて葉に浮かび上がる影>

<小さな花のつぼみが乗っている“ハナイカダ”の葉>

 参加者の中に、折り紙の指導員資格をお持ちの手先の器用な方も参加されていました。おもむろにハサミを取り出し葉をカットされました。出来上がったのは、笑い顔のお面でした。

 参加者の一人に手渡されると、受け取った方も満面の笑みでカメラに向けて頂きました。

<チョキチョキとハサミを入れると>

<お面の出来上がり>

 また、茶色い濃淡模様の折り紙を取り出されて、歩きながら折り目が入っていくと、見事に枯葉の出来上がりです。折る前に名前を書いて名刺にすると、相手の印象に残りますよと頂戴しました。

<折り紙で枯葉>

 影、ひなたと光の演出が続きます。ホウバなどの大きめの葉が陽の光に透かされて、緑の光が注ぎます。葉脈が透かされています。「手のひらを太陽に透かしてみれば」のフレーズが思い浮かびます。

<緑に輝く大きな葉>

 地表では、自生のフタバアオイの光沢ある葉の表面が陽の光に輝いています。

<自生するフタバアオイ>

<光輝いて>

 地表で光輝いているのは、植物だけではありませんでした。ぴかぴかのフンコロガシが陽の光を反射して宝石の様に輝いていました。

<ぴかぴか光る>
<フンコロガシ>

 

 紅葉の青葉からこぼれる「木漏れ日」を仰ぎ見ながら雲ヶ畑をあとにしました。

<青い紅葉の葉の間から木漏れ日>

 再び街中の様子をご紹介します。新聞でも報道されましたが、高野川の浚渫現場(鴨川真発見記第186号参照)で人工的に作ったワンドの様子です。

 賀茂川漁業協同組合の方が、ワンドに草を投入されて、鯉の産卵場所となるよう期待されていました。

 その後の調査で、鯉が沢山の卵を産卵しているのが確認されました。澤組合長から情報を頂きましたので、現場に行ってみるとお話しにあったとおり、葉の裏側に小さな卵が産み付けてありました。コチラも陽の光に照らされてキラキラと光っていました。

<草を投入した当日の様子>

<数日後の様子>
<一見変化はわかりません>

 

<葉を裏返すと>

<光るつぶつぶの卵を確認>

 ワンドの外では、大きなナマズが川底の土を“はむはむ”しています。自然界の食物連鎖を連想させる光景でした。

<大きなナマズが土を“はむはむ”>

 高野川の飛び石でも、保護者の方が幼い子どもを補助しながら渡っておられます。飛び石が、親子のふれあいを繋ぐツールとしても活躍してくれているようです。

<両手を取って>
<さあ次へ>

 

 親子のふれあいといえば、高野川から取水された綺麗な水が流れる泉川で微笑ましい遊びをしている親子と出会いました。

 泉川は網目の様に松ヶ崎地区を流れています。田植えのシーズンを迎えていつもにまして豊富で綺麗な水が流れています。京都工芸繊維大学のグラウンド北側にも小さな水路が流れています。

 その水路沿いをお父さんと娘さんが、水路の中を覗き込みながら走ってこられました。小さな水路に手作りの舟を2つ浮かべて、どちらの舟が速いか競争です。

<スタート>

<あっ、見えた>

 側溝蓋で塞がれた中で、抜きつ抜かれつ、何度も競争されていました。途中何かに引っかかると、覗き込んで救出す。この親子、水の綺麗なこの土地へ最近引っ越してこられたそうです。水が繋ぐ親子のふれあいを感じました。

<走れ!走れ!>

<まだかな?>

<散歩中のワンちゃんも何してるの?>

<おっと引っかかったか?>

<お母さんも見守ります>

<さあもう一度>

 家庭にあるもので作られた手作りの舟を見せてもらいました。古きよき時代を彷彿とさせる遊びです。安全につきあえば、遊びの可能性は無限に広がる水なのでした。

<食品トレイに割り箸 どっちが早いかな?>

 街中でも野鳥をご紹介します。目に特徴のある小さな野鳥2種類です。動きが素早く、普段あまりうまく撮影出来ないでいた野鳥です。一種類目は“コチドリ”です。

 黒目の周りが金色で、ごろごろ石の礫河原で“トコトコトコ”と素早く移動します。止まったところでピントを合わせてパチリ。目のまわりが金色に輝き、金環日食のようです。

<白い襟巻きの様な首元>

<コチラを向きました>

<草の陰から鋭い目>

<いつ撮るの、今でしょ>

 日本野鳥の会京都支部から、コチドリが礫河原の中州で営巣しているとの情報を頂きました。写真に写っている“コチドリ”が卵を抱いていたそうです。そっと見守ってあげてください。

<営巣するコチドリ 写真提供:日本野鳥の会京都支部>

 そして2種類目は、その名のとおり目の周りが白い“メジロ”です。コチラも素早く飛び回りカメラで追うのが難しいです。サクラの葉が保護色となって目立たない中、太めの枝の上で静止しました。

 よし今だと白い目にズームを寄せると、その時振り上げたくちばしの先には虫が咥えられていました。「捕ったぞ!」といわんばかりのポーズで一枚撮影させて頂きました。

<写真中央に目が見えます>

<ローアングルで>

 春から初夏にかけて繰りひろげられた様々な様子を2回に分けてご紹介させて頂きました。都会を流れるこの川が豊かなまま次世代に引き継ぐ事が出来る様に願いつつ失礼いたします。

 

平成27年6月4日 (京都土木事務所Y)

【おまけ】

 知り合いと電話で話していた時の事です。雲ヶ畑で止めておいた車の中に小鳥のひなが迷い込んで甲高い声で囀っていると電話口で騒ぎだしました。とりあえず写真に撮って送ってもらい、野鳥の会の中村桂子さんに送ると、“ヤブサメ”のひなとの事でした。

 中村さんからのコメント「車に野鳥が迷い込むなんて。なんと幸せな方でしょう」。その後ひなは無事自然に帰って行きました。

<車に迷い込んだ“ヤブサメ”のひな>

 

 第192号 2015鴨川 春から初夏へ 新緑の中で過ごすひととき3

鴨川を満喫するエトセトラ その3

 前回まで「その1」、「その2」として春から初夏の鴨川の様子をご紹介しました。今回は「その3」としてご紹介したいと思います。

 ある日の朝8時頃、出町橋の上流を歩いていると、視界に茶色いものが入りました。その方向に視線を向けると、トビのひながジッと佇んでいました。

<視界に入った茶色い物体 トビの幼鳥>

 “ひな”といっても猛禽類ですから、小さくても近寄りがたい風格があります。少し様子を見ながら日本野鳥の会京都支部の中村桂子さんに連絡しました。

 あまり近づくと親鳥の攻撃を受けるかもしれません。「そっとしておいてあげて」とアドバイスを頂いてその場を離れました。

 トビの幼鳥を間近で見るのは初めてです。まだ羽も生え揃っていない様子で、飛べるのだろうかと少し心配になりました。

<目を閉じる>

<遠くまで見通せる大きな瞳>

 次に姿を見せてくれたのは、セグロセキレイの幼鳥です。第190号でご紹介しました“アオサギ”同様に脚の関節を前に曲げて水の中を歩いていました。

 その傍では親鳥でしょうか?全身に水を浴びて、幼鳥の様にくしゃくしゃの姿になっていました。

<セグロセキレイ 幼鳥>

<水浴びをするセグロセキレイ 成鳥>

 巣立ちの季節を感じます。

 こんもりと丸く剪定された“ビョウヤナギ”が黄色い花を咲かせています。早く咲いた花は盛りを過ぎましたが、北山を借景に大きな黄色い花びらが存在感を示しています。

<綺麗に除草された鴨川公園で>

<咲き始めのビョウヤナギ>

<盛りを過ぎたビョウヤナギ>

 ビョウヤナギとは対象的に小さな花を沢山咲かせているのは、“シモツケ”です。ピンクや白の花から小さな突起物が出て紗(シャ)がかかっているようにみえます。

<シモツケ>

 小さな花の周りでは、これまた小さなハチの様な昆虫が飛び回っていました。この春生まれた新しい命でしょうか。

<静かに飛んでいた昆虫も葉の上で一休み>

 前号でご紹介しました人工的に残したワンドの鯉の卵はどうなったのかと、再び現場に行ってみました。澱みにあった草は流されたようですが、ワンドの中には鯉が入っていました。川底には草が生えていて、これなら流される心配はないでしょう。

<ワンドの草は流されたようです>

<代わりに川底に草>

 黒いマゴイに混ざって、金色の錦鯉もワンドに入ってきました。ひところ世間で話題になった「人面魚」というのがありましたが、この錦鯉も人の顔の様な模様でした。

<黒いマゴイ>

<人面魚のような錦鯉>

 白い雲の切れ間から青空が覗いています。周りの白が青空を際立たせさせて、川面に映し出されていました。雲一つない青空の時には、川面が全体的に青くなるのであまり意識しませんが、とても綺麗に映っていました。

<水面に空を感じる風景>

 空を旋回する大きな“トビ”を眺めていると、朝見た“トビ”のひなのことが気になりはじめます。あれから6時間、時刻は午後2時を回っています。際ほどの場所に戻ってみると、同じ場所に佇んでいました。

<かれこれ6時間 同じ場所に佇んでいました>

 エサもなく寂しそうに大きな瞳をこちらに向けていました。自然のものは自然のままに、自力で塒(ねぐら)に戻っていくことでしょう。翌日にはその姿はありませんでした。

 高野川の浚渫現場では、4月初旬には背の低かった雑草が、天に向かって背丈を大きく伸ばしています。草むらに身を隠そうとヘビもその中へ消えていきました。色んな生き物のすみかになっています。

<4月11日の様子>

<6月6日の様子>

<陽気に誘われてヘビも“にょろり”>

 高野川から引き入れられた農業用水で満たされた田では、マガモがエサを探して歩き回っています。これぞ自然の合鴨農法(あいがものうほう)といった感じです。

<田んぼの中にカモ発見>

<エサを探して歩き回る>

 3回に分けて2015年の春から初夏の様子のご紹介でした。御覧頂いた方から、「いつでもどこでも自然観察」とのコメントを頂きました。

 これからも鴨川の“気になる”を探してご紹介させて頂きたいと思います。

 

平成27年6月8日 (京都土木事務所Y)

 

 第193号 2015梅雨の川辺で見るものは

“いつでも”“どこでも”自然観察

 平成27年6月21日(日)に開催予定をしておりました小学生を対象とした自然観察会「鴨川探検!再発見!第38弾」は、大雨洪水注意報が発表された為に中止となりました。

 梅雨時の不安定な天候で残念ではありましたが、この梅雨時という天候のもとで目にするものをご紹介したいと思います。

 ある日の朝の情報番組で「梅雨の星」という言葉が紹介されていました。梅雨の雨上がりの時に、緑の草や葉に着いた水滴が光に輝いている様を言い表した言葉で季語にもなっているそうです。

 梅雨の星を探しに高野川へ向かいました。水をはじく草の上に丸く浮き上がった水滴を発見です。陽の光に輝いてという訳にはいきませんが、ガラスの玉のように光っていました。

<雨上がりの河川敷き>

<草の上で水玉が転がります>

 このひとしずくの水も我々生き物の命を繋ぐ大切な水だと改めて実感する光景です。

<鮮やかなグリーンと水の滴>

<生命の源>

 中止となった自然観察会ですが、下見に行った時に観察した生き物なども併せてご紹介したいと思います。

 梅雨といえば、子供の頃よく見かけた「でんでんむし」「かたつむり」ですが、京都市内に住んでから約30年、あまりお目にかかった記憶がありません。

<京都市内の街中では久しぶりに姿を見た「かたつむり」>

 カタツムリのいたトベラの葉の下へ隠れたのは、「蛾」だそうです。蛾というと、夜の街灯に群がるイメージが強いですが、この蛾は昼に活動する蛾で「カノコガ」という名前だそうです。蛾というよりはハチに似た感じですね。

<昼に活動する蛾「カノコガ」 写真中央>

 鴨川近くの児童公園で見かけたのは、枯葉の様な色合いの蛾です。枯葉の様な蛾

<枯葉がくっついているのかと思ったら>

<蛾の交尾でした “モモスズメ”>

 春から夏にかけて道端などでもよく見かける小さなキクの様な花があります。春に咲くのが「ハルジオン」初夏に咲くのが「ヒメジョオン」という名だそうですが、外見では判別出来ないそうです。

 白や薄ピンクの花がありますが、どちらの種類も同様に色違いがあります。その特定方法はというと、茎の中に違いがあるそうです。

 「ハルジオン」の茎は空洞で、「ヒメジョオン」の茎は中が詰まっているのがその違いだそうです。一本摘んで中を確認してみてはいかがでしょうか?

<ヒメジョオン>

 来年の春、ハルジオンが咲く頃同様に茎の中を確認してみたいと思います。

 そのお隣には、ピンクの小さな花が咲いています。

<蔓草がつけた小さなピンクの花>

 春先に川の中を黄色に染めていた「セイヨウカラシナ」も枯れて全体白っぽくなっています。針の様に付きだした一本一本の突起には、その種がぎっしり詰まっています。種のつぶつぶを噛んでみると、あのセイヨウカラシの味がするのでした。

<ほうきの様になったセイヨウカラシナ>

<中から飛び出した種>

 自然観察会で使用する予定だった「ビンゴカード」も併せてご紹介させて頂きます。自然観察指導員京都連絡会の伊規須さんの手書きのイラストがマス目に描かれています。

 比較的見つけやすい動植物が九つのマス目の外側に八つあり、発見したものにチェックを付けます。真ん中はそれぞれの観察の中で見つけた珍しいものを書き入れます。縦横斜め埋める事が出来ればビンゴです。皆さんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

<自然観察ビンゴカード>

 手元の写真でビンゴを完成させてみました。

<クモの巣ならぬ「雲」梅雨の晴れ間>

<ハートの葉っぱ>

<テントウムシ>

<チョウ>

<ツバメ>

<スズメ>

<黄色の花>

<バッタ>

 この記事を書いている最中に、京都市文化財保護課の担当者の方から連絡がありました。京都市文化財保護課では、京都市内の「オオサンショウウオ」の生息調査を実施されています。日本種、中国種、交雑したハイブリッドのDNA判定をされています。

 この日は調査で捕獲した個体のDNA判定の為に搬送する途中で京都土木事務所へ寄って頂きました。

 週末の増水で、大原のとある駐車場へあがってきたようです。目撃情報をもとに今回の捕獲となりました。皆さんもオオサンショウウオを目撃されましたら、京都市の文化財保護課へ一報を入れてください。

 ※連絡先:京都市文化財保護課 電話075-366-1498

<体長70cm 少し小ぶりの「オオサンショウウオ」>

<茶系の体に小さな黒い斑点>

<小さな手足>

 知っていますか?その特徴。足の指の数は前が4本、後が5本。

<前足 指4本>

<後足 指5本>

 目の位置を教えてもらいましたが、体のぶつぶつと見分けがつきにくく、目を離すと解らなくなってしまいます。思わぬところで「オオサンショウウオ」の自然観察となりました。

<目はどこでしょう>

<拡大すると写真中央水面下に「目」>

 思いがけずオオサンショウウオをじっくり観察する事が出来ました。ビンゴカードの“おもしろいもの”の欄に“オオサンショウウオ”を記入してビンゴカードの完成としたいと思います。

 今回の「鴨川探検!再発見」は残念ながら中止となりましたが、年4回の開催を予定しておりますので、次回の開催をお待ちください。

 皆様の多数の御参加をお待ち申しあげております。

 

平成27年6月27日 (京都土木事務所Y)

 

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