ここから本文です。

そんな症状を「年齢のせい」と思っていませんか。
実は、その症状の背景にCOPDが隠れているかもしれません。
COPD(シーオーピーディー:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)はたばこの煙や大気汚染などの有害な物質を長年吸い込むことによって起こる肺の病気です。
幼少期からの喘息の既往や重症の呼吸器感染症、受動喫煙などが発症に関与することもあります。主に喫煙によって生じることが多いこと
から、分かりやすく“たばこ肺”と呼ばれることもあります。
有害物質や長期間持続する気道の炎症などにより肺の組織が壊れ、肺が縮みにくく(息が吐き出し辛く)なります。その結果、咳やたん、息切れなどの症状が現れます。
COPDは世界の主要な死因のひとつとされていますが、日本ではその病気自体が十分に知られておらず、適切な診断や治療を受けていない方が多いことが課題となっています。
厚生労働省や各自治体、学会等も認知度向上と早期発見を重要な目標に掲げています。
▶気になる方はこちらでチェック!
外部リンク:厚生労働省_COPDチェックシート(COPD-PSTM)
https://kennet.mhlw.go.jp/tools/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/copdps.pdf
京都府のCOPDによる死亡率は人口10万人あたり14.7人(全国の死亡率は13.3、いずれも令和3年度人口動態統計)となっており、重要な健康課題の一つとなっています。
このため、京都府では令和6年に策定した「京都府保健医療計画(令和6年度~令和11年度)」に基づいて、COPDの認知度向上や予防、早期発見・介入、重症化予防などに取り組んでいます。
また、 COPDの最大の危険因子である喫煙への対策として、ライフコースアプローチを踏まえた喫煙対策を実施しています。
現在の京都府の喫煙率の推移は下図のとおりです。京都府は全国でも喫煙率の低い都道府県となっています。

※ 図内の順位は喫煙率の低い都道府県順
国民生活基礎調査による都道府県別喫煙率データ(2001~2022年)| 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より作成
COPDにおいて肺で起きている変化は、全身の健康にも深く関係しています。
COPDのある方では、栄養障害、心血管疾患、逆流性食道炎、骨粗鬆症、不安・抑うつ、糖尿病、貧血などを併発しやすいことが知られています。
さらにCOPDの主な原因である喫煙は、肺がんだけでなく全身のさまざまながんや、心筋梗塞、脳卒中などの循環器病の危険因子でもあります。
COPDでは気管支が狭くなり、さらに酸素の取り込みを担う肺胞が壊れていきます。

出展元:COPD(慢性閉塞性肺疾患) | 健康イベント&コンテンツ | スマート・ライフ・プロジェクト | 健康日本21アクション支援システム Webサイト
このようにCOPDによって生じた肺の変化は、現在の医療でも元に戻すことができません。
そのまま病状が進行すると、息切れのために活動量が減り、筋力の低下や体力の低下につながります。さらに重症化すると日常生活に大きな支障をきたし、酸素が手放せなくなったり介護が必要になったりすることもあります。
また、少しの風邪でも重篤な肺炎に進行することが多くなり、重症化すると生命に関わることもあります。
こうした変化を防ぐためには、できるだけ早い段階での禁煙など、原因となっている物質からの回避が重要です。
COPDは進行性の病気ですが、まったく対応ができない病気というわけではありません。
COPDの治療は、禁煙はもちろんのこと、そのうえで、薬物療法・運動療法・栄養療法などを組み合わせて行います。
禁煙に成功すると、個人差はありますが、2-12週間で血液循環が改善し肺機能が高まり、1-9か月で咳や息切れが減るとされています。

(詳しくはこちら>外部リンク:禁煙による健康への効果:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ])
そして、薬物治療(吸入薬など)や運動療法、栄養療法などを組み合わせることによって、さらなる息切れや生活の質(QOL)の改善が期待できます。
禁煙ができないのは意思が弱いからとは限りません。
たばこの煙に含まれているニコチンという成分は「ニコチン依存症」を引き起こし、禁煙を困難にさせることが知られています。
禁煙ができないのは依存症という病気のせいかもしれません。適切に治療をすることで比較的楽に、より確実に禁煙することができると言われています。
一人で頑張らず、禁煙外来を受診しましょう。
外部リンク:禁煙治療実施医療機関 | 京都府医師会
COPDでは、息切れや咳、たんなどの症状が急に悪化することがあり、「増悪(急性増悪)」と呼ばれます。増悪を繰り返すと肺の機能低下を早めたり筋力が低下したりと生活の質(QOL:Quality of Life)が悪化し、さらに寿命にも影響します。呼吸器感染症は喫煙曝露や大気汚染とともにCOPDの増悪の重大な要因の一つです。
感染症を予防するためには、手洗いや咳エチケット、換気などの基本的な感染対策に加えて、ワクチン接種も有効です。高齢者を対象とした定期接種として、次のワクチンがあります(対象年齢などはワクチンごとに異なります)。
このなかで、インフルエンザワクチンはCOPDの増悪頻度と死亡率を低下させ、肺炎球菌ワクチンは肺炎発症のリスクを低下させることが示されています。新型コロナウイルス感染症もCOPDの増悪のリスクとなります。帯状疱疹は呼吸器感染症ではありませんが、COPD患者さんは発症リスクが高いとされています。また、現時点では任意接種のワクチンではありますが、RSウイルス感染症もCOPD患者さんが罹ると肺炎など重篤な状態に陥るリスクが高い感染症です。
各ワクチンの接種の是非についてはかかりつけ医へ、接種対象や費用負担についてはお住いの自治体にご確認ください。
このような方は、一度医療機関にご相談ください。
COPDは早期発見・早期治療が重要です。
また、COPDは自覚症状がないまま進行することがあります。喫煙はしているが現時点でそれらの症状はない、という方。肺のダメージが小さい今のうちに、禁煙に取り組むことが大切です。
なお、COPDは喫煙だけでなく、粉じん曝露や大気汚染、幼少期からの喘息の既往や重症の呼吸器感染症、受動喫煙などが発症に関与することもあります。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。
参考資料(再掲):
・京都府保健医療計画(令和6年度~令和11年度)を策定(見直)しました。/京都府ホームページ
・たばこ対策(防煙、禁煙、受動喫煙防止)/京都府ホームページ
外部リンク(再掲):
・COPD(慢性閉塞性肺疾患) | 健康イベント&コンテンツ | スマート・ライフ・プロジェクト | 健康日本21アクション支援システム Webサイト
・禁煙による健康への効果:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ])
お問い合わせ