「高校生と考える薬物乱用防止シンポジウム」を開催しました
平成29年上半期の大麻乱用少年の検挙は、昨年上半期と同数となる13人で、この中には高校生が3人含まれているなど、依然として少年の大麻乱用問題は厳しい状況となっています。
そこで、昨年、一昨年に引き続き、高校生が違法薬物の正しい知識を理解し、違法薬物の誘いを断るセルフコントロール力を学ぶことを目的に、高校生と考える薬物乱用防止シンポジウムを開催(京都府等と共催)しました。
開催日
平成29年11月19日(日曜日)
開催場所
京都外国語大学 森田記念講堂
参加者
府内高校生、構成団体職員、保護者、教職員など約600名
プログラム
- 違法薬物に関する高校生アンケート結果説明
京都府警察本部少年課長 大江輝幸
- 基調講演「ドラッグについて考える」
講師:京都大学大学院薬学研究科教授 金子周司 氏
- パネルディスカッション
パネリスト:講師・府内高校生・大学生
概要
違法薬物に関する高校生アンケート結果では
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高校生アンケート結果説明
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- 「実際に違法薬物を見たことがあるか?」という質問に、「ある」と答えた高校生が5.6%おり、高校生の20人に1人が違法薬物を見たことになり、違法薬物は遠い世界の話ではなく、身近に「蔓延している」と言っていいほど、深刻な状態にある。
- 「違法薬物の使用を誘われたことがあるか?」という質問について、学年が上がるにつれて誘われた生徒が増加しており、年齢が高くなるにつれて交友関係が広がり、薬物に手を出してしまう危険性が高まる。
などと説明した後、高校生に対し
- 違法薬物に汚染されないためには、自分だけは大丈夫と思わないこと、違法薬物に対する正しい知識を持つこと、薬物の誘いを断る勇気や自制心などのセルフコントロール力を高めることが大切です。
と呼び掛けました。
基調講演では
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基調講演
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- 努力をして目標を達成すると、報酬系と呼ばれる脳のシステムにより、神経伝達物質「ドパミン」が放出され、満足感や陶酔感が得られる。依存性薬物は、摂取するだけで大量の「ドパミン」が出てしまい、一度、依存性薬物で報酬系を経験してしまうと、精神的な依存から抜けられなくなる。
- 大麻をはじめとする抑制系の依存性薬物は、精神依存以外にも身体依存、耐性、人格破壊を起こし、生活を精神的・経済的に破綻させてしまう。
- 大麻を合法化している国もあるが、大麻に害がないから許しているのではなく、大麻乱用者が多く取り締まりに必要な税金が膨大になるため、また、大麻を密売したお金は武器や兵器に流れることから、仕方なく合法化しているのが現状。
など、大麻の危険性について具体的に説明していただきました。
パネルディスカッションでは
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パネルディスカッション
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「薬物の乱用をなくすには、どうするべきだと思いますか?」という質問に対し
- まず、1人1人が違法薬物の危険性の認識をしっかり持つこと、断る勇気を持つこと、そして、違法薬物が日常に潜んでいることをしっかりと知ることが大切だと思う。
などの意見が出ました。また、金子教授が高校生に対し
- 違法薬物に関する正しい知識を持ってもらうこと。違法薬物が人間の脳のしくみを永久に変えてしまうという非常に怖い作用を持っていることなど違法薬物の危険性をしっかりと理解し、決して手を出さないという強い意識を持つことが大切。
と呼び掛けました。