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府民生活・厚生常任委員会管内調査(平成28年7月22日)

いきいきオアシス日吉(南丹市)

地域福祉を支える複合施設の概要について 

いきいきオアシス日吉は、過疎化や高齢化が進む中で、京都府内で保険薬局を展開するゆう薬局グループが、株式会社ローソン、明治国際医療大学附属病院と共同で、薬局やコンビニエンスストア、今後段階的に開所される訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所を複合的に整備されたもので、平成28年7月に本格オープンした施設です。行政や大学、民間が連携して地域の方の健康と暮らしを包括的にサポートしていく先駆的な取組となります。

今回の設置にあたり、ゆう薬局グループでは、今、医療と介護だけでは地域は成り立たなくなっていること、そして何か連携して進めていきたい、また、地域の方の声をしっかり受けていきたいということ、多世代交流により、地域の方と学生が交わることによる地域の活性化へのつながりも含め、薬局を中心に、生活支援のコンビニを一緒に連れてきたい、附属病院の訪問介護ステーションや地域連携室との連携、南丹市とも話を進めていきたいと多くの思いを持たれ、大学、南丹市、地域の方と定期的に話し合いを重ね進められたとのことでした。

高齢化が進む中で、1人1人が生活しやすい地域になることが地域包括ケアシステムの考えに一致してくることから、この施設が健康予防や生活支援の一環に関わることができればと考えておられます。

また、コミュニティスペースは、地域の方の集まる場所として、自らの健康を意識し、お互いに話し合える空間として利用していただきたいとの思いで設置されており、今後、高齢化社会の問題といわれている食支援、サルコペニア、フレイルに対する健康予防について身近でできることを伝えたり、南丹市で実施されている認知症サロンや認知症カフェについても、この場所で日吉の方を対象に開催していただければとのことでした。

さらに、地域医療の中で課題となっている情報の共有について、距離が出れば出るほど難しくなることから、京都大学とアイパッドを使った電子連絡ノートを活用しておられ、この地域で介護福祉士、介護者、家族、援助者と一緒に情報共有できるスタイルとして活用できるよう今後展開していきたいとのことでした。

なお、ゆう薬局グループは、在宅医療、地域医療について関係機関と連携して臨床研究・基礎研究等を実施し、卒前教育・卒後教育に関する活動を行う目的で、京都府立医科大学に寄附講座「在宅チーム医療推進学講座」を平成25年10月から開設されており、この施策を展開されるベースとなっているとのことでした。

主な質疑

  • 事業の主導者について
  • 収益性の確保のための工夫点及び行政への要望について
  • 居宅介護支援及び訪問看護の取組主体について
  • 介護報酬が減る傾向の中での経営の見通しについて
  • 病院の取り組む訪問看護実績について
  • 健康セルフチェック検査の開始時期について
  • 日常的な学生の関わりについて など 

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コミュニティスペースにおいて説明を聴取したのち、保険薬局を視察

南丹広域振興局亀岡総合庁舎(亀岡市)

まちの公共員による地域問題解決のための取組について 

京都府では、個々の団体の活動では解決が困難な地域課題に対し、地域全体の社会システムづくりによる解決を目指すため、地域に定着して多様な主体と協働関係を築きながら、長期的に取り組む公共的役割を担う人材を「まちの公共員」として、現在府内に3名配置しており、亀岡市河原林町には、「河原林町まちづくり計画」の実現のため、平成27年8月から1名配置しています。

河原林町は、人口約1,000人で2つの集落からなる保津川左岸の農村地域です。人口減少を食い止め、町民誰もが住んでよかったと誇れる町にするために、平成25年度から町民総参加のもと、1年半を費やし、「河原林町まちづくり計画」を手作りで作成されました。この計画を具体化するため、実行組織「まちづくり会議」を立ち上げられるとともに、8月から「まちの公共員」の配置により、具体的な事業の取組を開始されました。

まちの公共員は、約70名の町民が委員として参画する5つの委員会の企画から実施まで関わり、コーディネーターとして的確なアドバイスや具体的事業の提案、外部関係者との橋渡し、新たな住民の参画を目指した仕組みづくりに取り組まれています。

平成27年度は、会議がうまく進む場づくりや委員会間の調整、大学や市役所などの外部組織とのマッチングにより委員会が進めやすくなるよう連携も図られました。活動を進めるうちに、委員会が自分たちだけでなく地域の人たちを巻き込もうという意識を徐々に持ちはじめられるなど変化がみられてきているとのことでした。

「まちづくり会議」のメンバーには、高齢者が多いことから、子育て世代や若い世代に中心となってまちづくりをしてほしいとのことで、今年度は、若者を巻き込むような委員会あるいは若者だけで構成する委員会を立ち上げ、この人たちが地域をどうしていきたいかという意見を吸い上げるといったことをしていきたいとのことでした。

まちの公共員の任期は3年となっており、任期終了後も地域が活性化するよう自治会が変化することが重要であることから、自治会が組織として、亀岡市から何らかの事業を担うような形で、地域が行政の支援に頼らずとも、自分たちの住み心地を維持していける仕掛けを考えていくこと、または、自治会から地域の核となるメンバーが集まって別の目的型組織を作り、地域でビジネスが展開できる、若者がもっと住みたいと思えるまちづくりのため働き続ける団体を作っていくことを狙い、活動を続けておられるとのことでした。

主な質疑 

  • 「まちの公共員」の仕組み及び今後の増員予定について
  • 「まちの公共員」の経歴について
  • 「まちの公共員」の配置による効果について
  • 既存団体事業との整合性について
  • 地域での取組を進める人材育成について
  • Uターンする若者を増やすためのヒントについて など

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きょうと婚活応援センター(京都市中京区)

きょうと婚活応援センターの取組について

最近の若者は結婚に消極的との話もありますが、調査をすると結婚を望んでいる人は多いものの、結婚に至らない原因には出会いの機会が少ないこともその一つと考えられます。そのため、京都府では、結婚を希望しながら一歩を踏み出せないでいる独身の方々をはじめ、地域においてボランティアで独身の方々の応援をしている婚活マスターや結婚を支援している団体の活動を支援する拠点として、平成27年10月に「きょうと婚活応援センター」を開設しました。

センターは、結婚を希望する方が仕事をしていることが多いことから、烏丸御池駅から徒歩2分という交通の便がよいところに設置され、午後7時まで、土曜日も開館しています。

センターでは、独身の方に直接、相手を紹介するということはしておらず、団体や婚活マスターと呼ばれるボランティアを通じて独身の方を支援する施設として活動しており、婚活をされる方だけでなく、婚活を応援される方を支援するセンターと考えていただければとのことでした。独身の方に個人会員に登録してもらい応援する形をとっており、京都府在住・在勤だけでなく、将来結婚を機に京都府に在住を希望される方も登録できるようになっています。現在、約1,500人の事前登録者があり、本登録も1,000人を超えたとのことで、30代が一番多く、男女比は4対6で男性が少ないとのことでした。また、東京、埼玉、神奈川、茨城、愛媛などの他府県の方の登録もあるとのことですが、府北部の方の登録が少なく、今年度出張相談会を4回開催される予定となっています。

なお、今年5月から、事業の一層の展開を図るため、企業や団体を対象とした「団体会員」の募集を開始し、現在16社の登録があり、近々交流会を実施される予定とのことでした。

センター会員同士での成婚という形はもう少し時間がかかりそうですが、ボランティアとして活動する婚活マスターがセンター内で毎週4回程度集団での引き合わせをされており、延べ120組のカップルが成立し、現在25組が継続中とのことです。今後は個別の引き合わせを強化し、成婚カップルが誕生するよう応援していきたいとのことでした。

センターでは、利用される方がそれぞれに合った相手が見つかるよう、試行錯誤しながら手作りで取組をされています。民間の結婚相談所とは違い、条件マッチングではなく、実際会ってフィーリングが合った方とおつきあいして、結婚していただき、幸せな家庭を築いていただきたいとのことでした。

主な質疑

  • 登録結婚支援団体への補助金交付要件及び実績について
  • 「団体会員」である企業による個人への応援方法及び同センターの企業への支援について
  • 企業でのセミナー開催、講師派遣等の実績について
  • 民間の結婚相談所と異なる選択肢採用の理由について
  • 婚活マスターに対する評価について
  • きょうと婚活支援ネットワーク会議と登録結婚支援団体の関係について
  • 同会議からの府への要請、課題等について など

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説明聴取した後、施設内を視察

お問い合わせ

京都府議会事務局委員会課調査係

京都市上京区下立売通新町西入

ファックス:075-441-8398