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原子力防災センターは、浜岡原子力発電所の災害時に防災機能が確実に発揮できるよう、環境放射線監視センターとオフサイトセンターを一体化した施設として、平成28年3月に静岡県牧之原市に開設されました。
これまでから同様のセンターがありましたが、原子力発電所から2キロ圏内にあり、国の要件である5~30キロ圏内に立地することに抵触していたため、新たに、鉄筋コンクリートで地上3階建、免震構造、空気浄化フィルター、除染設備等を備えた施設として県が整備。建設費は約25億円(全額国庫)で、平成28年12月から本格的な運用が開始されました。こうした原子力災害時に対応できる施設は全国で22カ所あり、それぞれ国の原子力防災専門官が駐在しています。
浜岡原子力発電所は、昭和42年に中部電力が浜岡町(現御前崎市)を候補地に決定し、5号機まで建設されていましたが、平成23年の東日本大震災を機に全て停止し、現在は発電所周辺において地震津波対策のための工事が進められている状況です。県では、発電所周辺地域の安全確保、原子力防災、発電所立地に係る総合調整・地域振興の3項目を中心に原子力に関する施策に取り組んでいます。発電所周辺地域への安全確保としては、「浜岡原子力発電所の安全確保等に関する協定」に基づき環境放射線監視業務、環境放射線調査研究などを、また、原子力防災としては、防災計画の策定、防災資機材の整備、防災研究・訓練などを行っています。
オフサイトセンターは、原子力発電所で事故が発生し、環境への影響が考えられる場合に、国、県、関係市町、中部電力、県警、自衛隊、海上保安部などの関係機関が一堂に会し、災害対策を実施する拠点となります。また、環境放射線監視センターは、原発周辺の空間放射線量を常時監視するほか、農畜産物、海産物、土、水などを摂取し、放射能を測定するなどの役割を担っています。
県ではこのセンターを活用し、避難計画に基づいた実質的な防災訓練を充実させ、非常時には県民に対して迅速な災害対応ができるよう、体制をさらに整えて行かれるとのことでした。
概要説明を聴取した後、同センターを視察
同法人は、会員の老後や死後に対する自己の決定を尊重し、実現するため、公正証書契約を締結することによって、家族の代わりとして老後や死後の事務を実施しています。近年、家族・親族の関わり合いが薄れ、老齢期になって賃貸住宅を借りる、病院に入院する、老人ホーム等の施設に入居する際に求められる身元引き受け保証人がいない人や、死後の事務や火葬、納骨について依頼できる親族がいないという悩みを抱える人が急増しており、当法人は早くからその社会的ニーズを察知し、平成5年からこうした事業に取り組んでいます。
また、高齢者の方々の預託金を扱うことから公正を期すために実働機能と資金管理機能は分離すべきとの考え方により、平成12年、NPO法人日本生前契約等決済機構を立ち上げました。こうして、生前に家族の役割を引き受ける「りすシステム」、死後の支払いを引き受ける「決済機構」に分かれて業務を実施されており、調査時点において、累計契約者数は4,600名を超え、実際に生前の委任に基づいて死後契約を履行した件数は約520件となるなど、「終活」の支援に着実に取り組んでおられます。
具体的な事例としては、病気の方の24時間体制のサポートや、医療行為の意思表示の代理、認知症が進んだ時のための正式な任意後見人としての事務の代行、また家族がいない、頼れない方の死後の事務の代行などがあります。
こうした終活の支援についてはこれまで行政との連携がないとのことです。平成29年1月には内閣府消費者委員会が厚生労働大臣等に対し、「身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題についての建議」が行われるなど、行政においても動きが出てきています。当法人としても必要に応じて、終活に関する支援や指導監督が適切に行われることが望ましいとのご意見をお持ちでした。
概要説明を聴取
産経新聞出版では、人生の最後をよりよく迎えるための「終活」をテーマにした季刊誌「終活読本ソナエ」を、2013年、業界ではじめて創刊し、さまざまな終活情報を提供しています。その内容には、相続や葬儀、供養、墓地選びといった一般的話題のほか、看取りや健康法などといった話題を掲載し、また、同社系列の産経デジタルでは、雑誌のコンセプトをもとに、「終活WEBソナエ」を開設。ハッピーエンディングを迎えるための情報と、シニア世代の生き生きとした生活実現に役立つ「生前から死後まで」の情報を掲載しています。今回の調査では出版を通じて感じられた「終活」の動向について話を伺いました。
ソナエは発行部数6万部ですが、圧倒的に都市部での売れ行きが良く、中心的な読者層は女性、70代から80代、また親の世代の終活を考える40代、50代となっています。
「終活」は、2012年には「ユーキャン新語・流行語TOP10」に入賞するなど、多くの方が注目する言葉となり、ブームとなりました。しかし、今現在でも、この「終活」という領域には、手つかずなところも多く、流通や鉄道、ITなどのあらゆる業界が新規参入しようとしている状況があるとのことでした。
編集部として、「終活」とは「絆の再生」であると考えておられます。一人暮らしが増えたり、家族に世話になりたくないという風潮があったりする中でも終活においては誰かと関わらなくてはならない。それはNPOであったり、企業であったり、自治体であったりするが、こうして生まれるさまざまな新しい絆が提案される時代が来ようとしているし、これを後押ししていく雑誌として、今後もこの分野に関わっていかれるとのことでした。
視察団が表紙に入った産経新聞の紙面
概要説明を聴取
同社は「平成28年女性が輝く先進企業表彰」(※)の内閣総理大臣表彰を受賞され、女性が活躍する企業の取組が進んでいる会社として認知されています。
カルビーは1949年広島で創業され、「顧客・取引先から、次に従業員とその家族から、そしてコミュニティから、最後に株主から尊敬され、賞賛され、そして愛される会社になる」ことをビジョンとして掲げておられます。同社は、2009年に上場し、これまでの同族経営から経営体制が大きく変わり、これを機にダイバーシティ推進の取組が始まりました。これまでからアットホームな社風ではあったそうですが、女性の管理職比率が5%と少なく、これを聞いた会長が「女性の活躍なくして、カルビーの成長はない」と、みずからダイバーシティ推進を宣言されました。
ダイバーシティを推進するための取組としては、フォーラムの開催やメンター制度の創設などがあげられますが、一番重要なポイントは、トップの強いメッセージ、中間管理職の理解、とのことでした。さまざまな企業が同社に視察・調査に来られるとのことですが、トップの意欲が成否の9割を占めるのではないかと実感されているとのことです。また壁となる中間管理職の理解も非常に重要であり、トップの本気度を中間管理職へ伝えていくことも大切だと感じておられるとのことでした。
カルビーではフレックスタイム制やモバイルワーク、女性の短時間勤務制度などさまざまな制度が整い、2020年には女性管理職比率30%を目指しておられます。こうした取り組みの結果として、「JAPAN WOMEN AWARD2016」において、総合ランキング1位に、また、男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、女性の活躍に優れた企業を経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「なでしこ銘柄」への認定、「女性活躍推進法」の優良企業として最も基準が厳しい最高位の3段階目に認定されるなど、さまざまな賞を受賞されています。女性管理職の増加とともに同社の売上高も右肩上がりとなり、2015年4月から9月の営業利益は128億円と同期として過去最高になるなど、はっきりとした相関関係は示されていませんが、会社の成果は確実に上がっています。さらなる会社の飛躍のため、こうした取組をさらに進められていくとのことでした。
※内閣府において女性が活躍できる職場環境の整備を推進するため、役員・管理職への女性の登用に関する方針、取組及び実績並びにそれらの情報開示において顕著な功績があった企業を表彰するもの。
概要説明を聴取した後、オフィスを視察
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