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更新日:2017年7月12日

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環境・建設交通常任委員会管外調査(平成29年7月11日から12日)

博多まちづくり推進協議会(福岡県福岡市)

博多駅周辺のまちづくりの取組について

博多まちづくり推進協議会は、平成20年4月に福岡県、福岡市をはじめ、博多駅周辺の企業や自治協議会等で構成し設立されたエリアマネジメント団体で、「九州」「アジア」の玄関口である博多駅地区を舞台に、住む人や訪れる人が主役となったまちづくりを進め、皆に愛され、誇れるまち、新たな時代の魅力的な風格のあるまちを創造していくことを理念に活動されています。

博多まちづくり推進協議会では、さまざまな関係者が共有すべき「まちの将来像」と、その実現に向けて進めるべき取組の方針と方策を取りまとめた「博多まちづくりガイドライン」を策定されており、その中のアクションプラン(2017-2019)では、「歩いて楽しいまちづくり」と「美しく安心なまちづくり」を基本方針とし、様々な取組をされています。

国家戦略道路占用事業として、平成29年3月と5月には、約10日間にわたり、はかた駅前通りにおいて、博多の飲食店が出店する「ハカタストリートバル」を開催されました。民有地には、ソファとテーブルを配置したくつろぎ空間、公道には長さ30メートルのカウンターが配置され、カフェやバルとして、さまざまなメニューが提供され、来訪者にとても好評であったとのことです。

また、ダンスやブラスバンドの演奏、伝統芸能などのパフォーマンスが行われる「はかた駅前“どんたく”ストリート」は今年で7年目を迎え、5月の開催時には2日間で計31団体、約1,900名が参加、2万人を超える方が見物に来られたとのことでした。

この他にも、博多で事業を行う人に「博多のまち」について語ってもらうトークイベントや、食・ライフスタイル・ビジネス・カルチャー等16講座を展開する「はかた大学」の運営など、まちの賑わいを広げる活動も推進されています。

美しく安心なまちづくりを進めるため、増加する放置自転車の対策として、注意札付け活動や、協議会会員の自転車安全利用推進講習会の受講などにも取り組まれています。また、毎月、博多駅周辺の企業や地域住民の協力のもと、まちの清掃美化活動「クリーンデイ」にも取り組まれており、年間の総参加者は2,800名を超えるとのことでした。

今後、地下鉄七隈線延伸工事やはかた駅前通りの再整備など、博多駅周辺の開発が進む中、協議会発足から10年の節目を迎えるにあたり、博多駅を中心とした賑わいを更に広げていきたいとのことでした。

主な質疑

  • 行政との連携状況について
  • はかた駅前通りの再整備について
  • 事務局の体制について
  • 博多まちづくり推進協議会の活動費について
  • 博多まちづくり推進協議会発足前後の集客数や店舗数の変化について
  • We Love 天神協議会との連携状況について など

説明を受けた後、博多駅周辺を視察

福津市議会(福岡県福津市)

上西郷川のグリーンインフラの取組について

グリーンインフラとは、グリーンインフラストラクチャーの略で、国土交通省によると、社会資本整備、土地利用等のハード・ソフト両面において、生物の生息・生育の場の提供や良好な景観形成、気温上昇の抑制など、自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力ある国土づくりや地域づくりを進めるものを指します。

福岡県福津市を流れる上西郷川は、二級河川の西郷川の支流にあたり、かつてはコンクリートで固めた三面張りの河川で、洪水が頻発していたとのことです。そのような中、独立行政法人都市再生機構(UR)の土地区画整理事業にあわせて、川本来の自然環境の再生と人と川とのつながりの再生を目標に、福津市を事業主体として河川整備が行われました。平成21年度に着手が始まり、平成25年度に対象区間900メートルの整備が完了、川幅は約5メートルから約18メートルに拡張されました。西郷川と上西郷川の合流部にある調整池や、上西郷川に隣接する「はづき公園」も一体で整備されました。

これらの整備については、計画当初から地域住民や九州大学が参画されており、河川の草刈り等の維持管理には現在も地域住民から積極的な協力が得られているとのことです。

河川には、生物の住みかとなる巨石を配置したり、流速に変化をもたらすための木杭工を施したりするなど、生物多様性に配慮したさまざまな工夫をされています。魚類を対象としたモニタリング調査の結果、整備前と比べ、魚の種類は約3倍に、個体数は約12倍にも増加したとのことでした。現在では、絶滅危惧種のヤマトシマドジョウをはじめ、テナガエビやギンブナなど、さまざまな生物が生息しているとのことです。

上西郷川は、地元の小学校の環境学習の場として利用されたり、子どもや高齢者等の憩いの場として利用されたりするなど、地域住民にとっても重要な役割を果たしています。また、生活環境が向上したことにより、周辺住宅の居住率が上昇するなど、さまざまな波及効果がみられるとのことでした。

主な質疑

  • グリーンインフラ整備の工事費について
  • 他地域への波及効果について
  • 上西郷川の水質について
  • 上西郷川周辺におけるゴミのポイ捨て等の状況について
  • 福津市の水洗化率について など

説明を受けた後、現地を視察

周南市役所【於:周南市地方卸売市場内水素学習室】(山口県周南市)

周南市における水素利活用の取組について

周南市は、山口県東南部に位置する、全国有数の重化学工業都市です。周南コンビナートにおける苛性ソーダの生産能力は、国内の約40パーセントを占めており、この苛性ソーダからは、純度99.9パーセント以上の水素が副生されています。周南市では、水素を産業振興や地域振興に活かすため、さまざまな取組を推進されています。

平成25年8月には、経済産業省や山口県、周南市、企業関係団体等で構成する周南市水素利活用協議会を設立され、平成27年4月には「水素エネルギーで未来を拓く水素先進都市『周南』」を基本理念とする「周南市水素利活用計画」(平成27年度~平成32年度)を策定されました。この計画に基づき、水素サプライチェーンの構築、モデルエリアの構築、水素関連産業等に関する人材育成・事業所支援の充実、市民・市内企業等への普及・啓発事業の強化に向けた施策を展開されています。

山口県補助事業の純水素型燃料電池システムの実証では、岩谷産業株式会社をはじめとする4事業者が共同でシステムを開発され、地方卸売市場内や徳山動物園において電力やお湯の供給が行われているとのことでした。

環境省委託事業の地域連携・低炭素水素技術実証事業(平成27年度~平成31年度)では、水素の製造、輸送、貯蔵・供給、利用に至るまでの実証を株式会社トクヤマをはじめ、東ソー株式会社や山口県と共同で取り組んでおられます。

周南市では、国内初となるフォークリフト専用ディスペンサー(水素の充塡設備)を併設した「イワタニ水素ステーション山口周南」が、平成27年8月に地方卸売市場内に開所しました。市民や企業等が燃料自動車を導入する際の補助金の創設や、市の公用車に燃料電池自動車を導入するなど、燃料自動車の普及に向けた取組も推進されています。

今回説明を伺った「水素学習室」では、周南市職員による市の水素利活用の取組に関する説明やDVDによる学習、パネル展示等を実施されています。また、中学校での出前講座を実施されたり、水素パンフレットを公共施設等に配布されるなど、市民の水素に対する理解促進や普及啓発にも力を入れて取り組んでおられるとのことでした。

主な質疑

  • 水素の普及について
  • 中心市街地における今後の水素利活用の取組について
  • 燃料電池自動車に水素充填する際の取扱いについて
  • 水素充填価格について
  • 燃料電池自動車購入者への補助額について
  • MIRAIの価格について など

説明を受けた後、施設を視察

広島県議会(広島県広島市)

土砂災害死ゼロを目指す「ひろしま砂防アクションプラン2016」の概要について

平成26年8月19日の夜から20日の明け方にかけて、広島県広島市安佐南区及び安佐北区を中心に1時間最大雨量121ミリメートル、3時間で200ミリメートル超える記録的な集中豪雨が発生し、死者77名(災害関連死3名含む)、負傷者44名、被害家屋が4,500棟以上にのぼる甚大な被害をもたらしました。また、停電や水道被害の他、鉄道の運休、航空機やフェリーの欠航など、多数の交通障害が発生しました。

「ひろしま砂防アクションプラン2016」は、平成26年6月に策定された前プランである「ひろしま砂防アクションプラン2014」に同年8月の大規模災害を踏まえて見直しが行われたもので、平成28年3月に策定されました。「ひろしま砂防アクションプラン2016」は、土砂災害死ゼロを目指したものとなっており、土砂災害警戒区域等の指定の加速化に最優先で取り組むことに加え、平成27年度よりスタートした「広島県『みんなで減災』県民総ぐるみ運動」の一環として各種ソフト対策の強化・拡充を図ることにより、引き続き、ハード・ソフト一体となった総合的な土砂災害防止対策に取り組んでいくものとされています。

県議会でお話を伺った後は、安佐南区八木に移動し、国土交通省中国地方整備局太田川河川事務所の方から、堰堤の整備状況など、砂防事業について説明を伺いました。現場では、INSEM工法と呼ばれる、現場で発生した土砂にセメントを混合し、締め固めて砂防堰堤を建設する工法が採用されています。この工法により、発生する土砂の処分費用や運搬費用が削減されるだけでなく、大型車両の住宅地内の通行量を減らすことができるなど、地域の生活環境にも配慮されています。また、事業の段階ごとに、地域住民に対して説明会を開催するなど情報を共有しながら事業を進めておられるとのことでした。

今後は、緊急事業を含み重点的な対応が必要な30渓流の砂防事業を平成31年度末の完了を目指し進めていくとともに、通常砂防事業により14渓流において事業を実施していくとのことでした。

主な質疑

  • 平成26年8月20日土砂災害に係る広島県の財政対策について
  • 平成26年8月20日土砂災害時の太田川の氾濫状況について
  • 土砂災害現場付近の現在の居住状況について
  • 住宅等の改修補助について
  • 堰堤の整備費について など

説明を受けた後、現地を視察

お問い合わせ

京都府議会事務局委員会課調査係

京都市上京区下立売通新町西入

ファックス:075-441-8398