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更新日:2017年7月12日

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総務・警察常任委員会管外調査(平成29年7月11日から12日)

東京都(東京都新宿区)

ICTを活用した都政のあり方について

東京都においては、東京オリンピックの開催とその後を見据え、持続的な成長に向け、情報通信技術等の様々な分野の専門家から意見を聴取し、今後、都として取るべき政策方針及び中長期的・大局的な視点から必要となる施策検討や、取りまとめの基礎とすることを目的に、平成29年5月に「ICT先進都市・東京のあり方懇談会」を設置し、提言をまとめられました。

この提言は、概ね5年後のICTを活用した東京都の姿を示すもので、その中では、共通した次の3つをキーワードとして示されました。

  1. オープン:IoT基盤で、組織、目的等の枠を越えて連携、同じソースを多目的に利用することを指す。
  2. データ:上記のIoT基盤により得られたデータに加え、行政・民間双方のデータ、オープンデータ、ビックデータの活用を目指す。行政の保有データはオープンにする。
  3. 住民参加:行政の提供するIoT基盤やオープンなデータを基に、住民自らその活用法を考え実行する。住民(民間)参加型

そして、3つのキーワードを踏まえ、ICT活用による都政のあり方について、次の項目について目指すべき方向を示されています。

  • ICTを活用し、都市機能を高め、東京都の魅力を増大すること。
  • 公共データと民間の知恵と技術で大都市東京の課題を解決すること。
  • ICTで生産性向上と新価値を創造する等、東京・日本の経済活性化を図ること。

さらに、この提言においては、具体例にも言及することで、実施への道筋を明確に示されています。

例えば、施設維持管理の目的で設置したセンサーをオープンにし、障害者や外国人の移動支援、災害対応等にも用いることにより、ICTを使うことで多様化するニーズに対応すること。さらに、ICTを活用した都市インフラの維持管理や、都の職員をはじめとしたテレワークの導入による業務の効率化、IT投資に課題を持つ中小企業を支援することによる経済活性化なども目指すとのことでした。

また、東京都においては、都政の全般にわたりICTを活用した運営を確実に図ることで、ICT先進都市として持続的な成長を実現したいとのことでした。

主な質疑

  • 課題として挙げられている人材不足と必要なコストへの対応について
  • 中小・零細事業者の現状について
  • 中小・零細事業者への支援について
  • ICT活用に関する財政支援について
  • 提言を受けた今後の具体的な支援について
  • 住民目線での活用について
  • セキュリティー、ガバナンスへの対応について など

都議会棟において取組を聴取

都政改革の取組について

東京都においては、平成29年4月に「都政改革本部」を設置し、現行の政策、施策、事務事業、組織、予算、仕事のやり方を次の3つの視点で見直すことで、都政の自律改革に取り組んでいます。

  • 都民ファースト
  • 情報公開
  • 賢い支出(ワイズ・スペンディング、税金の有効活用)

そして、当面取り組むテーマとして、自律改革、情報公開及び内部統制PTを設定し、それぞれ次の課題、テーマを持ちながら改革に向けた取組を推進し、現行の政策、施策、事務事業、組織、予算、仕事のやり方等の都政全般についての見直しを行う、組織的な改革に取り組んでいるとのことでした。

1.自律改革

  • 課題を整理し「見える化」するとともに、解決すべき課題の優先順位や検討スケジュールを整理する。
  • 各局の自助努力で解決できること、困難なことに切り分け、解決に向けた検討の場を区分し、実現の推進を図る。
  • 成果は、来年度予算や組織改編に反映させる。
  • 各部局は、各課題に関し、達成の目標水準と期限を設定し、概ね4か月ごとに進捗状況を本部に報告する。

2.情報公開

  • 各種会議体の情報公開のあり方
  • 広報のあり方
  • 公益通報制度の改良
  • 情報公開制度の見直し
  • 広聴の見直し

3.内部統制PT

  • 契約・入札
  • 事業評価(政策評価)
  • 補助金の使途(透明性)
  • 監理団体の指導・監督
  • 公務員倫理
  • 各局の意思決定プロセス

今後は、都政運営の全般にわたる組織的な自律改革を強力に推進することにより、具体的な成果を得ることが期待されているとのことでした。

主な質疑

  • 都政改革と知事交代の関係について
  • 会議のフルオープンの実施状況について
  • タブレット端末活用状況について
  • 会議のペーパレス化の実施状況について
  • 行政の意思形成過程の公開について
  • 情報公開請求の状況について
  • 区市町村との連携における地方機関のあり方について
  • 職員の意識改革について など

都議会棟において取組を聴取

警視庁(東京都千代田区)

多言語(15言語)に対応する押しボタン式信号機の運用等について

訪日外国人旅行者数が急増する状況にあって、さらに東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、ますます増加することが想定されることから、来日外国人に対して、安心して道を渡り、競技会場や観光地等への移動を支援する新システムの構築が求められていました。

そのため、外国人が安全に道路を横断できるよう警視庁交通管制課が15言語に対応する押しボタン式信号機の表示板を作成し、設置しました。表示板には、従来の表示(歩行者用ボタン)に加えて、ボタンを押して信号機が青に変わるまで待つように促す内容を英語、中国語、韓国語で表記していることに加えて、表示板上のコードを専用アプリ(Uni-Voice)で読み取れば、フランス語やドイツ語等、計11言語の音声で表記を読み上げるようにしており、平成30年までに、オリンピック競技会場、宿泊施設などに、約3,500枚を設置する予定とのことです。また、このシステムは、信号機表示板以外にも、他分野における多言語対応が可能であるため、広がりが期待されるとのことでした。

その他、犯罪対応の要となる「110番センター」の視察も行いました。

主な質疑

  • 対応する15カ国語の選定について
  • 外国における同様の信号機の定着状況について
  • 新機器導入のメーカー選定について
  • 視力障害者への対応状況について
  • 新機器の全国への普及状況について など

警視庁において取組を聴取

神奈川県(神奈川県横浜市)

行政運営の透明化とコスト意識を持った計画的な運営について

神奈川県では、行政運営の透明化を図り、コスト意識を持った計画的な行政運営を進めるため、全庁をあげて会計をはじめとした「見える化」に取り組んでいます。

取組の主な内容は、「県の会計の見える化」、「県公共施設の見える化」及び「県民利用施設の見える化」で、具体的には、次の事項について取り組んでいます。

1.「県の会計の見える化」

  • 全ての所属において、人件費を含む支出や収入の状況、職員の配置状況、業務の実施状況などを記載した「業務運営進行表」を作成
  • 四半期ごとに各所属の業務実績・経費(人件費を含む)を示すことにより、業務運営の透明化を図り、コスト意識の醸成など組織マネジメントに役立てる。

2.「県公共施設の見える化」

  • 県の庁舎など県有施設と道路や公園等の都市基盤施設を合わせた公共施設全体の維持修繕コストについて、現状と将来コストの状況をとりまとめた。
  • 「県公共施設の見える化」により、今後の公共施設のあり方を考えていく際に役立てる。

3.「県民利用施設の見える化」

  • 県公共施設のうち県民利用施設については、各施設の設置目的、施設概要、財産価格(土地、建物)、過去3年間の利用状況・収支状況・利用者一人当たりのコスト等を示した「県民利用施設一覧表」を作成
  • 県民利用施設一覧表により、施設運営の状況を示すことで、施設の見直しやコスト意識を持った運営に役立てる。

なお、今後、同県においては、行政運営全般の透明化についても更に推進することとし、それにより、全庁をあげたコスト意識を持った計画的な行政運営の実現が期待できるとのことでした。

主な質疑

  • 見える化に取り組むにあたっての動機について
  • 見える化をするための時間等について
  • パブコメ等の県民の意見聴取の取組について
  • 今後の見直し等について
  • 改善等についての議論について  など

外国人留学生の支援の取組について

神奈川県では、神奈川県で学び、暮らす留学生は、国際的活動の担い手となり、世界と神奈川の地域社会をつなぐ架け橋となっていると認識しており、さらに、留学生を中心とする国内外の外国人が神奈川のファンとなり、神奈川、そして日本と外国との人と人との交流や、パイプを築くことが、最大の自治体外交であると考えたことから「かながわ国際ファンクラブ」を結成しました。

「かながわ国際ファンクラブ」には、神奈川のために「何かしたい」、「神奈川が好き」という神奈川に親近感を持つ方々など、神奈川にゆかりのある外国人が入会されています。

「かながわ国際ファンクラブ『KANAFAN STATION』は、留学生等の外国人やその人達を支える団体等の方々が出会い、自由に交流できるスペース(横浜駅に近い好立地の国際交流拠点)を提供すると供に、留学生等の生活・就職等に関する各種支援情報・相談に対応しています。

また、会員、サポート会員などが集う交流会を開催し、留学生が神奈川県の観光地や施設等を見学し、神奈川の魅力に直接触れる機会を提供しています。

さらに、神奈川県内の企業への就職を希望する留学生やグローバル学生に対して、情報提供等の支援を行っています。

これらの取組により、神奈川県と外国との人的交流が更に深まり、自治体外交が進展すると考えているとのことでした。

主な質疑

  • 留学生支援における民間の関わりについて
  • 留学生の就労に係わる支援について
  • 県職員の語学力について
  • 留学生が日本で就労できない理由について など

県議会棟において取組を聴取

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京都府議会事務局委員会課調査係

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ファックス:075-441-8398