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長崎県においては、少子高齢化の急速な進展に伴い、地域(集落)の維持が難しい状況になり、市町が集落支援事業として進める「小さな拠点」づくりを後押しするため、基幹地域と周辺集落を結ぶ生活サービス支援を行う取組と周辺集落の中で廃校舎を活用して交流促進事業等も併せて行う取組等を推進し、「小さな楽園プロジェクト」として、次の事業を実施しています。
この事業は、市町、地域協議会、特定非営利活動法人等への交付金制度により支援を行うもので、対象事業は、地域が自発的に生活サービス支援及び活性化策に一体的に取り組み、持続した集落維持及び活性化を図ることを目的としたものとしています。
また、具体的な取組としては、次のとおりです。
今回視察した、「赤い屋根のふるさと交流館」は、廃校となった旧山口小学校(139年間子どもを見守り、育ててきたものの平成26年3月に廃校)を活用し、地域の活性化につながる様々なイベント等の活動を積極的に実施し、地域を支えるコミュニティづくりに取り組んでいます。
長崎県においては、これらの地域を支えるコミュニティづくりにより集落の持続的な活性化に取り組もうとしているところです。
交流館(旧小学校)において事業概要を聴取
長崎県では、現庁舎が抱える老朽化・狭隘化・分散化の課題への対応として、新庁舎を整備しているところです。
整備に向けた基本理念である「県民とともに新しい時代を切り拓く庁舎」を実現するため、次の内容を基本方針としました。
また、周辺景観等にも適切に配慮し、議会棟、行政棟、警察棟、駐車場棟が緑と一体的につながる「丘のような庁舎」にしようとしています。
また、現県庁舎が抱える老朽化・狭隘化・分散化の課題のうち、とりわけ災害発生時に県民の安全・安心を守るための防災拠点施設としての機能整備は喫緊の課題であるため、同県では、県議会の意見書等も踏まえ、これらの課題を早急に解決するため、平成23年2月に、長崎魚市跡地において新庁舎建設に着手することを表明し、「長崎県庁舎整備基本構想」を公表したところです。
その後、平成23年3月に東日本大震災が発生したことを受け、地震や津波、液状化について専門家の意見を聴くなど、県庁舎建設予定地である長崎魚市跡地の安全性について再確認しました。
さらに、県が独自に行った東海、東南海、南海に日向灘の震源域を加えた連動地震による津波シミュレーションの結果、想定される最大の津波が発生したとしても、現在の整備計画における地盤のかさ上げによって、庁舎浸水の恐れはないことが明らかとなり、県議会の関係委員会にも報告し、長崎魚市跡地の安全性について改めて確認しました。
平成24年3月に設計業務に着手後、平成26年2月に行政棟、議会棟、警察棟、駐車場棟4棟全ての実施設計を完了。平成26年度は、行政棟、議会棟、警察棟の工事14件を、平成27年度には駐車場棟の工事3件を契約し、平成28年度には、内装ユニット工事(行政棟・議会棟、警察棟)を発注し、新県庁舎完成時期は、平成29年秋頃を予定しています。
長崎県においては、新庁舎の建設を契機として、県行政全般について、県民とともに新しい時代を切り拓きたいとのことでした。
現庁舎において整備概要を聴取
新議会棟の議場全景
地方創生に係る佐賀県と長崎県との連携協定の取組の一つとして、地域の活性化に資することを目的に、県域をまたぐ8市町の関係自治体と関係団体で協議会を設置(佐賀県、長崎県が事務局)し、肥前窯業圏の魅力発信、地域ブランドの発信等の事業を展開しています。
伊万里市においては、永年にわたり育ててきた地域ブランドを今後とも広く、深く発信することで、地域の活性化につなげたいとのことでした。
大川内山(窯元群)において取組等を見学
福岡県警察では、社会全体の暴力団排除機運の高まりや、徹底した取締りなどにより、暴力団の離脱者は増加している状況にあって、より一層、人的基盤の切り崩しの視点から、離脱を進めるため、社会復帰対策を促進し、暴力団の壊滅・弱体化に取り組んでいます。
また、警察の取組みに加え、県においても暴力団排除教育、追放地域決起大会の開催、市町村職員暴力団排除研修、暴力団排除事例集の作成、行政機関の事務、事業からの暴力団の排除徹底、暴力団事務所撤去運動の支援などに取り組んでいます。
福岡県警察においては、この取組により、これまでの暴力団が活発に活動している地域であるというイメージを払拭したいとのことでした。
福岡県警察では、警察庁の「インフラ長寿命化計画」に基づき、県内各警察署を支援しながら信号機を削減する「シグナル・カットバック作戦」を展開しています。
信号機の設置は、交通事故の防止と円滑な交通に寄与するものの、一方、信号機の老朽化による問題も発生していることから、その適切な維持管理に向けた取組を実施しています。(警察庁長官賞)平成28年度内に信号機の「新設数の抑制」と「1所属1箇所以上の撤去」を目標として取り組んでいます。
信号機の数は、1万機を越え、交通事故の抑制と交通の円滑化に大きく寄与する反面、制御器の老朽化更新目安を越えたものが約9%(平成24年度)となっており、新設数の増加と更新のペースが現状のまま続くと20年後には、更新が必要な信号機が2倍以上になることが懸念されていました。
そのため信号機を適正に管理するためにストック数を適正に管理することとしたものです。
福岡県警察においては、これらの取組により経費を抑制しながらも、交通事故の防止、円滑な交通を目指すとのことでした。
福岡県警察本部で取組等を聴取
福岡市では、「天神ビッグバン」構想を平成27年2月公表しました。
この構想は、市中心部の天神地区では築年数が古いオフィスビルが目立っており、これらの建て替えを促そうとするもので、天神交差点から半径約500メートルのエリアが対象で、ビルだけでなく、地下通路や公園、インフラなどの整備も進めるもので、国家戦略特区や地区計画などを活用した規制緩和によって、民間の投資を促しました。
市の想定では、10年間で30棟のビルが建て替えとなり、30棟の総延べ床面積は現行の約44万4,000平方メートルから1.7倍の75万7,000平方メートルに拡大する事としています。
また、天神ビッグバンには「雇用の創出」という目的もあり、施設開発などのハード面だけでなく、起業家を支援する「スタートアップカフェ」の設置・運営、道路占用事業による「ストリートパーティ」の開催など、雇用創出やMICE(会議、研修旅行、国際会議、イベント)の誘致につながるソフト面での施策も同時に展開しています。
福岡市においては、この構想により、中心地域の活性化が進むと考えているとのことでした。
福岡市議会で取組手法について聴取
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京都府議会事務局委員会課調査係
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