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更新日:2019年2月20日

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農商工労働常任委員会管外調査(平成30年11月5日から7日)

福山市鞆支所(広島県福山市)

日本遺産を活かした観光振興の取組について

調査目的

京都府における日本遺産を活かした観光振興の取組の参考とするため、単独地域として日本で初めて、重要伝統的建造物群保存地区選定、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界の記憶遺産登録、日本遺産認定と、トリプル認定された福山市「鞆の浦」について、三冠効果及び西日本豪雨による旅行者急減に対する観光立て直しの取組等について調査する。

調査内容

平成29年度(2017年度)の福山市への観光客数は約725万人、そのうち鞆の浦は約213万人となっている。

鞆の浦は、瀬戸内海の中央に位置する潮待ちの港として古くは万葉の時代から栄え、常に港町として海とつながっており、また、その日常が現在も残っているという特徴がある。本年5月には日本遺産に認定されており、その構成文化財は29カ所あり、重要伝統的建造物群保存地区には、江戸時代を中心とするさまざまな建造物など国の重要文化財が数多くある。

日本遺産の認定を受け、本年7月に「日本遺産鞆の浦魅力発信協議会」を設立し、国から約7,000万円の補助金を受け、3カ年かけて事業展開されている。

今年度は、協議会の中に別組織である企画運営会議を設置し、10事業を展開。行政だけでなく、「鞆」を中心とする地元の住民や企業、商工会議所、観光コンベンション協会などが加入し、「行政主導で行わないこと」を強く意識しながら地元の方と相談し、地域の活性化のために事業を推進されているとのことであった。

現在、鞆の地域資源をリストアップし、他地域との比較等により強みを把握した上で、観光客の嗜好性やターゲットを明らかにする事業に取り組まれており、今後、鞆の浦の魅力を十分に伝えることができるようガイド養成事業等を実施されるとのことであった。

また、市役所内の組織も、横のつながりを意識しながら、チームを組んで事業を推進されているとのことであった。

主な質問事項

  • 住民が望む観光振興に向けた今後の対応策について
  • インバウンドのターゲットについて
  • 地域への新規出店状況について
  • 地場産業と観光との関連について
  • 地域を守るための小学生等への意識付けの取組状況について など

福山市鞆支所(広島県福山市)概要説明を聴取
概要説明を聴取

福山市鞆支所(広島県福山市)日本遺産認定地域を視察
日本遺産認定地域を視察

広島県庁[於:イノベーション・ハブ・ひろしまCamps](広島県広島市)

イノベーション立県を目指した取組について

調査目的

今後の京都府の「イノベーション」の事業展開の参考とするため、「イノベーション立県」を掲げ、新たなビジネスを生み出す人材を育成する「イノベーション・ハブ」の取組や、創業支援、企業支援、地域のクリエイティブ活動の支援等、広島県の取組について調査する。

調査内容

人口減少・少子高齢化やグローバル化が進むなか、広島県では新たな県づくりを押し進めるため、平成22年に「ひろしまチャレンジビジョン」を策定し、地域のイノベーション力の徹底強化、県の「強み」や「強みの芽」の最大限の活用、グローバル化の視点を持ったアジアの活力の取り込みを基本方針として、新たな産業・基幹産業の育成・発展に積極的に取り組んでいる。

同県では、これまで、イノベーションを創出するための取組として、新たなビジネスを生み出す人材を育成する「イノベーション・ハブ」の取組(イノベーション・トーク、イノベーションリーダー養成塾など)や、創業・企業支援、地域のクリエイティブな活動の支援などを行っており、平成29年3月には、新たなビジネスや地域づくりなどにチャレンジする多様な人が集まるイノベーション創出拠点として「イノベーション・ハブ・ひろしまCamps」を整備。

さまざまな資質・能力を持つコーディネータが常駐し、起業・新事業展開に関する相談や会員同士のネットワーク構築など、利用者の多様なニーズに対応できる体制となっており、平成29年度は、248件のイベント等が開催され、1万人(平成29年度目標3,000人)を超える方々が利用されたとのことであった。

また、今年度新たに、AI・IoT、ビッグデータや次世代技術によってこれまでにない新しいソリューションを創り出し、技術やノウハウを持つ県内外の企業や人材を呼び込むことを目的として、共創で何でもできるオープンな実証実験の場を構築し、3年間で10億円規模を想定して実施する「ひろしまサンドボックス」を展開されている。

主な質問事項

  • 株式会社ひろしまイノベーション推進機構の投資における成功事例について
  • イノベーションにおける地元大手企業の役割について
  • SNSの発展に伴うイノベーションについて
  • コーディネータ及びコンシェルジュの役割について
  • 施設の運営管理及び財源について など

広島県庁概要説明を聴取
概要説明を聴取

広島県庁イノベーション・ハブ・ひろしまCamps内を視察
イノベーション・ハブ・ひろしまCamps内を視察

うきはの里株式会社(福岡県うきは市)

道の駅を核とした観光地域づくりについて

調査目的

京都府の観光振興及び地域づくりの参考とするため、ビッグデータ、観光客や市民の生の声、経営データ等のクロス分析による施策立案や、観光客だけでない「うきはの関係人口」を見据えた外販×プロモーション連携事業等、うきはの里株式会社の道の駅を核とした“攻め”の観光地域づくりの取組について調査する。

調査内容

「道の駅うきは」は、第3セクターのうきはの里株式会社が運営し、「うきはのすばらしさ、ゆとりとやすらぎのあるまち」を都市から訪れた人たちに広く紹介し、観光情報や農業体験の情報を発信する情報発信基地であり、また、直売所等を通じ、都会のニーズを受信し、農産物等の販路拡大や特産品開発を行っている。

直近3カ年の売上実績は、約9億3,000~4,000万円、来訪者は年間120~130万人。地元農家を中心に約740人の生産者が出荷組合や生産者の会を結成し、売り上げ目標を設定して、積極的に出荷されるため、フルーツ・野菜の種類や出荷量が豊富で、常に新鮮な商品が並ぶという好循環が生まれ、リピーターに支えられているという特徴があり、九州・沖縄道の駅ランキング(じゃらん)では、平成28年から3年連続1位になっているとのことであった。

また、平成28年には市が中心となり、うきは地域総合商社を設立。市内の事業者(つくり手)の所得向上を目指して外貨を稼ぐ地域づくり及び創業支援による仕事づくりの取組を展開されている。同時に、うきはの里株式会社をDMO候補法人として登録し、観光に向けた取組も推進している。今後、DMO活動などの投資的事業を強化する中で、商社事業の売上を向上させることが、重要な基礎体力となっていくものであり、市外でのうきはプロモーションを積極的に展開し、これまで道の駅で扱っていない市内の加工品の発掘・販売や、新商品の試販代行にも挑戦されているとのことであった。

さらに、市外の個人や団体の関係人口を獲得する「うきはファンクラブ会員」の認定に向けた取組も積極的に展開されている。

主な質問事項

  • 来店者一人当たりの売上単価について
  • フルーツの収穫減少期の対策について
  • 総合商社の今後の仕掛けづくりについて
  • 関係人口増加に向けた取組について
  • 若手の農業者の増加傾向について など

うきはの里株式会社概要説明を聴取
概要説明を聴取

うきはの里株式会社観光案内所「ウキハコ」を視察
観光案内所「ウキハコ」を視察

株式会社久留米リサーチ・パーク(福岡県久留米市)

福岡県バイオ産業創出事業の取組について

調査目的

福岡県内のバイオ関連企業や学術機関と国立研究開発法人理化学研究所との連携により、革新的な機能性食品・医薬品等を開発するとともに、企業の研究開発を支援している、株式会社久留米リサーチ・パークのバイオ関連産業の活性化による地方創生の実現を目指す取組について調査し、今後の京都府の産業創出の取組の参考とする。

調査内容

福岡県では、平成13年度に産学官組織「福岡県バイオ産業拠点推進会議」を設立し、県南の中核都市である久留米市を中心にバイオを核とした新産業の創出や関連企業・研究機関の集積を目指す「福岡バイオバレープロジェクト」を推進している。

整備された「バイオインキュベーションセンター」や「バイオファクトリー」では、企業の研究開発促進やベンチャー企業の育成等の事業を展開するとともに、オープンラボ(開放型試験施設)では、バイオ研究用分析機器を低料金で提供し、専門職員による技術相談、受託分析など、総合的に企業をサポートしている。

これまでに県内に200社以上の関連企業が集積。平成28年度からは、科学的根拠に基づいた革新的な機能性表示食品や医薬品の開発に向け、理化学研究所と地元大学、企業との共同研究を実施し、機能性表示食品の開発支援を開発相談から届出支援までワンストップで行われている。これまでに6件を消費者庁に届出、そのうち4件が受理され販売中とのことである。今後は、近年の健康志向の高まりにより売上拡大が期待できる機能性表示食品をはじめ、高付加価値の食品開発を行う企業への支援を強化されるとのことであった。

また、「核酸医薬」、「超早期がん診断技術」に対する開発支援や、大学との連携等を通じて、県の創薬拠点化を推進されるとともに、検査装置、細胞培養装置など医薬品以外の周辺分野への展開を図っていきたいとのことであった。

主な質問事項

  • バイオ産業振興の選択理由について
  • インキュベーションから卒業した事業の成功事例について
  • 機能性表示食品の開発支援に取り組むことになった背景及び相談窓口利用状況について
  • オープン・ラボの利用状況及び他府県からの利用について
  • 投資家とのマッチングについて など

株式会社久留米リサーチ・パーク概要説明を聴取
概要説明を聴取

株式会社久留米リサーチ・パークオープンラボにおいて分析機器について説明を聴取
オープンラボにおいて分析機器について説明を聴取

佐賀県農業試験研究センター(佐賀県佐賀市)

大学・IT企業と連携したスマート農業導入の取組について

調査目的

佐賀県、佐賀大学、株式会社オプティムによるIT農業に関する三者連携協定を通じ、佐賀県農業試験研究センターで実施しているICTやロボット技術を活用した作業の効率化のための技術や、熟練農業者の経験・知識のスムーズな移転のための技術開発の取組について調査し、京都府におけるスマート農業導入の参考とする。

調査内容

佐賀県の耕地面積は、県総面積の21.6%を占め、その割合は九州で最も高く、また、整備された生産基盤を活用していることから、耕地利用率は131.1%で、32年連続全国1位となっているが、農業者の高齢化と後継者不足が課題となっている。

佐賀県では、平成27年度に策定された「佐賀県『食』と『農』の振興計画2015」による「稼げる農業の確立」「さが農村の魅力アップ」の2本立てで農業・農村振興に取り組んでいる。

平成27年7月に佐賀大学、佐賀県、株式会社オプティムによるIT農業に関する三者連携協定を締結され、「“楽しく、かっこよく、稼げる農業”を佐賀からITを使って実現する」をコンセプトに取組を展開されている。
三者で役割分担を行い、専門性の高いITテクノロジーの提供やIT農業人材育成支援などを企業が担い、県と大学が、実証実験フィールドの提供や学術的な支援を行っているとのことである。連携協定から3年が経過し、ドローンを使用した米や大豆の病害虫被害の早期発見や、ピンポイント防除の知見について、企業が現場で技術提供を行っているとのことであった。

また、県農業試験研究センターでは、平成28年度から、ICTの利用による省力技術の開発やロボット等による省力技術の実証に取り組んでいる。なお、関係機械メーカーと連携した中山間地での畦畔除草ロボットの実用化に向けた技術実証を行い、関係機械メーカーが開発、実用化(販売)されているとのことであった。

主な質問事項

  • ICT農業導入に係る県の補助及び対象予定について
  • 高齢化に伴う労働力の集約化に向けた県の支援の方向性について
  • 集落営農の今後の方向性について
  • 女性就農者の割合及び県の支援について
  • 中山間地でのIT活用の今後の方向性について など

佐賀県農業試験研究センター概要説明を聴取
概要説明を聴取

佐賀県農業試験研究センタードローン操作について説明を聴取
ドローン操作について説明を聴取

お問い合わせ

京都府議会事務局委員会課調査係

京都市上京区下立売通新町西入

ファックス:075-441-8398