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京都府レッドデータブック2015

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オオミズ博士

レッドデータQ&A

レッドデータに関するよくある質問と答えを書いています。

Q

最近、メダカが絶滅してしまうかもしれないと聞きましたが、どうしてですか?

A

メダカはもともと田んぼや小川、ため池など私たちの身近にたくさん生息(せいそく)していましたが、数が減少してきたため絶滅が心配されています。数が減っているおもな原因(げんいん)には、 田んぼや小川の形が生き物がすめないような形にかえられてしまったこと、農薬(のうやく)などが川に流れてしまうこと、それに外来種(がいらいしゅ)であるオオクチバスやブルーギルに食べられてしまうこと、などがあると言われています。メダカはこれまでの研究で、日本海側(にほんかいがわ)にいるキタノメダカと太平洋側(たいへいようがわ)にいるミナミメダカの2種に分かれることがわかりました。京都は全国でもめずらしく、この両方が生息していることがわかっています。でも、ともに絶滅が心配されていますので、田んぼや川でメダカを見つけても、採ったりしないで大切に見守りましょうね。

参考:京都府レッドデータブック2015
「キタノメダカ」 http://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/fis0022b.html
「ミナミメダカ」 http://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/fis0022.html

Q

日本で絶滅しそうな鳥類は何種類いますか? また、なぜ絶滅しそうなのですか?

A

環境省(かんきょうしょう)が2012年8月に発表した国の鳥類レッドリストによると、日本で生息(せいそく)が確認されている鳥のうち、すでに絶滅してしまった鳥は14種、トキのように野生では絶滅したけれど飼育(しいく)した個体(こたい)は生き残っているものが1種。絶滅が心配されている鳥は97種いるとされています。京都府レッドデータブック2015では、京都府内で358種の生息が確認されており、このうち、56種が絶滅寸前種と絶滅危惧種となっており、絶滅が心配されています。絶滅が心配されるようになった主な原因は、水鳥のすむ湿地(しっち)や河川、干潟(ひがた)などの開発、水田の減少、里山や草地の手入れがされなくなってすみにくくなったこと、野生化したネコや外来種のアライグマなどに食べられること、そのほか渡り鳥では外国の越冬地(えっとうち)や繁殖地(はんしょくち)の開発も大きな原因の一つと言われています。

Q

地衣類(ちいるい)って何ですか?コケとはどう違うのですか?

A

地衣類は、菌(きん)の仲間で、いつも藻(も)とともに互いに協力して生活している生き物です。樹木の幹に乾いた糸状の小枝がからまったようなもの、小さな葉っぱのようなものがはえたもの、樹皮(じゅひ)に斑文(はんもん)のような色がついているものなどを見たことはありませんか。地衣類は岩の上、木の皮、屋根瓦(やねがわら)やコンクリート、地面など 安定したところなら、どこにでもはえることができます。このように別の生き物が互いに協力して暮らすことを共生(きょうせい)とよびます。菌は藻に安定したすみ家と生活に必要な水分を与えるかわりに、 藻が光合成(こうごうせい)で作った栄養(炭水化物)を利用して生活します。京都府レッドデータブック2015では、京都府内で163種の地衣類が確認されていて、このうち23種が絶滅危惧種や準絶滅危惧種になっています。一方のコケは、植物のなかまで、自ら光合成をして独立した生活をしています。見た目はよく似ていますが、別のなかまの生き物です。

参考:国立科学博物館「地衣類の探求」
http://www.kahaku.go.jp/research/db/botany/chii/index.html

Q

こうもりは、超音波(ちょうおんぱ)をどうやってどこからだすのですか?

A

コウモリは主に夜に行動するほ乳類のなかまで、光のないまっくらな空をとびまわり、とんでいる昆虫をつかまえて食べています。これは、コウモリが人間の耳には聞こえない音=超音波(ちょうおんぱ)を口や鼻(はな)から出し、ものにあたってはねかえってくるこだまを聞きわけ、まわりのようすや昆虫の場所を感じとっているからです。京都府レッドデータブック2015では、府内にすむ11種のコウモリのうち、ヤマコウモリやテングコウモリなど7種がもっともランクの高い絶滅寸前種(ぜつめつすんぜんしゅ)になるなど、府内のコウモリをとりまく環境はきびしいものになっています。コウモリがねぐらやかくれ家としているほら穴や樹洞(木の穴)が、森の開発(かいはつ)や大木を切ったことで少なくなってしまったことが大きな原因といわれています。これらを保全(ほぜん)して、コウモリのすみかを守っていくことが大切です。

Q

世界のレッドリストには何が載っていますか?

A

世界のレッドリストは、IUCN(国際自然保護連合・こくさいしぜんほごれんごう)とよばれる国際的な機関が、世界中の専門家の協力で調査し、とりまとめて公表しています。その対象はほ乳類や鳥などのせきつい動物、こん虫や貝、甲かく類、サンゴなどの無せきつい動物、コケ、シダ、種子(しゅし)植物、藻(も)などの植物、キノコや地衣類(ちいるい)などの菌類、原生生物(げんせいせいぶつ)まではば広い分野が評価(ひょうか)の対象となっています。IUCNが2015年2月に発表したレッドリストでは、世界中の生き物のうち77,340種を評価したところ、22,784種が絶滅の危機にあるとしています。その主な原因は生き物のすみかがこわされたり、なくなったりしたことによるもので、85%を占めています。次いで、違法(いほう)な取引、外来種の導入(どうにゅう)が主な減少の要因とされています。

参考:IUCNレッドリスト
http://www.iucn.jp/species/redlist.html

Q

日本のレッドデータブックと京都のレッドデータブックでは何が違うのですか?

A

日本のレッドデータブックは、環境省がつくっています。レッドデータブックでは、絶滅のきけんの大きさでランクづけをしていて、日本の国内全体で絶滅が心配される生き物がのっています。日本の中の京都府という地域には、ほかの地域にはない自然の特徴があり、生き物の絶滅の程度や種類についても、ほかの地域との違いがあります。そこで京都府版のレッドデータブックを作って府内の野生生物や生態系を守るためのいろいろな取り組みの資料として使っています。また、京都府レッドデータブック2015では、絶滅が心配される生き物だけでなく、生き物の生活の場である地形や地質、生態系も対象にしています。

Q

京都で絶滅した生き物は何ですか?

A

京都府レッドデータブック2015では、オオカミやカワウソ、ミナミトミヨ(魚)など95種の生き物が絶滅種となっています。このうち最も多い分野は植物で、54種が絶滅種となっています。この中には、マイヅルテンナンショウ(舞鶴)やカミガモソウ(上賀茂)、タンバヤブレガサ(丹波)など、京都の地名が由来となった植物も見られます。京都府レッドデータブック2002年版から2015年版までの13年間で、新たに動物12種、植物4種が絶滅種となりました。京都府内の野生生物がおかれている状況はさらにきびしい状況になっていることがわかりました。

Q

生き物が絶滅するとなぜいけないのですか?

A

生き物を分類するためのもっとも基本的な単位を「種(しゅ)」と呼びますが、ヒトも含めて地球上のさまざまな生き物の種は、長い「進化(しんか)」の歴史のなかで生み出されたものです。地球の生態系は、こうした種と種の複雑(ふくざつ)で微妙(びみょう)なバランスのうえになり立っています。たった1種の生き物が絶滅することで、それを食べて生きてきた生き物が生きられなくなったりするなど、生態系全体のバランスをこわしてしまうことさえあります。また、私たちは自然界から多くの恵みをうけています。たとえば、私たちが食べているお米やパンの原料の麦(むぎ)も、もともとは野生の生き物の種を品種改良(ひんしゅかいりょう)したものですし、病気の治療(ちりょう)に使われる薬も、最初は生き物の成分(せいぶん)から見つけられたものが多くあります。現在治療が難しいとされている病気の特効薬(とっこうやく)も、今後、自然界から見つかるかもしれません。そのほかにも衣料や住居、産業などの原材料として、また、物質的な豊かさだけでなく、文化や芸術の素材や自然とのふれあいを通して人々に生きる喜びやうるおいも与えてくれています。生き物の種が一度絶滅してしまえば、それを人間の手でよみがえらせることはできません。人間の様々な活動のために多くの種が地球上から失われるとしたら、それは、人類の生存をあやうくするだけでなく、地球のすべての生き物や生態系に影響を与えることになってしまいます。今に生きる私たちは、もうこれ以上、生き物の種が絶滅していかないよう、人間も野生の生き物も共存できるような社会をめざしていくことが大切です。

Q

生き物が絶滅していく原因は何ですか?

A

京都府レッドデータブック2015にのっている生き物が、なぜ絶滅するのかを調べたところ、 最も大きな原因は、「開発(かいはつ)」や「森林伐採(しんりんばっさい)」によって生き物のすみかがこわされたりなくなったりしたことによるもので、全体の42%を占めています。ついで、「乱獲(らんかく)」や里山などが手入れをされないまま「放置(ほうち)されること」、水質の「汚染(おせん)」が続いています。2015年版では、2002年版に見られなかったシカ食害によるものが増えつつあります。

Q

タンチョウヅルは、なぜ絶滅しかけているのですか?

A

タンチョウはツル科の鳥です。中国(ちゅうごく)の東北部(とうほくぶ)で繁殖(はんしょく)し、冬になると南のほうへ移動するものと、北海道東部で生息(せいそく)し移動しないものもあります。数が少なくなっているため絶滅が心配されています。数が少なくなった原因は、生息地である湿原(しつげん)が開発(かいはつ)されたために減少(げんしょう)したことと言われています。最近では、湿原を守る活動(かつどう)や、保護(ほご)が計画的に行われているため、数は少しずつ増えてきています。

お問い合わせ先:京都府環境部自然環境保全課
TEL:075-414-4706 FAX:075-414-4705
E-Mail:[email protected]
〒602-8570 京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

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