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いつもは穏やかに流れる鴨川・高野川ですが、台風18号に伴う豪雨でうねりを上げて濁流が河川内で大暴れしました。自然の持つパワーを目の当たりにして、改めて河川管理や整備の重要性を皆さんにも認識していただけたのではないでしょうか。
そんな豪雨が去り一夜明けた川の様子を見て回りました。台風一過という言葉がピタリとはまる雲一つ無い“秋晴れ”の青空が広がっています。
<広々と流れる高野川と青空>
川の水量はまだまだ普段よりも多く、飛び石もカメの背中が見える程度で、渡ることが出来ません。いつもは、人が行き交うこの場所も今日は“コサギ”が川の様子を眺めるだけです。
<高野川の飛び石>
(川の流れに対して横向きの3つだけ少し見えます)
(コサギが一羽川の流れを見つめます)
前日まで、緑の草木で覆われていた寄り州も土の地肌が露出しています。中州に堆積した土砂は激流に流されて、ごろごろとした石が残されています。
<高野川の寄州>
(緑の部分は“ほとんど”流されました)
<高野川の中州>
(中州に堆積していた土が流れ石が残りました)
低水護岸が一部抜け落ちている所には、立入禁止措置が講じられています。お手数ですが、一旦道路側に迂回して御利用願います。
<清水町バス停付近 抜けた低水護岸>
いつもは川の中を「ちょこまか」と動き回る“コサギ”と「ゆったり」とした動作で魚を狙う“ダイサギ”も川面から顔を出した石の上で仲良く2対になり水の引くのを待っています。
<“ダイサギ”“コサギ”2ペア>
園路の上では、昆虫たちも活動を始めているようです。“バッタ”が近づく度に先へ先へとジャンプして園路に着地していきます。まるで道案内をしてくれているようです。
<バッタ>
(1回のジャンプでかなりの飛距離です)
蝶も2匹で、園路の地中から何かを吸い上げています。こちらは近づいてもお構いなしに夢中です。
<蝶>
(何を吸っているのでしょうか)
下鴨神社から流れ出る泉川が高野川へ合流する地点では、小魚が“いけす”の様に群れていて、少年が手作りの竿で魚釣りを楽しんでいました。バケツには数匹の小魚が入れられていました。
<小魚>
(色んな大きさの魚がいます)
<少年に釣り上げられた小魚>
(結構大きいのも釣れていました)
増水前のこの付近は、堆積した土砂で堰き止められて、対岸に向かって水路の様に流れていましたが、堆積土砂が流されて、下流へと水の道が変わっています。
<河合橋下の流れ>
(右の護岸沿いの流れが復活しました)
前日は野鳥達の待避場所となっていた鴨川デルタでは、晴れ渡る青空の下で記念撮影でしょうか。はやりのユニットアイドルの様な若い女性がポーズを取っています。
<記念撮影?>
(川の水は濁っていても背景は抜群です)
流量の多い鴨川から取水している“みそそぎ川”の取水口では、調節の為の遮断板が設置されていますが、楽器の練習をする人も普段どおりの場所で、その音色を響かせています。
<“みそそぎ川”取水口>
<楽器の練習>
細かな砂の砂州となった部分には、上流から流れてきたのでしょうか、バンカーに捕まったように、ゴルフボールが点々と乗っかっています。鴨川でのゴルフ練習は危険ですので御遠慮願います。
<バンカーショット>
(鴨川でのゴルフ練習は危険行為です)
草むらでは、チョウが羽を休めていました。鴨川からバッタが消えたと嘆く声も耳にしますが、結構いるのです。水際では、カルガモが水草に乗って流されないようにしています。
<蝶>
(さっきの蝶と同じ種類でしょうか)
<バッタ>
(草の伸びた草むらも鴨川には残されています)
<濁り水の中のカルガモ>
晴れ渡る青空で空気も澄んだ風景は、写生にもってこいの一日となりました。いろんな場所で絵筆を取る方の姿がみられました。
<木陰から景色を写生する人>
少しだけ残された中州へとたどり着こうと、カモが水際から泳ぎ出しますが、いつもとは勝手が違ってなかなか前へ進めません。流れが速くて飛ぼうにも離水が難しい様です。
<残された中州>
(“アオサギ”“コサギ”“ダイサギ”サギ三種盛り 昨日はどこにいた?)
<必死に泳ぐカモ>
(残された中州へと泳ぐが 流される~)
鴨川の名所の一つとなった出町の飛び石の“カメ”や“チドリ”も完全に水没して姿が見えません。飛び石に引っかかった流木でかろうじて位置がわかる程度です。
<出町の飛び石>
(カメの間に石が詰まったのでしょうか飛び石に水があたる気配なし)
出町のヌートリアも昨日の疲れを癒すかのように、頭を草の中に突っ込んでじっと動きません。
<ヌートリア>
(昨日は大変だったな~ なんて思っているのでしょうか)
透き通るような青空をバックに大文字が鎮座しています。近年にない大雨を流した後の鴨川を写真に収めようと、多くの人がその流れにカメラのレンズを向けています。
<出雲路橋下流 大文字>
鴨川の絶景の一つである「出雲路橋」からの上流の風景も「20年程前の姿に近づいたのでは」と思う位に中州、寄州が洗われています。こちらの姿を好む方も多いと聞きます。
<出雲路橋から上流を望む>
比叡山をバックにする「出雲路グラウンド」は、水はけが良く既に使用可能となっています。
<出雲路グラウンドと比叡山>
鴨川の中にあった緑の草は根こそぎ流されて、鴨川の川幅はこんなに広かったのかという感想が聞こえてきます。川の中の様子はすっかり変わってしまいましたが、これが自然の姿なのでしょう。
高水敷を利用される方の憩いの場としての鴨川は、市街地ど真ん中の三条・四条間は別として、いつものやさしい鴨川に戻りつつあるようです。
<北大路橋右岸から上流を望む>
今回の増水で、鴨川は安心と思っておられた方にも、万全ではないという認識を持っていただけたかと思います。いざという時の為に、日頃から「どういう行動をして自らの命を守るのか」という事を考えるキッカケにして頂きたいと思います。【速報】↓へ続く!
平成25年9月20日 (京都土木事務所Y)
災害復旧の様子
高水敷が大きなダメージを受けて立入禁止措置をとっている三条大橋から四条大橋間の右岸では、1日も早い立入禁止措置解除に向けて、仮復旧工事が進められています。はぎ取られた土系舗装は、残った舗装を一度すっかり取り去って、コンクリートの部分を歩いていただく準備を進めています。
<残った土系舗装をはぎ取るバックホウ>
<高水敷一面が土に覆われた三条・四条間>
そして、今回の大雨で大きなダメージを受けた、京都土木事務所管理の「嵐山公園中ノ島地区」その復興も急ピッチで進められています。
その様子を「嵐山四季報 緊急号外」として情報発信しますので、そちらも御覧ください。
今回の台風豪雨で浸水被害を受けられました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
8月30日から気象庁により運用が開始された“特別警報”が9月16日に初めて発表されました。午前5時過ぎに、一斉に携帯端末が鳴りました。このメールで起きたという人も多いと思います。
京都土木事務所では、15日夕方の大雨注意報の発令により、水防待機班が直ちに出勤、その後の大雨警報発令により増員体制をとり、夜遅くにかけ管内の管理河川の水位上昇が顕著になる中、16日の未明には10名を越える職員が参集し、水防警報の発表、水位情報の通知、鴨川・高野川洪水予報の発令をはじめ、高水敷への立入禁止措置、各種通報への対応に当たりました。
私は、16日8時30分からの召集の連絡を受けて、「時間前に鴨川の様子を見てから」と思い七条大橋まで車を走らせました。走っている車もマバラで程なく七条に着きました。橋の上は強風で傘も役に立ちません。
七条大橋下流の落差工では、ゴウゴウと滑り落ちる激流が反転するようにしぶきを上げています。上流にカメラを向けると、高水敷は見えず流木やごみが“ぷかぷか”と流れてきます。
<七条大橋下流 激流>
<七条大橋上流 こんなに満杯です>
五条大橋へとやって来ました。辺り一面に土の香りがしています。ここまで水位が上がった鴨川は見たことがありません。雨粒を強い風が運んできてシャッターを切る手が“ぶれ”てしまいます。
<五条大橋上流左岸から>
<五条大橋から上流を望む>
松原橋から上下流を見ると、大きな切り株のような流木も流れてきます。みそそぎ川も全く見えない程に冠水しています。
<松原橋上流 みそそぎ川は全く見えません>
<松原橋下流>
<松原橋上流 木の塊や木材が流れてきました>
<流れ着いた流木で濁流をかわす鴨たち>
三条大橋まで来ると、豊臣秀吉が造営して以来の橋脚といわれる石の橋脚も濁流で洗われています。三条大橋右岸下流のスロープ下の小さな橋も濁流に飲み込まれています。
<三条大橋下流から>
<三条大橋から下流右岸>
二条大橋から下流を覗くと、高瀬川とみそそぎ川が分流する場所でも、みそそぎ川に落ちる階段落差が半分位冠水しています。川の下に設けた“鴨川ギャラリー”も河川が浸しています。
<二条大橋から下流を望む>
<二条大橋下のギャラリー ベンチも水没>
高水敷に整備した園路が比較的高い位置にある荒神橋付近でも、あと1メートルも無い位置まで増水しています。
<荒神橋上流 飛び石も何も見えません>
<荒神橋上流から 橋脚にも流出物が>
出町橋では、魚道が設けてあるのですが、全くその存在を覆い隠すように濁流が飲み込んでいます。出町デルタでは、いつもは住民の憩いの場ではなく、野鳥たちの避難場所となっています。
<出町橋上流 この両端に階段状の魚道があります>
<出町橋下流 写真右の芝の上の黒い線が最大水位でしょう>
<鴨川デルタ サギ、カワウ、カモが避難>
そして、市街地最上流の大きな落差を持つ“柊野砂防堰堤”を確認に行きました。叩きつけられた水しぶきが、雨に混ざって顔を叩くほどの勢いで水が流れています。「ここまで顔を変えた鴨川は初めて見た」と誰かに話したいと感じながら事務所へと向かいました。
<柊野堰堤 大きな岩も一のみです>
<柊野グラウンド 一面の浸水>
災害対策要員として事務所に到着すると、夜を徹した職員が、被災状況を知らせる電話の応対や、水防警報等の発令にバタバタ状態になっています。
河川以外の被災情報も入りますので、それぞれの管理者を紹介するなどの対応も必要となります。
午後からは、市民から寄せられた情報の確認や施設被害状況の調査が始まりました。私は鴨川の被災状況確認班に従事です。早朝とは逆に柊野砂防堰堤からの確認です。
早朝には全く見えていなかった岩が見えてきました。それでもまだまだ水しぶきは橋の上まで飛んできます。ごみが堰堤下でくるくると滞留しています。
<柊野堰堤1>
(まだまだ飛び散った水しぶきを感じます)
<柊野堰堤2>
(濁流のうねりにゴミが翻弄されています)
柊野砂防堰堤のすぐ上流では、柳の木が根元から倒れています。グラウンド側でも大木がゴロンと横になってしまっていました。
<柊野堰堤3 横たわるヤナギ>
(根の張りだしが少なく踏ん張りが効いていません)
<柊野堰堤4 倒れた大木>
(園路の舗装をめくり上げて倒れました)
<浸水した柊野グラウンド>
(カモがグラウンド内を泳いでいます)
高水敷が低く、最も浸水し易い北大路橋(右岸)下の園路は、この時間もまだ浸水状態で通行止めの措置がとられています。それでも水位は次第に下がっており、祝日ということもあって、家族づれが鴨川で憩います。まるで、何も無かったかのように。
<賀茂大橋右岸上流>
(手前のゴミの位置まで増水しました)
<賀茂大橋右岸下流>
(こんな鴨川見たことないとカメラを向ける人が絶えません)
<賀茂大橋左岸上流>
(お弁当を広げる家族連れも)
鴨川の落差工の中でも高低差の大きい出町橋上流では、水が激しく落ちていきます。魚道もスロープ状の輪郭は見えてきましたが、階段状の水の流れは現れていません。
最近、デレビ番組や新聞でも話題となっている“ヌートリア”も激しい濁流に耐えてカモと一緒に姿を見せました。
<出町橋上流>
(魚道もまだその階段状の姿を現していません)
<出町橋上流 カモとヌートリア>
(大きな個体はなんとか持ちこたえたようです)
<こんなところにもヌートリア>
(精魂はてたという感じでこちらを睨んでいます)
鴨川の中では、カモが護岸に寄り添うように泳いでいます。護岸沿いは流れが幾分ゆるやかになっているのでしょう。
<丸太町橋右岸下流 カモ>
(残った草につかまるように)
御池大橋~三条大橋間に整備された園路は水が上がって荒れています。三条大橋下は水が溜まっていて、立入禁止措置がとられています。見た目はそれほどの被害では無いようです。高水敷に取り残された小魚が、太陽の日差しに干されて、出汁じゃこのようになっています。
<御池~三条間右岸1>
(遠目には大きな被害は無いようですが・・・)
<御池~三条間右岸2>
(取り残された小魚)
<御池~三条間右岸3>
(近寄ってみると、かなりのダメージ)
<三条大橋下>
(切り下げた部分に水が溜まります)
三条~四条間は更に激しいダメージで、三条側も四条側も完全に芝生がめくれてしまっていて、洪水に耐えるために芝の下に敷かれた構造物が丸見えになってしまいました。
みそそぎ川に渡された高水敷と連絡する小橋の高欄も、流木に突き破られて破壊されてしまいました。
更には、ブロックで敷き詰められた部分もはぎ取られています。
<三条大橋下流右岸1>
(こちらも芝がはぎ取られました)
<三条大橋下流右岸2>
(突き抜けるように残された流木)
<三条大橋下流右岸3>
(高水敷を擦りながら流れた流木などが削り取ったのしょうか)
<四条大橋右岸上流>
(側溝を掃除したように“ごっそり”と土ごと芝は流れました)
新聞紙上でも、利用者が多いこの区間の“芝”の根付き不足が指摘されたばかりですが、自然の力には為すすべもありません。
次回は、大増水から一夜明けた鴨川の様子や、復旧に向けての取組をご紹介したいと思います。
平成25年9月18日 (京都土木事務所Y)
前号の105号は、100号突破記念特集として花の特集でお送りしましたが、今回は、まだまだ残暑厳しい鴨川を半日散歩して出会った様子をご紹介させていただきます。
この日8月31日(土)は、鴨川で「わらしべ長者」(第89号参照)に挑戦していた学生起業家が四条新京極の貸しホールでイベントを行うとの案内を受けて、その行き帰りに鴨川を通って行くことにしました。
今にも雨が降り出しそうな空模様で、ムシムシしていますが、川を通り抜ける風で幾分か暑さが緩和されます。
高野川の護岸に繁茂したつる草のツルが目にとまりました。2本のツルが人の手でより合わせように絡み合い、強度を増して先に伸びていきます。そして違う方向から伸びてきた同様のツルと絡み合い、支えあってそのまた先に進んで行きます。
<青々とした葉を絡み合ったツルが先導します>
細い一本のツルでは、伸び行く力にも限界がありますが、お互いの繋がりと合わせた力で力強く生きています。人も誰かと繋がっていなければ生きていけない、生きがいも生まれないと思います。自然界も同じ構造で成り立っているようです。よく見ると“人”という字を形作っているような・・・。
<器用に交互にねじれています>
<右からの2本と左からの2本が出会って一本に>
その横には、エノコロクサが生えています。このエノコロという名前は、犬の尻尾に似ていることから“犬っころ草”と言われていたからとの事です。別名を“猫じゃらし草”とも呼ばれていて、こちらは猫の目線でこの花穂を見ると“じゃれつく”ことから来ています。
<手前がエノコロクサ>
小さな小さな花を、沢山直線的に花を付けている植物や、一面に小さな蕾を付けて開き始めた花を敷き詰めようとしている植物も目に入ります。
<高木の上に咲く小さな花にも似ています>
<小さな粒がつぼみです>
前号でその花をご紹介しました“ワルナスビ”が実を付けています。大きさは1センチくらいの丸い実で“カモナス”のような感じですが、模様はスイカに似た感じです。
<ワルナスビの実>
賀茂大橋の下流には、植樹された樹木を囲むベンチが設置され、その周辺に木材を土に埋め込んだ小さな舞台と、そこから続く客席のように等間隔に配置された踏み板が配置されていました。生ギターのプライベートコンサートが出来そうです。
<小さな舞台です>
普段、昼間に鴨川を散歩するときは、その存在に気づきませんが、先日夜間に鴨川沿いを歩いた時に確認すると、荒神橋上下流の西の端に10基の照明が設置されています。
<先の丸いタイプと行灯タイプがあります>
自然公物であり、利用において“危険”も内在する河川には、一般的に照明は設置しませんが、この区域は河川でもあり公園でもあります。そして、川の流れと設置位置との間が広く、夜間もそこを安全に通行することが出来るため、例外として公園整備の一環として設置しています。
この明かりの下で、ソーランなどの団体演技を練習するグループがあります。彼らには貴重な練習スペースとなっています。
そんな照明器具を見上げていると、何だか甘い香りが漂ってきました。よく見ると香りの方向には青い実があります。見覚えのある特徴的な形は、“イチジク”の形です。自然生えなのか誰かが植えたのか、とにかく鴨川に“イチジク”とは真発見です。
<まさしく“イチジクなんとか”と同じ形です>
今の季節に比較的高い位置に咲いているのは“サルスベリ”です。これもまた先入観なのでしょう。“赤い色の花”と少し薄い“ピンクの花”は認識していましたが、“ほぼ白”の花を付ける“サルスベリ”もあるのですね。ネットで検索してみるとそれぞれ“ウスムラサキサルスベリ”と“シロサルスベリ”だそうです。
<手前“シロサルスベリ” 奥“ウスムラサキサルスベリ”>
<“ウスムラサキ”と“シロ”の混在する木>
<中央、山紫水明どころと左、シロサルスベリ>
この区間の広い高水敷には、芝生が広がっています。以前にも勝手道の事をご紹介しましたが、これもまた管理者が道として管理している訳では無いのですが、ベンチを利用される方や、日差しを避ける方、自転車との空間分離を求める方がこの部分を通行されます。
毎日、大勢の方が通行されますと“ぺんぺん草”も生えない綺麗な一本道が出来上がっています。踏まれても負けない“雑草魂”も想定外の踏みつけには耐え切れないようです。
<歩行者専用道みたいな感じです>
丸太町橋下流にも樹木の下に小さな舞台の様な大きなベンチが設置されています。この日はお昼時、ランチタイムを楽しむ人達にご利用いただいています。
<少々変わった形状のベンチ>
みそそぎ川の“蛍スポット”付近の“アベリア”の植え込みの間からは、“ヤマブキ”でしょうか。白と黄色で花びらは八重です。一輪だけ顔をだしていました。
<ヤマブキ?>
そして、三条へ来ました。ここでは、“ナンキンハゼ”が青い実をつけています。1つの実の中に3つの部屋があり、それぞれ1つの種子が入っているそうです。“ナンキンハゼ”の秋の色づきは独特で、大変美しいと聞きました。この秋は“ナンキンハギ”に注目です。
<
<この緑の葉が“赤”“橙”“紫”に 「ナンキンハゼ」>
その先には、春先に真っ赤な若葉を芽吹いた「デショウテイ」が夏の間にすっかりその色を緑色に近づけています。元々緑の若葉を付けていた「イロハモミジ」はというと、心なしか紅葉に向けて色づいてきているようです。
<”デショウテイ” 春は真っ赤、秋を前にして随分“緑”の部分が増えました>
<”デショウテイ” とは逆に枝の先端部分から色づき始めた“イロハモミジ”>
さあ目的地の四条はもうすぐです。2時間余りのイベントを拝見して、今度は鴨川を上流へ向けて進みます。
<三条・四条間 ここでもモミジの先端部分が色づき始めています>
<三条・四条の芝生>
<先ほどの一本道とは違い ランダムにご利用頂いてこのとおり>
アメフトチームのチアリーディングが熱心に練習しています。新しい振り付けの練習でしょうか。その横では、アメフトの練習が行われています。昨年の秋に出会った時は、練習終わりに落ち葉掃きをされている姿をご紹介しました。
<ハイ!右手を上げて>
<フォーメーションの練習のようです>
川の中では、涼みがてら童心に戻ろうというのでしょうか。大人が大きな水鉄砲に“鴨川の水をたたえて”かけ合っています。北に向かってなにやら手を合わせてから、お互いに水を発射です。残暑厳しい中、水に濡れるのも1つの暑さ対策でしょう。
<鴨川の水を入れて準備完了>
<北山に向かって合掌>
<鴨川の水が飛び交います>
まだ歩く足元も“おぼつかない”赤ちゃんも、お母さんに抱えられて鴨川に足を浸けて涼んでいます。鴨川で“産湯”を使ったとまではいかないものの、物心付く前から鴨川に足を浸けて育った“鴨川っ子”と将来は名乗って欲しいものです。
<えっ、ここに僕の足を浸けるの?>
<おー!冷たくて気持ちいい>
親子で水生の生き物を捕まえていた少年に、「なにか獲れた?」と聞くと、返ってきたのは「ザリガニ」。手に持って写真を撮らせてくれました。
<立派なアメリカザリガニが獲れました>
愛犬も暑かろうと、水の中へと誘う飼い主さんですが、少し水が怖いのか“犬”はためらっています。写真左の下流側でご主人が呼んでいます。しばらくして、決心がついたのか“下流”で待つご主人の元へと行きました。
<飛び石の上で躊躇する“ウェルシュコーギー”>
<ちょっと不安だな>
<あっ!呼んでいる 行かねば>
<冷たくて気持ちいいですね>
<飛び石の上でお互いにスマートフォンで記念撮影の取り合い>
ここで、雨が降り出しました。足元が悪くなるので、ここからは河川区域から出て帰路に着きました。「鴨川は歩いて眺めているだけで退屈することの無い空間だなと、今更ながら頷きながらの帰路となりました。
平成25年9月2日 (京都土木事務所Y)
桜の独演といった感のある「春の幕開け」とともに一気に華やかになった鴨川ですが、その見頃の時期が過ぎた後も「次々と花咲き」切れ目なく「彩りのリレー」が続きました。
今回は、春から8月までに目を楽しませてくれた「これはなんの花」をご紹介したいと思います。
京都府立植物園のNさんに加えて、若きホープUさんのご協力を頂いて、ご紹介させていただきます。ご両人には花の写真を見ていただいて「おそらくこれでしょう」というヒントをいただき、ネット検索で見比べながら確認作業をしました。
植物にお詳しい方からは、「違うんじゃ無いの」とのお声もあるかと思いますが、素人に免じてご容赦ください。
最初にご紹介するのは、クローバー(シロツメクサ)と同様に花ビラが鋭利なツメの形をしている“コメツブツメクサ”です。色は黄色でコメツブの様な小さな花が数多く咲いていますが、足元に咲いているので、普通に歩いていると見落とします。シロツメクサのミニチュア版といった感じです。
<コメツブツメクサ>
(2013.5.1撮影)
“コメツブツメクサ”の小さな花を地面に従えて、一段高い所で対象的に大きな花を1つだけ咲かせているのは“マツヨイグサ”です。
<マツヨイグサ>
(2013.5.1撮影)
葉は、すっかり枯れてしまっているのに、先端に球状にまとまった花の固まりを“アフロヘアー”のように揺らしています。ヒメムカシヨモギでしょうか?オオアレチノギクでしょうか?判断がつきませんが、少し変わった佇まいです。
<ヒメムカシヨモギ?オオアレチノギク?>
(2013.5.1撮影)
観賞用によく栽培される“ツルニチニチソウ”が特徴ある葉の上で青い花を咲かせています。
<ツルニチニチソウ>
(2013.5.1撮影)
白くて細い花ビラは、“ハマダイコン”でしょうか。“ハマダイコン”は野菜の大根が野生化したものだそうです。そういえば、大根の花なんて見た記憶がありません。
<ハマダイコン?>
(2013.5.1撮影)
西アジアからヨーロッパが原産の“キショウブ”です。“キショウブ”は明治頃から栽培されているそうで、湖沼や河川に拡散している外来種だそうです。
<キショウブ>
(2013.5.12撮影)
観賞用に栽培されている“ハナショウブ”もどちらも“アヤメ科”だそうですが、ハナショウブには“黄色”の花は無いそうです。
また、五月五日に“しょうぶ湯”としてお風呂に入れる“ショウブ”が“ショウブ科”でその花は、ヤングコーンの様な突起状の花を咲かせるそうで、全く別の植物だそうです。花の咲く前の茎を使用しているのだと思っていました。
寄り州に陣取ったキショウブでしたが、除去された堆積土砂の後で、茎を出す場所を誤ったのか、かろうじて花が水面から顔を出しているのもあります。
“しょうぶ湯”ならぬ“キショウブ”の行水とでもタイトルしておきましょう。
<キショウブの行水>
(2013.5.21撮影)
小さなキクの様な花が紅白に咲いているのが“ペラペラヨメナ”です。ペラペラの葉が“ヨメナ”という食用に用いられる植物に似ているのがその名の由来だそうです。
<白とピンクの“ペラペラヨメナ”>
(2013.6.7撮影)
鮮やかな“黄色”の花の群れがあります。実はこの植物“オオキンケイギク”は、在来の植物の生態系に重大な影響を及ぼすおそれがあるとして、いわゆる「外来生物法」による“特定外来生物”に指定されています。栽培、運搬、販売、野外に放つことが禁止されているので、綺麗だからと家で栽培すると罰則規定が“適用されます”ので御用心。
<“オオキンケイギク”>
(2013.5.24撮影)
“ヒルガオ”は鴨川ではよく目にする花です。朝に花を咲かせる“アサガオ”に対して、昼間に花を咲かせるので“ヒルガオ”です。今朝、夏休み明けで“アサガオ”を学校へ持っていく児童を見かけました。“アサガオ”の自然生えは見たことが無く、人が手を掛けてあげないと咲かないのに対して、“ヒルガオ”の方が“たくましい”のでしょうか。
<淡いピンクの“ヒルガオ”>
(2013.6.9撮影)
“オオキンケイギク”とは違って「特定外来生物」には指定されていません。この“ハルシャギク”も原種は外国です。植物は外来種が多いですね。花びらの周り半分が黄色の種類もあって“オオキンケイギク”と間違われることもあるそうです。
<“ハルシャギク”>
(2013.6.11撮影)
ナデシコといえば、“なでしこジャパン”という言葉が浮かびますが、ナデシコの花が浮かびません。大和撫子という言葉に表されている“ナデシコ”は“カワラナデシコ”だそうで、細く可憐な花を日本女性に見立てているとのこと。鴨川で見た記憶がありません。
このピンクの花は“ムシトリナデシコ”と種類だそうです。“ムシトリ”と聞くと“食虫植物”かと思いますが、さにあらず。分泌する粘液に虫が貼り付いてしまうということでこの名が付けられたそうです。
<“ムシトリナデシコ”>
(2013.6.11撮影)
“ナスビ”の花に似た花を咲かせているのが“ワルナスビ”です。“ワル”は“悪”で悪いなすびという意味だそうです。生命力が非常に強く、名付けた方が持ち帰り庭に植えたところ、爆発的に繁茂したため、根絶やしにしようとしても少し残った根が何度も繁茂を繰り返したそうで、悪いやつということで“ワルナスビ”だそうです。
<“ワルナスビ”>
(2013.6.2撮影)
この“猫じゃらし”のような植物は“チガヤ”と呼ばれているそうです。“フワフワ”の尻尾のようなこの植物はよく目にするものの、これが花という認識はありませんでした。花は“花びら”と認識出来るものしか花と思って見ていなかったことに気づきました。プチッとちぎって誰かをくすぐった経験はありませんか。
<“チガヤ”>
(2013.5.24撮影)
“ノイバラ”が護岸に広がったり、堤防の上から垂れ下がったりしています。“ノバラ”なので、トゲがあります。茎に触る時は慎重に。
<“ノイバラ1”>
(2013.6.16撮影)
<“ノイバラ2”>
(2013.6.9撮影)
黄色い“タンポポ”の様な花を咲かせているのは“ブタナ”です。昭和初期に北海道へ上陸し、またたく間に日本全土に広がった新参ものだそうです。それにしても“ブタナ”とは。その名の由来は、豚が好んで食べることからフランス語で「豚のサラダ」と呼ばれているのを直訳して“ブタナ”だそうです。
少々気の毒な感もあります。
<ブタナ>
(2013.6.16撮影)
赤い花を咲かせているのは、“オシロイバナ”です。その名からも想像できるとおり“オシロイ”に関連する植物です。その黒いタネを割ると、中から白い粉が現れます。江戸時代には、この粉を“オシロイ”の代用として使用していたそうです。
<オシロイバナ>
(2013.6.25撮影)
百合のようなラッパ形の花が咲いていました。“ハマユウ”という名前を聞いてネット検索すると、“ヒガンバナ科”ということで、“白いヒガンバナ”のように細い花びらが大きくカールしている画像が出てきました。そんな多くの画像の中に、ラッパ形の花があります。クリックしてみると“インドハマユウ”とのこと。別の情報では本当は“アフリカハマユウ”とあります。難しいです。
<“ハマユウ”>
(2013.7.1撮影)
その先端を“ポキッ”と折ると“アメリカンドッグ”か“フランクフルトソーセージ”といった感じの植物が“ガマ”です。茶色くなっているのは、花が枯れた姿だそうです。子供の頃は、中に“ビッシリ”詰まった綿状のタネをほぐして飛ばしたものです。
<“ガマ”>
(2013.7.2撮影)
(2013.7.2撮影)
硬くて先の尖った“刀”のような葉に守られる様に白い花を咲かせているのが“ユッカ”です。“ユッカ”と呼ばれる植物にも色んな種類があるそうですが、洋館の庭に合うということで鑑賞用に日本に持ち込まれたそうです。
<“ユッカ”>
(2013.5.25撮影)
小さなピンクの花を咲かせているのは、“アベリア”です。園芸上の名前が“アベリア”で学名は“ハナゾノツクバネウツギ”だそうです。愛称と理解すればよいのでしょうか。植物は「この種類を総称して」とか「学名と呼称が違う」とか「亜種」とか素人には難しすぎると痛感しています。
<“アベリア”>
(2013.5.26撮影)
細かな花が密着して咲いていて、そこに“ソフトフォーカス”で“ぼかし”を入れたように細い繊維に覆われています。その名は“シモツケ”です。由来は、この植物が栃木県の下野(しもつけ)で最初に発見されたからということで、こちらは“地名”をいただいたようです。
<"シモツケ">
(2013.5.26撮影)
もりもりと元気な花を咲かせているのは“シャリンバイ”です。名は体を表すという一例でしょう。葉が茎の一節に車輪のように複数付く「輪生」という特徴から“シャリン”が頭についているそうです。
<"シャリンバイ"1>
(2013.5.26撮影)
<"シャリンバイ"2>
(2013.5.26撮影)
平らな所に生えている場所では、その下にすわるとちょうど良い日よけになるのが“トベラ”です。花が咲いたなと思うと、気が付けばもう散っているという瞬間的な印象のある花です。今は実を実らせています。
<"トベラ"遠景>
(2013.5.18撮影)
<"トベラ"の花アップ>
(2013.5.18撮影)
<"トベラ"の実 つぼみは上に 実は下に向いています>
(2013.7.19撮影)
前出の“アベリア”と同じく名の最後に“ウツギ”付きます。“タニウツギ”は5月から6月、枝垂れた枝に“これでもか”といわんばかりに沢山の花を付けます。肉厚の花で“ズッシリ”とした質感を感じます。
<"タニウツギ">
(2013.5.6撮影)
小さな花が鈴のように咲いているのは“ドウダンツツジ”です。揺らせば“チリンチリン”と音が聞こえてくるのではと思わせる“涼しげな”花です。
<ドウダンツツジ>
(2013.5.1撮影)
<鈴なりに咲く花>
(2013.5.1撮影)
日本の四季を連想させる花の代表格と感じるのは、梅雨の代表“アジサイ”です。特に、雨に濡れた姿は鴨川を歩く人の目を引きます。納涼床の並ぶ三条~四条間、床の切れ目に毎年色とりどりの花を咲かせます。大事に手入れされているのだと思います。
<アジサイ>
(2013.6.13撮影)
“良い香り”がするなと見上げれば、白く弱々しげな花が高木に咲いていました。“センダン”です。河や実は“殺虫剤”や“鎮痛剤”にも用いられるそうです。高木の花というのは、高い所に咲いているので普段あまり気にしていませんでしたが、この“センダン”をキッカケに色んな高木の花を見るようになりました。
<"センダン">
(2013.5.24撮影)
<"センダン"の花1>
(2013.5.24撮影)
<"センダン"の花2>
(2013.5.24撮影)
そして、夏が盛りの花が赤々と咲いています。幹の肌がつるつるで猿も滑るという“サルスベリ”です。“ヤナギ”や“アベリア”に囲まれて一際艶やかに咲き誇っています。
<サルスベリ>
(2013.7.27撮影)
【おまけ】
セミの鳴くシーズンも終盤に差しかかりました。大きな音量で鳴いている“セミ”も普通に歩いていると目にとまりません。逆に、その生涯を終えて転がっている姿はよく見ます。“アブラゼミ”が目の前で鳴いていたので撮影しました。
それにしても自然界の保護色は良くできていますね。
<鳴いていないと見逃す“アブラゼミ”>
秋も近くなって、鴨川からも虫の声が届きます。“スイッチョン”と声はすれども姿は見えずで、普段は草むらに隠れている声の主が、高水敷で待っていてくれたかの様に“微動”だにしません。
京都市に来てからはあまり見かけないその姿を、“横”から“前”から“後”からとじっくり観察させていただきました。ネットで確認したところ、“ニシキリギリス”ではないかと思います。
<横から モモ?の部分だけで体くらいの長い脚>
<前から 仮面ライダーのモデルとなった顔>
<後から ジャンプして背中の羽根で宙を舞います>
そして、先日テレビで見た草の花が、帰省した実家にありましたので紹介します。今年は沢山の個体を目にする“コサギ”ですが、このサギが飛んでいる時の姿に似ている花を咲かせることから“サギソウ”と呼ばれる植物です。
<白いサギが羽ばたくような花を咲かせる“サギソウ”>
(2013.8.16撮影)
(2013.8.14撮影)
(2013.8.14撮影)
<みそそぎ川の“コサギ” 人に馴れています>
<翼を広げた”ダイサギ”>
<こちらは青空を舞う“アオサギ”>
「植物」にしても「昆虫」にしても奥が深すぎて底が全く見えません。ネットでの勉強を交えて紹介させていただきました。何分素人ですので、皆様のご指導お待ち申し上げております。
「鴨川真発見記」の文章は小学4年生の作文を目指して書いてきました。
100号突破記念を掲げた今回は、久々に夏休みの宿題を“ギリギリセーフ”で間に合わせるという気分を味わいながら記事を仕上げました。今後ともよろしくお願いいたします。
平成25年8月30日 (京都土木事務所Y)
8月18日(日)、時候のあいさつも「残暑」へと移っている“お盆明け”ですが、日本列島炎上と言われるほどの記録的な暑さの中実施されました。
今回は鴨川の水生生物の観察と水質調査がメインのイベントです。午前中は京都土木事務所の会議室で「NPO自然観察指導員」さんのお話を聞いて、勉強します。
<受付では資料と“まゆまろ団扇”が手渡されました>
この日も連日の30度後半の気温のため冷房も効きが悪く、更に会議室に保護者、指導員、職員も含めると60人以上が集合して、体温で室温が上昇します。
<熱気ムンムンの会議室>
参加者の皆さんは、汗をかきかき指導員さんのお話に耳を傾けます。そして、聞いたことの確認です。魚の“ヒレ”に色を塗り分けて、“ムナビレ”“オビレ”などなど見本を見ながらしっかり学習できました。
<ここの“ヒレ”は何ていうの?>
<見本を見ながら塗ってみよう>
元気はつらつの職員から、水遊びをする時の注意点も勉強して、午後からはいよいよ鴨川へと向かいます。
<子ども達に問いかけながら、川遊びの時の注意点を>
今回は人数も多く、4つの班に分かれての探検です。各班の誘導職員に導かれて並んで鴨川へ到着しました。慌てないでゆっくりと川の中へと進みます。
<3班の人、ついて来てください>
<いよいよ鴨川へと入ります>
<さあ 何が捕れるかな>
みんな思い思いに“中州”“寄州”沿いに網を潜らせます。すぐに「捕れた」の声が“あちら”“こちら”から聞こえてきます。
<この茂みの下にいるんだな>
今回は、地元テレビ局や新聞社からも取材の方がお見えになっています。テレビカメラが、子どもの網に入った生き物を撮影します。子どもにも良い思い出となる事でしょう。
<こんな魚が網に入ったよ>
「鯉がいた」と走りながら網を構える少年、少女。その鯉かどうかは解りませんが、追う先に居合わせた親子の網に体長40cmほどの鯉が入りました。
鯉はしばし観察の後、リリースされました。
<あっ!でっかい鯉が居た まてまて!>
<おっと 鯉捕獲>
<どんな“鯉” 見せて 見せて>
目の前に小魚がたくさん泳いでいるものの、その速さに網は追いつきません。“下手な鉄砲数打ちゃ当たる”の精神で網を振り回してみる子や、ゴルフのスイングの様にタイミングを計って振り下ろす子と工夫してみる様子も見受けられました。
<護床ブロックの上の浅い所には小魚が“うようよ”いるのですが・・・>
<それそれ 運が良ければ魚が入るかな>
この辺りをエサ場にしている「ダイサギ」が、上空まで来て“くるり”とUターンして飛び去って行きました。もう少しの間待ってください。
<今日は混み合っています>
猛暑日が続いていますが、生き物達は確実に季節の変わり目を知らせています。赤とんぼが白く浮かんだ雲の中に浮かび上がります。赤とんぼは、既に8月に入る頃には鴨川沿いで群飛んでいました。
<写真右上が“赤とんぼ”>
そして、川から上がる時間が来ました。一旦土木事務所へ捕まえた生き物を持ち帰って観察します。
その前に、水質検査です。簡易な水質検査パックで鴨川の今日の水質はどうかと、薬液の色の変化を観察しました。
<この中に鴨川の水を入れてください>
捕まえた水辺の生き物を観察用の容器に移して、何が捕れたか確認していきます。指導員の方から、「これは何」と教えてもらって記録していきます。
<色んな生き物がいます>
最後に各班毎に何が捕れたか発表していきます。指導員さんから、この班はこんな珍しい生き物が捕まりましたと補足説明されます。
<アメリカザリガニ、ブルーギルなどなど>
<体の“縦縞”“横縞”も種類判別の目安です>
その例としては、昨年度は一匹も捕まえる事が出来無かった「カマツカ」が今年は各班共に複数捕まえられたという説明です。
子供の頃から鴨川近くで生活されている、ある年配の男性から、「鴨川には昔は“カマツカ”が沢山生息していたのに、最近は全く見かけない。どうしてだろう?」と疑問を投げかけられた事がありました。
<“カマツカ”聞き慣れない名前です>
その時は、「鴨川の有無など河川環境が「カマツカ」の好む環境で無くなったのでは」と話しておりました。
<“カマツカ”上から見るとこんな形>
ここ数年の間、中州除去を“少しずつ”“試行錯誤”しながら実施していますが、その影響で「カマツカ」の好む環境に近づいているのかもしれません。
観察を終えた生き物達は、”すみか”である“鴨川”へと放流してこの日の“探検”を終えました。
なにはともあれ、熱中症で倒れる方もなく無事終了することができました。
皆様お疲れ様でした。
平成25年8月22日 (京都土木事務所Y)
鴨川真発見記も最近では認知度も上がってきたようで、御覧いただいている皆様から“誤り”の御指摘や情報提供をいただくようになりました。
京都土木事務所内で対応できる内容と、対応困難な内容がありますが、関心を持って御覧いただいている事に感謝しております。
そんな情報提供から“鴨川真発見”です。
ある方から、北山大橋下流の鴨川(京都土木事務所の目と鼻の先)である野鳥の目撃情報があり、少し気にして見ておりました。
<北山大橋>
情報では“ある野鳥”が北山大橋下流100m位の所の“中州”に居るのを目撃したという情報です。現在の鴨川の中州は、草が背高く伸びておりその中の様子を窺い知るのは大変困難です。
<北山大橋から下流を望む>
ましてや、肉眼だけで見ている私には無理だろうと思っていました。そんなある朝、いつものように鴨川を眺めながら事務所へと向かう途中何か動くものが視界に入りました。最近、近くの小さい字は見えませんが、遠くの視力がアップしました。
<北山大橋下流100m付近の中州は草が茂っています>
対岸下でかなり遠くですが、確かに何かが動きました。ハトよりは大きいようですが、少し中途半端な大きさだなと思いながら、カメラのズームを目一杯に寄せて撮影してみましたが、良く解りません。
<最大限のズームでこんな感じ わかりますか?>
そこへ、川の中まで降りてきた散歩中のワンちゃんがその野鳥に近づきました。野鳥は驚いて飛翔し、対岸からこちらの岸近くで川の中へ降り立ちました。
<犬に驚いて飛び立つ野鳥>
<こちらに向かって飛んできます>
またまた、ズームを使って写真を撮り事務所で見てみることにしました。撮影したその場では、“ゴイサギ”の首を長くしたような、はたまた“アオサギ”の首を短くしたような、と思っていましたが、パソコンで拡大してみると明らかに違います。
<あまり見かけないシルエットです>
<こちらがアオサギ>
<ゴイサギは目が赤いです>
情報提供のあった野鳥名をネット検索すると、どうやらそっくりな画像が出てきました。その名は“ササゴイ”です。
<“ササゴイ”拡大するとこんな配色です 目も赤くありません>
例によって「日本野鳥の会京都支部」の方に聞いてみると、“ササゴイ”に間違い無しでした。
ササゴイは京都府の“準絶滅危惧種”に指定されているそうですが、更に進んで“絶滅危惧種”に指定されるほどに激減しているそうです。
目撃情報は資料が残っている昭和58年からの状況で、10羽を越えたのは僅かに2年だけ、一桁の数字が並び、中には0羽の年もあります。
ササゴイは、夏鳥として飛来し繁殖するそうですが、日本野鳥の会の方も“どこ”で繁殖しているのでしょう???と首をかしげておられます。
<ササゴイの写真 日本野鳥の会京都支部提供>
“鴨川”はおろか“京都府全域”でも珍しい野鳥との事です。鴨川真発見記バックナンバー第74号 “鴨川新発見”素人野鳥観察少しバージョンアップでご紹介しました「カワアイサ」以来の新発見となりそうです。
情報を持っていなければ、“ゴイサギ”かな“アオサギ”かな、と見過ごしていた野鳥と出会うことができました。これも情報提供があって“こそ”と感謝申し上げます。 平成25年8月7日 (京都土木事務所Y)
東京在住の男性から、思わず「お見事」と周りの同僚に報告せずにはいられない“声”が届きました。
鴨川真発見記第38号“みそそぎ川に流れる水は何処から?”を御覧になってのメールです。
この方も“みそそぎ川”の取水口が何処にあるかという事に興味を持たれ、2009年12月、2011年11月と2回にわたり京都鴨川へお越しになって探して回られたそうです。
そしてついに、京都府立医科大学病院のすぐ上流に、それと確信できる取水口を発見し、写真撮影をされて“納得”して東京へお帰りになられたようです。
おそらく、取水口を探して見つけることが出来て“達成感”と“満足感”を最高のお土産に帰路に着かれたこととお察しします。
<メールを頂いた御本人が撮影された写真>
最近になって、「鴨川真発見記」の存在にお気づき頂いたようで、第38号は特に興味深く隅々まで御覧いただきました。その中で気になる点が一点浮上してきました。
ご自分があの“達成感”と“満足感”で確信された「取水口」の位置と、「鴨川真発見記」に掲載したPDFにリンクされている“位置図”に示した「取水口」の位置が少し違っているのです。
<取水口部分拡大>
すぐにでも走って“確認”に行きたいと思われたそうです。そこで、その“もやもや”をスッキリさせたいと思われ、「この位置図」と「ご自分の確信」の“ズレ”について確認のメールを頂いた次第です。
御指摘のとおり、位置図作成時の“ミス”です。真の取水口は位置図が示す“落差工”の一つ下流側の“落差工”に設けられています。
この御指摘は、お恥ずかしい事ではありますが、ここまで細部に至って御覧頂いている方がおられるという“喜び”の方が勝ってしまいました。
御指摘が無ければ、このままとなるところでした。感謝申し上げます。
ミスを御指摘頂いたことが、一目で解る形で修正をさせていただきました。御確認ください。
<ミスの跡を残して修正しました>
今後とも皆様の“声”に支えられて「鴨川真発見記」続けていきたいと思います。皆様の“声”をお待ち申し上げております。 平成25年8月7日 (京都土木事務所Y)
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