宇治茶の歴史とともに山腹に広がった茶畑風景は、和束町だけの資産ではなく、宇治茶の郷として後世に伝えていく価値あるものとして再認識し、山城地域における宇治茶の推進と併せてPRすることで地域の振興に繋げたいという思いを受け、京都府景観資産第1号に登録しました。

和束 石寺

和束 原山

和束 茶葉

和束 撰原

和束 釜塚

和束茶

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基本概要

所在地:京都府相楽郡和束町石寺 他         分類:農林水産業商工業に関する景観

提案者:NPO法人わづか有機栽培茶業研究会     登録年月日:平成20年1月24日

アクセス:JR加茂駅から和束木津線65系統バス(和束町原山行)で約10~20分と徒歩

和束の茶畑

京都府南部、山城地方に位置する和束町は、宇治茶の主産地として知られ、山の稜線まで広がる茶畑が四季折々に美しい表情を見せる、日本茶の原風景ともいえる地域です。朝霧に包まれた山腹に続くうね筋、紺碧の空と緑の茶園が織りなす風景は、訪れる人々の心を癒します。和束川の流域に沿って広がる茶畑は、寒暖の差が大きいことや、低地を流れる和束川の影響で朝霧が立ちこめる地であり、その自然的特性から、香り高く味わい深い宇治茶が育まれています。

府内の宇治茶の約40%を生産する茶栽培は、380戸の農家が携わり、年間約863tの茶葉が生産されています。和束町の茶は、茶師の栽培技術と茶商のブレンド技術によって高品質な宇治茶として全国に届けられています。自然、歴史、文化、生業が一体となったこの景観は、まさに「茶源郷」と呼ぶにふさわしい場所です。

しかし近年、急峻な地形や担い手の高齢化により、耕作放棄地の増加が課題となっています。こうした中、和束町では1人1人の「この山を守る」という意識のもと、景観の保全と茶業の持続的な発展に向けた取り組みが進められています。茶畑は農業振興地域として法的に保護されており、京都府の「豊かな緑を守る条例」の対象地域にも指定しています。これにより、自然環境と調和した景観管理が可能となっています。

景観づくりの目標は、「無い物ねだりから、あるもの探しへ」。今ある資源を最大限に活かし、宇治茶の生産地としての魅力を高めることが目指されています。後継者の育成や荒廃農地の適正管理、景観資産の登録などを通じて、町民・生産者・来訪者がその価値を共有し、未来へとつなげていくことを期待しています。

和束町の茶畑景観は、単なる風景ではなく、地域の文化と産業を支える「生業の景観」です。私たちはこの貴重な資産を守り育て、次世代へと継承していくことが重要です。

※保存活用計画書より引用

保存活用計画書001(PDF:112KB)

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