京都府ゆかりの
坂口 志文 先生 北川 進 先生
ノーベル賞受賞おめでとうございます
府は、本年のノーベル賞を受賞されたお二方に対し、京都府特別栄誉賞を授与することとなりました。
ノーベル生理学・医学賞
坂口 志文 先生
京都大学名誉教授
大阪大学特別栄誉教授・免疫学
フロンティア研究センター特任教授
略歴
滋賀県長浜市出身。京都大学医学部卒。1983年京都大学大学院医学研究科博士号取得(医学)。スタンフォード大学客員研究員、スクリプス研究所助教授を経て、1999年京都大学再生医科学研究所教授、2007年京都大学再生医科学研究所所長、2011年大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授などを歴任し、2025年より現職。
提供:大阪大学
受賞された研究内容
自己免疫疾患やがんなど免疫が関わる病気の予防や治療につながる
「免疫応答を抑制する仕組みの発見」
免疫自己寛容(自己に対する異常な免疫反応を抑える)、免疫恒常性(アレルギーなどの過剰な免疫反応を抑える)に必須な制御性T細胞(Regulatory T cell)を発見。制御性T細胞の異常としての自己免疫病、アレルギーなどの原因・発症機構の解明、および制御性T細胞を標的とした免疫病の治療法・予防法、がん細胞に対する免疫応答惹起法、さらに移植臓器に対する免疫寛容誘導法を開発した。
制御性T細胞による免疫制御の概念図(大阪大学作成)
〈この研究による新技術&実用化への府の支援〉
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Treg減弱剤を応用した新規ワクチン製剤の開発
新型コロナウイルス感染症対策技術結集事業補助金(令和2年度)
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誘導性制御性T細胞による難治自己免疫疾患治療法の開発
「企業の森・産学の森」推進事業補助金(平成30年度)
ノーベル化学賞
北川 進 先生
京都大学理事・副学長
高等研究院アイセムス特別教授
略歴
京都市出身。京都大学工学部卒。1979年京都大学大学院博士課程修了、工学博士。近畿大学助教授、東京都立大学教授を経て、1998年京都大学教授、2013年京都大学アイセムス拠点長、2017年京都大学アイセムス拠点特別教授、2024年より京都大学理事・副学長(現職)。
(Copyright)京都大学高等研究院
受賞された研究内容
環境・エネルギー問題など広範な分野での応用に期待
気体を自由に出し入れできる
「多孔性金属錯体(MOF)の開発」
金属イオンと有機化合物との結合反応を利用することで、ナノメートルサイズの規則的な細孔を無数に有する新しいタイプの多孔性材料(多孔性金属錯体(MOF))を開発。このような材料の細孔中に気体を大量に取り込むことができることを世界で初めて立証し、これを契機に、種々の多孔性金属錯体による水素や天然ガスの大量吸蔵を行う研究が世界中で盛んに行われるようになった。
MOFはナノレベルの微細な孔(あな)を利用して、分子の〈貯蔵〉〈分離〉〈変換〉などを行うことができる
分子の〈分離〉の概念図(京都大学アイセムス提供)
〈この研究による新技術&実用化への府の支援〉
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次世代免疫制御剤の開発
京都エコノミック・ガーデニング支援強化事業補助金(平成29、30年度)
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次世代高圧ガス容器(CubiTan)の開発と実用化に向けた実証事業
地域産業育成産学連携推進事業補助金(平成29年度)
「企業の森・産学の森」推進事業補助金(令和2年度)
京都発の知と志が人類の未来を照らす
今年、ノーベル生理学・医学賞を坂口志文先生が、化学賞を北川進先生が、それぞれ受賞されました。府民を代表して、心からお祝いを申し上げます。坂口先生は「制御性T細胞」の発見により、免疫制御による新たな治療法の可能性を切り拓(ひら)かれました。北川先生は「多孔性金属錯体」を開発され、環境・資源問題に革新をもたらしました。いずれも人類の未来への希望となる偉大な功績に、改めて敬意を表します。両先生の研究成果の実用化に向けたスタートアップ企業が生まれており、府としてもそれぞれに支援をしてまいりました。今後も京都の自由闊達な風土から、社会課題解決につながる研究成果が続々と生まれるよう、支援を続けてまいります。
京都府知事 西脇 隆俊
京都府特別栄誉賞の授与について
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京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町
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ファックス:075-414-4075
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おことわり
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