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佐々木酒造株式会社(京都企業紹介)

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名水に育まれた伝承の技、伝統の味

(掲載日:平成30年10月22日 聞き手・文:ものづくり振興課 土江)

佐々木酒造株式会社の外観

佐々木酒造株式会社(京都市上京区)の蔵元、佐々木晃さまにお話をお伺いしました。

千利休も愛した名水から生まれる日本酒

土江)まず、御社の概要を教えてください。

佐々木)弊社は、明治26年に洛中で創業して以来、酒造りをさせていただいております。私で4代目になります。
弊社は、かつて豊臣秀吉が建てた邸宅「聚楽第」があった所の南端に位置しております。この場所が選ばれた理由の1つに、「茶道に使う良質な水があること」がありました。
秀吉は茶道が趣味で、聚楽第で千利休と一緒にお茶を楽しんだという話も残っていますから、良質な地下水を得られることは、酒造りと同様、非常に重要だったわけです。
この聚楽第の跡にて、千利休が茶の湯にも使ったといわれる名水「銀明水」を仕込み水とし、酒造りをさせていただいております。

土江)良質な地下水に恵まれた環境ということですね!では、酒造りに適した水とは、具体的にどのような水なのでしょうか?

佐々木)酒造りで使う水には、洗米・浸漬水のほか、仕込み水、洗瓶用水など種類が色々とありますが、ここでは仕込み水という事で回答いたします。
まずは、日本酒造りに悪い影響を与えるとされる鉄やマンガンについて、酒造用水としての基準値があり、これらは含有量が少ないほど良いとされています。
鉄が混ざるほど日本酒は褐色に色づき、香味も悪くなりますし、マンガンは日本酒が紫外線によって劣化するのを早めてしまう作用があります。
また、微生物の栄養源となるカリウムやマグネシウムといったミネラルが十分に含まれている事も、重要な条件になります。
このミネラルが多い水を一般的に「硬水」、少ない水を「軟水」と呼ばれます。
銀明水の水質は、ミネラルを適度に含んだ中硬水で、この水で仕込んだお酒は、まろやかな口あたりを生み出します。

佐々木酒造の製品ラインナップ

土江)まさに水が日本酒の骨格を作っている、といったイメージですね!

佐々木)そのとおりです!良質な地下水が豊富にありますから、小川通りに並ぶお茶の家元や、豆腐、湯葉、生麩など、水が命の産業は今もこの辺りに多く残っていますよね。

土江)そうですね。ところで、初代がこの場所で酒造りを始められた前は、佐々木家はどのような事をされていたのでしょうか?

佐々木)造り酒屋を始める前は、今より少し南で油屋をしておりました。その後、ここで蔵元をされていた所を購入したのです。
かつて洛中には多くの蔵元があり、弊社が創業した明治26年当時でも131軒、室町時代まで遡ると、400軒近くあったそうです。

土江)400軒も!そんなにあったのですね!

佐々木)はい。また、その蔵元の更に前には、ここら一帯大きなビール工場があったようです。元々酒造りに深い縁のある場所、ということですね。

蒸し 麹室

近年の日本酒の広がり

土江)なるほど!ところで、最近「日本酒全体の消費量が減っている」と聞きます。この事についてどうお考えですか?

佐々木)日本酒のマーケット自体は、実際に縮小し続けています。その最大の要因は、スーパーやコンビニで売っているパック酒等の減少です。
その一方で、純米酒や純米吟醸酒といった、いわゆる特定名称酒は微増から横ばいとなっておりますから、トータルで逓減している、という状況です。
最近「若者の日本酒離れ」とよく言われますが、我々が若い頃は、若者が日本酒を飲むという事自体珍しく、同級生との飲み会で日本酒を頼もうものなら「日本酒飲むのか。すごいな!」なんて言われていたぐらいでして…特に、最近よく見られる、若い女性の方が居酒屋で日本酒を好んで飲まれる姿なんて、当時は信じられませんでした。
それが今は、イベントで日本酒を出しましたら、若い女性の方が本当に沢山来られますし、その様子を見ると「若者の日本酒離れって、どこで起こってるの?」と思います笑
こんなに多くの若者が飲んでくれている…正直、日本酒の将来が楽しみです!

土江)確かに!最近、好きが高じて「ここの酒蔵へ今度行こう!」といった具合に、酒蔵巡りが旅行の目的の1つになったりしていますよね。

佐々木)はい。多くの方が日本酒に触れる機会が増えてきているということで、我々にとって良い時代になったなと感じております。ちょうど約5年前に京都市で「日本酒で乾杯条例」ができて、その条例が全国に広がっていったことも非常に大きいです。

造り

日本酒を日常の酒に

土江)なるほど。では、どういった事が課題になっているのでしょうか。

佐々木)日本酒がまだまだ日常のお酒でないこと、です。居酒屋やイベントでしたらよく飲んでいただけますが、瓶を買って飲んでいただくには至っていない。この状況が課題だと考えています。
もともと、祭の時に神社が振る舞ったというのがお酒の始まりなので、これが正しい姿なのかなという考え方もできますが…笑

土江)難しい問題ですね…。そのなかで、注力されている事はなんでしょうか。

佐々木)とにかく、日本酒に触れる機会を増やしたいと考えておりますので、日本酒イベントはもちろん、それ以外のイベントへの出展にも力を入れています。
例えば、北野天満宮で開かれる「KYOTO NIPPON FESTIVAL」では、オンラインゲームの「刀剣乱舞」とコラボして出展します。
日本酒イベントですと、元々日本酒ファンの方が集まりますが、それ以外のイベントですと、音楽イベントなら音楽好きが来られる、ゲームイベントならゲーム好きが来られる、といった具合に色々な方へアプローチできますので、そこで「日本酒どうですか」と勧めてみますと、日本酒ファンの裾野を拡大できるかもしれません。
もとより、京都は日頃から多くの観光客が来られていますから、この方々に向けて日本酒をPRしない手は無いと思います。
首都圏でも、百貨店への出展や、ビッグサイト、幕張メッセ等でのイベントへの出展にも力を入れております。

佐々木酒造内の売店

土江)なるほど!最後に、今後の展開について教えてください。

佐々木)今後も、京都にいることを大切に、地域の食文化に根ざした酒造りをしていきたいと考えております。また、セールス面で申し上げますと、弊社のお酒をどこでも買えるようにしたい。弊社のお酒は、現在ネット販売で全国どこでも買えるようになってはおりますが、できればそれぞれの地域に流通の拠点を作って、その地域の流通で、お客様へお酒をお届けしたいと考えております。

土江)ありがとうございました!今後の展開が楽しみです!

店内には猫がいます 

同社ホームページには「従業員数:29名(ネコ含む)」と記載されていますが、蔵のどこかに本当にいるそうです。探してみましょう!

【会社概要】

  • 社名:佐々木酒造株式会社
  • 代表者:佐々木 晃
  • 所在地:京都市上京区日暮通椹木町下ル北伊勢屋町727
  • 電話番号:075-841-8106
  • ホームページ:http://jurakudai.com/(外部リンク)

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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