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株式会社Mogura(企業紹介)

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(令和4年3月30日、ものづくり振興課)

株式会社Mogura(外部リンク)(東京都)の久保田代表取締役にお話をおうかがいしました。

 

-会社概要を教えてください。

久保田)弊社は、創業以前からVR/AR/MR/VTuber専門メディアMogura VRを運営。
メディアを情報プラットフォームとして展開しながら、業界の中核からこの分野に関わる企業をサポート。普及を加速させるためにメディアをはじめ、コンサルティング・開発、イベントなど5つの事業を展開しています。

 

-久保田さんは確か、公務員ご出身なのですよね。

久保田)以前は環境省で働いていまして、その後、起業して株式会社Moguraを立ち上げました。VRやARなどが広がることで人の知覚する現実の認識を進化させ、社会を変えていくことに無限の可能性を感じています。現在も公務員時代の感覚を活かしながら中立的な立場で、VR/AR業界の情報を集約したり関心のある企業様をお手伝いしているところです。また、経済産業省さんや、それこそ京都府さんなど、行政機関とお仕事をする機会も多いです。

 

-今までも、セミナーに登壇いただいたり、個別にディスカッションをしたり、ということはありましたが、事業に携わっていただいたのは、今回が初めてですね。

久保田)東京や、大阪でのお仕事が多いので、京都という伝統の街でXRについて考えるというのは、珍しい機会だったかなと思います。

参考:第1回シンポジウム

 第2回シンポジウム

 第3回シンポジウム

 

-久保田さんにはシンポジウムの中で非常に有り難いコメントをいただき、恐縮しております。

久保田)メディアを運営しているので、中立的な立場で関与させていただくことが多いのですが、今回は今までにないアプローチがあったのかなと思っています。VRのような先端技術のビジネス活用を検討する場合は、マネタイズをどうやって実現していくか、というビジネスの話になりがちで、本来は中長期的な観点から落とし込んでいくのが理想的なところ、短期の発想になってしまい内容がシュリンクしてしまうなと感じていました。だって、先端技術なのですから、まだマーケットは確立されていないわけで、それを現状のマネタイズ手法に当てはめても、可能性は広がらないですよね。

 

-確かに、自ずとそういった流れにはならなかったですね。もう、マネタイズの話しは尽くしたからかもしれませんが。

久保田)VRもそうなんですが、先端技術って言葉が先行してしまいがちですよね。VR,AR,MRを総称して「XR」と言っていますが、それぞれ独立した技術なのに都合良く総称化してしまっていますし、AIだって、それが何なのかあまり理解されないまま、流行っているから使おう、という流れができてしまう。今話題の「メタバース」も、まるで先端技術かのように広がっていますが所謂「バーチャル空間」にコミュニケーションの要素を足しただけと言われたら、新しいものではないですね。

 

-確かに、そうですね。行政としても、技術活用促進をしていく中で、一体それが何なのかという「そもそも論」に向き合うことができて良かったと感じています。

久保田)VRに興味がある人もない人も、まずはシンポジウム動画を見ていただきたいですね。弊社としては、VRメディアとして情報発信に引き続き努めると共に体験の場を増やしていきたいと感じます。百聞は一見にしかずと言いますように、まず体験できる場が圧倒的に少ないですし。

 

-それで言うと、現状作られているVRコンテンツって、まだ発展途上なのかなとも思っています。VRをあまり知らない人からしたら、こんなもんかと思われて結局広がらないという結果にならないかと懸念もしています。

久保田)確かに、夢のようなことができると思われがちですし、現実のVRはデバイスもまだ課題が多かったり、コンテンツはまだまだクオリティにも課題があるものが多いですよね。それは、いくつか理由があると思うのですが、VR開発に適した人材がコンテンツを制作していないという点もあるのかなと感じています。例えば、ゲームクリエイターがVRコンテンツを制作したら、精度の高いものが作られるのではないかと感じます。また、VRが未発達の技術なのは確かですが、未発達であるがゆえに、ベストを尽くした優良なコンテンツの数が少なく、体験できる場には選別も含めたキュレーション力が求められます。弊社はそういったキュレーション力も有していると自負しているので、単なる体験提供ではなく、インパクトのあるものを提供していきたいですね。

XR技術活用で「コスト削減」

-産業分野でのXR活用については、どのような見解をお持ちですか?

久保田)現状のビジネス市場において、親和性の高い業界は建築関係や医療関係なのかなと感じます。建築関係では、シンポジウムの中でホロラボさんの事例紹介にありましたように、「まだ存在していないもの」であって、試作品を作るには大きすぎるものを、再現するのに適しています。また、建築現場に限らないですが、何かの「作業現場」では、紙とペンを持ってくるだとか、実践して示すといったアナログな行動が困難なケースが多く、ARグラスを通して指示を出す・見るというデジタルな行動によって解決する課題が存在するからかなと思います。医療関係に関しては、クロスエフェクトさんやホロアイズさんの事例にありましたように、「術前シミュレーション」などの「事前に切って練習ができないもの」が必要であるため、そこにXRが活かされるのかなと思います。また、建築・医療共に3Dのデータを扱う業界ですから、VRに転用しやすいという互換性の問題もクリアしているのかなと感じます。

 

-トレーニングの分野でも、有用と言われていますよね。

久保田)そうですね。トレーニング利用については、ウォルマートさんを始め、大手企業が先立って導入し、その結果どうだったのかというリソースが蓄積されてきて、プラスに働いている部分があるのではないかと思っています。実際に、教育人員を細かく割かなくても、VRで解決する部分は多くありますから、企業としてもコストを削減できると感じます。

 

-VR導入というと、お金がかかるというイメージがありますが、「コスト削減」になるんですね。

久保田)イニシャルコストがかかるので、どうしても目先の初期投資額に目がいってしまいます。ただ、長期的に考えると人件費や教材費を抑えることができて、コストはむしろ削減されるケースが多いのではないかと思います。わざわざ出張しなくてもよくなるので出張費も削れるかもしれません。

 

-京都府内に多い「ものづくり企業」の視点では、XRを導入するという発想がないのかなと思いますがいかがでしょうか。

久保田)そこは、やはり発想の転換が必要なのかなと感じています。どの業界においても、XRを活用するかどうかを検討する以前に、ビジネスプロセスの見直しが必要です。特にコロナ禍において、多くのことが変動したように、常識や環境、価値観などがめまぐるしく変化するのが現代社会です。ものづくり分野においては、プロトタイピングの工程にXRは有用だと言えるでしょう。XR技術は、プロセスを簡略化し時間的・金銭的コストを抑えることができます。しかし、そもそも、ものづくりのプロセスの中にプロトタイピングがないという企業も多いと思います。アイデアをそのまま商品化するのではなく、また机上や小手先で検証するのではなく、深い検証をした方がいいものを作ることができるのではないか、プロトタイピングというプロセスが必要なのではないか、とまず考えてみることが必要です。

XRの未来

-XR技術のような未知のものが日常化すると、サイボーグになってしまうのではないかといった不安や恐怖を感じる方もいると思いますが、どのように考えますか。

久保田)物事には両面がありますが、特にテクノロジーの中でも身体に影響する技術はSFでもディストピア的に描かれることも多く、不安になりやすいかもしれません。技術は、時間をかけて普及するもので、急激に誰もが使うようになるわけではありません。その過程で様々な議論が行われ、多くの不安はある程度払拭されるでしょう。もちろん何も不安な面がないといえば嘘になりますが、いま我々が日常的に使っている技術も徐々に生活に入ってきたと思います。

そして、いくらでもマイナスの想像ができるものですが、逆にプラスの想像もいくらでもできます。事故が怖いので車が普及しないということはありませんでした。ある程度のリスクもありながら、一人ひとりが、そして社会全体でも様々な取組が行われるでしょう。人間社会のそのような側面は信じてみてもいいかもしれませんよ。

 

-なるほど。そんな中で、XR技術はどのように社会に広がっていくと考えていますか?

久保田)XRはどうしてもハードウェアと一蓮托生です。コンテンツは様々な形で作られるので、世の多くの人が抵抗感のないハードウェアが登場し、十分なコンテンツやサービスが作られることで自然と広がっていくと考えています。

 

-ありがとうございます。今後とも応援しております!

 

 

 

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