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佐々木化学薬品株式会社 (京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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京の食 京都品質

食品・医療分野でも安心!「ドライキープフィルムストロング」

(令和2年3月24日 ものづくり振興課 足利)

ドライキープフィルムストロング機能例

 

乾燥剤と包装フィルムが一体化した「ドライキープ」の重量物包装対応版です。医薬原料袋、食品原料袋、機械等重量物包装などに。

詳しくは、佐々木化学薬品株式会社のホームページ(外部リンク)をご覧ください。

 

国産アセトンパウダーと微生物簡易検査システム 

(掲載日:令和元年1月16日 ものづくり振興課 宮崎、足利)

アセトンパウダー微生物簡易検査システム

佐々木化学薬品株式会社(京都市山科区)の研究開発部 機能性化学品事業課 責任者の髙田様にお話をおうかがいしました。

国内トップクラスの高品質「国産アセトンパウダー」

--前回、佐々木社長から「商社」であり「メーカー」であるというお話とともに、 金属表面処理薬品や混合薬品の再生などの事業、シリカゲルを入れる代わりに包装材や商品自体に吸湿性を持たせることが可能という衝撃的な製品「ドライキープ」などの機能性樹脂に関する事業について教えていただきましたが、最近、3つ目の柱としてライフサイエンスに関する事業が伸びてきてらっしゃるそうですね。

髙田)はい、そうなんです。まず、2017年に「国産アセトンパウダー(動物臓器アセトン粉末)」の発売を開始しました。

アセトンパウダー

--アセトン?

髙田)アセトンとは、分子が小さく、水にもほとんどの油脂にも溶けるので、様々な用途に有機溶媒として用いられている物質です。マニキュアを落とすための除光液や、生き物の標本を作る際や、実験器具などの洗浄の際、あるいは、水と混ざらない溶剤を混ぜる際にも使われたりもします。消防法にも規定される危険物でもあります。

--そうなのですね。

髙田)そしてアセトンパウダーとは、動物の臓器や植物の組織をアセトンに浸漬後、ミキサーを用いて粉砕し、ろ過、真空乾燥により粉末化したものです。現在ラインナップとして揃えているものには、ウサギ筋肉アセトンパウダー、ブタ腎臓アセトンパウダー、ブタ脳アセトンパウダー、ラット小腸アセトンパウダーがありますし、この他にも様々な動物種に対応して製造可能です。

--どういった使途に用いられるものなのですか?

髙田)使用される用途は多岐にわたり、動物の臓器や植物の組織によって、診断薬分野やビタミンや酵素の活性測定、タンパク質の抽出・精製といった研究用途に用いられます。例えば、ラット小腸アセトンパウダーにはα-グルコシダーゼという酵素が多く含まれています。α-グルコシダーゼは小腸において二糖類を単糖類(グルコース)に分解します。分解されたグルコースは血液中に吸収されやすくなり血糖値が上昇します。そこで、この酵素の働きを阻害することで糖質の消化吸収を遅らせ、食後の血糖値の急激な上昇を抑えるといった糖尿病の研究などにラット小腸アセトンパウダーが用いられるわけです。

アセトンパウダー

--なるほど。

髙田)ちなみに、桑の葉に、α-グルコシダーゼを抑制する効果があるということも言われており、当社では生化学の研究などで使用されるような桑の葉アセトンパウダーも対応可能です。

桑の葉

 

--そうなのですね。アセトンパウダーは用途も多岐に亘ということですから、他社も作ってらっしゃるのですよね?差別化要素は?

髙田)我々が調査したとき、国内でアセトンパウダーのメーカーはほとんどありませんでした。そこで品質のいい国産アセトンパウダーをつくることができると大いにチャンスがあると思いました。今でも国産でアセトンパウダーの製造をしているところはほとんどない状況です。

--そうなのですか?!

髙田)海外製はありますが、我々は徹底した管理体制で製造しており、品質でも当社は勝っていますし、ご要望に応じて小ロットでも対応できます。

品質比較グラフ

--よくぞここに着目されましたね!

髙田)アセトンパウダー自体はよく用いられているものなのですが、「動植物の臓器・組織」と「アセトン」と「ミキサー、ろ過機、真空乾燥機」が必要です。動植物の臓器・組織は入手がそれなりに大変です。アセトンも危険物で、法令に沿った保管や管理が必要です。さらに加工条件も工夫が必要となります。しかし、当社なら化学的な知識やアセトンの使用実績もあり、幅広いネットワークを通じて「動植物の臓器・組織」の入手も可能なことからチャレンジしました。

--素晴らしいですね。

髙田)最近は、「食品衛生法」の改正により栄養表示が義務化されることに伴うニーズも多いですよ。成分分析などを通じてモデルの成分表を作られる際に使われるようですね。

食中毒・一般細菌の新検出法「微生物簡易検査システム」

--ほかにはどういったものがございますか?先日の「京大医学領域×京都試作ネット×チャレンジバイ 合同内覧会で発表いただいたものは?

髙田)はい、食中毒を引き起こすような有害微生物(O-157など)や一般細菌検出のための簡易検査システムですね。国の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)で採択を受けて開発したものです。

微生物簡易検査システム

--どういったものですか?

髙田)通常の手法ですと、培養を外注に出したりすると、数日、下手をすると1週間とかかかってしまいますが、その間に事態が進行してしまう可能性がありますよね。しかし、当社の新検出法であれば、半日で結果を出せます。

検査フロー短縮を示す図

 

--いいですね。電気的信号に変換して判別するのですか?

髙田)そうです。現在、ほぼ開発が終わりましたので、今後販売や量産に向けての準備を進めているところです。

--当然、試作機づくりは外注に出されたのですよね。

髙田)いえ、ほとんど自分たちでつくりました。

--え?!化学屋さんの御社が、なんと?!

髙田)基盤の実装や3Dプリンターの加工などなど、自分たちで勉強しながら試作しました。社長が常々「これからはデジタル化の時代だ」と申しており、本機器では、そうしたデータの提供を通じてより評価の精度を高めるサポートサービスの構築なども進めてまいりたいと思っています。

 

医療医薬などのライフサイエンス、食品、そしてIoTと広がり続ける同社の今後の展開がますます楽しみです。

 

化学の力で世の中をもっと便利に

(掲載日:平成29年3月14日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

  

 佐々木化学薬品株式会社(京都市山科区)の佐々木代表取締役様にお話をおうかがいしました。

研究開発から製造、商社機能、リサイクルまで

―まず、御社の概要を教えてください。

佐々木) 各種工業薬品、試薬、理化学機器の「商社」であり、かつ、金属表面処理薬品や機能性樹脂等のプライベートブランド品の「メーカー」でもあります。お客様は、電気電子部品業界、自動車業界や大学等の研究機関、製薬、食品分野等です。現在の当社従業員は84名で、京都本社(工場)のほか、滋賀支店(工場・物流センター)、大阪と鹿児島に営業所がございます。

 
(左:本社、右:滋賀支店)

―工業薬品と言いますと、硫酸とか苛性ソーダなど様々あるのでしょうね。金属表面処理薬品とは、どういったものですか?

佐々木) 化学研磨液・エッチング液、酸化皮膜除去剤・溶接焼け除去剤、洗浄剤、剥離剤、めっき液、電磁波シールド剤などです。例えば、化学研磨というのは、薬品に浸漬することで、機械加工やレーザー加工などによって発生したバリや加工痕を除去するものです。医療用部品、家電部品等がありますが、身近なもので言えばパソコンや携帯電話に搭載される金属部品などのバリ取り、燃料電池関連部品の表面の平滑化を目的に利用されます。

 

―なるほど。

佐々木) あるいは、洗浄剤というのは、金属の加工時に使用される潤滑油や防錆油などの油脂類やバフカスを除去するために用いられます。また、吹き付けるだけで電磁波を遮断(減衰)できる電磁波シールド剤も開発しています。銅粉末に銀を被覆させたものを塗料化したもので、従来、電磁波のシールドはめっきや真空蒸着などの技法を用いてシールド膜を形成する方法が主流ですが、筐体部品(ABS樹脂など)の裏面等に塗布し電磁波を遮断(減衰)する効果を付与します。

 
(洗浄剤(左)と電磁波シールド剤(右))

―御社のような業態って一般的なのですか?

佐々木) 京都では繊維・染色分野に関係する薬品を取り扱っている企業が多い印象がありますが、当社のような業態は珍しいと思います。それに全国的に見ても、研究・試作・製造と言ったメーカーとしての機能と商社機能を兼ね備えた販売体制、そして使用済み薬品のリサイクル提案を行っているところは極めて珍しいですね。当社の生産は、一言で言えば原料の調合ですので、「レシピ」さえあれば、他社でも真似をできなくもありません。しかし私どもは、お客様と一体となって研究段階から取り組むことで、生産プロセスの効率化を図り、次の開発を先んじて行い競争力を高めていくということを、継続的に行っております。

硝酸・フッ酸不使用・電気不要― 人・会社・環境にやさしい溶接焼け除去剤「エスピュアシリーズ」

―開発された金属表面処理薬品はたくさんお持ちですが、少しご紹介くださいませんか。

佐々木) そうですね。ステンレス鋼用ノンフッ素溶接焼け除去剤「エスピュア」シリーズというものがあります。一般的にステンレス鋼の焼け除去には、硝酸、フッ酸などの薬剤が用いられています。それらは強力であり、処理時間が速いという観点からとても重宝されているものですが、「毒物及び劇物取締法」の毒物・劇物に該当し、手など身体に付着すると薬傷を負うなど、人体に様々な悪影響を及ぼします。また、盗難防止の保管など、厳重な管理が必要です。それに対し、「エスピュア」は、「毒物及び劇物取締法」に該当しない薬品配合設計をしており、これにより作業者へのリスク軽減、管理体制の負担軽減に繋がるということが、好評を頂いている理由の1つになります。

―いいですね!

佐々木) そして2つ目として、溶接焼けを薬液の力で分解しますので、電気設備など特別な設備も、磨く作業もなく、溶接焼けを除去します。エスピュアSJ-400という液体タイプの場合は、部材を浸漬するだけで良いので、電気処理では届きにくい部分の溶接焼けも除去が可能です。また、浸漬処理が難しい大きな部材は塗付タイプのエスピュアSJジェルも用意しております。こちらは塗って水拭きして頂くだけで除去できる優れものです。

 
(エスピュアSJ-400(左)とエスピュアSJジェル(右))

―なるほど。

佐々木) 更に3つ目としては、排水処理面のメリットです。希釈廃水、中和処理、金属イオン回収こそ必要ですが、フッ酸・リン酸及び硝酸性窒素非含有であり、排水処理規制においての管理を軽減しております。

他では珍しい「混合薬品の再生」

―では、リサイクルについてはいかがでしょうか?

佐々木) 1つは「薬品再生」でして、自社製品の「中性サビ取り剤エスクリーンS-800」について、使用済み分から主成分と不純物を分離回収し、再び使用できる製品へリサイクルする事業です。ちなみに、「エスクリーンS-800」は、酸・アルカリ・シアン化合物などの有害物質を含まず、PRTR制度・労働安全衛生法通知対象物質に該当しない中性の除錆剤です。

―それがリサイクルできると?

佐々木) 産業活動に様々な恩恵を授けてくれる化学薬品ですが、これらは最終的には産業廃棄物となり、少なからず環境へ負荷を与えてしまいます。現在、廃棄処理されている使用済み薬品は年間500万トンとも言われております。このような環境への負荷を低減すべく、「使用済み混合薬品の再生技術」を開発しました。主成分と不純物が混在している状態の使用済み混合薬品に本技術を用いることで、それらを分離、回収します。単一薬品ではなく、混合薬品をリサイクルできる点は他に事例が少ない本技術の特長です。

―これもまた素晴らしいですね。

佐々木) ガラスの研磨や洗浄を目的に使用されるフッ酸を主成分とする混合液も、本技術で再び使用できる製品へとリサイクルすることが可能です。

―なるほど。

佐々木) もう1つは「金属回収」です。使用できなくなった電子機器などから、有用な資源(レアメタル等)を回収する取り組みを、国内各地の金属回収技術を保有する企業とチームとなって進めています。

包装材自身が乾燥剤に変身!― プラスチック形状乾燥剤「ドライキープ」

―ほかに、機能性樹脂の開発もなされていますね。

佐々木) 樹脂に乾燥剤を練り込んで一体化したプラスチック形状乾燥剤「ドライキープ(DRY KEEPⓇ)」ですね。アルミ袋や容器など、成形された商品自体に吸湿機能を持たせることが可能となります。例えば、医薬品や食品の包装材として成形しますと、それ自身が除湿機能を持ち、乾燥剤の投入や乾燥剤の投入スペースが不要となります。


(アルミ袋・フィルム)

―なるほど!

佐々木) 温度変化に強く、高温環境下(100℃以下)でも湿気を再放出することはありませんので、製品の保管中や輸送時の温度変化による湿度影響を受けない環境を維持します。また、湿度が平衡状態になるまで吸湿を行い、その後吸湿を停止し、相対湿度が再び上昇した場合には、吸湿活動を再開するので空間の相対湿度を一定に保つことができます。製品のラインナップとして、相対湿度を0%に維持する「絶乾タイプ」、20~30%に維持する「調湿タイプ」がございます。各種成形方法に対応可能で、薄さ40µm~のフィルム状などへ加工も可能であるなど、狭いスペースや限られた空間内の湿気対策や結露防止にも効果を発揮します。


(フレキシブルシール)

―素晴らしい。

佐々木) 従って、医薬品や検査キット、検査薬の品質保持の包装材ですとか、LEDや自動車部品など工業用部品内部の湿気・結露防止対策、輸出、輸送、保管時の湿気・結露防止対策の梱包材として幅広い用途にご採用頂いております。

  

人と人の化学反応

―御社が顧客から支持されてきた理由は何でしょうか?

佐々木) 京都の大手電子メーカー様に育てていただいたと言えます。他社が投げてしまうような無理難題にも出来る限り応えて参りました。それが認められ、長いお付き合いをして頂いていると思っております。当社は昭和21年に、私の祖父が薬局として創業しました。当時の店舗は、京都大学のすぐ近くでしたので、主に、研究用試薬などの販売を行っておりました。やがて化学薬品の小分けや製造を手掛ける様になり、ガラスや陶器に縄を巻いた容器に薬品を充填し、自転車で配送納品していたと聞いています。独自技術の研究を重ねていくうちに、家電メーカー様、電子部品メーカー様などと取引が拡大していくとともに、得意先からの相談も多くいただけける様になりました。そうした中から、プライベート商品の開発、廃液のリサイクル事業などが生まれてきたのです。

  
(創業当時の配送・研究室の風景)

―なるほど。

佐々木) 中小企業にとって、お客様の声を、いかに効率的に集めるかということが極めて重要です。当社は、先述のように、商社機能とプライベート商品を持つメーカー機能の2つがあります。商社として取り扱っている商品は、当社以外の企業も取り扱ってらっしゃるケースも多くありますので競争が生まれます。そのため、当社はお客様の近くに営業拠点を置き、よりきめ細かな対応を行い、他社との差異化を図っております。一方、自社オリジナル製品については、自社から広くお客様にご提案やご紹介をしないと、お客様には伝わりません。そこで、数年前にホームページをリニューアルし、プライベートブランド品の発信を充実したところ、インターネットを通じての問い合わせが以前の数百倍へと飛躍的に伸びました。エンジニアの方々からの問い合わせが多く、こうした方々から様々なニーズをいただき、それを開発に活かしていくということに繋げています。

―今後の展望についてはいかがでしょう。

佐々木) まず1つは、生産工程の機械化や半自動化ですね。少量多品種生産でもあり、まだまだ手作業で対応している部分も多くあります。そうした工程の機械化、半自動化を進めることで、一層の生産効率の向上や品質の向上、作業者の安全性の向上を図っていきたいと考えております。そして、2つ目は、これまでも進めてきた製品開発やリサイクルの分野拡大です。これには技術の高度化が必要です。

―なるほど。

佐々木) そのために大事なのが、3つ目として、「人」です。人が成長しないと今申し上げたようなこともできません。社外の方々との接点を広げて、まさに“化学反応”が行われないと行けません。そうしたオープンイノベーションにより、技術の高度化を図ってまいります。


(本社玄関ホールに掲げられた、資格保有者銘板)

 

今後の展開がますます楽しみです。

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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