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株式会社センシング京都(京都企業紹介)

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世界のトラック物流・道路インフラの課題を解決する走行車両重量測定装置

(令和3年9月2日、ものづくり振興課 足利・足立)

株式会社センシング京都(外部リンク)(京田辺市、城陽市)の一井禎明代表取締役、株式会社草川精機(京都市)の草川代表取締役、加古取締役にお話をおうかがいしました。

高速車両を光速で捉える

--このたび「産学公の森」推進事業を、株式会社草川精機様と合同で取り組んでいただくことになりましたが、そのテーマである走行車両重量測定装置(トラックスケール)とは、何でしょうか?

一井)走行中の車両(トラック)を止めることなく車両の総重量、軸重を計測することができるプレートです。

どこにトラックスケールがあるか

--ほう!なぜ、走行中のまま量れるのですか?!というか、まず「軸重」って何ですか?

一井)地面と接するタイヤ左右をつなぐ部分を軸といい、1つの軸にかる重量のことですね。道路は、すべての車両の重量(車両+最大積載量)と1つの軸重の重さに対して別々に法律が存在し、その範囲内の車両のみ走行することが認められています。

軸重を量る

--そうなのですね。

一井)そして私たちのトラックスケールは、複数台の圧電素材ポッドを並べその上に覆い隠すように大きな鉄板をひいて量るものではなく、道路を横切るように設置された巾30cm程度のプレートを通過するタイヤからのエネルギーを光センサで捉えるのです。具体的には、光素子(発光・受光)を組み込んだセンサ部分(センサユニット)にタイヤが載りますと、極めてわずかなひずみが生じ、それによって受光量に変化が生じます。大変高精度のセンシングで、トラックの重さを量るセンサですが、人間の体重も量ることができます。

センサ部

--そうなのですね。

一井)そして、そのセンサユニットを、走行方向に対し一定幅で二列に並べてありますので、センシングの時間差で速度がわかります。さきほどの受光量の変化と、この速度によって、軸重を測定するのです。

AIを用いた総重量算出

--つまり、「高速」車両を「光速」で捉える、というわけですね(笑)。しかし、軸重はわかりましたが、総重量はどうやって?

一井)当社では既に多くのトラックスケールを設置してまいりました実績がありますので、そこに大量の走行測定データがあります。そのデータを学習したAIが、すり鉢状のAIと呼んでいますが、総重量を算出します。実際の車両の重量との検証を数多く行ってまいりましたが、誤差はわずかなものです。

世界の物流スピードアップ、道路インフラコスト低減に貢献

--それはすごいですね!

一井)こうして走行しながらでも総重量、軸重が計測できますので、例えば、海外では州境でトラックの重量測定がありますがその測定に、下手をすると数日待たされることもあるそうです。そういったことも解消できます。

--物流スピードが飛躍的に向上しますね!

一井)また、さきほど申しましたように、センサユニットを走行方向に対して二列に並べていますので、走行方向がわかります。つまり、車両が前に進んでいるか、バックしているかもわかりますから、高速道路のETCゲートにて通行料金の誤課金なく、連動できます。もし重量課金方式であれば、そもそも料金所を不要にできます。既に世界では重量課金制となっており陸続きの国境の高速道路でも、走行車線に本プレートをそのまま組み込んでおけばいいだけですので、課金業務が大変効率化できます。

--ほう!

一井)あるいは、一般道でも州境や日本では都道府県の境に組み込むことで、物流の動きと量をリアルタイムで把握でき、経済活動に活かせるビッグデータが収集できます。それに、「総重量」は橋や橋脚の傷みに関係しますし、「軸重」は、轍の形成など路面の傷みに関係しますから、道路メンテナンス、予防保全にも貢献します。

加工・測定データのAI学習による硬材料・大物・精密・大量加工実現

--道路インフラ維持のコスト低減や高度化に貢献するわけですね!

一井)そうなのです。既に導入も進んでおり、世界を見渡しても大きな可能性があるのですが、当社はたった4名の小さな会社です。今後の大量生産、プレート自体のメンテナンス管理を考えますと、当社だけではとても対応できません。

--そうなのですね。

一井)特にプレートの素材は、頑丈で硬いある金属を用います。しかも長さ1mをゆうに超える大きさのものを、極めて精密に、かつ大量に加工する必要があります。それで、いろいろな会社を探し回って、最後に草川精機さんに辿り着いたというわけです。

--なるほど。硬い、大物、精密、大量、という厳しい条件に応えるのは、まさしく草川精機さん所以ですね!

加古)ありがとうございます。今回は非常に加工が難しい材料を用いますので、品質のバラつきをどう抑えるかが課題です。そこで、加工機のデータと測定機のデータを結んで、AIによって検証し加工の最適化を図る方法で取り組んでいきます。

--加工が難しい材料というのはわかりますが、とはいえ、同じ材料ですよね。そんなに常に検証しながらという必要があるのですか?

草川)そうなのです。同じ材料でも、常に微妙に異なるのです。当社はその微妙な違いを理解、把握し、大物でも高精密な加工を実現してきたところです。

--そうですね!

加古)当社は、あくまで下請加工の会社でやってきました。もちろん、守秘義務契約があり顧客企業様とのクローズドな関係の中で、「加工」に関する提案は積極的に行ってきました。しかし、今回のように「開発」から一緒に、このようなオープンな関係で取り組むのは初めてのことです。これまではこうした挑戦をするにも、どうしても資金がネックとなり、挑戦したくともできなかったのです。しかし、今回こうして補助金をいただき、挑戦ができるようになったのです。挑戦するチャンスをいただけたのです。本当にありがたいです。

リモートメンテナンス

--こちらこそ本当にありがとうございます。さて、さきほどおっしゃったプレートのメンテナンスというのは?

一井)主に校正作業に関することなのですが、プレートの設置(施工)後、複数要因を確認しながら現地でプログラムを補正する必要があります。

--補正、ですか?

一井)地球の地面は実際には様々な傾斜がありますし、道路も、もともと雨水を流すためにわずかに傾斜がつけてありますから、プレートは施工箇所によって異なる傾斜を持つことになります。ですので、施工後、プログラムの校正をしなければなりません。

--しかし世界展開するとなると・・・ですね。

一井)はい。そこでインターネットを介してリモート校正できるシステムを構築する必要があるのです。

宇宙から、地上各地の課題解決へ

--なるほど。最後になりますが、御社は2007年創業ですね。

一井)通常の秤は、静止した状態で量りますが、当社のコア技術は、動的運動現象の中で、ニュートンの運動法則に基づく3成分のうち、「力」、「加速度」成分をセンシングを通じて演算、解析し、瞬時に対象物の正確な質量を得ることができるというものです。ですので、無重力状態でも計測可能です。

--すごいですね。

一井)しかし、宇宙ではニーズが限られます(笑)。そこで、トラックスケールに着目したわけです。

--なるほど。

一井)おかげさまで、その他にも、物流や工場のSDGs対応など多くの依頼をいただいていますが、なにぶん、小さな会社なので、今はまずトラックスケールから、と思っています。まだまだ研究員、製造人員が足りません。設計、物理(数式・公式)が理解できる方や、アナログ回路にも精通した方を求めています。ぜひ私たちと一緒に世界の課題解決に挑戦しませんか!

製品事例その1 製品事例その2 製品事例その3

 

ぜひ一緒に挑戦する方、私どもからもお願いします!

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商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

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