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株式会社Skeleton Crew Studio(京都企業紹介)

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ゲーム技術でサービスに価値を実装する会社の秘訣は人間コミュニケーション

(令和2年7月7日、ものづくり振興課 足利)

企業イメージ

株式会社Skeleton Crew Studio(外部リンク)(京都市)の村上CEOと石川さんにお話をおうかがいしました。

ゲーム技術で様々なサービスに価値を実装する会社

--いつも何かとお世話になっているのですが、改めまして御社の概要を教えてください。

村上)ひとことでお答えする場合には「ゲーム会社」と言うようにしています。

ゲーム「Olija」 ゲーム「BackSlash」
自社開発のアクションアドベンチャーゲーム「Olija」(左)とアクションゲーム「BackSlash」(右)

--ほう。

村上)もう少し詳しく説明する場合には、「ゲームの技術や考え方を使って、他のサービス・システムに価値を実装する会社」などと言っていますね。例えば、丹波市との共同開発によるこちらの「Dinosaur Museum VR」は、丹波市で発見された「タンバサウラウス」の実際に発見された骨の3DデータがVR空間に蘇ります。骨格を触る・壊す・動かす、そして、塗れるといったものです。またこちらは、ロケット発射場を有する宇宙に一番近い町、鹿児島県肝付町の案件で、VR空間に「スペースミュージアム」を作り、見て、感じて、宇宙を学ぶ、という全く新しい体験をしてもらえるコンテンツの開発を行いました。

恐竜VR スペースミュージアム
Dinosaur Museum VR(左)、スペースミュージアム(右)

--そうなのですね。

村上)あるいは、この「Kankoboko AR」は、ARテクノロジーを使用し、手のひらの上に日本三大祭りの一つである祇園祭の鉾が展開するアプリを他社とコラボーレーションで制作したものです。

Kankoboko AR

本当に分かりあうコミュニケーションとは

--おもしろいですね。ゲームと、ゲーム以外でどちらの仕事が多いですか?

村上)ゲーム以外の方が多いですね。ゲームは、受託開発ではなく、できるだけ自社開発のものを増やしていこうと思っています。

--どうしてですか?

村上)みんなゲームが作りたいメンバーなので、制約が多い受託開発ではなく、彼らの持っているユニークなアイデア、技術をもっと活かしてあげたいからです。

--社員思いですね。

村上)18名で、15名は外国人です。日本人は私や石川ら3名だけです。

社員

--ええー!!そうでらっしゃっるのですか。

村上)もともと「一緒に働く人の、その人らしさを伸ばしたい」と思って起業したんです。

--そうなのですね。起業までの経緯は?

村上)デザインの専門学校を卒業して働いていたのですが、受注で作るので、どうしても「誰が作っても同じではないか」という思いが沸き起こってしまい、会社を辞めたんです。そして、もともとアメリカ西海岸のカルチャーに魅了されてデザインを学んだことを思い出して、2か月間のつもりで渡米したんです。

--ほう。

村上)しかし、当時は、英語を話すこともできなかったので、最初は一人の殻に閉じこもらざるを得ない日々が続いたのですが、「日本人=ゲーム」のイメージが強いのか「ゲームしようぜ!」と誘われたんです。「ああ、ゲームなら言葉が通じなくてもコミュニケーションがとれるんだ!」と気づいたんです。

--いい話ですね。

村上)それで、サンフランシスコのAcademy of Art Universityでイラストレーションを学び、そのままアメリカでコンセプトアーティストとして働き始めたんです。2か月間のつもりが、結局8年間アメリカにいまして、リーマンショックを契機に帰国し、京都のゲーム会社VITEIに入ったんです。

--そうなんですね。

村上)VITEIも当時からたくさん外国人が働いていましたが、アメリカ以上にグローバル感を感じる素晴らしい会社で、とても良かったです。

--アメリカ以上にグローバル?

村上)アメリカは様々な人たちが世界中から集まっていますが、そうしたアメリカの文化を理解してらっしゃる状況ですが、日本においては必ずしもそういうわけではなく、日本の文化を十分理解して、というより、素のままなので、逆にものすごくユニークで面白かったのです。

--なるほど。

村上)やがて、VITEIの子会社の社長までさせていただいて、もっと自分でやってみようと思い、独立、起業したのです、私自身もゲームというよりデザイン出身ですし、石川も異分野から引き抜いた人材で、全体の取りまとめ役をしてもらっています。

--石川さんは何をなさっていたのですか?

石川)特殊メイク等が専門で、専門学校で教育をしていたのです。私は英語もさほど話せませんし、ゲームの専門家でもありませんが、大きなイメージ、全体像を描き、細部を一つひとつ確認するとかしながら自分流で、当社の外国人エンジニアとコミュニケーションをとって、とりまとめをしています。

--そうなのですね。

村上)「言葉」って便利な道具ですけど、逆に限界もあると思っています。お互いにその言葉の意味を分かっている前提で会話が進んでいきますし、「本当にそうですか?」という投げかけってなかなかしないですよね。しかし、言葉が分からないと、逆に丁寧に確認していきます。その方が結果的によく分かりあう、本当のことが分かる、という気がしています。

--深い話ですね。デジタルを扱う企業なのに、人どうしのコミュニケーションをここまで掘り下げて考えてらっしゃっるとは。

村上)私も石川も、もともとデジタルを扱う人間じゃないですしね(笑)

理念

ビジネスにつながったBitSummitアワード

--そうですね(笑)。村上さんが入社されたBITEIさん、2014年のBitSummitで大賞になった企業なのでよく覚えています。

村上)受賞作品「MODERN ZOMBIE TAXI DRIVER」を持って海外に売込みに行ったら「一緒に作品開発しませんか?」とお声掛けいただき、仕事がもらえたんですよ。

--それは嬉しいお話です。アワードは、私自身、こだわりがあり、どうしてもBitSummitで採り入れたかったものだったのです。

村上)アワードのおかげでビジネスに繋がって経験はとても貴重で、自分たちのような経験を、他のインディーゲームをお作りの皆さんにも同様に経験してほしく、2015年のBitsummitからは、出展しながら、運営側にも回っていますよ。

--一般社団法人日本インディペンデント・ゲーム協会の理事もなさって、ですね。さて、今後の展望はいかがでしょうか。

村上)先ほどからのお話と同様ですが、人材育成には力を入れており、台湾からインターンを受け入れています、とにかく、若い人たちに元気に活躍してほしいですし、おもしろい方向に向かっていっていただくことができれば、僕たち自身も面白くなります。

--なるほど。

石川)学生のために、学校と企業を繋ぐ役割を担ってきた経験を活かし、学生のゲームジャムをもっと活発に広げていくようなことも考えています。

--いいですね。

村上)京都の企業が魅力を伝える場にもなればいいなと思っています。短時間でも企業で働く先輩が来て、助言を行う。学生からすると、「起業には、こんな素晴らしい人がいるんだ」と、気づくことができる、そういう場にしたいのです。

チーム

 

大変楽しみですね!!

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