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株式会社UCHU(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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商品企画開発プラットフォーム「NEXT 100 YEARS」

(2021年12月16日、ものづくり振興課)

レモンケーキ

株式会社UCHU(外部リンク)は、グラフィックデザインの視点を活かしたブランディング戦略、広報戦略等の同社強みを、他のものづくり企業にシェアする「商品企画開発プラットフォーム『NEXT 100 YEARS』」を展開されています(京都府・京都産業21「中小企業共同型ものづくり支援事業」)。

このたび、洋菓子のBAIKAL(外部リンク)様のレモンケーキ(「懐かしのレモン(外部リンク)」)のリブランディングを支援されました!(Leaf掲載(外部リンク))。

 

100年後も“流行の先端”をめざし、和菓子に新風を吹きこむ!

(掲載日:平成29年2月16日、聞き手・文:ものづくり振興課 金子)

 平成28年度経営革新企業、株式会社UCHU(外部リンク)の木本社長にお話をおうかがいしました。

伝統を重んじる和菓子業界で新感覚の商品を展開

和三盆のお干菓子の製造販売をされていますが、まず、御社の事業概要を教えてください。

木本) 当社は、2010年に開業、2014年7月法人化、西陣に店舗兼工場を構えて和菓子「落雁」を製造販売しています。「落雁」は、室町時代に中国から伝わったと言われる大変伝統のある和菓子で、でんぷん質の粉に砂糖などを混ぜ、型押しして乾燥させたお干菓子です。弊社では、私のグラフィックデザイナーとしてのノウハウ・経歴を活かし、現代的なデザインを取り入れるなどの工夫を凝らした商品を開発し、提供しています。また、雑誌やSNS(外部リンク)などのパブリシティの積極的な活用で、伝統を重んじる和菓子業界でユニークな展開を行っています。新しい感覚の和菓子、落雁ブランド「UCHU wagashi」は、デザインやフレーバーに特徴があります。若い木型職人とコラボレーションしてこれまでにない楽しい形状を発案し、味を落としてしまう「つなぎ素材」を使わなくても形が崩れない木型を開発しました。また、デザインの楽しさだけでなく、フレーバーを付加した商品を開発し、従来商品とは違う新しい分野の商品展開を行っています。

なるほど。

木本) 営業面では、自社広告は一切行わず口コミとマスコミのみで展開してきました。パブリシティとしてこれまで雑誌数百冊に取り上げられ、地元地域のお客様だけでなく、東京など遠方からわざわざ店舗にご来店いただくなど、「UCHU wagashi」ブランドの広がりを実感しています。

これまでになかった斬新なデザインやフレーバーの商品をもう少し詳しくご紹介頂けますでしょうか。

木本) ひとつひとつの商品を、手づくりでていねいに仕上げています。形や色、パッケージに加え、その味にも共感して頂き、多くのお客様がリピーターになって頂いています。代表的な商品は、ピースを組み合わせて、絵を描くように様々なカタチを作ることができる「drawing」、清水寺や京都タワーなど京都の風景がデザインされた「京都ものがたり」、和三盆糖の優しい甘みとフルーツの酸味が絶妙にマッチし、天然果汁をギュッと詰め込んだ「mix フルーツ」、ジャスミン茶、ほうじ茶、抹茶のティーフレーバーが香る「ochobo」などです。

Drawing
京都ものがたり
mixフルーツ
ochobo

販売先は個人のお客様が多いのですか。

木本) 現在の主な販売先は、一般のお客様のほか、三越伊勢丹、高島屋などの百貨店や企業です。売上構成は、自社2店舗売上が6割、大手百貨店卸3割、その他インターネット販売等1割となっています。ホテル・旅館のもてなし菓子としてのBtoBや企業のノベルティの取引も近年伸びています。最近では、今年度限定で開催されているスヌーピーミュージアム(東京六本木)のストア限定販売のスヌーピー落雁を提供しました。

 BtoCのお客様は、30代から40代の女性が最も多く、地元のお客様だけでなく、雑誌を見てわざわざ東京や遠方から、店舗に足を運んで下さるお客様もいらっしゃいます。
 一方で、落雁は伝統的な茶席菓子ですので、お茶会シーンにもしっかりと取り入れていただいています。本店がある西陣は、近隣に茶道家元が集中し、京都の中でも茶人人口が多い地域でして、普段のお稽古や正式なお茶会にも弊社商品をご利用頂いています。

「街の和菓子屋さん」から「和菓子メーカー」へ

今後はどのような展開をお考えですか。

木本) 創業以来これまで順調に売上高、利益を伸ばしてきましたが、今後は単純な多店舗化ではなく、多様な販路開拓による事業拡大を目指しています。過去最大級の改装により今春リニューアルオープンし「KYOTO TOWER SANDO(京都タワーサンド)」へと生まれ変わる京都タワービルに出店が決定しています。地元で人気のある和菓子やスイーツ、化粧品など物販店30店舗が出店する1階フロアの一角に弊社常設店を開設します。観光客を含むより多くのお客様に当社商品をアピールできると期待しています。
 さらに内祝い等のギフト需要については、これまで、受注対応や生産力の問題でお断りせざるを得ないケースがありましたが、商品をモジュール化し、生産力を強化することで、季節や歳時記に合った商品を提供していく予定です。特に遠方からなかなかご来店頂けないお客様へ対応するため、ネットショップ事業を強化したいと考えています。2月には、商品閲覧や納期確認、決済に関するネットショップ機能を含む新しいWebをリリースしました。
 当社は創業6年、法人化2年と業歴は浅いのですが、京都タワーサンドやネットショップ事業の拡大を企業成長の大きなチャンスと捉え、まさに、手作り落雁を製造販売する「街の和菓子屋さん」から多様な商品レンジをもち、量的需要にも対応できる「和菓子メーカー」への転換を図ろうと考えています。生産拡大とともに、販売チャネル毎にセグメントを再設定し、それにともなったターゲティング、商品レンジ構成、価格設定、ブランディング等、戦略策定を図ります。既存店舗に加え、商業施設店舗やネット販売など、より消費者ヘ強力に訴求できる販売チャネルを活用し、よりクオリティの高い商品やサービスを提供することで、ブランド強化を予定しています。

図:これまでのブランド展開と経営革新による新ブランド展開

最後に、木本社長が目指しておられる和菓子づくりについてお聞かせください。

木本) 昔からある和菓子は、江戸時代から変わらないなど、「古くなっていくこと」をよしとし、そこに価値があると思うのですが、『UCHUwagashi』は、歴史の部分では絶対に勝てませんし、むしろ真逆の「常に流行の先端である和菓子」でいたいと考えています。そもそも『UCHUwagashi』は、「和菓子には宇宙のように無限の可能性がある」という意でつけた名前です。その可能性に挑戦しつつ、人を幸せにする和菓子をこれからもつくっていきたいです。

今後ともますます新しい和菓子を楽しみにしています。

【会社概要】http://uchu-wagashi.shop-pro.jp/(外部リンク)

創業:2010年
設立:2014年7月
業種:和菓子製造・販売
代表:代表取締役 木本勝也
資本金:100万円
従業員数:12名
所在地:
 本社及び生産工場:京都市上京区猪熊通上立売下る藤木町786 TEL/FAX 075-201-4933
写真:本店外観 写真:本店内装  

 寺町本店:京都市上京区寺町通丸太町上ル信富町307 TEL/FAX 075-754-8538
写真:寺町店外観 写真:寺町店内装 

 ジェイアール京都伊勢丹店:京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町
ジェイアール京都伊勢丹地下1階 TEL 075-748-1541(直通)

 

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp