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株式会社Wood Life Company(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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廃棄物処理と里山創世でWood Lifestyleの確立を

(2023年6月6日、ものづくり振興課 足利・牧野・町野)

企業イメージ

株式会社Wood Life Company(京都市南区)(外部リンク)の佐野本部長、澤田室長、安本様、黒崎様にお話をおうかがいしました。

全ての廃木材をリサイクル

--まずは、御社の概要を教えてください。

佐野)1991年設立、現在25名で、一般・産業廃棄物収集運搬・処分業を行っています。

木材粉砕

--具体的にはどういったお仕事でしょうか?

佐野)解体事業者さんらから、建築物や製造現場の廃棄物などを引き受け、大半をリサイクル原料にし、どうしてもリサイクルにできないものは処分場に引き取ってもらうという流れです。具体的には、毎日何十t、あるいは100tの廃棄物を引き受けており、その8割程度を占める「廃木材」はチップ化して100%リサイクル原料にしますし、プラスチックや石膏ボードなどその他のものも7割はリサイクル原料となります。

廃木材 チップ

--リサイクルされた木片チップは、どういったところで使われるのですか?

佐野)製紙原料、建築資材、燃料用等ですね。おおまかに言えば、建物の柱等の廃材は製紙原料に、接着剤で合成されたベニヤ板等は燃料用に、といったことですね。

--分別・選別作業が大変ですね。分別された廃棄物の回収とそうでない場合とで、引き受ける価格も異なってくるということですね。

佐野)そうですね。

廃プラスチック 分別

解体業者に寄り添って

--御社がお客様に選ばれる理由はどんなところにあるのでしょうか?

佐野)そうですねえ、「価格」もそうですけれど、対応の「迅速さ」、何より「人」でしょうかね。解体事業者さんは府内で80社以上ほどいらっしゃいますが、中には一人親方のような小規模事業者の方も多いです。彼らに解体を発注される企業によって、あるいは現場によって、コスト面含めて様々な事情を抱えておられます。そうした解体事業者さんと関係性を築き、その時々の事情に応じて、価格も含めて柔軟に対応しているのです。

がれき

--素晴らしいですね!

佐野)この業界は規制の変化、脱炭素社会に向けての変化などが激しいところがあり、解体事業者の皆さんは、当社をブレーンとしても使ってくださっていますね。

--そうなのですね。では、このお仕事の辛いところは?

佐野)うーん、やはりいわゆる3K業務であることでしょうかね。そういう意味でも「人」という要素は重要です。

放水 トラック

--さきほども道に迷っていた私たちに、外で作業されていた社員さんが、むちゃむちゃ丁寧、さわやかに案内してくださいましたよ!

佐野)ははは(笑)

--ところで黒崎さんの部署は「DX課」ということですが、DX専属部署があるのは珍しいですよね?!

佐野)ITの専門の勉強をしてきたわけではないですが、逆にその方が、変に色がついてなくて、新鮮な目線でどんどん企画を進められていいんですよ!

建物EOLステージのCO2見える化

--さて、昨年、補助金をご利用いただき「建物のEOL(End of Life/解体・廃棄処理)ステージのCO2見える化」に取り組まれたわけですが、どういったものですか?

澤田)現在は法令等で義務があるわけではないですが、脱炭素社会の構築に向けて、建物の解体・廃棄処理ステージにおいても、いずれカーボンプライシングに対応していかねばならないと思います。それを少しでも先取りしておこうというものです。

--ほう!

澤田)当社は、2021年度に京都府内の中小企業として初めて環境省のSBT認証を取得しました。SBTとは、Science Based Targetsの略で、パリ協定が求める水準と整合した温室効果ガス排出削減目標のことです。

--そうなのですね。

澤田)しかし、建物の解体・廃棄処理ステージにおいて、個別単体企業レベルでの取組には限界があり、特に小規模企業が多い解体処理業者の皆さんと連携して、サプライチェーン全体で一体となって取り組んでいくことが必要だと考えたのです。

--いいですね!

澤田)解体処理業者向けのCO2排出量の計算ソフトは、既存のものもあるのですが、入力の手間が相当かかる、数字が大きくぶれるといった、実態・実情を反映していないものですので、そこで、当社のお客さん向けの独自のものを試作しているのです。例えば行政に提出するマニュフェストと同じ様式にするなど工夫して、解体事業者さんが手軽に入力できる、あるいは、CO2排出の実態に即した計算となるものを目指しています。

CO2見える化

TRUSTWOOD

--いいですね!では、今後の展望はいかがでしょう?

佐野)例えば、現在行っているマテリアルリサイクル、サーマルリサイクルだけでなく、ケミカルリサイクルも含めて、10年後20年後を見据えた「廃棄」を常に意識していなければなりません。

--なるほど。

安本)さらに言えば、今扱っている建物や製造現場といった「街のごみ」だけでなく、もっと源流である「山」にも着目しています。「街のごみ」の対比として「山のごみ」と言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、伐採されずに放置された山林はCO2の吸収量も落ちてしまいますし、そうした山林を伐採、運搬し、市場に繋げていく仕組みを作っていけないものかと思っているのです。計画的に植林と伐採を行い、CO2負荷の少ない生産工程を経て、森林認証された木材を「TRUSTWOOD」(とらすと・うっど)と呼び、世界中の人々に信頼と資源をお届けしたいと願っています。

里山 木材

--いいですね!

安本)この面では、山をお持ちの企業さんや研究者の方など、ご協力いただけるとありがたいです!

 

今後の展開が楽しみです!

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商工労働観光部産業振興課

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