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鴨川真発見記 平成24年11月

 第49号 鴨川の学習をお手伝いしてきました

鴨川の講座を小学校へ出前です

 今回は、いつもの鴨川での「真発見」ではなく、鴨川から少し離れた場所での鴨川に関するお話です。

 京都府では、「府職員出前語らい・専門員派遣」という制度があります。

 その目的は、

 府政の透明性を高めるとともに、府民の府政への参画や府との協働などの府民参画を推進していくため、京都府が重点的に取り組む施策等や専門的な研究等を行うテーマについて、府民からの希望に応じ、職員が直接出向いて説明(PR)や、助言、意見見交換等をする「府職員 出前語らい」「専門職員派遣」(以下あわせて「出前語らい」という。)を実施する。

 具体的には、府民と府とのコミュニケーションの向上を図り、施策や業務に活かすべき府民の意見や提案を収集するとともに、府内における自主的・公益的な地域活動の促進を図ることを目的とする。


とされています。

 「御所南小学校」では、この制度を活用いただき、4年生の授業“総合コミュニティーかがやき「わたしたちの鴨川」”への出前をお受けしましたので、その様子を紹介させていただきます。

<体育館に腰を下ろしての授業となりました>

 こちらの小学校では、総合学習の時間に「鴨川の魅力や課題に迫る学習を通して鴨川を守るため自分ができることを見つめ直す」という趣旨で鴨川を題材に学習を進めておられます。

<御所南小学校の4年生は6クラス204名>

 実際に鴨川に出掛けて水の中に入ってみたり、鴨川の利用者に鴨川の魅力をアンケート調査したりと様々な角度からの取組の一つとして「鴨川のスペシャリスト」である京都土木事務所の職員の話を直接生徒に聞かせて欲しいとの要請を受け参上いたしました。

 京都土木事務所から「御所南小学校」へ出前を届けるのは昨年に続いて2度目です。その「趣旨」は鴨川を整備・管理する当所としては力強い応援にも聞こえる有り難いものでもあり、また我々の仕事を小学生のみなさんに知ってもらえる絶好の機会と捉え「万全の準備」で望みました。

 お相手は4年生の児童204名と先生7名の総勢211名で体育館を使っての語らいとなりました。

 当方は5名の職員で対応です。前半は京都府が作成した小学生向け冊子その名もまさしく「わたしたちの鴨川」の抜粋版を使用し、目で見て分かる映像で鴨川の歴史、川の様子、昭和初期からの鴨川の整備、自然、今の鴨川の様子と「鴨川の基礎知識」を説明しました。

 40分以上に渡るお話でしたが、みなさん熱心にメモを取りながら行儀良く「鴨川のそうだったのか」を学んでいただけました。

<みんなメモを取りながら熱心にお話を聞いてくれました>

 後半は静かに聞く講義から一変してクイズで盛り上がりました。鴨川にまつわる問題とその正解となる画像と不正解の画像を映し出しどれが正解かを当てるクイズです。

 そのクイズの答えを単に当てるだけでなく、クイズにまつわる鴨川の課題や魅力について2人の職員が掛け合いで解説するもので、ここでも「それは知らなかった」をたくさん見つけていただけたかなと思っています。

<作業着ヘルメット姿の職員とスーツ姿の職員が解説>

 クイズで盛り上がり過ぎて最後の質問コーナーの時間が短くなりましたが、みなさんのもっと知りたいを刺激できたのではないかと思います。

<解説役の職員にも熱が入ります>

 みんなにとっての「鴨川真発見」のお手伝いと土木事務所の仕事のPRができた貴重な時間を共有し、出前職員一同気持ち良く御所南小学校を後にしました。

<みなさん頑張って勉強してください>

 

平成24年11月5日  (京都土木事務所Y)

 

 第50号 京都マラソン鴨川公園内コースをたどる

バックナンバーを振り返りながら

 鴨川真発見記も今回で第50号となり「記念号」としたいところですが、振り返りの意味も込めて、来年3月に第2回の開催を迎える「京都マラソン2013」の鴨川公園内を通るコースを「鴨川真発見記バックナンバー」を交えて紹介したいと思います。

 京都マラソンの案内チラシには「コースには京都ならではの魅力がいっぱい!」とされており、その中の「山紫水明の地・京都」の具体的内容に「京都のシンボル鴨川公園を走ります」と紹介されています。

 それでは、早朝の加茂街道から鴨川公園内に入る地点、北大路橋右岸上流にある下流向きのスロープから紹介します。

<葵祭の行列が進む加茂街道から鴨川公園へ>

 このスロープの入口付近には、第25号「鴨川の桜も懸命に生きている」で紹介しました「自己再生する桜」が生えている地点です。力強い生命力を感じながらレースの終盤戦を踏ん張っていただきたいと思います。

<スロープのすぐ後方に自己再生する桜の姿があります>

<写真左のつっかえ棒(支柱)で支えられているのが自己再生の桜です。その前でストレッチ>

 スロープを下ると直ぐに北大路橋の下をくぐります。この橋の下は普段でも流水面と高水敷の高低差が少なく、増水時には一番に浸かってしまうため、マラソンの主催者は万が一の増水に備えて足場を組んで対応するそうです。(ここは、鴨川コースのアキレス腱的箇所です)

<当所では北大路大橋の下の通路部は上流の北山大橋の水位を判断基準にして早めに通行止めの措置をとっています>

<水が少ない時期でもこんな感じです>

 次に見えている橋は出雲路橋で、この間の距離は680m(※)で高水敷が公園区域の中でも広くなっています。

※=川の流れの中心に沿った距離を表示しています。(以下の橋間の距離も同様)

<広々とした気持ちの良い空間が広がります>

 第36号「鴨川から大文字を眺める」で紹介しましたとおり、大文字鑑賞のベストスポットとして賑わいます。

 この区間の流水部は、昨年度に中洲を一部除去しましたが、第24号「鴨川にも蛍が舞い飛ぶ」で紹介しましたとおり、蛍は今年も見事に飛翔しました。

 また、水制工を施した中洲も7月の集中豪雨による増水にも負けずに踏ん張っています。

<木杭で守られた中洲>

 出雲路橋へとやってきました。ここは、第8号「アルティメットなるスポーツ」で紹介しました「アルティメット」や「サッカー」のスパイク使用による「砂ぼこり対策」が課題のグランドがあります。

<右手にグランドが>

<園路よりも高い所から「砂ぼこり」が・・・>

<東へ目を転じると綺麗な朝焼け>


 この出雲路橋から北山を望む景色は、多くの鴨川ファンのお気に入りスポットと言われています。この景色も20年程前は中洲、寄州の無い姿でしたが、現在は中洲、寄州の緑等があり、それが自然な様相をなしています。

 両者に対する評価は分かれるところですが、先日フランスからの訪問者は鴨川を庭園のように例えられ「カーモガワ スーバラシイ」との賞賛を受けました。

<出雲路橋から上流を望む>

 出雲路橋を過ぎると次の葵橋まで775m(※)です。
 出雲路橋から葵橋といえば、第12号第18号「鯉のお話」で大きな鯉の釣り上げシーンを紹介しました。鴨川の大きな鯉を釣り上げる醍醐味を見ました。

<次の葵橋まで少々距離があります>

<葵橋が近づいてきました この辺りから一度高水敷が狭くなります>

 葵橋の次には出町橋が見えており、すぐ傍の205m(※)です。出町橋といえば第29号「葵祭の行列が渡る橋」で紹介しました葵祭の行列が通ります。橋の下には、新たな試みの展示物が目に入る予定です。

<出町橋の下にギャラリー出現予定>

 またまた短距離165m(※)で鴨川・高野川合流点にかかる「賀茂大橋」へと進みます。

 ここには、第30号「鴨川・高野川の飛び石」第33号「鴨川で涼むのは節電にも一役か」で紹介しました賑わいがあります。

<賀茂大橋 右手にウッドデッキとミニ噴水があります>

<10月 この時期、賀茂大橋右岸側には水が流れていません> 

 賀茂大橋から次の荒神橋までは840m(※)で、植栽やカーブの影響で賀茂大橋の下からは荒神橋は少ししか見えません。

<再び広々とした空間が広がります>

 この区域には、自由使用のグランドが並んでおり、休日には少年サッカーなどのチームが練習に励んでいます。府立医大病院の前までくると、大きめの木が木陰を作る木立が並び、和める空間が広がっています。

<この先は 「水辺側」「中央」「西の端」と3ルート有る所も>

 荒神橋までくると、鴨川公園コースも次の丸太町橋までのラスト430m(※)を残すばかりです。

<荒神橋 水道を右手に見ながら 第40号参照>

<ここからもルートは左右に>

 第38号「みそそぎ川」で紹介しましたクランク型暗渠に沿うように右へ進路を取って丸太町橋を東へ渡り川端通りへ。

 マラソンコースも鴨川を離れ残すところ約7kmです。鴨川公園でのリフレッシュをエネルギーにしてゴールまで駆け抜けてください。

 

平成24年11月8日 (京都土木事務所Y)

 

 第51号 今シーズン初の野鳥も

夏の間には姿を見なかった野鳥と会いました

 鴨川冬の風物詩とされている「ユリカモメ」が今年も飛来しました。鴨川真発見記第6号で紹介しましたが、カムチャッカからの渡り鳥です。

 この日は11月最初のウイークエンドでかなり寒さを感じる一日でした。

 二条大橋の上流で鴨川の中に整列する白い団体が目に入りましたので、早速カメラで撮影しました。

<一羽を先頭に扇状に整列する隊列>

 ズームアップしてみますと「真ん中の一羽」の顔がフクロウの顔のように丸く黒い色が透けています。

<ぼんやりと黒い顔が透けて見えます>

 以前、頭の白い冬羽が抜け落ちて黒い夏羽が顔を出すことを説明しましたが、冬羽が生え揃う前で少々透けて見えているのでしょう。少しお茶目な感じです。

<さあ移動するよ>

 しばらくすると集団で下流方面へ飛び去りました。これからのシーズン、琵琶湖からの早朝出勤の姿も見ることができると思います。

<水面スレスレで急旋回>

<こちらはしっかり白い冬羽>

<エサを求めて下流方面へ飛び去りました>

 変わって少し地味な感じで浮かんでいるのは「カイツブリ」です。夏場は鴨川では見かけませんでしたので他の場所に移動しているのかと思っていました。

 しかしながら、日本野鳥の会京都支部の方のお話では、「カイツブリ」は夏場も鴨川に居て営巣もしているそうです。個体数が激減しているそうであまり目立たないようです。

<手前のマガモの雛ではなく「カイツブリ」です> 

 じっと見ていると水中にクルンと潜って小魚を捕獲します。潜った後にどこから出てくるか見物するのも結構楽しいものです。

<さあ潜水するぞ>

<プファー とは言わないか・・>

<鴨川にはたくさんの小魚がいます>

 

平成24年11月12日 (京都土木事務所Y)

緊急追伸:「ヨシガモ」

 と、終わる記事でしたが、後日の昼休み、鴨川散歩の帰り道、何気なく北山大橋から鴨川を覗いてみると「ヒドリガモ」の群の中に緑色の頭が目に入りました。

<北山大橋から 緑の頭が>

 「マガモ」かなと思いましたが、何か違う!鴨川では見かけない模様です。とりあえず写真に納めて事務所へ帰りました。

<マガモとは少し違う 見かけない配色>

 所内で「この鳥知ってる?」と尋ねてみても「カモやろ」くらいの反応です。ある人が「頭が緑色のカモ」でネット検索すると「ヨシガモ」の姿が現れました。「これ似てるやん」と野鳥に詳しい職員さんに連絡を取り確認すると「ヨシガモちゃうか」との応えです。

<ネットではこれと激似の写真もありました>

 そこで、「日本野鳥の会京都支部」へ電話して「鴨川に”ヨシガモ”は飛来しますか」と尋ねると「以前はちょくちょく姿を現していましたが最近は”マレ”ですね。何かありましたか?」とのこと。

<”ヒドリガモ”の群に一羽だけ混じってました>

 「さっきよく似た”鳥”を写真に撮影しましたので確認していただきたいのですが」と中村副支部長宛メール送信しました。

 そのメールに対する返信がこちら

大好物のミゾソバを餌とするヒドリガモに混ざっているのは
確かにヨシガモ♂です。
まだ羽根が揃っていないようです。(頭の後ろ髪が・・)
でも、鴨川では大変嬉しいニュースです。
是非、鴨川真発見記にご紹介下さい。

今日、会員から届いた写真をご紹介します。
オカヨシガモ♂ですが、此方も鴨川では結構珍しいんですヨ。


<オカヨシガモ 日本野鳥の会京都支部提供>

羽根が揃ったヨシガモを添付します。

<ヨシガモ成鳥 日本野鳥の会京都支部提供>

との内容でした。

 今後も 「鴨川素人野鳥観察」を続けていきたいと思います。

<ユリカモメ 日本野鳥の会京都支部提供>

 ちなみに野鳥の会の方が今シーズン「ユリカモメ」を初確認されたのは10月29日に七条大橋付近とのことでした。

                 

平成24年11月12日 (京都土木事務所Y 追記)

 

 第52号 鴨川の「紅葉」と葉の落ちた「桜」の下を彩る「野草」

あちらこちらで色づく「葉」とピンクの野草

 日増しに冷え込んできた京都の秋。鴨川でも木々が秋色の装いに染まっていきます。淡い赤や黄色の絵の具を差したようで味わいを感じます。

<北大路橋から上流を望む 日差しの具合で色々な表情です>

 春に紅しだれ桜の競演が見られる半木の道の対岸でも「秋の主役はこっちだよ」と言わんばかりに葉を色付けています。

<色とりどりに 生で見るのが一番綺麗>

 中で一本前に出て目立っている木があります。高水敷の中ステージ上に一人上がっているのは”ケヤキ”です。周りにベンチを配しています。色づく木陰で読書の秋も絵になります。本の上に“はらり”と落ちた紅葉もまた一興です。

<バックに大勢従えて 中央で一人舞台> 

 この写真を撮っていた時に通りかかった二人旅の御婦人が「綺麗やね~!こんな街があるんやね。」と会話されているのを聞いて「なんと贅沢な環境の中に京都土木事務所は建っているんだな」と改めて思いました。

 北山から少し上流に目をやると、葉の落ちた桜の木の下をピンクの絨毯を敷いたように小さくて鮮やかなピンクの花が群生しています。

<桜の花が散った様に咲く野草>

 この花は「鴨川真発見記第19号桜の時期は過ぎ去って」の中で紹介したのですが、春の野草の時は植物園さんに御協力を要請することなく、花の図鑑でなんとかしようという無謀な努力をしましたが、結局半分くらい「これかな?」ぐらいの結果で後はさっぱり解らないままに「ピンクの花」として紹介してしまいました。

<こ、これは春に名前調べを断念した花> 

 この教訓を得て、秋の花は京都府立植物園のNさんに助けを求めてきちんと名前付きで紹介した次第です。「春」に咲いていた花が「秋」にも咲いているのを見てしまったからにはやはり京都府立植物園のNさんにすがってみました。

<その名は「イモカタバミ」> 

 さすがは「プロ」一瞬でその名が返ってきました。その名は「イモカタバミ」で南アフリカ原産だそうです。

<茎を伸ばしてこんな咲き方も>

 南アフリカの原産でも日本の気候に順応できるのですね。住めば都なのでしょうか。


平成24年11月14日 (京都土木事務所Y)

 

 第53号 鴨川で月を見ながら音楽を

京都・出町 鴨川ふれあい広場で開催「出町お月見フェスタ」に出会いました

 鴨川で様々なイベントが催されているのを度々目にされたことがあると思います。
 そんなイベントも自由に開催されているわけではありません。テントを立てたりするためには京都土木事務所の許可が必要となりますし、場合によっては占用料も必要となります。
 また、イベントの内容にも制約がかかりまして、「鴨川」と関わりがあるか、地域の振興につながる内容であるかや、イベントに対する京都府の協賛や後援が有るかなどがポイントとなります。

 大音量でのコンサートの実施なんていうのは無理だと思ってください。

 そんな制約をクリアして開催されたイベントを覗いてみました。

 10月27日(土曜日)十五夜ならぬ十三夜のお月様を眺めながらのイベントが鴨川の出町であると聞いて出町へと散歩してまいりました。

 この日は午後2時頃からイベントが始まっていたそうで、京都府広報監「まゆまろ」も登場して応援歌を歌う「竹上久美子」さんとのライブも開催されたようです。

 私が会場へ着いた時にはハロウィン仮装こども大賞の時間で、仮装した子供達に「”なんとか”で賞」の各賞がもれなく発表されていました。

<この子には「なりきっているで賞」>

 続いてのコーナーは、「加茂川マコト」という出町商店街のキャラクターのイメージオーディションで1位に輝いた「リアルマコト」さんの表彰式です。

<「加茂川マコト」イメージぴったり>

 キャラクターと同じ衣装に金髪のカツラを付けて会場まで駆けつけてくれたそうです。

<優勝の表彰式 右が出町商店街に設置の「加茂川マコト」>

 このあと休憩を挟んでいよいよお月見タイムへと進んで行きました。

 お天気はというと、雲の陰からお月様が顔を出したり隠れたりと微妙な感じですが、これもまた一興。月全体が出るタイミングを待つのも結構面白いものです。

<月の出番は雲次第>

 夜の部が始まりました。

 ウッドデッキのステージには、竹に納められた柔らかな照明が並べられて「かぐや姫」のイメージでしょうか。辺りはすっかり暗くなり鴨川の流れの音が際だってきました。

<竹の中から柔らかい灯りが>

<客席は脚を出さない長椅子です> 

 最初は心地良いジャズのライブを聴きながら空を見上げて月の出るのを待つという何とも幻想的な鴨川を味わいました。 

<スタンバイと共に雲の切れ間から月が>

 その後も「お月見のおはなし」「こっきりライブ」と続き、

<「お月見のおはなし」静かに語りかけます>

 昼間もライブ出演の「竹上久美子」さんのライブです

 こちらでは、「出町お月見フェスタ2012」公式イメージソング「月は、」が披露されました。鴨川で月を見ながら・・・・という感じです。

<しっとりやさしい歌声 「月は、」>

 歌詞に鴨川の橋「出雲路橋」「荒神橋」「出町橋」とお馴染みの「橋」が出てくるのも鴨川ファンの心をくすぐります。

 月を見上げながら気持ち良く夜風を感じました。

 このウッドデッキのステージも今年度のリニューアルが決まったようです。今後も一層の有効利用を期待しています。

<夜の鴨川に浮かび上がるウッドデッキのステージ>

 

平成24年11月16日  (京都土木事務所Y)

 

 第54号 短い秋を鴨川で楽しむ人びと 

鴨川で楽しむ人をウオッチング

 汗ばむこともなく散歩するにはもってこいの季節です。そんな秋の鴨川を散策してみると色んな光景に出会うことができます。

 以前紹介しました鴨川の案内板「国際ソロプチミスト京都」さんからの贈り物も、鴨川を歩く人の道しるべとしての役割を存分に発揮しています。

<今ここだからあと2km位だね>

 またこの季節、鴨川ではウオーキングを団体で企画する方も多くいつにも増して行き交う人で賑わいます。

<ゼッケンを付けてのイベントの様です>

 小学生から年配の方まで思い思いのファッションで鴨川を楽しんでいただいているようです。

<河川敷は信号もなくマイペースで歩けるのが魅力の一つ>

<上流から下流から多くの人が行き交います>

 きれいに除草された芝生の上では「バドミントン」「ボール投げ」と家族で楽しむ姿もあちらコチラで。

 そんな中一際目を引いたのは巨大なシャボン玉で遊ぶ家族です。お父さんと思われる男性が作る巨大なシャボン玉を小さな子供が追いかけます。見ているコチラも楽しくなる光景に思わず「にこり」としてしまいました。

<鴨川の風に吹かれて いくよ~>

<来た~!>

<わたしも~>

<シャボン玉の向こうにも鴨川を楽しむ人びとが見えました>

 みんなで楽しく鴨川を利用して頂くため、クレグレも周りの方に迷惑のかかることの無いようにお願いいたします。
 

平成24年11月19日 (京都土木事務所Y)

 

 第55号 治水工事のお話

工事編 臨時便第1号(西高瀬合流点)

 今回は「鴨川真発見記」の臨時便として、京都土木事務所では鴨川の工事をどんなふうにに進められているのかを紹介します。

 皆さんは、秋の紅葉を迎える頃から鴨川でいろんな工事が始まることを御存知でしょうか?

 川を管理・整備する上で1年を2つの期間に分けています。

 6月16日から10月15日までの「出水期」とそれ以外の「非出水期」です。「出水期」には”梅雨””台風””集中豪雨””秋雨”と雨を降らせるお天気用語が並びます。これにより川に出てくる水が多くなる期間なのです。

 河川の中で行う工事では、一時的に水の流れを妨げたり、堤防の一部を削ったりしなければならないことがあります。その工事中に川が増水すれば、水を安全に流すことができず、洪水の危険を増やすことになります。このため、工事は「出水期」を避けて「非出水期」(10月16日から6月15日)の期間に行います。

※河川により「出水期」の期間は多少違います。

 今年も鴨川の下流域(伏見区から南区)で「護岸工事」が始まりました。この工事は増水時に水が当たる河岸(低水部)に石を張ることで堤防を強化して水が安全に流れるようにするものです。

 この工事現場では、工事前に貴重な植物が生えているかどうかを「詳しい人」に調査をお願いしました。その結果「生えている」ことが確認されましたので、違うところへ移してあげました。

<これは貴重な植物だ!>

<ここからは避難しましょう>

 また、工事の準備の際に水たまりに取り残されて「死んでしまわない」様に”ナマズ”などの魚の引っ越しをしました。工事をする人達みんなで手に手に”網”を持っての馴れない作業でしたが、無事救命することができました。

<大きなナマズです>

<カワムツやオイカワも野鳥から逃げ延びるようにがんばれ>

 さて、工事現場の一日は安全確認から始まります。現場事務所の前に全員集合し、今日の作業の注意点を確認します。みんな真剣に声に出して反復します。

<今日の安全確認を始めます>

 今日も一日「安全第一」「無事故」でお願いします。

<安全確認よーし>

 「護岸工事」をするために、河川の中に土を盛り上げて小さな堤防を造ります。これは、工事をするところに水が流れるのを止める為(仮締切)です。

<ぐるっと囲みました>

 囲まれた中に溜まった水はポンプで汲み出します。これで準備完了です。この時、先ほどの”ナマズ”達を引っ越しさせました。

<対岸から見るとこんな感じです>

 こちらでは、川の流れから川底を守っているコンクリートの塊「護床ブロック」を運び出しています。これらは”まだまだ”使えるので他の箇所で活躍します。

<川の中での作業もお手のもの>

 「護床ブロック」を積み込んでいるのは、クレーン機能が付いた「バックホー」です。本業は土を削る事ですが、クレーンとしても安全に物を吊り上げることができます。最近では多機能な建設機械として必需品となっています。

 「護床ブロック」を積んで運んでいるのは「キャリアーダンプ」です。このキャリアーダンプは、10トンまでの荷物を積んでキャタピラーの足回りで川の中を進むことができます。

<力強く進みます>

<別の場所に整列です>

 現在は、「護岸工事」の準備段階ですが、これからが本番です。みなさんが工事をしているところを目にされた時に「何の工事?」ではなく「あっ、あの工事」と”ピン”ときて頂ける様に随時「臨時号」をお届けしてまいります。今後ともよろしくお付き合いをお願いします。

平成24年11月21日 (京都土木事務所N)

 

 第56号 秋の一日鴨川ぶらり歩き

色んな楽しみ方と会いました

 秋の「凛」とした空気の中、鴨川べりをそぞろ歩き「色んな方」の「色んな休日」の楽しみ方と出会いました。

 鴨川の木々も赤や黄色に色づいて冬支度を始めました。「スポーツの秋」「芸術の秋」「読書の秋」「食欲の秋」「収穫の秋」などなど秋を表す「言葉」はたくさんあります。どれも魅力的ですが、そんな言葉がぴったりな「鴨川の秋」を紹介します。

<鴨川も真っ赤に染まって>

 最初に出会ったのは、仲良くトランペットの練習をするお二人。鴨川に向かってトランペットの音色がやさしく響いていました。川端通りの傍で控えめな音量です。楽器を鳴らす時は人の迷惑にならないように時間と場所を考えて気持ち良くを心がけてくだいさいませ。

<仲良く鴨川に向かって奏でるメロディーは>

 続いては、鴨川を散策する人に抹茶を振る舞う青年と会いました。お茶の良さを多くの人に知ってもらうためにお茶を点てておられるようです。私も一杯いただきました。抹茶を口にする機会はあまりありませんが、少し和の心みたいなものを感じました。でもバーベキューはしないでくださいね。

<結構なお点前で>

 次に出会ったのは、ソーランを練習する若者達です。昨年京都で開催された「国民文化祭」でもソーランのチームが御池通で見事な舞を披露されましたが、鴨川で練習するチームを良く目にします。
 みなさん明るく活き活きとしていて、集団で何かを作り上げることの「達成感」が伝わってきます。

<笑顔が良いですね>

<若さはじける年頃です> 

<人が通る所を避けての練習です>

 こちらは飛び石で遊ぶ人達です。舟の上に座り、少し冷たいながらも心地良い風を受けながら「北山」や「鴨川」の風景を楽しむ人。

<そのまま舟が上流へと進むと楽しいでしょうね>

 飛び石に並んで記念撮影も良い思い出になることでしょう。飛び石は鴨川を渡るだけでなく水に親しむ「親水施設」としても人びとに愛されているのだなと感じます。

<海外からのお客さんも飛び石を利用>

 この翌日、出町で記念撮影されている方にもお会いしました。

 カメにまたがってどこを目指すのか。この飛び石が設置された当初には飛び石設置の試みは未来(10年20年と経過してから)にならないとその是非は解らない。

 「カメは万年」その未来を見続けるタイムマシーンと解釈された大学教授がおられました。

 その20年以上が経過した現在、みんなに親しまれる存在となった様です。

<カメの背中は大きくて安定しています>

<この記念写真 未来の思い出に>

 こちらはアメリカンフットボールの応援練習のチアリーディングチーム。小さい子からお姉さんまで、一緒に練習することは、色んな人間関係を学ぶ良い機会だと思います。

<ハイ、みんなお姉さんの真似してね>

 コチラも「ソーランチーム」と同じで何かを集団で作り上げる達成感を味わえそうです。応援するアメリカンフットボールチームが勝利すればその達成感も“ひとしお”のことでしょう。

<オー ゴーファイト>

<小さいお子さんもしっかり踊っています>

 そのお隣では、アメリカンフットボールの練習を終えた男子が、グラウンドに散らばった落ち葉を掃き集めています。いつも練習が終わるとお世話になったグランドを清掃されているそうです。これも鴨川を愛する気持ちの表れだと感心しました。

<みんなで並んで掃き掃除>

<みんなで落ち葉を集めます>

 「天高く馬肥ゆる秋」を感じる風景です。空の「青」と浮かぶ雲の「白」そして赤く色づく木々がとても綺麗です。このロケ-ジョンで練習するのも気持ちが良いと思います。京都の顔「鴨川」を再確認しました。

<澄んだ空が鴨川の紅葉を引き立てます>

<京都の顔「鴨川」は季節毎にその魅力を見せてくれます>

 続いては、サッカーチームです。サッカーは弾んだボールが鴨川へ飛び込むことも“しばしばです。もう水も冷たいですが水に入って救出です。くれぐれも足元に気を付けてください。慎重にも慎重を重ねてお願いします。

<シュート>

<足元に気を付けてね>

<ボール救出成功です>

 空を見上げると真っ赤なヘリコプターが鴨川沿いの「府立医科大学附属病院」の屋上に舞い降りてきました。

 と、そのすぐ傍の落差工でシャワーを浴びているのは“オオサンショウウオ”のようです。鴨川のオオサンショウは以前にも紹介しましたが、「ハイブリッド」といって「日本古来種」と「中国種」が交配した個体が“ほどんど”との調査結果が出ているそうで、これもハイブリッドかなと思いながら眺めておりました。

<日本種?中国種?ハイブリッド?わかりません>

 「鴨川冬の風物詩」といわれる“ユリカモメ”。いつも群でいるのにこの一羽は単独行動です。いつもは単独で目にすることが多い“カワウ”4羽と一緒に羽を休めていました。「ユリカモメにも一匹オオカミがいるのかな」

<一羽で”ぽつん”と>

<対照的な黒を基調とした”カワウ”に囲まれて>

<勝手気ままな一人旅ですか?>

 なんて思いながら歩いていると、目の前を小さな碧い生き物が横切りました。もしやと追いかけてみると、“カワセミ”ではないですか。鴨川を散歩していて何度か目にしましたが、なかなか綺麗に写真に納めることができませんでした。少し遠目ですが“カワセミ”と解る写真が撮れましたので紹介します。

<真ん中の碧い点がカワセミ>

 私が使っているカメラではこれ以上の望遠が効きません。こんな時はもう少し上等のカメラが欲しいなと思うのでありました。(使いこなせませんけど)。

<もう少し寄ってみましょう>

 鴨川の人・自然と触れあって秋の一日を終えました。鴨川の魅力はますます私を「鴨川オタク」へと導くのでした。

<少ししつこく追いかけてみました>

 

平成24年11月12日 (京都土木事務所Y)

 

 第57号 鴨川から眺める秋の山

五山の文字も秋の彩りに囲まれて

 第36号鴨川から大文字を眺める「京都夏の風物詩五山の送り火」で紹介しましたのが8月の終わりでしたが、「暑く長い夏」から「短い秋」も早くも終わろうとしています。

 鴨川の紅葉を御紹介してまいりましたが、今回は鴨川から眺める京都の山を見てまいりましょう。

 最初は五山の送り火の際に一番最初に点火される「大文字」です。三角おむすびに切り取られた窓の周りの木々が紅葉して文字を飾り立てます。大きな「カラフルだるま」にも見えてきます。

<文字のところに階段があるんですよね>

 次に点火されるのが「法」の文字です。こちらも高野川の紅葉と文字の周りの淡い色合いがあいまって秋を演出しています。少し怒った顔にも見えますが・・・。

<法のムのところが”むむっ”て感じでしょうか>

 鴨川から見える大文字のもう一つが「舟形」です。こちらは少し笑ったような感じで少しほんわかした感じがします。

<いつの時代の舟がモデルなんでしょうか>

 鴨川から見ることが出来る大文字、五山の送り火の時には気が付きませんでしたが、北大路橋の上からなら角度によって見ることが出来ます。今回は省略します。

 この五山に雪が舞い降りてうっすら雪化粧をすると、今度は白のキャンバスに文字の部分がくっきり浮き出します。そんなタイミングに出会えたら御紹介します。

 比叡山も紅葉が綺麗に山を染めています。コチラは高野川からの眺めですが見上げる山は雄大です。

<松ヶ崎橋から上流西を望む>

<どっしりと比叡山が鎮座しています>

 この比叡山から流れ出て高野川に注ぐ音羽川も京都土木事務所の管理河川です。
 こちらの川は昭和の初めから、山からの土砂流出による災害が続いたため、幾重にも治山ダムや砂防ダムが設置されている河川です。韓国からも毎年の様に視察に来られます。

 そんな音羽川の紅葉もあわせて紹介します。「砂防学習ゾーン」としても整備されている区域の紅葉も良い色に色付いていました。ボランティアのゴミ拾いの方ともお会いしました。

<程よく紅葉しております>

<この付近には色んな案内板が設置されています>

 少々キツイ階段を登ると市内を紅葉の間に街を見ることが出来ます。爽快な気分が味わえます。

<瀧のように流れる水からはマイナスイオンが>

<晴れているともっと遠くまで見えます 是非ご自分で>

 ところ変わって出雲路橋からの朝の景色です。朝日を浴びて立ち上る朝霧が消えゆく様子です。凛と冷え込んだ空気の中で眺めるのも気持ち良いひとときです。

<里山から湯気が立ち上っている様な感じもします>

<消えてゆくこのタイミングがいいですね>

 そんな出雲路橋に夕刻通りかかると、さっきまで雨を降らしていた雲が低く流れ、その切れ間の上には夕日に薄く染まった雲が見えています。こんなの見たことあったかなと考え込んでしまいました。

<雨雲と夕焼けも結構綺麗です>

 

 鴨川真発見を始める前は何年も空をじっくり眺めることもなかった様に思います。 

 鴨川に立つと河川部分の空が開けているせいか自然と空を見上げます。みなさんも鴨川でゆっくり空を見上げてみませんか。


平成24年11月28日 (京都土木事務所Y)

 

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