トビウオの一夜干し(生干し)の作り方
丹後では、夏にトビウオがたくさん漁獲され、夏を代表する丹後・旬のさかなにも選定されています。特に小型のホソトビウオは大量に漁獲されるため、比較的安価で流通します。ここでは、このトビウオを使った一夜干し(生干し)の作り方を紹介します。
調理手順等はあくまでも一例ですので、参考として御利用下さい。
下処理
- 庖丁の刃を魚に立てて当て、尾ビレ側から頭の方向に向かって擦るようにウロコを取ります。なお、写真では出刃包丁を使っていますが、普通の文化包丁でも問題ありません(怪我の原因になりますので、しっかりと研いでおいてください)。
開く(背開き)
- 背側から、中骨の少し上を狙って包丁を入れ、身を切ります。何度か庖丁を滑らせるように切りますが、内臓があるあたりは腹骨があり、少し硬いので気を付けて切ってください。
- 身が切れたら頭を手前にし、頭の真ん中に包丁を当て、少し力を入れて頭を割りましょう。
※干物に頭がなくてもよいという方は、先に胸ビレを含めた頭を落とし、あとは同じようにして開きましょう。
- エラや内臓を取り除き、中骨のすぐ隣に血合い(赤い部分)があるので、包丁の先で軽く切り込みを入れます。流水で、ウロコ、血、血合いをきれいに取り除き、キッチンペーパー等で水気をふき取れば下処理は終了です。
塩味をつける
- 干物に塩味をつける方法として、「振り塩(直接塩を振りかける)」と「立て塩(あらかじめ作った塩水に漬ける)」がありますが、今回は「立て塩」で味をつけていきます。
- 魚の種類や脂ののり方によって塩分濃度や時間は変わります。目安は5~15%(1リットルの水に塩を約50~150g)で、20分~1時間ですが、基本的に、脂が多い魚ほど塩が回りやすく、脂が少ない魚ほど回りにくいため、色々な濃さで試行錯誤してみましょう(トビウオは淡泊で脂が少ないので、今回は、約8%で20分漬けました)。
- 漬け終わったら水道水で軽く表面を洗い、キッチンペーパーなどでしっかり水気を切ります。
干す
- 干し網の上に重ならないように、身側を上にして並べていきます。干し網はひさしのあるベランダなど、直射日光が当たらない風通しのよい日陰に干します。なお、干し網を使うことで、ハエやカラス、猫から干物を守ることができます(ホームセンターや釣具店などで販売しています)。
- 表面に指紋が付く程度まで乾いたら裏返し、ベタつかなくなったら完成です。
- 出来上がった一夜干しは、乾燥を防ぐためにラップなどに包んで冷蔵庫に入れ、2~3日以内に焼いて食べましょう。食べきれないときは、冷凍庫で1~2週間は保存できますが、できるだけ早く食べましょう。
- 寝る前にベランダに干し、朝に焼いて食べれば、最高の朝食を味わえると思います。ぜひ、お試しください。