やましろで暮らす-トップページ > 山城地域の暮らし > 二地域居住しながら、移住者と地元の方々との交流づくりに取り組む阿波野さん【インタビュー記事】

更新日:2023年5月17日

阿波野1

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二地域居住しながら、移住者と地元の方々との交流づくりに取り組む阿波野さん(南山城村)

移住したきっかけを教えてください。

 結婚を機に、家族と一緒に兵庫県伊丹市で暮らすようになりましたが、17年前、両親の介護が始まり、伊丹から車で実家へと帰ってはまた伊丹に戻る、といった二重生活を続けていました。

 両親の介護の合間を縫って、村の給食センターで調理補助の仕事をしていました。介護が終わる頃、南山城村・道の駅構想が具体的になり、道の駅運営会社の社長から「道の駅でお弁当部門を立ち上げたい」と参加要請がありましたので、その準備のため、村へと戻ってきました。

 現在は週の真ん中で伊丹へと出向き、夫と子の料理を一週間分作ったら、週末には南山城村へとトンボ返りする生活を送っています。

庭に建てられたキッチン内で、食品を調理される阿波野さん

グループにわのら「旧名:ハーモニー卯(う)」の活動について教えてください。

 旧グループ名の「卯」の由来は、12年前・卯年に設立したことによります。最初7名で始めたグループでしたが、家庭の事情でメンバー4名が脱退されたのを機に、「にわのら」と改名、3名で改めて再出発しました。

 地元で育てたブルーベリーや柑橘系の果物を使ってジャムやクッキーを作り、道の駅で販売しています。また、近隣で開催されるイベントにも出店して、地元産の新鮮野菜やお弁当などを販売することもあります。

 発足して2年後、京都府の「元気な地域づくり応援ファンド支援事業」で助成金をいただき、それを資金としてキッチンを作ることができました。道の駅で商品を販売するにはしっかりとした加工場が求められるので、この助成金は大変ありがたかったですね。

廃木を再利用して作った「にわのら」の看板

地域の魅力について、お聞かせください。

 若い頃、特に20代半ば頃までは、村のことを窮屈に感じて、好きではありませんでした。昔のことなので「ここを継がなければならない」と思いながらも、結婚して伊丹へと出ていきました。

 この年になって当時を振り返ると田舎暮らしの良さが思い出され、改めて今、この地の良さに気づかされています。

 こちらに戻ってきた当初は古い友人たちと交流を深めていましたが、最近ではここ(本郷区)にも新しい居住者が増えてきていて、その方達との交流も増えています。

 一昨年知り合った移住者の方と仲良くなり、その方から「結婚するので式を楽しいものにしたい」と相談を受けました。考えたあげく、我が家を使っての「ウェディングパーティー」を行うことにしました。

 梅雨時でしたので、案の定、雨となりましたが、我が家に招待客30名+スタッフ10名が集まって、「こんなに楽しい思い出はない!」というくらい、盛り上がりました。

 その後も移住者と地元の方々の交流を深めようと、村の長老を呼んで「昔語りの会」を企画・開催しています。最近では、「伊勢湾台風での木津川水害被害の様子を聞く会」、「JR線・変遷の歴史を探ろう!」といった企画を行っています。

移住に際して、行政等の支援で役立ったことをお聞かせください。

 最近、村役場で観光関連の事業を進めていますが、観光関連業者や農家さんだけでなく、一般のおばちゃんとかも関われないか?と思い付き、ここを訪れる方に「村の普通の生活を観てもらう」企画など計画中です。家の隣が役場ということもあり、今後、もう少し関わりを持っていきたいですね。

「にわのら」で調理を担当されているスタッフさんと阿波野さん

移住して感じた、移住前の想像と違ったところ(ギャップ)をお聞かせください。

 最近体力が低下しており、南山城村~伊丹を毎週、軽自動車で往復するのがしんどくなっています。少し余裕をもって、移動の計画を立てようと思っています。

これから移住を考える人へ、先輩移住者としてのアドバイスをお願いします。

 短い居住年数で出て行かれた移住者の方々もいて、残念に思います。ここで結婚式のイベントを行っていただいた方も「村を出よう」と考えていたそうで、「結果的にこの村を出ることになったけれど、最後に良い思い出ができて良かった」と感謝してくれて、現在でも交流が続いています。

 「村を出てもずっと友達でいるから、たまにはこの村を訪ねてください」と伝えたいですね。

 

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