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知事の部屋 知事の発言-平成31年知事年頭あいさつ

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平成31年1月4日 知事年頭あいさつ

画像:知事就任ごあいさつの様子1 

 皆様新年あけましておめでとうございます。

 職員の皆様におかれましては、新年を健やかにお迎えのことと存じます。心よりお祝いを申し上げます。
 また、本日は、村田議長をはじめ、府議会の皆様、市町村長の皆様、日頃、府政の推進に御協力いただいている団体の皆様、多くの関係者の皆様にお立ち会いをいただいております。誠にありがとうございます。 
 まずは、府民の安心・安全を守るために、警察、消防、病院関係など、休日・夜間を問わず、この年末年始も業務に精励いただきました多くの皆様に、心から感謝を申し上げます。

 私はこの4月に、府民の皆様の御信託を賜りまして、京都府庁開庁1年という節目の年に、第51代の京都府知事に就任させていただきました。 ここで皆様に就任のあいさつをしてから、あっという間の9か月でした。 その際、「現場主義を徹底すること」「前例にとらわれないこと」「連携すること」の3つをお願いし、昨年は意識改革に努力をいただきましたが、今年はこの姿勢を定着させる一年にしたいと考えております。

 6月には、新しい肉付けの補正予算ということで、「将来に希望の持てる新しい京都づくり」のために、「安心で暮らしやすい社会の構築」「京都産業の活力向上」「スポーツ・文化力による未来の京都づくり」を柱に予算を編成し、府政をスタートいたしました。 
 しかしながら、その直後から、大阪府北部の地震、7月豪雨、そして度重なる台風などの自然災害が襲いかかりました。改めまして、お亡くなりになられました皆様に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。そして、昼夜を分かたず、災害対応に当たっていただいた多くの職員の皆様にも感謝を申し上げたいと思います。 この災害では、例えば避難のあり方や、道路の寸断時の対応、停電への対応など本当に多くの課題が明らかになりました。我々は、これらの課題をしっかりと検証し、地域防災計画などに反映させていく。それが私が常々申し上げております、先進的な防災・減災対策の第一歩になると信じております。 

 海外に目を向けますと、大国間の貿易戦争が収まる気配を見せず、世界経済は依然として緊張が続いておりますし、宗教や民族の違いによる地域間の紛争も絶えません。

 国内にも、課題は山積しております。高齢化はますます進展し、2025年には、団塊の世代の全ての方が後期高齢者になり、2040年頃には、高齢者人口がピークを迎えます。また、少子化にも歯止めがかかっておりません。全国の合計特殊出生率は1.43で、人口を維持するために必要な2.07を大きく下回っており、本格的な人口減少社会への突入は避けられない状況になっております。そのような中、東京一極集中は収まる気配を見せませんし、京都府でも人口が減少し、地域コミュニティの力が弱まり、そして、労働力不足の状況が続いております。
画像:知事就任ごあいさつの様子2
 昨年は、京都府庁開庁150年、明治改元150年という節目の年でした。明治維新の時には、京都の人口は大幅に減少し、まさに存亡の危機にありました。しかし、先人の皆様は、徹底した人づくり、琵琶湖疏水の建設、日本で初めての博覧会の開催など、未来に向けた思い切った施策を実施され、その危機を乗り切り、今日までの京都の発展の礎を築いてこられました。
 では、今、我々が、この150年という機に、先輩たちの姿勢を学び、そしてそれを引き継ぎ、何をしなければいけないのか。
 それはまさに、人口減少から起こる様々な問題への対応だと思っております。まずは、労働力不足、それから、それぞれの地域で支える力というのも、弱まってきているわけです。人口減少社会で、何が解決のために必要かと申し上げますと、これは、先ほど申し上げました、私が話した3つの姿勢によることが非常に重要だと考えております。皆様にはどうか、子育ての現場で何が起こっているのか、医療・介護の現場で何が起こっているのか、そして中小企業の現場で何が起こっているのかということを是非とも適確に把握していただきたいと思います。
 そして我々が持っている制度・施策というものは、右肩上がりの時に作られ、それを延長し、修正したものが多く、その発想には是非捕らわれないでいただきたいと思います。経験したことのない課題に立ち向かうためには、もはや、単独の部局で対応できる課題は少なく、部局間の縦割りの排除はもちろんのこと、府民、府議会、市町村、企業、団体、そして他府県、国、あらゆる主体との連携を重視していただきたいと思います。

 その中でも、とりわけ、連携が必要だと考えておりますのは、私が自ら本部長となった、子育て環境日本一推進本部です。従来の少子化対策にとどまらず、出会い・結婚、妊娠・出産、保育、教育、そして就労に至るまで、まさに切れ目のない一体となった支援を推進していくこととしております。子育て環境日本一については、是非とも実現したいと思っております。 子育てに優しい環境は、全ての世代が暮らしやすい環境だと考えております。地域に子どもの声が響けば、地域の皆様のつながりも生まれ、そして地域の活力が生まれます。どうか、地域のコミュニティ、病院、教育機関、企業等の連携によりまして、子育て環境日本一を実現してもらいたいと思います。 京都府政はこれまで、例えば農福連携ですとか、女性活躍、地域包括ケアなどあらゆる施策を講じて共生を進めてまいりました。共生社会の実現にとりましても、地域の活力を生み出すということは、不可欠だと思います。

 それから、もう一つ、産業について申し上げますと、「京都経済センター」がこのたび完成します。中小企業が抱えている問題というのは、何といっても人手不足、そして、後継者難でして、「京都経済センター」の設置により、そうした問題についても、解決を図ってまいりたいと考えております。 

 昨年は、災害が続きましたけれども、一方では、例えば2020年の大河ドラマに、京都にゆかりのある明智光秀が主人公の「麒麟がくる」が決定したことや、京都大学の本庶佑特別教授がノーベル生理学・医学賞を受賞されたことなど、まさに歴史と文化、学術のまち京都にとって、非常に喜ばしい出来事がございました。 そして今年は、ラグビーのワールドカップ、それから、大阪でG20が開催されます。
 来年以降においても、東京オリンピック・パラリンピック、そしてワールドマスターズゲームズ2021関西、2025年の大阪・関西万博と、世界から日本、そして京都が注目される大きなイベントが続きます。この好機に、今年の9月に開催されますICOM(国際博物館会議)京都大会におきましても、京都府内に多く存在する文化資源を世界にアピールし、「文化首都・京都」の存在を高めてまいりたいと思っております。 
 そして、何といいましても2021年度には、文化庁が京都に全面的に移転してまいります。まさに、「文化首都・京都」の役割を果たさなければいけない。先ほど言いましたように、世界から日本、京都への注目が集まる中で、京都から日本の文化政策を発信していかなければいけないと考えております。 

 もう一つ、観光について申し上げますと、皆さん御承知のように、近年の訪日外国人観光客数の伸びは著しいものがあります。速報値ですが、昨年の訪日外国人観光客数は3,000万人を超えて、過去最高を更新しております。 2017年で申し上げましても、京都への観光入込客数は約8,700万人、外国人の宿泊客数は約360万人、消費額は1兆1,900億円と、非常に伸びておりますけれども、これは、かなり京都市内に集中している状況です。一人あたりの観光消費額は、京都市域と京都市域以外を比べますと、10分の1程度にとどまっている状況です。 

 一方で、京都縦貫自動車道が全通し、新名神高速道路の一部区間の開通によりまして、南北間のアクセスは格段に向上をしておりますし、「道の駅」ホテルの構想など、京都市以外の府域へのホテル建設の流れも出てきております。この好機を捉え、観光客の満足度の向上や、観光地間の広域連携を盛り込んだ、「京都府観光総合戦略」を策定し、その効果をできる限り府域に広く波及させる取組を進めてまいりたいと思っております。 
 それから、先ほど申し上げましたけれども、スポーツの祭典が続きます。おそらくスポーツに対する機運が大いに盛り上がるところですが、今年には、「京都スタジアム」がいよいよ完成し、来年から供用が開始されます。この「京都スタジアム」というものを、スポーツのメッカになることはもちろんのこと、スタジアムを中心としたまちづくり、また南部から北部へのゲートウェイの機能としての役割も大いに期待しておりますし、我々としては、そうなるように、努力をしていかなければいけないと思っております。 

 色々申し上げましたけれども、我々がこれから新しい時代の京都をつくっていく上での土台が徐々に整いつつあります。現在、策定中の総合計画におきましては、出来る限り将来に夢のあるビジョンを描き、そして次代を担う子どもたちが希望の持てる京都をつくっていくためのロードマップというものを描いてまいりたいと思っております。どうか職員の皆様だけでなく、ここに御参集の皆様のお力をお借りしまして、オール京都で一体となって、新しい時代の京都づくりを進めてまいりたいと思いますので、御協力・御支援のほど、よろしくお願いいたします。 

 職員の皆様におかれましては、日常の業務に加えまして、災害等、緊急に対応しないといけない業務にも頑張っていただいておりますことに感謝を申し上げたいと思います。 
 今年は、私が知事になって初めて、当初予算を編成いたします。先ほどから申しております課題を、スピード感を持って解決するために、是非とも、実効性のある予算編成にしたいと思っております。また、効果の早期発現のためには、職員の皆様の力が必要ですので、そういう観点に立ちまして、皆様とともに府政を前に進めてまいりたいと考えております。 
 私の、座右の銘に「雲外蒼天」という言葉があります。昨年の漢字一字を表す時も、この「天」という字を示させていただきました。試練があっても、努力してそれを乗り越えれば快い青空が待ち受けているという意味です。皆様、仕事上大変なことがあるときに、この言葉を思い出していただいて、努力を重ねて、そして、その試練を乗り越えれば、府民の皆様の幸せが待っているという、そういう意識で是非とも働いていただきたいと思っております。 
 ただ、皆様がしっかりと働いて、府民の皆様のお力になるためには、皆様自身の心身の状態が良好でないと力が発揮できないというのは、言うまでもありません。どうか、健康に留意していただきたいと思いますし、一つは、特に悩みを一人で抱えないで、役所というのは組織ですから、上司、同僚、色んな方に相談をしていただいて、まずは、目標を共有し、そして悩みを共有し、お互いに支え合い、助け合って業務に専心をしていただければ、幸いです。 

 今年の干支は「亥(い・いのしし)」ですが、この「亥」という字は、骨組みが出来上がった状態を表していると言われているそうです。これからの新しい京都づくりのために、この骨組みを、今年一年、さらに強化をして、今後、20年、100年後の京都に向かってのスタートとなる年にしたいと思っております。 

 最後になりましたが、改めまして、新年をお祝い申し上げますとともに、今年一年、皆様のお力によりまして、京都府政、そして京都府民の幸せの向上につながるよう、御尽力を賜ることを切にお願いをいたしまして、私の新年のごあいさつとさせていただきます。 どうも御清聴ありがとうございました。

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