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知事の部屋 知事の発言-令和2年知事年頭あいさつ

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令和2年1月6日 知事年頭あいさつ

知事就任ごあいさつの様子1 

新年あけましておめでとうございます。

職員の皆様におかれましては、新年を健やかに迎えられたことと、心からお祝い申し上げます。また、本日は、田中府議会議長をはじめ、府議会の皆様、市町村長の皆様、そして府政の推進に御協力いただいております様々な団体の皆様など、多くの皆様にもお立ち会いをいただき、誠にありがとうございます。まずは、府民の安心・安全を守るため、警察、消防、病院関係者など、休日・夜間を問わず、この年末年始にも業務に励んでいただいた多くの皆様に、心から感謝を申し上げます。

さて、昨年は、新天皇陛下が御即位され、平成から令和という、新しい時代の幕が開けました。令和という元号には、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という思いが込められております。日本の文化の中心であります京都府が、日本の、そして京都の多彩な地域文化を、世界に向けて発信するという務めを改めて自覚する契機ともなりました。そして、府内におきましては、京都の未来を見据えた様々な取組が、多くの方の御努力により、実を結び、花を咲かせることができた一年でもありました。3月には、「京都経済百年の計」として、京都府、京都市、京都経済界が整備を進めてきました「京都経済センター」が四条室町にグランドオープンしました。京都の経済団体や中小企業団体、支援機関が結集する新しい拠点として、中小企業が抱えるさまざまな課題の解決、起業から成長支援、海外展開までをワンストップで支援する体制を整えることができました。オープンイノベーションカフェ(KOIN)の利用者数は、約19,000人と活況を呈しており、ここから次々とベンチャーが生まれることを期待しております。9月には「ICOM(国際博物館会議)京都大会2019」が、日本で初めて開催され、120の国と地域から、過去最多の約4,600人もの参加者が京都を訪れ、博物館の果たす役割や地域コミュニティとの関わりについて熱心な議論が行われました。そして、年末には、府内で初となります専用球技場「京都スタジアム」が完成し、今週末には、竣工式と「麒麟がくる」の大河ドラマ館のオープン記念式典を予定しています。

こうした明るい出来事が続いた一方で、大変痛ましい出来事もありました。7月に発生した京都アニメーション第1スタジオへの放火事件では、多数の尊い生命が奪われ、今なお、多くの方が体や心に負った傷に苦しんでおられます。改めまして、お亡くなりになりました皆様の御冥福を心からお祈りし、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、負傷されました皆様の一日も早い御回復をお祈りいたします。国内外から多くの義援金をお預かりしており、京都アニメーションの作品がいかに世界から評価され、愛されているかということに思いを致しながら、引き続き、被害に遭われた皆様に寄り添った支援を続けてまいります。また、滋賀県では、多数の園児が犠牲となる痛ましい事故が発生し、全国的にも、あおり運転等の悪質な危険運転が後を絶ちません。これらの状況を踏まえ、関係の皆様と合同で点検を行いながら、交通安全対策の充実・強化にも取り組んでいるところです。そして、昨年も、全国的に多くの自然災害が発生しました。東日本を中心に発生した台風第15号・第19号による大規模かつ広範な水害では、100名を超える方々が亡くなられ、多くの家屋が浸水被害に遭い、農林水産業にも甚大な被害をもたらしました。京都府といたしましては、被害の大きかった福島県へ職員を派遣するなど、被災地の復旧復興・生活再建を全力で支援しております。また、これまでの災害で明らかになった課題を検証し改定した地域防災計画に基づいて、府民の安心・安全の確立という府政の基本方針を改めて徹底していかなければならないという思いを強くしております。令和の時代はこうして幕を開けましたが、私たちに課された課題は数多くあります。国際情勢に目を向けますと、米中間の貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱、また最近、特に話題になっております中東情勢の混乱など、予断を許しません。そして、私たちが抱えている最大の構造的な課題は、経験したことのない少子高齢化と人口減少社会です。京都府も、平成16年の約265万人をピークに、人口減少社会に突入しています。こうした課題に対応するため、昨年10月、今後の府政運営の基本指針となる京都府総合計画「京都夢実現プラン」を、府議会の御議決をいただき策定しました。このプランでは、概ね20年後の2040年に実現したい将来像を「一人ひとりの夢や希望が全ての地域で実現できる京都府をめざして」と掲げ、そこへ至る道筋として、概ね4年間で何をすべきかを示しています。知事就任以来、申しておりますとおり、非常に目まぐるしい変化をしている社会情勢の中、京都府だけで解決できる課題はほとんどありません。京都市との府市協調を深化させるなど、市町村との連携の強化はもとより、企業、団体、地域、府民の皆様、あらゆる方と一体となって未来の京都づくりにチャレンジをするという思いを込めて、5つの「きょうとチャレンジ」を定めました。
知事就任ごあいさつの様子2
京都には、京都の未来を開くための土台となる強みがあります。
まず、第一に、地蔵盆や地域のお祭り、伝統行催事など、地域の絆や支え合いの文化が綿々と受け継がれてきております。この強みを活かして、社会全体で子育てを見守り支える、そんなあたたかい社会を目指す指針として、昨年9月に「子育て環境日本一推進戦略」を策定しました。残念ながら、京都府の平成30年の合計特殊出生率は1.29と、全国ワースト3位ですが、2040年には全国平均並みの合計特殊出生率を目指し、安心して結婚でき、子どもを産み育てられる環境を作るために、粘り強く取り組んでまいります。また「子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言企業」は、250社を超えました。子育てしやすい職場環境が整えられた企業は、誰もが働きやすく魅力ある企業です。企業の意識改革や行動改革にも取り組み、多様な働き方の実現や人材の確保・定着を目指してまいります。
第二に、京都には、懐の深い共生の文化があります。人生100年時代を見据え、高齢者、若者、女性、障害者、留学生・外国人、誰もが生きがいを感じることのできる共生社会の実現を目指し、高齢者が活躍するための相談・支援拠点や、女性の活躍を支援する取組の充実、外国人も日本人も互いの文化を尊重し合える地域社会づくりに取り組んでまいります。
第三に、京都には、文化が古くから人々の暮らしの中に根付き、積み重ね、伝えられてきております。それが現在、私たちの地域や生活の中に息づいており、そうした多彩な文化は、世界の人々を魅了するだけではなく、様々な産業を生み出す源ともなっています。「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催に合わせて、「日本博」が文化庁主導で開催されます。京都府においても「京都文化力プロジェクト2016-2020」の総仕上げとして、世界に京都の文化を発信してまいります。そして、2021年度を目途とする文化庁の本格移転を見据え、文化の保存、継承、創造、発展に向けた取組にも一層力を入れてまいります。
第四に、京都には、伝統産業からハイテク・先端産業まで、多様な産業構造を有する強みがあります。「ベンチャーの都」と称された京都は、開業率では低迷していますが、昨年はグローバル企業による研究開発部門の立地が相次ぎました。こうした機運の中、京都経済センターを核として、スタートアップ企業の支援を強化するため、「京都スタートアップ・エコシステム推進協議会」を立ち上げるなど、「スタートアップの都・京都」の実現のためにも取り組んでまいります。また、「京都府観光総合戦略」において、観光を全ての産業を支える土台として捉え、府庁横断的な取組を推進しております。府市協調による広域周遊観光を推進し、府内全域に波及効果を広めてまいります。
第五に、先ほど申し上げました府民の安心・安全の確保です。

京都府は、豊かで美しい自然、多様な産業構造、また文化や芸術の蓄積、そして過疎地域から京都市中心部のような大都市地域まで抱えており、日本全体の縮図とも言えます。様々な課題に対する解決策を京都府が示すことによって、日本をリードしていけると考えております。子どもや孫、将来世代に素晴らしい京都を引き継いでいくために、今こそ、様々な現場で起こっている課題を踏まえて、府民の皆様とも連携し、前例にとらわれることなく、新たな発想で施策を練り上げていただき、一つひとつの取組に全身全霊で挑戦していこうではありませんか。

職員の皆さんには、日々の業務に加え、災害の発生や状況の変化に応じて施策を講じるなど、本当に頑張っていただいており感謝しておりますが、この複雑・多様化した社会での課題解決は、容易なことではありません。昨年、京都にゆかりのある吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞されるという明るい話題がありました。吉野氏が受賞決定後に行われた講義の中で、自身のリチウムイオン電池開発において、成功する前に3度、プロジェクトがうまくいかなかったという経験から「失敗しないと絶対に成功はない」とおっしゃいました。職員の皆さんも、これから多くの壁に突き当たると思いますが、どうか失敗を恐れずに、あらゆることに果敢に挑戦していただきたいと思います。そして、課題を乗り越えていくために、何よりもまず重要なことは、心身の状態が良好でなければなりません。どうか皆さんにも、健康に最大限の注意を払っていただき、職員同士が話し合い、目指すべき方向を共有しながら、支え合い、助け合って業務を推進していただければと思います。

今年の干支は十二支の始めである「子」です。ねずみは、子どもをたくさん産むということから、子孫繁栄や豊かさの象徴とされており、非常に縁起の良い干支であると言われています。このスタートの年といわれる子年に、新しい総合計画が本格的にスタートいたします。今年が、今後の新しい京都府を築いていくための新たなスタートにふさわしい年となりますことを心から祈念いたしまして、私の新年のあいさつとさせていただきます。今年一年、お世話になりますが、よろしくお願いいたします。

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