[心の健康について]
〈災害を体験された方へ〉 災害からしばらく経ってからの影響について
災害がおこってからしばらく経つと、「からだ」や「こころ」の状態は順調に回復していくのですが、私たちの「からだ」と「こころ」に非常に強い衝撃が加わりすぎると、その体験が過ぎ去った後も記憶の中に残り、「からだ」と「こころ」に影響を与え続けることがあります。
このように災害でもたらされた「こころのケガ」のことを「トラウマ」といいます。
災害の体験によって、引き起こされる「からだ」と「こころ」への影響は、「災害後のストレス反応(トラウマ反応)」といいます。
災害の体験(トラウマ体験)
災害後のストレス反応(トラウマ反応)
(不眠、食欲不振、からだの不調等)
おもな災害後のストレス反応について
災害後のストレス反応の一つに、『PTSD(外傷後ストレス障害)』があり、次のような状態になることがあります。
- 災害による体験が、自分の意思とは関係なく気持ちの中に入ってきて、その時と同じ気持ちがよみがえる。
- それに伴って、あらゆる物音や刺激に対して気持ちが張りつめてしまい、不安で落ち着くことができず、いらだちやすく眠りにくくなる。
- また、あたかも災害体験(トラウマ体験)が意識から切り離されたようになり、体験の記憶や実感が乏しくなる。周囲の人々や自分の未来からも切り離されたように感じ、人々との自然な交際や、将来の計画ができなくなる。
ポイント:災害の後、約1ヶ月たったときに、上記の状態が続いている場合に、はじめて『PTSD』ということが考えられます。
その他のストレス反応
感情の変化
無力感・罪責感・怒り・あせり・悲哀・うつ・不眠や食欲低下・動悸・ふるえ・発汗・呼吸困難・しびれ。
対人関係の変化
社会と自分への信頼の喪失・活動範囲の狭まり・体験の意味づけが困難孤立したり、ひきこもったり、社会的に不適応となる。
一般的な精神疾患
災害体験(トラウマ体験)をきっかけにして気分障害、不安性障害等を発症することがある。
注意!!
不眠や食欲の不振が長期間にわたって続いているとき、あるいは、ストレス反応が1ヶ月以上続いている場合には、早めに最寄りの市町村保健センターや保健所、精神保健福祉センター(こころの相談電話)などへ相談してください。