京都やましろ観光

「日本遺産(Japan Heritage)」

平成27年4月に、山城地域8市町村の構成文化財が文化庁が認定する「日本遺産(Japan Heritage)」に認定されました。(『日本茶800年の歴史散歩』~京都・山城)
平成28年4月には、新たに4町からも構成文化財が追加されました。
これにより、「お茶の京都」エリアの12市町村すべてに構成文化財が存在することとなりました。

ストーリー.pdf(PDFファイル,314KB)

構成文化財一覧表.pdf(PDFファイル,344KB)

構成文化財写真一覧.pdf(PDFファイル,993KB)

 

「日本茶800年の歴史散歩」紹介ムービー

日本遺産に登録された『日本茶800年の歴史散歩』の魅力を、日本茶に関心を持つ外国人3人が旅をしながらご紹介します。(You Tubeの動画)

日本茶800年の歴史散歩の写真

宇治編1(7分10秒)

宇治編2(6分15秒)

宇治田原編(4分15秒)

和束・南山城・木津川編(4分45秒)

城陽・八幡・京田辺編(4分40秒)

 

京都やましろ地域の特性

山城地域は、京都府の南部に位置し、宇治市・城陽市・ 向日市・長岡京市・八幡市・京田辺市・木津川市・大山崎町・久御山町・井手町・宇治田原町・笠置町・和束町・精華町・南山城村の7市7町1村からなり、総面積約554kmで京都府面積の約12%を占めています。
  京都・奈良・大阪を結ぶ歴史文化軸上に展開する歴史的文化地域で、京都市・大阪府・奈良県・滋賀県・三重県に接し、近隣の大都市との交流が活発です。
東は信楽山地等、西は西山や京阪奈丘陵等に挟まれ、宇治川・桂川・木津川の合流点を要に山城盆地が扇状に広がっています。河川を臨む地域を中心に市街地が発達し、背後の丘陵地や山地は、茶畑や竹林を含む緑豊かな地域を形成しています。
  全国的に有名な宇治茶や品質の高いタケノコの生産地、ナス・トマト・キュウリなど都市近郊野菜の生産地、各種研究開発施設が立地する関西文化学術研究都市、ものづくり企業の集積、多くの歴史的文化遺産、NPO等地域団体の活動を担う豊富な人材など、多種多様な特色があり、大きなポテンシャルを持っている地域です。

大福茶園(宇治田原町)

地域の資源をいかした「やましろ観光」の推進

   山城地域は、長岡京や恭仁京の都跡、平等院や石清水八幡宮、浄瑠璃寺、岩船寺など京都・奈良・大阪を結ぶ歴史文化軸に展開する豊富な歴史的文化遺産、淀川三川合流域や周辺を丘陵・山地に囲まれた豊かな自然など、数多くの観光資源、テーマ性のある地域資源に恵まれており、これらを活用した体験型観光や地域住民との交流型観光など観光客の新しいニーズに対応する広域的な着地型のニューツーリズムの事業化を推進します。
  そのため、市町村、観光協会、観光ボランティアガイド団体などの関係団体と広域的に連携する体制づくりを一層推進し、JR奈良線複線化や京都第二外環状道路などの整備促進も視野に入れたキャンペーン等の事業を積極的に展開します。

(京都府山城広域振興局:「明日の京都」山城地域振興計画より)

        

    勝龍寺城公園(長岡京市)          桓武天皇皇后陵(向日市)            観音寺の菜の花(京田辺市)

山城地域の歴史


平城京と平安京にはさまれた山城の国

山城地域の歴史を知り、現地へ足をのばしてみましょう

旧石器時代後期(25000年前):人の生活の痕跡発見

縄文時代(16000年前):集落の存在

例幣遺跡(木津川市)
森山遺跡(城陽市)(外部リンク)
縄文時代後期~古墳時代前期までの遺跡が発見されており、史跡公園として整備されています。
城陽市富野森山

弥生時代(3000~2500年前):農耕集落の誕生
初期:雲宮遺跡(長岡京市)(外部リンク)
中期:神足遺跡(長岡京市)(外部リンク)
竪穴住居で構成される2つの居住区を墓地で囲む環濠集落です。
長岡京市中心部
斉当坊遺跡(久御山町)(外部リンク)
南山城最大級の集落遺跡です。
久御山町市田新珠城
後期:天神山遺跡(京田辺市)(外部リンク)
逃げ城、砦のような機能を持つ高地性集落のひとつと考えられています。

古墳時代(3世紀前半):古墳の出現
芝ヶ原古墳(城陽市)(外部リンク)
貝の形を忠実に模した銅釧(装飾品)が出土しました。複製が山城郷土資料館に展示されています。
城陽市寺田大谷
古墳時代
(3世紀後半)1人の死者のために巨大な古墳を築き、豪華な副葬品とともに埋葬
椿井大塚山古墳(木津川市)(外部リンク)
最古であるとされる前方後円墳。竪穴式石室で内部からは卑弥呼の鏡といわれる「三角縁神獣鏡」を含む多数の副葬品が発掘されました。
木津川市山城町椿井三階・大平
久津川車塚古墳(城陽市)(外部リンク)
城陽市から宇治市にかけて約150基ある中での最大級のものです。
城陽市平川

飛鳥・奈良時代:仏教伝来による寺院の造営が始まる。都や都に関する施設が建造
高麗寺(木津川市)(外部リンク)
飛鳥時代に創建された国内最古の寺院跡のひとつです。
木津川市山城町上狛高麗寺・森ノ前
鋳銭司(木津川市)(外部リンク)
「和同開珎」を鋳造していたところ、現在の造幣局です。
木津川市加茂町銭司
恭仁京(木津川市)(外部リンク)
740年聖武天皇が、疫病や戦乱に見舞われ、社会不安を一新するために平城から離れて造られた都です。
木津川市加茂町例幣
長岡京(向日市)(外部リンク)
784年に桓武天皇が遷都した東西4.3km、南北5.2kmの条坊制の都でしたが、二度の洪水、早良親王の怨霊への不安からわずか10年で平安京へと遷されました。長岡京の解明に生涯をかけた中山修一氏の記念館が長岡京市にあります。
向日市、長岡京市、大山崎町、京都市
平安時代:末法思想の影響による寺院の造営
笠置寺(笠置町)(外部リンク)
南北朝時代、後醍醐天皇の行宮にもなりました。
笠置町笠置
海住山寺(木津川市)(外部リンク)
鎌倉時代に立てられた五重塔や木造四天王像等、国宝や重要文化財が数多く保存されています。
木津川市加茂町例幣海住山20
平等院(宇治市)(外部リンク)
藤原頼通が別荘を寺として改めました。極楽浄土を願う浄土信仰が流行した時期です。
宇治市宇治蓮華116
石清水八幡宮(八幡市)(外部リンク)
男山は都から見て裏鬼門にあたり、鬼門の比叡山延暦寺とともに都の守護、国家鎮守の社として信仰されています。
八幡市八幡高坊30

鎌倉時代:山野の開拓、用水利用が始まる。安全祈願のための石塔や石仏が造立
石造仏(木津川市)(外部リンク)
鎌倉時代後期から室町時代にかけて行き交う人々の道しるべとして多くの磨崖仏がつくられました。
木津川市加茂町当尾
高神社(井手町)(外部リンク)
711年に創建された神社で、鎌倉時代の獅子頭や町内の歴史がつづられた公文書が多く保管されています。
井手町大字多賀小字天王山1

室町時代:南北朝の動乱(元弘の乱)の戦場となる。山城国一揆発生
笠置山(笠置町)(外部リンク)
古くから修験道の山として知られています。
笠置町笠置
平等院(宇治市)(外部リンク)
1485年の山城国一揆での集会所のひとつになりました。
宇治市宇治蓮華116

安土桃山時代:天王山の戦いがおこる。
天王山(大山崎町)(外部リンク)
1582年羽柴(豊臣)秀吉と明智光秀の山崎の戦いで、秀吉に天王山がとられ勝敗が決まりました。秀吉による築城の跡が残っています。
大山崎町大山崎天王山
勝龍寺城(長岡京市)(外部リンク)
明智光秀の娘、ガラシャが城主の細川忠興に嫁ぎました。現在は公園になっています。
勝龍寺13-1

江戸時代:木津川の水運が活発になる。煎茶の栽培が始まる。
永谷宗円生家(宇治田原町)(外部リンク)
1731年、「煎茶」の技法を開発しました。
宇治田原町大字湯屋谷小字空広

【参考資料】

各観光協会、市町村、ボランティアガイドホームページ
ふるさとミュージアム山城(外部リンク)
JA京都やましろ(外部リンク)
公益財団法人長岡京市埋蔵文化財センター(外部リンク)
同志社大学歴史資料館(外部リンク)
五里ごり館(城陽市歴史民族資料館)(外部リンク)
公益財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センター(外部リンク)
向日市文化資料館(外部リンク)
中山修一記念館(外部リンク)
『やましろ歴史探訪』斎藤幸雄著
『「伝承」で歩く京都・奈良古都の歴史を訪ねて』本島進著