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株式会社京都義の(京都企業紹介)

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「加工食品にも京野菜。」報告発表会「続編」

収穫ロスを解決し、新材料ニーズに応える「1次加工シェアリング」

(掲載日:令和元年11月14日、聞き手・文:ものづくり振興課 丸山、足利)

白子筍写真野菜写真

株式会社京都義の(外部リンク)(京都市西京区大原野)の能瀬代表取締役にお話をおうかがいしました。

国内最高級筍「白子筍」を随一の規模で

--いつもお世話になっております。改めまして、御社の概要をお願いします。

能瀬) 筍農家であり、野菜卸業も営んでいます。会社設立は2012年ですが、創業は200年程前と伝わっています。3名体制のほか、専属の筍掘師が7名います。

--まずは、筍生産について教えてください。

能瀬) 京都乙訓地域で栽培される国内最高級筍「白子筍」等を生産しています。

--白子筍、と言うのですか?

能瀬) 光を当てずに、土の中だけで、まるで「箱入り娘」のように、大事に大事に育てます。ホワイトアスパラなどもそうだと思いますが、そうして日の光を避けることで、皮まで白く、実が柔らかく、えぐみのない筍になるのです。とは言いましても、育てた筍の1%だけが白子筍となるのです。

白子筍写真 白子筍写真

--そんな貴重というか、厳選されたものなのですね。しかも、皮まで白いとは!

能瀬) 大原野や乙訓地域の土壌は「テンコ」と呼ばれ、カルシウム、ミネラルなどの栄養素が豊富なので、真っ白で柔らかい筍と育てるのに適しているのです。

--テンコってどんな漢字を書くのですか?

能瀬) 実は辞書にないんですよ。私たちは昔から「テンコ」「テンコ」と言ってきたのですが、この地域だけの言葉なんでしょうかね(笑)例えば筍ご飯も、私たちは、酢飯にして食べたり、地域独自の食べ方が残っています。

--そうなのですね。

能瀬) 筍の収穫時期は春先に集中していますが、この地域では伝統的な「京都式軟式栽培」により、一年間を通して、藁敷き、土入れなどの手入れを行うことで、高品質な筍を育てています。平均的農家の竹林面積は600坪程度かと思いますが、当社は約9,000坪、年生産量は20tに及びます。

--京都随一の規模、ということですね。

能瀬) そうですね。

テンコの竹林

受け継がれる「春夏秋冬」

--すごいですね!それにしても、一年中作業があるのですね。

能瀬) はい。筍の生産は、ほぼ「林業」というか「土方作業」であり体力勝負です。使う道具はチェーンソーであったり、一輪車であったり、ユンボであったりですし。

竹林

--えー、ユンボもですか。

能瀬) 土の入れ替えをするのに使うのです。100年間、竹林をきれいに整えてきても、たった1年放置するとダメになります。そうした放置竹林を、元の姿に戻すのには10年かかります。成長の早い竹は春の間に一気に大きくなります。ある程度大きくなった親竹の成長をとめるために竹を揺らして穂先を1本1本折っていきます。その数は毎年何千本となります。そうすることで質の高い筍となります。

竹林

--えー、そんなに?! 大変ですね!

能瀬) 大変です(笑)。春の収穫時期は、栄養ドリンクと睡眠薬を併用しますよ。1か月間、毎日睡眠時間がほとんどとれないのですが、わずかでも寝ないと体力が持ちません。しかし、興奮して眠れないのです。だいたいその1か月間は、毎日肉を食べますね。肉を欲するのです。

--なんかむちゃむちゃワイルドな話じゃないですか!

能瀬) 過酷ですね(笑)。夏は毎日雑草との闘いです。農園義のでは全て人の手で大切に育てています。広い竹林を手作業で手入れするのはとても大変な作業ですが、安全安心の筍を提供するために、人の手でできることは私たちで行っています。

竹林

--そうなのですね。春、夏と聞きましたので、秋は?

能瀬) お米の収穫が終わると冬に備えて、藁を運び竹畑全体に広げ藁の絨毯を作ります。そうすることで、保湿、保温効果が得られ、栄養にもなります。

竹林

--そして、冬は?

能瀬) さきほど申しましたように、大原野特有のテンコを竹畑の斜面から削り、一輪車で1杯ずつ藁の上にかぶせます。秋から冬にかけて毎年新しい土をかけてやわらかい土壌をつくっています。このやわらかい粘土質の土壌が、筍をストレスなく、真っ白な極上の筍へと育てます。

竹林

--一年中大変ですね。

能瀬) だから、農家の高齢化に伴い手放されるところも出てきていますし、私は逆に放置竹林を借りて復活させたいくらいなのです。

「京野菜」の付加価値を更に!- 野菜卸事業

--素晴らしい。では次に、野菜卸についても教えてください。

能瀬) 白子筍等の取引を通じて知り合った百貨店等から、私の「農家との繋がり」を見込んで、「農家直送野菜を」との要請があり、2014年から始めています。契約している農家は府内で約70軒、府外も約10軒でして、主要取引先は京都や東京の高級百貨店やお総菜メーカー等です。

--そうなのですね。

能瀬) 今秋は、東急電鉄さんのソバ屋全11店舗で堀川ごぼうフェアを開催したり、取引先の食品メーカーさんが、全国百貨店20店舗で京野菜弁当を販売開始されたりしました。

--堀川ごぼうって、なかなか食べないですよね。

能瀬) 多分、うちが最もたくさん扱っていると思います。見た目、太いので、料理しにくいイメージかもしれませんが、どこを切っても、普通のごぼうと同じですよ。

堀川ごぼう

--そうなのですね。

能瀬) 高級感あるパッケージングで、京野菜という「付加価値」を活かすブランディングを行っており、ありがたいことに農家、取引先とも拡大しています。

「1次加工のシェアリング」

--そして、こうした野菜卸業を一歩進めた新たな取組に、今、チャレンジされようとしていますね。

能瀬) そうなんです。多くの野菜農家さんと取引をさせていただいていますが、農地では、品質は正常であっても形状が規格に合わないものは、そのまま現場に放置、廃棄されています。その量は、一般の野菜で2~3割、形状の規定が厳しい京野菜では3~4割ではないかと思います。

--そんなにあるのですね。

能瀬) そうしたは規格外品は、形状が規格に合わないだけで、品質はもちろん問題ないものです。ですので、これを加工用の原料に使えれば、と思うのです。

--私も以前からずっと、様々な食品メーカーから「京野菜を加工用に使いたい」という要請を受けてきましたが、そもそも京野菜の流通量が少ないこと、加工用よりそのままの形で流通させる方が高く取引されることなどから、なかなかかないませんでした。もしこれが実現できれば、画期的です。

能瀬) 最近は、流通途中で、規格に合わないとなったものを利用するケースは散見されるようになってきました。

--「食品ロス」は大きな社会課題ですしね。

能瀬) しかし、農地の現場段階のロス、「収穫ロス」を減らすには、大きな課題があります。まず1つは、それらの規格外品を洗浄したり、カット、乾燥したりする、いわゆる「1次加工」を施さないと、食品メーカーになかなか取り扱ってくれません。

--食品メーカー自身がしないのですか?なんなら、1次加工だけでなく2次加工もまとめて商品作ってくれればいいのではと思ったりしますが。

能瀬) 他社のために1次加工だけするということはなかなかないでしょうし、既存商品が流れていますから、割り込ますには、コストが合わないのでしょう。また、農家自身が行うということも考えられますが、大量に対応できる大きな洗浄機等がなかなかお持ちでないですし、むしろどんどんそうしたことからどんどん遠ざかってらっしゃる世の流れです。

--そうなのですね。

能瀬) そこで、1次加工をしてくださる企業を私も苦労して探しまして、他府県でようやく見つけました。もちろんこれでは運搬費の問題でビジネスになりません。もう1つの課題は、回収等のコストです。

--そうですよね。誰もが規格外品を使えれば、と思ってきたかもしれませんが、誰も実現し得なかったのは、こうした課題を克服できなかったからでしょうね。しかし、御社は・・・

能瀬) こうなったら、私がしようと。うちも筍をたくさん作ってますが、先ほど申しましたように、筍は一瞬で成長しますから、どうしても収穫しきれないものも、大量に生まれますし、そうしたものの利用も考えたいと思っていたので。

--なるほど。

能瀬) 具体的には、1次加工の施設・設備を整備し、自社で使う、あるいは農家さんにシェアするということを考えています。昨年から京都府さん、(公財)京都産業21さんにお世話になって、コストなども含めて綿密に調査、検討してまいりまして、事業化を決めました。施設は来年の夏に完成を目指しています。

--「1次加工施設のシェアリング」ですね。素晴らしい。

能瀬) これにより、規格外京野菜等を加工用に提供し、新しい、加工用の「京新食材」を生んでいきたいと思います。九条ねぎ、伏見とうがらし、水菜、壬生菜、京菜の花、聖護院かぶ、聖護院大根、堀川ごぼう、金時にんじん、筍、賀茂茄子、千両茄子、万願寺とうがらし、丹波黒枝豆フルーツトマト、たまねぎ、ねばオクラ、トウモロコシ、砂丘甘藷、京紅(金時と西洋人参のミックス)、うすいえんどう豆、キャベツ、ほうれん草、小松菜などなど、すでに農家さんとは話ができています。

--食品メーカーの長年の課題が解決されそうですね。

能瀬) 農業の「収穫ロス」問題、食品製造業の「新素材」確保、そして当社自身の「競争力」向上、まさに三方よしの仕組みになればいいなと思います。

能瀬社長

 

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商工労働観光部ものづくり振興課

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