特集1未来をつくる声、今ここから。
「京都府子ども議会」の現場を取材しました
子どもたちが議員となり、自分たちのまちについて真剣に語り合う「子ども議会」。京都府では、子どもたちの視点を政策に生かすため、2年に1回この議会を開催しています。今年も府内各地から小学生が参加し、通学や福祉、環境などについて、活発な意見が交わされました。その様子をレポートします。

議場での発表をレポート!
伝えたい思いが、議場に響いた。
子ども議会が行われるのは、京都府議会の本会議場。子ども議員の皆さんがグループごとに演壇に立ち、みんなで話し合って考えた提案内容を一人ずつ前に出て堂々と発表しました。手描きのフリップからも熱い思いが伝わります。
各グループからの質問に対し、知事をはじめ府議会議長、府警本部長、府教育長が真剣に答弁。傍聴席で熱心に耳を傾けていた府議会議員からは、「子どもたちの提案から新たな気付きをもらった」との声も聞かれました。

子ども議会ってどんなことをするの?
府内の小学5・6年生から公募で選ばれた子ども議員の皆さんが、身近な課題を持ち寄って話し合うワークショップに参加し、グループごとに意見をまとめます。
京都府子ども議会の本会議では、子どもたちの中から選出された議長、副議長の進行のもと、子ども議員たちがグループごとに登壇して提案発表・質疑応答を行います。

子ども議員の各グループから
こんな意見・提案がありました
提案1
“京都府北部フレンドキッズ児童館”をつくろう!
- 府北部の少子高齢化を食い止めるために、子どもが府北部での働き方や、伝統文化・産業を体験したり、遊んだり、運動したりできる施設をつくろう。

提案2
みんなに心と体の健康を! 〜安全で楽しいまちづくりを通して〜
- 不登校の子どもが、人と関わりながら運動や制作などを楽しめる施設をつくろう。
- 小学生に「歩行者安全免許」を発行。交通ルールを守って交通事故を防ごう。

提案3
マナーと自由で明るい京都の公園にしよう!
- 学校の授業で公園の魅力を伝え、自発的に美化に取り組む人を増やそう。
- ボール遊びなど用途別にエリア分けをし、安全に配慮した公園をつくろう。

提案4
「みんなでごみゼロ!自然100%」をめざそう!
- ゲームを活用した森林学習や苗の栽培体験で自然の大切さを知る機会を増やそう。
- 生ごみの堆肥化など家庭でできる地球温暖化対策を条例に。

提案5
京都の伝統の未来 〜見て、深めて、楽しんでおくれやす京都〜
- スタンプラリーや謎解きイベント、学校と地域が連携した職人体験会など、楽しく伝統文化の魅力を学べる機会づくりで、伝統文化・伝統産業の未来を守ろう。

提案6
京都府全体に観光客を呼び込もう!
- SNSを使った府内の穴場観光地の魅力発信、写真を使ったビンゴで地域を巡る工夫、目的地まで複数の道筋を提案するアプリの活用など、府全域に観光客を分散させる仕組みをつくろう。

提案7
災害に強く、防犯意識の高いまち、京都へ
- 子どもから大人まで参加できる体験型防災教室を定期的に開催しよう。
- AIの防犯カメラの設置と防犯メールを生かした安心・安全な地域づくりを。

提案8
笑顔と希望があふれる社会にするために
- 「子育て幸せ実際体験」というゲームアプリで子育てへの関心向上を。
- 障害のある人や高齢者などの立場を体験するイベント開催で互いを尊重し合う機会を。

子ども議員の皆さんに知事がインタビュー
みんなで考えた経験を力に。
今回、参加した子ども議員の皆さんに、事前のワークショップや議会での発言を通じてどんなことを感じたり、考えたりしたかについて、インタビューしてみました。

子ども議長・副議長に聞きました
みんなで一生懸命考えて、自信を持って発表しました
子ども議員として府議会で自分の意見を話せる機会は他にないと思って参加しました。班発表では、事前に皆で考えたことをきちんと発表できたので自信が付きました。本会議中は議長として話す速さや声の大きさ、座っているときの姿勢に気を付けました。

ミルン小春さん 5年生
人前で自信を持って話せるようになりたくて参加しました。本会議中は副議長として、質問者や答弁者のお名前を間違えないように気を付けました。班発表ではみんなで知恵を出し合って考えたからこそ、自信を持って発表することができました。

板谷花奏さん 5年生
学校の社会科で、政治や議会の仕組みを学んだのをきっかけに参加しました。本会議中は、議長として同時に多くのことに気を配らなくてはならず、とても大変でした。班活動ではみんなで積極的な話し合いができて、とても楽しかったです。

酒井杜喜子さん 6年生
副議長として緊張感の中でも、姿勢や振る舞いに気を付けました。班発表はみんなで作ったフリップや発表の方法が本格的でやりがいがありました。大人の議員さんが、意見を出し合う現場で自分も同じ経験ができ、とてもうれしかったです。

田邉東子さん 6年生
傍聴した保護者の声
家族の前で何度も練習した通り、本番の議場でハキハキと発言する様子に成長を感じました。みんなで身近な社会課題について調べて考えて、今日の日に臨んでいることが一人ひとりの様子から伝わってきましたし、子どもたちの質問や提案に知事や議長が真剣に向き合っておられたことも印象に残っています。

学校で頂いた子ども議会の案内を見て自発的に「やってみたい」というので参加しました。事前ワークショップでの課題にも積極的に取り組み、グループのテーマ「公園」について親子で利用状況を見に行ってみたことも。本番の議場での様子には、普段は見せない頼もしさを感じました。とてもいい経験になったと思います。

子どもたちの声が、まちを動かす。
これまでの子ども議会での意見を、京都府が具体的な施策として採り入れている例がたくさんあります。ここでは、その一例をご紹介します。

提案
子どもの勉強や生活に役立つことを教えてくれた人に感謝の気持ちを込めて、知事の座右の銘「雲外蒼天」からイメージした「青空賞」という名前の表彰状を渡してはどうでしょうか。
実現
本提案を受け、青少年の健全な育成に多大な貢献のあった個人や団体を表彰する賞を「青空賞」と改称しました。

提案
イベントや防災訓練を実施するときには、地域でリーダーとなる人が必要です。地域の団結力が高まり、信頼関係が深まるよう、地域の防災リーダーを育ててはどうでしょうか。
実現
防災士資格の取得に必要となる研修を実施するとともに、市町村と連携して防災士の活躍を促進しています。
消防団の加入促進や活動支援、強化を通じて地域防災力の向上を図る取り組みを実施しています。

提案
観光客を分散させるために、観光バスやスタンプラリーで誘導したり、観光地までのさまざまな行き方を紹介してはどうでしょうか。また、府内各地に電車などで行ける道の駅のような施設を作れば、観光客の分散だけでなく、府民も京都観光を楽しめると思います。
実現
「もうひとつの京都」「とっておきの京都」の観光スポットを公共交通機関を使って周遊する「京都名所周遊交通デジタルスタンプラリー」を実施しました。
京都市内の一部に集中する観光客の「場所の分散化」に向け、府市連携で進める周遊観光を「まるっと京都」と名付け、周遊ツアーの造成や各エリアの魅力を発信しています。

提案
伝統産業における工芸品づくり体験を通して、日本の文化を形成する上で重要となってきた京都の高い技術力を身近に感じ、興味を持ってもらいたいです。
実現
京都の伝統産業を体験できるプログラムを紹介する冊子を多言語(英語、中国語、韓国語)で作成し、学校関係機関や旅行会社などに向けてPRを実施するほか、外国人観光客向けにウェブサイトでも多言語で情報を発信しています。

提案
京都には素晴らしい農業がたくさんあるので、例えば、京野菜を育てて食べるまでをセットにすれば観光客の興味を引くと思います。
実現
地域の拠点となる農林水産物直売所や道の駅を「食の京都TABLE」に選定。地域の食材を生かした商品の磨き上げや観光情報と併せたPRなど「食の京都」の魅力向上・情報発信に取り組み、「食」を目的とした観光誘客を促進します。

京都のこれからを皆さんと共に
次代を担う子ども議員の皆さんの、真剣な思いや堂々とした発言に頼もしさを感じました。子ども議会での活動や経験をきっかけに、京都府議会の役割や仕事にも興味を持っていただくことが狙いであります。皆さんの住む地域や京都府のこれからについて、一緒に考えていきましょう。

京都府議会議長 荒巻隆三
京都府の未来を担う主役たちに期待
子ども議員の皆さんが、一生懸命考えていただいたご意見の数々、確かに受け止めました。府として真剣に検討し、実際の施策に積極的に取り入れさせていただきます。これからも社会の課題に関心を持ち、解決に向けて主体的に行動し、京都府の未来を担う主役になっていただけることに、期待しています。

京都府知事 西脇 隆俊
本会議の動画も配信中
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家庭・青少年支援課
TEL:075-414-5598 FAX:075-414-4792
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おことわり
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