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免疫について

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(令和3年3月1日更新、ものづくり振興課 足利)

「新型コロナウイルス感染症対策技術結集事業」でもよく登場する免疫、ワクチン、治療薬、検査について、超簡単にまとめてみました。

抗原と免疫

私たちの身体を構成するものとは異なる「異物」なタンパク質等が「抗原」であり、細菌やウイルスはその表面や内部に抗原を持っています。

この抗原から身を守る仕組み「免疫」のうち「細胞性免疫(細胞内の抗原への対処)」では、(1)マクロファージ(白血球)などの貪食細胞が取り込んで(貪食作用)分解(破壊)します、あるいは、(2)樹状細胞(皮膚・肺等)が抗原を提示し、キラーT細胞(白血球)が当該細胞ごと分解(破壊)します。

一方、「体液性免疫(細胞外の抗原への対処)」では、(3)ヘルパーT細胞がB細胞(白血球)を活性化し、その表面の受容体が分離し抗体となって、抗原に接合して不活性化します。

なお、(2)(3)ではサイトカインと総称されるタンパク質が情報伝達を担っており、異常を知らせるための発熱等を伴うことがあり、これが行き過ぎた状態がサイトカインストームです。

ワクチン

以上の免疫の仕組みを利用するのが「ワクチン」で、(1)抗原の病原性を薄めた「生ワクチン」、(2)死滅させた抗原の成分を用いる「不活化ワクチン」、(3)抗原ではなくウイルス表面のスパイクタンパク質を生成させるものなどがあり、「mRNAワクチン」は、RNAのうちスパイクタンパク質を生成する部分に該当するmRNA(メッセンジャーRNA)を、人の細胞に融合させることで、当該細胞の表面にウイルスと同じスパイクタンパク質を生成。それによって、抗体を生成することで、ウイルスの侵入時に備えるものです。

増殖と治療薬

細菌は細胞の外で増殖しますが、ウイルスは細胞の中に入り込み増殖します。ウイルスはDNAまたはRNAを持っていても、核を持っておらずタンパク質合成力がないので、細胞の核を用いてタンパク質を合成するのです。

このウイルスの増殖を抑えるのが「治療薬」で、ウイルスの遺伝子に直接作用するものや、DNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼ(転写因子と結合し遺伝子複製を作動させる酵素)を阻害するものなど、様々です。

遺伝子検査・抗原検査・抗体検査

現在感染しているかどうかを判別する方法のうち、(1)「遺伝子検査」として、唾液や鼻咽頭拭い液から、DNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼを用いて遺伝子を複製させ、通常では少な過ぎて検出できないウイルスの遺伝子を見つけるPCR検査法などがあり、精度は比較的高いです。また、(2)「抗原検査」は、唾液や鼻咽頭拭い液から抗体に接合するかどうかを判別するもので、直接抗原の有無を判別する方法です。短時間で結果が出ますが、精度はあまり高くありません。

また、過去に感染していたかを判別する方法として、(3)「抗体検査」は、血液を用いて、抗原に接合するかどうかを判別するものです。

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商工労働観光部産業振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

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