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和束町に移住し、地域の魅力発信に取り組む山本達也さん(和束町)
移住したきっかけを教えてください。
京都市右京区鳴滝で生まれてから10回目の引っ越しで和束に来たんですけど、ここに来る前は滋賀県の大津市膳所に住んでいました。膳所に住んでいるときは、京都の河原町と滋賀県の草津で音楽教室をやってました。音楽教室を13年続けている中でコロナ禍になり終盤には英会話教室やおばんざい屋もやっていたんですけど、コロナ禍の影響には勝てず全ての事業を終了しました。そしてあまりにも疲れ切ってしまって、住まいも事業も全てリセットして誰も知らない田舎でのんびり暮らしたいということでいろいろ探したんです。
木津川市に友達がいてそちらでも探したんですが希望する田舎の風情と言うよりもどちらかというと新興住宅街がもういっぱい建っていて牧歌的な風景があまりなかったんです。一緒に木津川市の探索にも付き合っていただいた不動産会社の人に聞いたら、和束を勧められたという経過です。
最初は一般に出ている物件が無いと不動産会社の人から連絡があったんですが、ネットで和束町を調べている中で空き家バンクでいくつかの物件がある事を知り、そのうちの2件を見学したうちの1件がここです。あの時に不動産会社さんが「和束町はどう?」って言わなければ住んでいなかったかもしれないです。
現在の仕事や生活について教えてください。
人が集まるスペースにしたいという希望で大きな家を探していました。2021年10月に家を購入して翌年5月に「和奏(わかな)ハウス」と命名しました。和奏ハウスっていうのは、和を奏でるで”わかな”ですよね。相楽郡和束町なので「相い楽しく和を束ねる町で和を奏でる」ココロとカラダがヨロコブ居場所を作りたくて、この家はその希望を叶えてくれました。
その中で色々な人と交流がありました。私は移住者としてこの町のこととか全く知らずに来たんですけど、和束町の方々と話してるとだんだん色んなことが見えてきました。2023年3月1日に一般社団法人和束ひと・まちコンソーシアムを立ち上げる準備で登記のことですとか、定款決めるとかをしている最中に町会議員にならないかという話をいただきました。
その後、町の多くの方々にご支援をいただき選挙で当選させていただいたこともあり、この2年間は社団法人の活動は全くできていませんでしたが、今年からようやくちょっと動き出すかなっていう感じでいろいろ計画を立てているところです。
日頃の生活としては、趣味が料理なんで、日々自称創作料理を作って楽しんでます。
和奏ハウスに色んな方が集まるんで、その時ちょっとご飯食べるか、とか。
そのコミュニケーションの中で町や人の色々なことを聞いたりとか、「もうちょっとこの町、こんなことやった方がええんちゃうの」とかアドバイスを受けたりしています。
地域の魅力について、お聞かせください。
家を見に来たときに初めて和束の中を和束町活性化センターの移住定住担当の方に案内してもらったんですけど、やっぱり衝撃的だったのは茶畑の綺麗なことですね。
ちょうど5月のよく晴れた日に来ましたので、まずお茶畑がとんでもなく綺麗で、自然の風景と空の透明感が素晴らしく、川の水も光り輝いてる、そして空気がうまい。
もうそれだけで十分でしたね、和束って。
移住に際して、行政等の支援で役立ったことをお聞かせください。
空き家改修の補助金を、部屋や玄関の床の張り替えや壁紙の張り替え等に活用させていただきました。玄関入ってすぐの床は雨漏りの跡があり、上がり小口の板がベコベコになっていたっていうのもあって、全部剥がして新しい床にしました。また客間と茶の間の畳も痛んでいたこともあり剥がして断熱を施しフローリングにしました。
また前住居者のお子さんかお孫さんと思いますが、壁やガラス戸にシールや落書きが山のようにあったので、壁紙の張り直しやガラスのはめ替えをしました。
移住して感じた、移住前の想像と違ったところ(ギャップ)をお聞かせください。
良いギャップしかないと思っていて、もっと移住者っていうのはどちらかというと敬遠されるというか、嫌がられるわけじゃないけど、遠目に見られてるようなイメージはあったんです。でもここに移住して来たら全くなかったです。
私は昭和の町内の雰囲気が好きで、調味料がなかったら隣の家に借りにいくみたいなそういう空気感がまだあるんですよ。だから近所の方が作った野菜持ってきてくださったら、たまにですけど料理してお返ししたりすることがあります。
そういった交流はしていますが、一番感動したのは引っ越し前で荷物もまだ来てない時に自分の細かい荷物を車で運んで来た時の事でした。ちょっと疲れてぶらぶら歩いたんですよ。そしたら小学校の男の子が1人で帰ってくる際のすれ違いざまに、向こうから「こんにちは!」って言ってくるんですよ。知らない人にきちんと挨拶ができるその子にすごく感動しました。
その2週間後ぐらいに同じようなシーンがあって、その時は二十歳ぐらいの男性2人連れが歩いてきたんですよ。やっぱりこっちを向いて「こんにちは」って言うんですね。「子どもはわかるけど、こんな大きい男性までちゃんと挨拶できるのか」って本当に感動しました。そういった町の空気感がなんかすごくいいなって思いました。
これから移住を考える方へ、先輩移住者としてのアドバイスをお願いします。
とにかく端的に言うとちゃんとしてほしい。誰かが移住者のイメージを悪くすると、その後の移住者の受け入れにすごく支障になるっていうのがよくわかります。和束町活性化センターから空き家バンクというルートで移住者の人が入ってきますが、最近は、普通の不動産会社経由で入ってくる人が多くて、「何処に誰が来たのか」全くつかめないんですよ。その移住者に声をかけることも相談窓口の「移住者の会」がある事も伝えられない。
和束町活性化センターを通じて移住される場合はこの町の雰囲気や習慣などを和束町活性化センターの人と話し合いの中で知りながら物件を詰めていくことができます。また和束町活性化センターと移住者の会が開催している交流の場へ繋いでいただけます。
例えばこの町も古い町なので地区ごとに風習やしきたり、ルールが異なっている場合があるのでそれを予めインプットできるんです。和束町活性化センターを通さないで移住してきた場合は、「嘘、こんなことがあるの!?」みたいなことになる可能性があると思います。せっかく移住してきたのに地域とうまく折合わなくて出て行かれる、なんていうことがあると移住者の評判も落ちるし人口も減ってしまいます。なので、できるだけ和束町活性化センターの移住担当の方を通して、空き家バンクに登録している物件を選んでほしいと思います。空き家バンク登録物件購入時には空き家改修の補助金が支給されるメリットもあるので。
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